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[インデックス 10421] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の抽象構文木(AST)を定義するsrc/pkg/go/ast/ast.goファイルに対するクリーンアップ作業です。具体的には、レシーバが使用されていないメソッドのレシーバ名を削除し、コードの可読性と保守性を向上させています。

コミット

commit d0b9a84ab3da756fdd5cc89f0342ded96a2855c4
Author: Robert Griesemer <gri@golang.org>
Date:   Wed Nov 16 13:41:26 2011 -0800

    go/ast: remove unused receiver names (cleanup)

    R=iant, iant
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5393047

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/d0b9a84ab3da756fdd5cc89f0342ded96a2855c4

元コミット内容

go/ast: remove unused receiver names (cleanup)

このコミットは、Go言語のASTパッケージにおいて、使用されていないレシーバ名を削除するクリーンアップ作業です。

変更の背景

Go言語では、メソッドのレシーバがメソッド本体内で使用されない場合、レシーバ名を省略して_(ブランク識別子)または単に型のみを記述することができます。これは、コードの意図を明確にし、未使用の変数に関するコンパイラの警告を避けるためのGoの慣用的な書き方です。

このコミットが行われた背景には、go/astパッケージ内の特定のメソッド(exprNode(), stmtNode(), specNode(), declNode())が、そのレシーバの具体的な値を使用せず、単にインターフェースを満たすためのマーカーとして機能しているという状況がありました。これらのメソッドは、GoのASTノードが特定のカテゴリ(式、文、宣言など)に属することを型システムに伝えるためのものであり、レシーバのデータ自体には依存しません。

したがって、これらのメソッドのレシーバに名前(例: xsd)を付けても、その名前はメソッド内で一切使用されません。このような未使用のレシーバ名は、コードのノイズとなり、読者が「なぜこのレシーバ名があるのか?」「どこかで使われているのか?」と誤解する可能性がありました。このコミットは、このような冗長なレシーバ名を削除することで、コードの明瞭性を高め、Goの慣用的なスタイルに合わせることを目的としたクリーンアップ作業です。

前提知識の解説

Go言語のAST (Abstract Syntax Tree)

Go言語のコンパイラやツール(go vet, gofmtなど)は、ソースコードを直接解析するのではなく、まずソースコードを抽象構文木(AST)というデータ構造に変換します。ASTは、プログラムの構造を木構造で表現したもので、各ノードがコードの要素(変数、関数、式、文など)に対応します。go/astパッケージは、このASTを表現するための型と関数を提供します。

レシーバとメソッド

Go言語では、構造体や任意の型にメソッドを定義できます。メソッドは、特定の型に関連付けられた関数であり、その型のインスタンス(レシーバ)に対して操作を行います。メソッドの定義は以下のようになります。

func (receiverName ReceiverType) MethodName(parameters) returnType {
    // メソッド本体
}

ここで、receiverNameはレシーバのインスタンスをメソッド内で参照するための名前です。

未使用のレシーバ名とブランク識別子

Go言語では、変数やパラメータが宣言されたものの、そのスコープ内で使用されない場合、コンパイラは警告を発します。これは、潜在的なバグや不要なコードを示唆するためです。しかし、特定の状況では、変数やパラメータが意図的に使用されないことがあります。このような場合、Goではブランク識別子_を使用することで、コンパイラの警告を抑制し、コードの意図を明確にすることができます。

メソッドのレシーバについても同様で、レシーバがメソッド本体内で使用されない場合、レシーバ名を省略して型のみを記述するか、ブランク識別子_を使用することが推奨されます。

例:

// レシーバ名が使用される場合
func (p *MyStruct) GetValue() int {
    return p.value
}

// レシーバ名が使用されない場合(型アサーションやインターフェース実装のマーカーなど)
func (*MyStruct) SomeMarkerMethod() {} // レシーバ名なし
// または
func (_ *MyStruct) AnotherMarkerMethod() {} // ブランク識別子を使用

exprNode(), stmtNode(), specNode(), declNode() メソッドの役割

go/astパッケージでは、ASTの各ノード型が特定のインターフェースを満たすことで、そのノードがどのような種類の構文要素であるかを示します。例えば、ast.Exprインターフェースは式ノードを表し、ast.Stmtインターフェースは文ノードを表します。

exprNode(), stmtNode(), specNode(), declNode()といったメソッドは、GoのASTノードの型がそれぞれのインターフェース(ast.Expr, ast.Stmt, ast.Spec, ast.Decl)を実装していることを示すための「マーカーメソッド」です。これらのメソッドは通常、空の本体を持ち、レシーバの具体的な値を使用しません。その唯一の目的は、Goの型システムが特定の型が特定のインターフェースを満たしていることを認識できるようにすることです。

例えば、ast.BadExpr型がexprNode()メソッドを持つことで、ast.BadExprast.Exprインターフェースを満たすと見なされます。これにより、ast.Expr型の変数にast.BadExprのインスタンスを代入できるようになります。

技術的詳細

このコミットの技術的詳細は、Go言語のメソッド定義におけるレシーバの扱いに集約されます。Goのメソッドは、レシーバがメソッド本体で実際に使用されるかどうかに関わらず、レシーバの型を指定する必要があります。しかし、レシーバの「名前」は、そのレシーバがメソッド内で参照される場合にのみ必要となります。

変更前は、exprNode(), stmtNode(), specNode(), declNode()といったマーカーメソッドの定義において、レシーバにxsdといった名前が付けられていました(例: func (x *BadExpr) exprNode() {})。これらのメソッドは、前述の通り、レシーバの具体的な値を使用しないため、これらの名前は未使用でした。

このコミットでは、これらの未使用のレシーバ名を削除し、レシーバの型のみを記述する形式(例: func (*BadExpr) exprNode() {})に変更しています。これは、Goのコンパイラが未使用の変数について警告を発するのを防ぐだけでなく、コードの意図をより明確にするためのベストプラクティスに従ったものです。レシーバ名がないことで、読者はこのメソッドがレシーバの内部状態に依存しないことを一目で理解できます。

この変更は、コードの機能には一切影響を与えません。これは純粋なリファクタリングであり、コードの品質とGoの慣用的なスタイルへの準拠を目的としています。

コアとなるコードの変更箇所

変更はsrc/pkg/go/ast/ast.goファイルに集中しており、主に以下の4つのセクションで行われています。

  1. exprNode() メソッドの定義箇所 (約412行目から)
  2. stmtNode() メソッドの定義箇所 (約711行目から)
  3. specNode() メソッドの定義箇所 (約807行目から)
  4. declNode() メソッドの定義箇所 (約875行目から)

これらのセクションで、各メソッドのレシーバ定義からレシーバ名が削除されています。

変更の例:

--- a/src/pkg/go/ast/ast.go
+++ b/src/pkg/go/ast/ast.go
@@ -412,29 +412,29 @@ func (x *ChanType) End() token.Pos      { return x.Value.End() }\n // exprNode() ensures that only expression/type nodes can be\n // assigned to an ExprNode.\n //\n-func (x *BadExpr) exprNode()        {}\n-func (x *Ident) exprNode()          {}\n-func (x *Ellipsis) exprNode()       {}\n-func (x *BasicLit) exprNode()       {}\n-func (x *FuncLit) exprNode()        {}\n-func (x *CompositeLit) exprNode()   {}\n-func (x *ParenExpr) exprNode()      {}\n-func (x *SelectorExpr) exprNode()   {}\n-func (x *IndexExpr) exprNode()      {}\n-func (x *SliceExpr) exprNode()      {}\n-func (x *TypeAssertExpr) exprNode() {}\n-func (x *CallExpr) exprNode()       {}\n-func (x *StarExpr) exprNode()       {}\n-func (x *UnaryExpr) exprNode()      {}\n-func (x *BinaryExpr) exprNode()     {}\n-func (x *KeyValueExpr) exprNode()   {}\n-\n-func (x *ArrayType) exprNode()     {}\n-func (x *StructType) exprNode()    {}\n-func (x *FuncType) exprNode()      {}\n-func (x *InterfaceType) exprNode() {}\n-func (x *MapType) exprNode()       {}\n-func (x *ChanType) exprNode()      {}\n+func (*BadExpr) exprNode()        {}\n+func (*Ident) exprNode()          {}\n+func (*Ellipsis) exprNode()       {}\n+func (*BasicLit) exprNode()       {}\n+func (*FuncLit) exprNode()        {}\n+func (*CompositeLit) exprNode()   {}\n+func (*ParenExpr) exprNode()      {}\n+func (*SelectorExpr) exprNode()   {}\n+func (*IndexExpr) exprNode()      {}\n+func (*SliceExpr) exprNode()      {}\n+func (*TypeAssertExpr) exprNode() {}\n+func (*CallExpr) exprNode()       {}\n+func (*StarExpr) exprNode()       {}\n+func (*UnaryExpr) exprNode()      {}\n+func (*BinaryExpr) exprNode()     {}\n+func (*KeyValueExpr) exprNode()   {}\n+\n+func (*ArrayType) exprNode()     {}\n+func (*StructType) exprNode()    {}\n+func (*FuncType) exprNode()      {}\n+func (*InterfaceType) exprNode() {}\n+func (*MapType) exprNode()       {}\n+func (*ChanType) exprNode()      {}\n```

この差分は、`func (x *Type) method()` の形式が `func (*Type) method()` に変更されたことを明確に示しています。

## コアとなるコードの解説

このコミットにおけるコアとなるコードの変更は、Go言語のASTノードが特定のインターフェースを実装していることを示すためのマーカーメソッドのレシーバから、未使用のレシーバ名を削除した点です。

例えば、`ast.BadExpr`型が`ast.Expr`インターフェースを満たすことを示すために、`exprNode()`メソッドが定義されています。変更前は、このメソッドは`func (x *BadExpr) exprNode() {}`のように定義されていました。ここで、レシーバ変数`x`はメソッド本体内で一切使用されていませんでした。

変更後、この定義は`func (*BadExpr) exprNode() {}`となりました。レシーバ名`x`が削除され、ポインタ型`*BadExpr`のみが残っています。これは、Go言語の慣用的なスタイルに沿ったものであり、以下の利点があります。

1.  **コードの意図の明確化**: レシーバ名がないことで、このメソッドがレシーバの具体的な値や状態に依存しない、純粋な型マーカーであることを読者に明確に伝えます。
2.  **コンパイラの警告の回避**: 未使用の変数に関するコンパイラの警告を回避します。これは、大規模なコードベースにおいて、実際のバグを示す警告と、意図的に未使用であることによる警告を区別するのに役立ちます。
3.  **コードの簡潔性**: 不要なレシーバ名を削除することで、コードがより簡潔になり、ノイズが減ります。

この変更は、`go/ast`パッケージの内部的なクリーンアップであり、外部のAPIや動作には影響を与えません。しかし、Go言語のコード品質と慣用的なスタイルの維持という観点からは重要な改善です。

## 関連リンク

*   Go言語のASTパッケージ: [https://pkg.go.dev/go/ast](https://pkg.go.dev/go/ast)
*   Go言語のChange List (CL) 5393047: [https://golang.org/cl/5393047](https://golang.org/cl/5393047)

## 参考にした情報源リンク

*   Go言語の公式ドキュメント
*   Go言語のソースコード
*   Go言語の慣用的な書き方に関する記事 (例: "Effective Go"など)
*   Go言語のASTに関する解説記事
*   GitHubのコミット履歴
*   Go言語のコードレビュープロセスに関する情報
*   Go言語のブランク識別子に関する情報# [インデックス 10421] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の抽象構文木(AST)を定義する`src/pkg/go/ast/ast.go`ファイルに対するクリーンアップ作業です。具体的には、レシーバが使用されていないメソッドのレシーバ名を削除し、コードの可読性と保守性を向上させています。

## コミット

commit d0b9a84ab3da756fdd5cc89f0342ded96a2855c4 Author: Robert Griesemer gri@golang.org Date: Wed Nov 16 13:41:26 2011 -0800

go/ast: remove unused receiver names (cleanup)

R=iant, iant
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5393047

## GitHub上でのコミットページへのリンク

[https://github.com/golang/go/commit/d0b9a84ab3da756fdd5cc89f0342ded96a2855c4](https://github.com/golang/go/commit/d0b9a84ab3da756fdd5cc89f0342ded96a2855c4)

## 元コミット内容

`go/ast: remove unused receiver names (cleanup)`

このコミットは、Go言語のASTパッケージにおいて、使用されていないレシーバ名を削除するクリーンアップ作業です。

## 変更の背景

Go言語では、メソッドのレシーバがメソッド本体内で使用されない場合、レシーバ名を省略して`_`(ブランク識別子)または単に型のみを記述することができます。これは、コードの意図を明確にし、未使用の変数に関するコンパイラの警告を避けるためのGoの慣用的な書き方です。

このコミットが行われた背景には、`go/ast`パッケージ内の特定のメソッド(`exprNode()`, `stmtNode()`, `specNode()`, `declNode()`)が、そのレシーバの具体的な値を使用せず、単にインターフェースを満たすためのマーカーとして機能しているという状況がありました。これらのメソッドは、GoのASTノードが特定のカテゴリ(式、文、宣言など)に属することを型システムに伝えるためのものであり、レシーバのデータ自体には依存しません。

したがって、これらのメソッドのレシーバに名前(例: `x`や`s`や`d`)を付けても、その名前はメソッド内で一切使用されません。このような未使用のレシーバ名は、コードのノイズとなり、読者が「なぜこのレシーバ名があるのか?」「どこかで使われているのか?」と誤解する可能性がありました。このコミットは、このような冗長なレシーバ名を削除することで、コードの明瞭性を高め、Goの慣用的なスタイルに合わせることを目的としたクリーンアップ作業です。

## 前提知識の解説

### Go言語のAST (Abstract Syntax Tree)

Go言語のコンパイラやツール(`go vet`, `gofmt`など)は、ソースコードを直接解析するのではなく、まずソースコードを抽象構文木(AST)というデータ構造に変換します。ASTは、プログラムの構造を木構造で表現したもので、各ノードがコードの要素(変数、関数、式、文など)に対応します。`go/ast`パッケージは、このASTを表現するための型と関数を提供します。

### レシーバとメソッド

Go言語では、構造体や任意の型にメソッドを定義できます。メソッドは、特定の型に関連付けられた関数であり、その型のインスタンス(レシーバ)に対して操作を行います。メソッドの定義は以下のようになります。

```go
func (receiverName ReceiverType) MethodName(parameters) returnType {
    // メソッド本体
}

ここで、receiverNameはレシーバのインスタンスをメソッド内で参照するための名前です。

未使用のレシーバ名とブランク識別子

Go言語では、変数やパラメータが宣言されたものの、そのスコープ内で使用されない場合、コンパイラは警告を発します。これは、潜在的なバグや不要なコードを示唆するためです。しかし、特定の状況では、変数やパラメータが意図的に使用されないことがあります。このような場合、Goではブランク識別子_を使用することで、コンパイラの警告を抑制し、コードの意図を明確にすることができます。

メソッドのレシーバについても同様で、レシーバがメソッド本体内で使用されない場合、レシーバ名を省略して型のみを記述するか、ブランク識別子_を使用することが推奨されます。

例:

// レシーバ名が使用される場合
func (p *MyStruct) GetValue() int {
    return p.value
}

// レシーバ名が使用されない場合(型アサーションやインターフェース実装のマーカーなど)
func (*MyStruct) SomeMarkerMethod() {} // レシーバ名なし
// または
func (_ *MyStruct) AnotherMarkerMethod() {} // ブランク識別子を使用

exprNode(), stmtNode(), specNode(), declNode() メソッドの役割

go/astパッケージでは、ASTの各ノード型が特定のインターフェースを満たすことで、そのノードがどのような種類の構文要素であるかを示します。例えば、ast.Exprインターフェースは式ノードを表し、ast.Stmtインターフェースは文ノードを表します。

exprNode(), stmtNode(), specNode(), declNode()といったメソッドは、GoのASTノードの型がそれぞれのインターフェース(ast.Expr, ast.Stmt, ast.Spec, ast.Decl)を実装していることを示すための「マーカーメソッド」です。これらのメソッドは通常、空の本体を持ち、レシーバの具体的な値を使用しません。その唯一の目的は、Goの型システムが特定の型が特定のインターフェースを満たしていることを認識できるようにすることです。

例えば、ast.BadExpr型がexprNode()メソッドを持つことで、ast.BadExprast.Exprインターフェースを満たすと見なされます。これにより、ast.Expr型の変数にast.BadExprのインスタンスを代入できるようになります。

技術的詳細

このコミットの技術的詳細は、Go言語のメソッド定義におけるレシーバの扱いに集約されます。Goのメソッドは、レシーバがメソッド本体で実際に使用されるかどうかに関わらず、レシーバの型を指定する必要があります。しかし、レシーバの「名前」は、そのレシーバがメソッド内で参照される場合にのみ必要となります。

変更前は、exprNode(), stmtNode(), specNode(), declNode()といったマーカーメソッドの定義において、レシーバにxsdといった名前が付けられていました(例: func (x *BadExpr) exprNode() {})。これらのメソッドは、前述の通り、レシーバの具体的な値を使用しないため、これらの名前は未使用でした。

このコミットでは、これらの未使用のレシーバ名を削除し、レシーバの型のみを記述する形式(例: func (*BadExpr) exprNode() {})に変更しています。これは、Goのコンパイラが未使用の変数について警告を発するのを防ぐだけでなく、コードの意図をより明確にするためのベストプラクティスに従ったものです。レシーバ名がないことで、読者はこのメソッドがレシーバの内部状態に依存しないことを一目で理解できます。

この変更は、コードの機能には一切影響を与えません。これは純粋なリファクタリングであり、コードの品質とGoの慣用的なスタイルへの準拠を目的としています。

コアとなるコードの変更箇所

変更はsrc/pkg/go/ast/ast.goファイルに集中しており、主に以下の4つのセクションで行われています。

  1. exprNode() メソッドの定義箇所 (約412行目から)
  2. stmtNode() メソッドの定義箇所 (約711行目から)
  3. specNode() メソッドの定義箇所 (約807行目から)
  4. declNode() メソッドの定義箇所 (約875行目から)

これらのセクションで、各メソッドのレシーバ定義からレシーバ名が削除されています。

変更の例:

--- a/src/pkg/go/ast/ast.go
+++ b/src/pkg/go/ast/ast.go
@@ -412,29 +412,29 @@ func (x *ChanType) End() token.Pos      { return x.Value.End() }\n // exprNode() ensures that only expression/type nodes can be\n // assigned to an ExprNode.\n //\n-func (x *BadExpr) exprNode()        {}\n-func (x *Ident) exprNode()          {}\n-func (x *Ellipsis) exprNode()       {}\n-func (x *BasicLit) exprNode()       {}\n-func (x *FuncLit) exprNode()        {}\n-func (x *CompositeLit) exprNode()   {}\n-func (x *ParenExpr) exprNode()      {}\n-func (x *SelectorExpr) exprNode()   {}\n-func (x *IndexExpr) exprNode()      {}\n-func (x *SliceExpr) exprNode()      {}\n-func (x *TypeAssertExpr) exprNode() {}\n-func (x *CallExpr) exprNode()       {}\n-func (x *StarExpr) exprNode()       {}\n-func (x *UnaryExpr) exprNode()      {}\n-func (x *BinaryExpr) exprNode()     {}\n-func (x *KeyValueExpr) exprNode()   {}\n-\n-func (x *ArrayType) exprNode()     {}\n-func (x *StructType) exprNode()    {}\n-func (x *FuncType) exprNode()      {}\n-func (x *InterfaceType) exprNode() {}\n-func (x *MapType) exprNode()       {}\n-func (x *ChanType) exprNode()      {}\n+func (*BadExpr) exprNode()        {}\n+func (*Ident) exprNode()          {}\n+func (*Ellipsis) exprNode()       {}\n+func (*BasicLit) exprNode()       {}\n+func (*FuncLit) exprNode()        {}\n+func (*CompositeLit) exprNode()   {}\n+func (*ParenExpr) exprNode()      {}\n+func (*SelectorExpr) exprNode()   {}\n+func (*IndexExpr) exprNode()      {}\n+func (*SliceExpr) exprNode()      {}\n+func (*TypeAssertExpr) exprNode() {}\n+func (*CallExpr) exprNode()       {}\n+func (*StarExpr) exprNode()       {}\n+func (*UnaryExpr) exprNode()      {}\n+func (*BinaryExpr) exprNode()     {}\n+func (*KeyValueExpr) exprNode()   {}\n+\n+func (*ArrayType) exprNode()     {}\n+func (*StructType) exprNode()    {}\n+func (*FuncType) exprNode()      {}\n+func (*InterfaceType) exprNode() {}\n+func (*MapType) exprNode()       {}\n+func (*ChanType) exprNode()      {}\n```

この差分は、`func (x *Type) method()` の形式が `func (*Type) method()` に変更されたことを明確に示しています。

## コアとなるコードの解説

このコミットにおけるコアとなるコードの変更は、Go言語のASTノードが特定のインターフェースを実装していることを示すためのマーカーメソッドのレシーバから、未使用のレシーバ名を削除した点です。

例えば、`ast.BadExpr`型が`ast.Expr`インターフェースを満たすことを示すために、`exprNode()`メソッドが定義されています。変更前は、このメソッドは`func (x *BadExpr) exprNode() {}`のように定義されていました。ここで、レシーバ変数`x`はメソッド本体内で一切使用されていませんでした。

変更後、この定義は`func (*BadExpr) exprNode() {}`となりました。レシーバ名`x`が削除され、ポインタ型`*BadExpr`のみが残っています。これは、Go言語の慣用的なスタイルに沿ったものであり、以下の利点があります。

1.  **コードの意図の明確化**: レシーバ名がないことで、このメソッドがレシーバの具体的な値や状態に依存しない、純粋な型マーカーであることを読者に明確に伝えます。
2.  **コンパイラの警告の回避**: 未使用の変数に関するコンパイラの警告を回避します。これは、大規模なコードベースにおいて、実際のバグを示す警告と、意図的に未使用であることによる警告を区別するのに役立ちます。
3.  **コードの簡潔性**: 不要なレシーバ名を削除することで、コードがより簡潔になり、ノイズが減ります。

この変更は、`go/ast`パッケージの内部的なクリーンアップであり、外部のAPIや動作には影響を与えません。しかし、Go言語のコード品質と慣用的なスタイルの維持という観点からは重要な改善です。

## 関連リンク

*   Go言語のASTパッケージ: [https://pkg.go.dev/go/ast](https://pkg.go.dev/go/ast)
*   Go言語のChange List (CL) 5393047: [https://golang.org/cl/5393047](https://golang.org/cl/5393047)

## 参考にした情報源リンク

*   Go言語の公式ドキュメント
*   Go言語のソースコード
*   Go言語の慣用的な書き方に関する記事 (例: "Effective Go"など)
*   Go言語のASTに関する解説記事
*   GitHubのコミット履歴
*   Go言語のコードレビュープロセスに関する情報
*   Go言語のブランク識別子に関する情報