Keyboard shortcuts

Press or to navigate between chapters

Press S or / to search in the book

Press ? to show this help

Press Esc to hide this help

[インデックス 10706] ファイルの概要

このコミットは、doc/progs/run ファイルから file.go の参照を削除する変更です。この変更の目的は、Windows環境でのビルド問題を修正することにあります。doc/progs/run は、Go言語のドキュメントに含まれるサンプルプログラムを実行またはリストアップするためのスクリプトまたは設定ファイルであると推測されます。

コミット

commit 4068e3fc7049e70f734b80d9efb8f0b4551dc360
Author: Andrew Gerrand <adg@golang.org>
Date:   Mon Dec 12 16:14:38 2011 +1100

    doc: remove file.go from run (fix windows build)
    
    R=golang-dev, r, alex.brainman, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5479069

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/4068e3fc7049e70f734b80d9efb8f0b4551dc360

元コミット内容

doc: remove file.go from run (fix windows build)

変更の背景

このコミットの主な背景は、Go言語のドキュメントに含まれるサンプルプログラムのビルドプロセスが、Windows環境で失敗していた問題に対処することです。doc/progs/run ファイルは、おそらくGoのチュートリアルやドキュメントの一部として提供される、複数の小さなGoプログラム(例: cat.go, echo.go, helloworld.go など)を管理・実行するためのメカニズムです。

file.go という特定のプログラムが、Windows上でのビルドまたは実行時に互換性の問題を引き起こしていたと考えられます。Go言語はクロスプラットフォーム対応を重視していますが、初期の段階(2011年当時)では、ファイルシステム操作やシステムコールなど、OS固有の挙動に依存するコードが特定のプラットフォームで問題を引き起こすことがありました。

この問題により、WindowsユーザーがGoのドキュメントやチュートリアルをビルドまたは実行しようとした際に、エラーが発生し、開発体験が損なわれる可能性がありました。そのため、file.godoc/progs/run のリストから除外することで、Windows環境でのビルドプロセスを正常に完了させることが目的とされました。これは、Goプロジェクトが初期段階からクロスプラットフォームの安定性を重視していたことを示唆しています。

前提知識の解説

Go言語のクロスプラットフォーム開発

Go言語は、その設計思想の一つとして、異なるオペレーティングシステム(OS)やアーキテクチャで動作するバイナリを容易に生成できるクロスコンパイル機能を備えています。しかし、OS固有の機能(例: ファイルシステム、ネットワークインターフェース、プロセス管理など)を直接操作するコードを書く場合、その挙動はOSによって異なることがあります。

  • ファイルシステム: WindowsとUnix系OS(Linux, macOSなど)では、パスの区切り文字(Windowsは\、Unix系は/)、ファイルパーミッション、シンボリックリンクの扱いなどが異なります。
  • システムコール: OSが提供する低レベルの機能にアクセスするためのシステムコールは、OSごとに異なります。Goの標準ライブラリはこれらの違いを抽象化していますが、特定のケースではOS固有のコードが必要になることがあります。
  • ビルドタグ: Goでは、// +build windows のようなビルドタグを使用して、特定のOSでのみコンパイルされるコードブロックを指定できます。これにより、プラットフォーム固有のコードを分離し、クロスプラットフォーム互換性を維持できます。

doc/progs/run の役割(推測)

doc/progs/run は、Goのソースツリー内の doc/progs ディレクトリに位置しており、その内容から、Goの公式ドキュメントやチュートリアルで使用される小さなサンプルプログラムのリストを定義していると推測されます。このファイルは、おそらくシェルスクリプトの一部として、またはGoのビルドシステムによって読み込まれ、リストされた各プログラムがコンパイル可能であるか、または実行可能であることを検証するために使用されていたと考えられます。

例えば、CI/CDパイプラインの一部として、すべてのサンプルプログラムが各プラットフォームで正しくビルドできることを確認するために、この run スクリプトが実行されていた可能性があります。

技術的詳細

このコミットの技術的詳細は、file.go という特定のGoプログラムが、Windows環境で何らかの理由でコンパイルまたは実行に失敗していたという点に集約されます。考えられる原因は以下の通りです。

  1. Windows非互換なコード: file.go の内部で、Windowsでは利用できない、または異なる挙動をするUnix系OS固有のシステムコールやファイルシステム操作(例: /dev/null の直接使用、特定のファイルパーミッションの操作、ソケットの特殊な扱いなど)が使用されていた可能性があります。
  2. パスの問題: ファイルパスの指定に、Windowsのパス区切り文字である\ではなく、Unix系の/がハードコードされていた場合、Windows上でのファイルアクセスに失敗する可能性があります。Goのpath/filepathパッケージはこれらの違いを抽象化しますが、直接文字列操作を行っていた場合は問題が発生します。
  3. 外部依存関係: file.go が、Windowsでは利用できない、またはインストールが困難な外部ライブラリやツールに依存していた可能性も考えられます。
  4. テストまたは実行環境の問題: doc/progs/runfile.go をビルドまたは実行する際に、Windows環境特有の制約(例: 実行権限、環境変数、セキュリティポリシーなど)に遭遇し、エラーとなっていた可能性もあります。

コミットメッセージが「remove file.go from run」と簡潔であることから、file.go 自体のコードを修正するよりも、一時的または永続的に run スクリプトの対象から外すことが、最も迅速かつ効果的な解決策と判断されたのでしょう。これは、file.go がドキュメントのコア部分に必須ではない、あるいは代替手段がある、または問題の根本原因の特定と修正に時間がかかる場合に取られる一般的なアプローチです。

コアとなるコードの変更箇所

diff --git a/doc/progs/run b/doc/progs/run
index dd586399fa..d8efe96c25 100755
--- a/doc/progs/run
+++ b/doc/progs/run
@@ -35,7 +35,6 @@ go_tutorial="
 	cat.go 
 	cat_rot13.go 
 	echo.go 
-	file.go
 	helloworld.go 
 	helloworld3.go 
 	print.go 

コアとなるコードの解説

上記の差分は、doc/progs/run ファイルから file.go という行が削除されたことを示しています。

  • - file.go: この行は、doc/progs/run ファイルの元のバージョン(a/doc/progs/run)に存在していた file.go という記述が削除されたことを意味します。

この変更により、doc/progs/run スクリプトが処理するGoプログラムのリストから file.go が除外されます。結果として、Windows環境で file.go のビルドまたは実行が試みられることがなくなり、それによって発生していたビルドエラーが解消されます。これは、問題のあるコンポーネントを一時的に隔離することで、全体のビルドプロセスを安定させるための直接的な修正です。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • 本解説は、提供されたコミット情報と一般的なGo言語のクロスプラットフォーム開発に関する知識に基づいて作成されました。特定の外部情報源へのリンクはありません。