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[インデックス 10452] ファイルの概要

このコミットは、Go言語プロジェクトで使用されているコードレビューツール codereview.py における修正です。具体的には、コミットが完了した後に送信されるメールに、本来含まれるべきコミットメッセージが欠落していた問題を修正し、再びメッセージが含まれるように変更しています。

コミット

commit cf5a1c0909819f2b70b7d8558e0e1103cf7f9642
Author: Russ Cox <rsc@golang.org>
Date:   Fri Nov 18 14:30:06 2011 -0500

    codereview: put message back in post-commit mails

    R=golang-dev, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5417049

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/cf5a1c0909819f2b70b7d8558e0e1103cf7f9642

元コミット内容

codereview: put message back in post-commit mails

このコミットは、コミット後の通知メールにコミットメッセージを再度含めるようにするものです。

変更の背景

Go言語プロジェクトでは、Googleが開発したMondrian(後にGerritに影響を与えた)のような、独自のコードレビューシステムが使用されていました。このシステムは、パッチの提出、レビュー、承認、そして最終的なコミットといった一連のワークフローを管理します。コミットが成功すると、関係者(レビュアーやメーリングリストなど)にその旨を通知するメールが送信されるのが一般的です。

このコミットが行われる以前のバージョンでは、何らかの理由で、コミットが完了したことを通知するメールから、肝心なコミットメッセージが欠落しているという問題が発生していました。コミットメッセージは、その変更が「なぜ」行われたのか、「何を」変更したのかを簡潔に説明する非常に重要な情報であり、これが欠落すると、メール通知だけでは変更内容を把握できず、別途コミットログを確認する必要が生じ、開発ワークフローの効率が低下します。

このコミットは、この欠落したコミットメッセージを、コミット後の通知メールに再び含めることで、情報伝達の完全性を回復し、開発者の利便性を向上させることを目的としています。

前提知識の解説

  • コードレビューシステム: ソフトウェア開発において、コードの品質向上、バグの早期発見、知識共有などを目的として、他の開発者が書いたコードを複数人で確認するプロセスを支援するツール群です。Go言語プロジェクトでは、初期にはGoogle内部のツールをベースにしたものが使われていました。
  • codereview.py: Go言語プロジェクトの初期のコードベースに含まれていたPythonスクリプトで、コードレビュープロセスを自動化するためのユーティリティ群を提供していました。これには、パッチの適用、レビューコメントの管理、コミット後の通知などが含まれていたと考えられます。
  • コミットメッセージ: Gitなどのバージョン管理システムにおいて、各コミット(変更のまとまり)に付随する説明文です。変更の意図、内容、関連する課題などを記述し、プロジェクトの履歴を理解する上で不可欠な情報となります。
  • opts['message']message: Pythonのコードにおいて、これらは変数を指します。opts はおそらくオプションを格納する辞書(dictionary)であり、opts['message'] はその辞書から 'message' というキーで値を取得しようとしています。一方、message は直接変数として定義されていると考えられます。この変更は、コミットメッセージを保持する変数の参照方法が変更されたことを示唆しています。

技術的詳細

このコミットの技術的な核心は、lib/codereview/codereview.py ファイル内の submit 関数における変数参照の修正です。

submit 関数は、コードレビューシステムにおいて、レビューが完了し承認された変更を最終的にリポジトリにコミットする処理を担当しています。この関数内で、コミットが成功した後に送信される通知メールの本文を生成する部分があります。

元のコードでは、通知メッセージ pmsg を構築する際に、コミットメッセージを opts['message'] から取得しようとしていました。しかし、何らかの理由(例えば、opts 辞書に 'message' キーが存在しない、またはその値が空であるなど)により、この opts['message'] が期待通りのコミットメッセージを含んでいなかったと考えられます。

修正後のコードでは、コミットメッセージの取得元を message という別の変数に変更しています。これは、submit 関数内でコミットメッセージが正しく取得され、message という変数に格納されていることを示唆しています。この変更により、pmsg には正しいコミットメッセージが埋め込まれるようになり、結果としてコミット後の通知メールにメッセージが再び表示されるようになりました。

この種のバグは、関数の引数や内部変数の命名規則、あるいはデータのフローの変更によって発生することがあります。開発プロセスの中で、コミットメッセージを扱う部分のインターフェースや実装が変更され、それに伴って通知メール生成部分の参照が古くなってしまった可能性が考えられます。

コアとなるコードの変更箇所

変更は lib/codereview/codereview.py ファイルの1箇所のみです。

--- a/lib/codereview/codereview.py
+++ b/lib/codereview/codereview.py
@@ -1933,7 +1933,7 @@ def submit(ui, repo, *pats, **opts):
 		changeURL = "http://code.google.com/p/%s/source/detail?r=%s" % (m.group(2), changeURL)
 	else:
 		print >>sys.stderr, "URL: ", url
-	pmsg = "*** Submitted as " + changeURL + " ***\\n\\n" + opts['message']
+	pmsg = "*** Submitted as " + changeURL + " ***\\n\\n" + message

コアとなるコードの解説

変更された行は、submit 関数内で pmsg (おそらく "post message" の略) という変数を定義している部分です。

  • 変更前:

    pmsg = "*** Submitted as " + changeURL + " ***\\n\\n" + opts['message']
    

    ここでは、changeURL(変更のURL)に続いて、opts 辞書から 'message' キーで取得した値(コミットメッセージを意図)を連結して pmsg を生成しています。\\n\\n は改行を表し、URLとメッセージの間に空白行を挿入しています。

  • 変更後:

    pmsg = "*** Submitted as " + changeURL + " ***\\n\\n" + message
    

    変更後では、opts['message'] の代わりに、直接 message という変数を参照しています。これは、submit 関数のスコープ内で message という変数が既にコミットメッセージの正しい内容を保持していることを前提としています。この修正により、通知メールに正しいコミットメッセージが埋め込まれるようになります。

この修正は、opts['message'] が期待通りに機能していなかった(例えば、空であったり、存在しなかったりした)という問題を解決するためのものです。message 変数がどこでどのように初期化されているかは、このスニペットからは直接読み取れませんが、関数内の別の場所でコミットメッセージが適切にパースされ、この変数に格納されていると推測されます。

関連リンク

  • Go言語の公式ウェブサイト: https://golang.org/
  • Go言語のコードレビュープロセスに関する情報(当時のもの、または現在のGerritに関するもの):

参考にした情報源リンク