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[インデックス 10296] ファイルの概要

コミット

このコミットは、Go言語プロジェクトのリポジトリにおける週次リリースを示すタグ付けコミットです。具体的には、weekly.2011-11-09というタグが作成され、そのタグに対応するコミットハッシュが.hgtagsファイルに追加されています。

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/bb818622f790f255dad3a573018686b2ef32ec92

元コミット内容

commit bb818622f790f255dad3a573018686b2ef32ec92
Author: Andrew Gerrand <adg@golang.org>
Date:   Wed Nov 9 11:17:39 2011 +1100

    tag weekly.2011-11-09
    
    R=r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5341051

変更の背景

このコミットは、Go言語の週次リリースプロセスの一環として行われました。Goプロジェクトでは、安定版リリースとは別に、開発の進捗をコミュニティに共有するために定期的に「週次リリース(weekly release)」を行っていました。これは、開発者が最新の変更を試したり、バグを報告したりするための重要な手段でした。

.hgtagsファイルは、Mercurialリポジトリで使用されるタグ情報を記録するためのファイルです。Goプロジェクトは元々Mercurialで管理されており、Gitへの移行後も一部の慣習やファイルが残っていました。このファイルに新しい週次リリースのタグとそれに対応するコミットハッシュを追加することで、特定の時点でのリポジトリの状態を明確にマークし、後からそのバージョンを簡単に参照できるようにしています。

前提知識の解説

Gitタグ (Tag)

Gitにおけるタグは、特定のコミットに永続的な名前を付けるための参照です。主に、ソフトウェアのリリースバージョン(例: v1.0.0)や、今回のような特定の開発マイルストーン(例: weekly.2011-11-09)をマークするために使用されます。タグはブランチとは異なり、一度作成されると通常は移動しません。これにより、履歴上の特定のポイントを不変な形で参照できます。

Mercurial (.hgtags)

Mercurialは、Gitと同様の分散型バージョン管理システムです。Mercurialリポジトリでは、タグ情報は通常.hgtagsというファイルに保存されます。このファイルは、タグ名とそのタグが指すリビジョン(コミットハッシュに相当)のペアを記録します。Goプロジェクトは初期にMercurialを使用していたため、Gitに移行した後も、過去のタグ情報を保持するためにこのファイルが残されていました。このコミットは、Gitリポジトリに移行した後も、Mercurial時代の慣習を引き継いでタグ情報を管理していたことを示唆しています。

Go言語の開発プロセス (Gerrit, golang-dev)

Go言語プロジェクトは、Googleが開発を主導しており、その開発プロセスにはGerritというコードレビューシステムが深く統合されています。

  • Gerrit: Gitリポジトリと連携し、変更がメインブランチにマージされる前に、コードレビューを強制するシステムです。開発者は変更をGerritにアップロードし、レビューアが承認するとマージされます。コミットメッセージにあるhttps://golang.org/cl/5341051は、GerritにおけるChange-ID(変更リストのID)を指します。
  • R=r: Gerritにおけるレビューアの指定です。rはおそらくレビューアのイニシャルか、特定のレビューグループを指します。
  • CC=golang-dev: golang-devはGo言語開発者向けのメーリングリストです。この変更に関する通知がこのメーリングリストに送られることを意味します。

技術的詳細

このコミットの技術的な本質は、Goリポジトリの履歴に新しい週次リリースのタグ情報を追加することです。

  1. タグの作成: weekly.2011-11-09という名前のタグが、このコミット(bb818622f790f255dad3a573018686b2ef32ec92)に付けられています。これは、このコミットがその週次リリースの最終的な状態を表すことを意味します。
  2. .hgtagsファイルの更新: このタグ情報が.hgtagsファイルに追記されます。具体的には、タグ名と、そのタグが指すコミットハッシュ(2f4482b89a6b5956828872137b6b96636cd904d3)が追加されています。このハッシュは、weekly.2011-11-09タグが指す実際のコードベースのスナップショットのハッシュです。コミットメッセージのハッシュと.hgtagsに追加されたハッシュが異なるのは、.hgtagsに追加されるハッシュが、タグ付けされた時点でのHEADのコミットハッシュであるためです。このコミット自体は、そのタグ付け行為を記録するコミットです。

このプロセスは、バージョン管理システムにおけるリリース管理の基本的な側面を示しています。特定の時点でのコードベースの状態をマークすることで、将来的にそのバージョンをチェックアウトしたり、ビルドしたり、参照したりすることが容易になります。

コアとなるコードの変更箇所

diff --git a/.hgtags b/.hgtags
index 1123f7ef18..08a00fa600 100644
--- a/.hgtags
+++ b/.hgtags
@@ -93,3 +93,5 @@ acaddf1cea75c059d19b20dbef35b20fb3f38954 release.r58.2
 e69e528f2afc25a8334cfb9359fa4fcdf2a934b6 weekly.2011-11-01
 780c85032b174c9d4b42adf75d82bc85af7d78d1 weekly.2011-11-02
 f4397ad6e87c7ce5feac9b01686f1ebd6cbaac4e weekly.2011-11-08
+2f4482b89a6b5956828872137b6b96636cd904d3 weekly.2011-11-09
+2f4482b89a6b5956828872137b6b96636cd904d3

コアとなるコードの解説

変更は.hgtagsファイルに対して行われています。このファイルは、Mercurialのタグ情報を格納するプレーンテキストファイルです。

追加された行は以下の2行です。

  1. 2f4482b89a6b5956828872137b6b96636cd904d3 weekly.2011-11-09
    • これは、weekly.2011-11-09というタグが、2f4482b89a6b5956828872137b6b96636cd904d3というコミットハッシュ(MercurialのリビジョンIDに相当)を指すことを示しています。
  2. 2f4482b89a6b5956828872137b6b96636cd904d3
    • この行は、おそらくMercurialのタグ付けコマンドの出力形式に由来するものか、あるいは単にタグ付けされたコミットハッシュを重複して記録する慣習があったためと考えられます。Mercurialのタグファイルでは、タグ名とリビジョンIDのペアが一般的ですが、Goプロジェクトの特定のスクリプトやプロセスがこのような形式で追記していた可能性があります。

この変更により、Goリポジトリの履歴において、2011年11月9日の週次リリースが正式にマークされ、その時点のコードベースを識別できるようになりました。

関連リンク

参考にした情報源リンク