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[インデックス 10133] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリである html パッケージ内のテストファイル token_test.go における、t.Errorf の引数の修正に関するものです。具体的には、エラーメッセージの出力内容が、期待される EOF (End Of File) と実際に得られたトークンの文字列ではなく、実際に得られたエラーオブジェクトの文字列になるように変更されています。

コミット

このコミットは、Go言語の html パッケージのテストコードにおける軽微な修正です。テストが期待する EOF に到達しなかった場合に表示されるエラーメッセージのフォーマットを改善しています。

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/785baa86f12f9f9a2746f66e59bae7c4cf032424

元コミット内容

commit 785baa86f12f9f9a2746f66e59bae7c4cf032424
Author: Russ Cox <rsc@golang.org>
Date:   Thu Oct 27 18:04:29 2011 -0700

    html: fix print argument in test
    
    R=nigeltao
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5302069

変更の背景

この変更は、html パッケージのトークナイザー(字句解析器)のテスト token_test.go において、テストが期待される EOF に到達しなかった場合のエラー報告をより正確にするために行われました。

元のコードでは、z.Error() != os.EOF という条件が真になった場合、つまり EOF 以外のエラーが発生した場合に、z.Token().String() をエラーメッセージに含めていました。しかし、この状況では z.Token() は有効なトークンを返さない可能性があり、z.Error() が返す実際のエラー情報の方がデバッグに役立つと考えられます。

この修正は、テストの出力がより意味のあるものになり、問題の特定が容易になることを目的としています。特に、EOF 以外のエラーが発生した際に、そのエラー自体を明確に表示することで、テストの失敗原因を迅速に把握できるようになります。

前提知識の解説

Go言語

Go(Golang)は、Googleによって開発されたオープンソースのプログラミング言語です。静的型付け、コンパイル型言語でありながら、動的型付け言語のような簡潔な構文を持ち、並行処理を強力にサポートしています。システムプログラミング、Webサービス、ネットワークプログラミングなどで広く利用されています。

Goのテストフレームワーク

Goには標準でテストフレームワークが組み込まれており、testing パッケージを使用します。テストファイルは通常、テスト対象のファイルと同じディレクトリに _test.go というサフィックスを付けて配置されます。

  • testing.T: テスト関数に渡される構造体で、テストの実行状態や結果を報告するためのメソッド(例: Error, Errorf, Fail, Log など)を提供します。
  • t.Errorf(format string, args ...interface{}): テストを失敗としてマークし、指定されたフォーマット文字列と引数を使用してエラーメッセージを出力します。テストの実行は継続されます。

html パッケージ

Goの標準ライブラリ html パッケージは、HTML5の字句解析(トークナイザー)と構文解析(パーサー)を提供します。ウェブスクレイピング、HTMLコンテンツの処理、HTMLテンプレートエンジンの実装などに利用されます。

  • トークナイザー: HTMLのソースコードを、タグ、属性、テキストなどの意味のある最小単位(トークン)に分解する役割を担います。
  • z.Next(): トークナイザーのメソッドで、次のトークンを読み込みます。
  • z.Error(): トークナイザーのメソッドで、最後に発生したエラーを返します。ストリームの終端に達した場合は os.EOF を返します。
  • z.Token(): トークナイザーのメソッドで、現在処理中のトークンを返します。

os.EOF

os.EOF は、Goの os パッケージで定義されているエラー変数で、入力ストリームの終端(End Of File)に達したことを示します。多くのI/O操作で、これ以上読み込むデータがない場合に返されます。

技術的詳細

このコミットは、src/pkg/html/token_test.go ファイル内の TestTokenizer 関数(またはそれに類するテスト関数)の一部を修正しています。

元のコードは以下のようになっていました。

		if z.Error() != os.EOF {
			t.Errorf("%s: want EOF got %q", tt.desc, z.Token().String())
		}

このコードは、トークナイザー zos.EOF 以外のエラーを返した場合に、テストを失敗としてマークし、エラーメッセージを出力します。エラーメッセージは、テストケースの記述 (tt.desc) と、z.Token().String() の結果を含んでいました。

しかし、z.Error() != os.EOF が真であるということは、z.Error() が何らかの実際のエラーオブジェクトを返していることを意味します。この状況で z.Token() を呼び出すと、トークナイザーが有効なトークンを生成できていない可能性が高く、z.Token().String() が空文字列や意味のない文字列を返す可能性があります。

修正後のコードは以下のようになっています。

		if z.Error() != os.EOF {
			t.Errorf("%s: want EOF got %q", tt.desc, z.Error())
		}

この変更により、エラーメッセージには z.Error() が返す実際のエラーオブジェクトが直接含まれるようになりました。これにより、EOF 以外のエラーが発生した場合に、そのエラーの種類や詳細が明確に表示され、デバッグが容易になります。例えば、ファイル読み込みエラーや不正なHTML構造によるパースエラーなど、具体的なエラー内容が t.Errorf の出力に現れるようになります。

これは、テストの診断能力を向上させるための、小さくも重要な改善です。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/pkg/html/token_test.go
+++ b/src/pkg/html/token_test.go
@@ -439,7 +439,7 @@ loop:
 		}
 		z.Next()
 		if z.Error() != os.EOF {
-			t.Errorf("%s: want EOF got %q", tt.desc, z.Token().String())
+			t.Errorf("%s: want EOF got %q", tt.desc, z.Error())
 		}
 	}
 }

コアとなるコードの解説

変更は src/pkg/html/token_test.go ファイルの441行目で行われています。

  • - t.Errorf("%s: want EOF got %q", tt.desc, z.Token().String()): 変更前の行です。t.Errorf の第3引数に z.Token().String() が渡されています。これは、トークナイザーが返した現在のトークンの文字列表現をエラーメッセージに含めようとしています。しかし、z.Error() != os.EOF の条件が真である場合、つまり EOF 以外のエラーが発生している状況では、z.Token() が有効なトークンを返さない可能性が高く、この値はデバッグに役立たない可能性があります。
  • + t.Errorf("%s: want EOF got %q", tt.desc, z.Error()): 変更後の行です。t.Errorf の第3引数に z.Error() が直接渡されています。これにより、os.EOF 以外の実際のエラーオブジェクトがそのままエラーメッセージに埋め込まれます。例えば、io.ErrUnexpectedEOF や、より具体的なパースエラーなどが z.Error() から返される場合、それらの情報がテストの出力に直接表示されるため、問題の原因をより正確に特定できるようになります。

この修正は、テストが失敗した際に提供される診断情報の質を向上させることを目的としています。

関連リンク

参考にした情報源リンク

(注: golang.org/cl/5302069 のリンクは、現在のGoのCLシステムでは見つかりませんでした。これは、古いCL番号であるか、システム変更によりアクセスできなくなった可能性があります。)I have generated the detailed technical explanation of the commit as requested, following all your instructions and the specified chapter structure. I have also noted that the provided CL link was not found.

Please let me know if you need any further assistance or modifications to the explanation.