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[インデックス 10244] ファイルの概要

コミット

  • コミットハッシュ: 0865c57f252f8c192526833b9de07446477b19f1
  • Author: Brad Fitzpatrick bradfitz@golang.org
  • Date: Thu Nov 3 20:37:02 2011 -0700

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/0865c57f252f8c192526833b9de07446477b19f1

元コミット内容

http: doc nits

Remove the last two "convenience" mentions.

R=golang-dev, r
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5344041

変更の背景

このコミットは、Go言語の標準ライブラリであるnet/httpパッケージのドキュメントから、「convenience (便宜的、便利な)」という言葉の言及を削除することを目的としています。コミットメッセージにある「doc nits」は、ドキュメントの些細な修正や改善を意味します。

背景としては、Go言語のドキュメントでは、APIの振る舞いを正確かつ簡潔に記述することが重視されます。特に、特定の関数やメソッドが「便利」であると記述することは、その機能の本質的な役割を曖昧にする可能性や、誤解を招く可能性があったと考えられます。例えば、「便利」という表現は、その機能が単なるラッパーであることや、より低レベルなAPIの単純化版であることを示唆するかもしれませんが、それが常に明確であるとは限りません。

この変更は、net/httpパッケージのAPIドキュメントの記述をより厳密にし、機能の役割をより直接的に表現することで、開発者がAPIの意図を正確に理解できるようにするための品質向上の一環と見られます。特に、Get関数やHeader.Getメソッドのような基本的なAPIにおいて、その説明の正確性は非常に重要です。

前提知識の解説

Go言語のnet/httpパッケージ

net/httpパッケージは、Go言語でHTTPクライアントおよびサーバーを実装するための標準ライブラリです。ウェブアプリケーションの構築や、HTTPリクエストの送信など、ネットワーク通信の多くの側面を扱います。

  • http.Client: HTTPリクエストを送信するためのクライアントを表す構造体です。通常、http.DefaultClientがデフォルトのクライアントとして提供されます。
  • http.Get(url string): 指定されたURLにGETリクエストを送信し、レスポンスを返す関数です。これは通常、http.DefaultClient.Get(url)のラッパーとして機能します。
  • http.Response: HTTPレスポンスを表す構造体です。
  • http.Header: HTTPヘッダーを表すマップ型の構造体です。キーはヘッダー名(例: "Content-Type")、値は文字列のスライスです。
  • Header.Set(key, value string): 指定されたキーのヘッダー値を設定します。
  • Header.Get(key string): 指定されたキーに関連付けられた最初のヘッダー値を取得します。キーに関連付けられた値がない場合は空文字列を返します。
  • textproto.MIMEHeader: net/textprotoパッケージで定義されているMIMEヘッダーを表す型です。http.Headerは内部的にこれを利用しています。
  • CanonicalHeaderKey: HTTPヘッダーのキーを正規化するための関数です。HTTPヘッダー名は通常、大文字・小文字を区別しないため、内部的には正規化された形式で扱われます。

「Convenience wrapper/method」とは

プログラミングにおいて「convenience wrapper」や「convenience method」という言葉は、既存のより複雑な機能や低レベルなAPIを、より使いやすく、簡潔な形で提供するために作られた関数やメソッドを指します。

例えば、あるライブラリにdoSomethingComplex(param1, param2, param3, param4)という関数があったとして、param3param4が特定の状況で常に同じ値になる場合、doSomethingSimple(param1, param2)という「convenience method」を提供し、内部でdoSomethingComplex(param1, param2, defaultValue3, defaultValue4)を呼び出す、といった使われ方をします。

このコミットでは、このような「便利さ」を強調する表現が、APIの正確な役割を伝える上で不適切であると判断されたと考えられます。特に、http.GetDefaultClient.Getの単なるラッパーであることや、Header.Getが内部マップへの直接アクセスを簡略化したものであることを示す際に、「convenience」という言葉が使われていましたが、これをより直接的な表現に置き換えることで、ドキュメントの明確性を高めています。

技術的詳細

このコミットは、src/pkg/net/http/client.gosrc/pkg/net/http/header.goの2つのファイルに対して、ドキュメントコメントの修正を行っています。具体的には、両ファイルから「convenience」という単語を含む記述を削除し、より直接的で正確な表現に置き換えています。

src/pkg/net/http/client.goの変更

http.Get関数のドキュメントコメントが修正されています。 変更前: Get is a convenience wrapper around DefaultClient.Get. 変更後: Get is a wrapper around DefaultClient.Get. 「convenience」という単語が削除され、単に「wrapper (ラッパー)」であると記述されています。これにより、http.GetDefaultClient.Getを呼び出すだけの機能であることを明確に伝えています。これは、http.Getが特別な「便利さ」を提供するのではなく、単にDefaultClientを介したGETリクエストの実行を簡潔に記述するための手段であることを示唆しています。

src/pkg/net/http/header.goの変更

Header.Getメソッドのドキュメントコメントが修正されています。 変更前:

// Get is a convenience method. For more complex queries,
// access the map directly.

変更後:

// To access multiple values of a key, access the map directly
// with CanonicalHeaderKey.

ここでも「convenience method」という表現が削除されています。代わりに、Header.Getが単一の値を返すのに対し、複数の値にアクセスしたい場合はCanonicalHeaderKeyを使ってマップに直接アクセスすべきであるという、より具体的な指示が追加されています。これは、Header.Getが単一の値を取得する一般的なケースをカバーする一方で、より高度な操作には直接マップにアクセスする必要があることを明確にしています。また、CanonicalHeaderKeyの使用を促すことで、ヘッダーキーの正規化の重要性も暗に示しています。

これらの変更は、Go言語のドキュメントが、APIの機能と使用方法を正確かつ簡潔に伝えることを重視している姿勢を反映しています。冗長な表現や曖昧な表現を避け、開発者がコードの意図を誤解なく理解できるようにするための細かな改善です。

コアとなるコードの変更箇所

diff --git a/src/pkg/net/http/client.go b/src/pkg/net/http/client.go
index 503cc897a1..17b4adc17e 100644
--- a/src/pkg/net/http/client.go
+++ b/src/pkg/net/http/client.go
@@ -143,7 +143,7 @@ func shouldRedirect(statusCode int) bool {
 //
 // Caller should close r.Body when done reading from it.
 //
-// Get is a convenience wrapper around DefaultClient.Get.
+// Get is a wrapper around DefaultClient.Get.
 func Get(url string) (r *Response, err error) {
 	return DefaultClient.Get(url)
 }
diff --git a/src/pkg/net/http/header.go b/src/pkg/net/http/header.go
index 6be6016641..b107c312da 100644
--- a/src/pkg/net/http/header.go
+++ b/src/pkg/net/http/header.go
@@ -30,8 +30,8 @@ func (h Header) Set(key, value string) {
 
 // Get gets the first value associated with the given key.
 // If there are no values associated with the key, Get returns "".
-// Get is a convenience method. For more complex queries,
-// access the map directly.
+// To access multiple values of a key, access the map directly
+// with CanonicalHeaderKey.
 func (h Header) Get(key string) string {
 	return textproto.MIMEHeader(h).Get(key)
 }

コアとなるコードの解説

src/pkg/net/http/client.go の変更点

このファイルでは、http.Get関数のドキュメントコメントが変更されています。

// Get is a wrapper around DefaultClient.Get.

変更前は「convenience wrapper」と記述されていましたが、「convenience」という形容詞が削除され、単に「wrapper」となりました。これは、http.Gethttp.DefaultClient.Getを呼び出すだけのシンプルなラッパー関数であることを、より直接的かつ客観的に表現しています。これにより、開発者はhttp.Getが特別な機能を提供するわけではなく、単にデフォルトのHTTPクライアントを使ってGETリクエストを行うための簡潔な記述方法であることを明確に理解できます。

src/pkg/net/http/header.go の変更点

このファイルでは、Header.Getメソッドのドキュメントコメントが変更されています。

// To access multiple values of a key, access the map directly
// with CanonicalHeaderKey.

変更前は「Get is a convenience method. For more complex queries, access the map directly.」と記述されていました。 変更後は、「convenience method」という表現が削除され、Header.Getが単一のヘッダー値を取得するものであること、そして複数の値にアクセスしたい場合には、CanonicalHeaderKeyを使用して内部のマップに直接アクセスすべきであるという、より具体的なガイダンスが提供されています。

この変更は、以下の点を明確にしています。

  1. Header.Getは、ヘッダーに複数の値が設定されている場合でも、最初の値しか返さないというその振る舞いを暗に示しています。
  2. 複数のヘッダー値にアクセスする必要がある、より高度なシナリオでは、開発者がHeader構造体の内部マップに直接アクセスする必要があることを明示しています。
  3. その際に、ヘッダーキーの正規化のためにCanonicalHeaderKeyを使用することを推奨しています。これは、HTTPヘッダー名が大文字・小文字を区別しないため、正しいキーでマップにアクセスするために重要です。

これらの変更は、Go言語のドキュメントが、APIの機能と適切な使用方法を、より正確かつ詳細に伝えることを重視していることを示しています。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • (今回のコミット解説生成において、追加のWeb検索は行っていません。提供されたコミット情報とGo言語の一般的な知識に基づいて解説を生成しました。)# [インデックス 10244] ファイルの概要

コミット

  • コミットハッシュ: 0865c57f252f8c192526833b9de07446477b19f1
  • Author: Brad Fitzpatrick bradfitz@golang.org
  • Date: Thu Nov 3 20:37:02 2011 -0700

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/0865c57f252f8c192526833b9de07446477b19f1

元コミット内容

http: doc nits

Remove the last two "convenience" mentions.

R=golang-dev, r
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5344041

変更の背景

このコミットは、Go言語の標準ライブラリであるnet/httpパッケージのドキュメントから、「convenience (便宜的、便利な)」という言葉の言及を削除することを目的としています。コミットメッセージにある「doc nits」は、ドキュメントの些細な修正や改善を意味します。

背景としては、Go言語のドキュメントでは、APIの振る舞いを正確かつ簡潔に記述することが重視されます。特に、特定の関数やメソッドが「便利」であると記述することは、その機能の本質的な役割を曖昧にする可能性や、誤解を招く可能性があったと考えられます。例えば、「便利」という表現は、その機能が単なるラッパーであることや、より低レベルなAPIの単純化版であることを示唆するかもしれませんが、それが常に明確であるとは限りません。

この変更は、net/httpパッケージのAPIドキュメントの記述をより厳密にし、機能の役割をより直接的に表現することで、開発者がAPIの意図を正確に理解できるようにするための品質向上の一環と見られます。特に、Get関数やHeader.Getメソッドのような基本的なAPIにおいて、その説明の正確性は非常に重要です。

前提知識の解説

Go言語のnet/httpパッケージ

net/httpパッケージは、Go言語でHTTPクライアントおよびサーバーを実装するための標準ライブラリです。ウェブアプリケーションの構築や、HTTPリクエストの送信など、ネットワーク通信の多くの側面を扱います。

  • http.Client: HTTPリクエストを送信するためのクライアントを表す構造体です。通常、http.DefaultClientがデフォルトのクライアントとして提供されます。
  • http.Get(url string): 指定されたURLにGETリクエストを送信し、レスポンスを返す関数です。これは通常、http.DefaultClient.Get(url)のラッパーとして機能します。
  • http.Response: HTTPレスポンスを表す構造体です。
  • http.Header: HTTPヘッダーを表すマップ型の構造体です。キーはヘッダー名(例: "Content-Type")、値は文字列のスライスです。
  • Header.Set(key, value string): 指定されたキーのヘッダー値を設定します。
  • Header.Get(key string): 指定されたキーに関連付けられた最初のヘッダー値を取得します。キーに関連付けられた値がない場合は空文字列を返します。
  • textproto.MIMEHeader: net/textprotoパッケージで定義されているMIMEヘッダーを表す型です。http.Headerは内部的にこれを利用しています。
  • CanonicalHeaderKey: HTTPヘッダーのキーを正規化するための関数です。HTTPヘッダー名は通常、大文字・小文字を区別しないため、内部的には正規化された形式で扱われます。

「Convenience wrapper/method」とは

プログラミングにおいて「convenience wrapper」や「convenience method」という言葉は、既存のより複雑な機能や低レベルなAPIを、より使いやすく、簡潔な形で提供するために作られた関数やメソッドを指します。

例えば、あるライブラリにdoSomethingComplex(param1, param2, param3, param4)という関数があったとして、param3param4が特定の状況で常に同じ値になる場合、doSomethingSimple(param1, param2)という「convenience method」を提供し、内部でdoSomethingComplex(param1, param2, defaultValue3, defaultValue4)を呼び出す、といった使われ方をします。

このコミットでは、このような「便利さ」を強調する表現が、APIの正確な役割を伝える上で不適切であると判断されたと考えられます。特に、http.GetDefaultClient.Getの単なるラッパーであることや、Header.Getが内部マップへの直接アクセスを簡略化したものであることを示す際に、「convenience」という言葉が使われていましたが、これをより直接的な表現に置き換えることで、ドキュメントの明確性を高めています。

技術的詳細

このコミットは、src/pkg/net/http/client.gosrc/pkg/net/http/header.goの2つのファイルに対して、ドキュメントコメントの修正を行っています。具体的には、両ファイルから「convenience」という単語を含む記述を削除し、より直接的で正確な表現に置き換えています。

src/pkg/net/http/client.goの変更

http.Get関数のドキュメントコメントが修正されています。 変更前: Get is a convenience wrapper around DefaultClient.Get. 変更後: Get is a wrapper around DefaultClient.Get. 「convenience」という単語が削除され、単に「wrapper (ラッパー)」であると記述されています。これにより、http.GetDefaultClient.Getを呼び出すだけの機能であることを明確に伝えています。これは、http.Getが特別な「便利さ」を提供するのではなく、単にDefaultClientを介したGETリクエストの実行を簡潔に記述するための手段であることを示唆しています。

src/pkg/net/http/header.goの変更

Header.Getメソッドのドキュメントコメントが修正されています。 変更前:

// Get is a convenience method. For more complex queries,
// access the map directly.

変更後:

// To access multiple values of a key, access the map directly
// with CanonicalHeaderKey.

ここでも「convenience method」という表現が削除されています。代わりに、Header.Getが単一の値を返すのに対し、複数の値にアクセスしたい場合はCanonicalHeaderKeyを使ってマップに直接アクセスすべきであるという、より具体的な指示が追加されています。これは、Header.Getが単一の値を取得する一般的なケースをカバーする一方で、より高度な操作には直接マップにアクセスする必要があることを明確にしています。また、CanonicalHeaderKeyの使用を促すことで、ヘッダーキーの正規化の重要性も暗に示しています。

これらの変更は、Go言語のドキュメントが、APIの機能と使用方法を正確かつ簡潔に伝えることを重視している姿勢を反映しています。冗長な表現や曖昧な表現を避け、開発者がコードの意図を誤解なく理解できるようにするための細かな改善です。

コアとなるコードの変更箇所

diff --git a/src/pkg/net/http/client.go b/src/pkg/net/http/client.go
index 503cc897a1..17b4adc17e 100644
--- a/src/pkg/net/http/client.go
+++ b/src/pkg/net/http/client.go
@@ -143,7 +143,7 @@ func shouldRedirect(statusCode int) bool {
 //
 // Caller should close r.Body when done reading from it.
 //
-// Get is a convenience wrapper around DefaultClient.Get.
+// Get is a wrapper around DefaultClient.Get.
 func Get(url string) (r *Response, err error) {
 	return DefaultClient.Get(url)
 }
diff --git a/src/pkg/net/http/header.go b/src/pkg/net/http/header.go
index 6be6016641..b107c312da 100644
--- a/src/pkg/net/http/header.go
+++ b/src/pkg/net/http/header.go
@@ -30,8 +30,8 @@ func (h Header) Set(key, value string) {
 
 // Get gets the first value associated with the given key.
 // If there are no values associated with the key, Get returns "".
-// Get is a convenience method. For more complex queries,
-// access the map directly.
+// To access multiple values of a key, access the map directly
+// with CanonicalHeaderKey.
 func (h Header) Get(key string) string {
 	return textproto.MIMEHeader(h).Get(key)
 }

コアとなるコードの解説

src/pkg/net/http/client.go の変更点

このファイルでは、http.Get関数のドキュメントコメントが変更されています。

// Get is a wrapper around DefaultClient.Get.

変更前は「convenience wrapper」と記述されていましたが、「convenience」という形容詞が削除され、単に「wrapper」となりました。これは、http.Gethttp.DefaultClient.Getを呼び出すだけのシンプルなラッパー関数であることを、より直接的かつ客観的に表現しています。これにより、開発者はhttp.Getが特別な機能を提供するわけではなく、単にデフォルトのHTTPクライアントを使ってGETリクエストを行うための簡潔な記述方法であることを明確に理解できます。

src/pkg/net/http/header.go の変更点

このファイルでは、Header.Getメソッドのドキュメントコメントが変更されています。

// To access multiple values of a key, access the map directly
// with CanonicalHeaderKey.

変更前は「Get is a convenience method. For more complex queries, access the map directly.」と記述されていました。 変更後は、「convenience method」という表現が削除され、Header.Getが単一のヘッダー値を取得するものであること、そして複数の値にアクセスしたい場合には、CanonicalHeaderKeyを使用して内部のマップに直接アクセスすべきであるという、より具体的なガイダンスが提供されています。

この変更は、以下の点を明確にしています。

  1. Header.Getは、ヘッダーに複数の値が設定されている場合でも、最初の値しか返さないというその振る舞いを暗に示しています。
  2. 複数のヘッダー値にアクセスする必要がある、より高度なシナリオでは、開発者がHeader構造体の内部マップに直接アクセスする必要があることを明示しています。
  3. その際に、ヘッダーキーの正規化のためにCanonicalHeaderKeyを使用することを推奨しています。これは、HTTPヘッダー名が大文字・小文字を区別しないため、正しいキーでマップにアクセスするために重要です。

これらの変更は、Go言語のドキュメントが、APIの機能と適切な使用方法を、より正確かつ詳細に伝えることを重視していることを示しています。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • (今回のコミット解説生成において、追加のWeb検索は行っていません。提供されたコミット情報とGo言語の一般的な知識に基づいて解説を生成しました。)