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[インデックス 10864] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のダッシュボードアプリケーションの一部である misc/dashboard/godashboard/package.html ファイルに対する変更です。このファイルは、Goパッケージのビルドステータスを表示するウェブページを生成するためのHTMLテンプレートです。

コミット

commit 3f216c1b5d4a612f31098d23f4e47e37de8ae7a0
Author: Andrew Gerrand <adg@golang.org>
Date:   Mon Dec 19 12:37:39 2011 +1100

    dashboard: hide build status column (package builder is out of action)
    
    R=golang-dev, dsymonds
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5489080

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/3f216c1b5d4a612f31098d23f4e47e37de8ae7a0

元コミット内容

このコミットの目的は、Goダッシュボードのパッケージページにおいて、ビルドステータスを表示する列を一時的に非表示にすることです。これは、パッケージビルダーが動作不能になったため、そのステータスを表示しても意味がない、あるいは誤解を招く可能性があるという状況に対応するための措置です。

変更の背景

コミットメッセージに「package builder is out of action(パッケージビルダーが動作不能)」と明記されている通り、Goパッケージのビルドステータスを自動的にチェックし、その結果をダッシュボードに反映する役割を担うシステム(パッケージビルダー)が、何らかの理由で機能停止していました。

Go言語の公式ダッシュボードは、Goプロジェクトの様々な側面(ビルド、テスト、パッケージの可用性など)を監視し、開発者やユーザーに情報を提供する重要なツールです。その中でも、パッケージの「ビルドステータス」は、特定のGoパッケージが最新のGoリリースで goinstallablego install コマンドでインストール可能)であるかどうかを示すもので、パッケージの健全性を示す重要な指標でした。

しかし、このビルドステータスを生成する基盤となるパッケージビルダーが停止している状況では、ダッシュボードに表示されるビルドステータスは古くなるか、不正確になる可能性があります。このような不正確な情報を表示し続けることは、ユーザーに混乱を招くため、一時的にその表示を停止するという判断が下されました。これにより、ユーザーは現在利用できない、あるいは信頼できない情報に惑わされることなく、ダッシュボードの他の機能を利用できるようになります。

前提知識の解説

Go ダッシュボード (Go Dashboard)

Goダッシュボードは、Go言語プロジェクトの公式なステータス監視システムです。Goの様々なリポジトリ、ブランチ、プラットフォームにおけるビルド、テスト、パフォーマンスの状況をリアルタイムに近い形で表示します。これにより、開発者はGo本体や関連パッケージの健全性を一目で確認できます。

Go パッケージビルダー (Go Package Builder)

Goパッケージビルダーは、Goダッシュボードの一部、またはそれに連携する自動化されたシステムで、Goパッケージが特定のGoバージョン(特に最新の安定版や開発版)で正常にビルドおよびインストールできるか(goinstallable であるか)を継続的に検証する役割を担っていました。このシステムは、パッケージのソースコードを取得し、ビルドプロセスを実行し、その成否をダッシュボードに報告していました。

HTMLテンプレートとGo言語

package.html はHTMLファイルですが、その内容には {{...}}{% ... %} といった特殊な構文が含まれています。これは、Go言語のウェブアプリケーションがサーバーサイドでHTMLを動的に生成するために使用するテンプレートエンジン(おそらくGo標準の html/template または text/template パッケージ、あるいはそれに類似したカスタム実装)の構文です。

  • {{r.last_install|date:"Y-M-d H:i"}}: これは、r オブジェクトの last_install プロパティの値を、指定された日付フォーマットで表示するテンプレート変数です。|date はテンプレート関数またはフィルターを示します。
  • {% if r.ok %}: これは条件分岐のテンプレートタグです。r.ok が真の場合にのみ、そのブロック内のHTMLが出力されます。

HTMLコメントアウト

HTMLでは <!-- ... --> を使用して、ブラウザに表示させたくない内容や、一時的に無効にしたいコードブロックをコメントアウトすることができます。このコミットでは、このHTMLコメントアウトの機能を利用して、ビルドステータス関連の表示を無効化しています。

技術的詳細

このコミットの技術的な変更は非常にシンプルで、HTMLのコメントアウト機能を利用して、特定のHTML要素やテキストブロックをウェブページから非表示にすることにあります。

具体的には、以下の2種類の要素がコメントアウトされました。

  1. ビルドステータスに関する説明文の非表示: package.html の冒頭近くに存在した、<b>build</b> 列が何を示すか(goinstallable であること)を説明する <p> タグのブロック全体がHTMLコメント <!-- ... --> で囲まれました。これにより、ユーザーがページを閲覧した際に、存在しない、あるいは機能していない「ビルド」列に関する説明が表示されなくなります。

  2. ビルドステータス表示セル(<td>)の非表示: パッケージリストを表示するHTMLテーブルの各行において、ビルドステータスを示す <td> 要素がコメントアウトされました。この <td> 要素は、r.ok という変数(おそらくパッケージが goinstallable であるかを示すブール値)に基づいて「ok」というテキストまたは空白を表示していました。このセルをコメントアウトすることで、テーブルから「ビルド」列が実質的に削除され、その内容が表示されなくなります。

この方法は、サーバーサイドのコードを変更することなく、フロントエンドの表示のみを迅速に制御する際に有効です。パッケージビルダーが復旧した際には、これらのコメントアウトを解除するだけで、ビルドステータス表示を元に戻すことができます。

コアとなるコードの変更箇所

変更は misc/dashboard/godashboard/package.html ファイルに集中しています。

--- a/misc/dashboard/godashboard/package.html
+++ b/misc/dashboard/godashboard/package.html
@@ -20,12 +20,14 @@
     may or may not build or be safe to use.
     </p>
 
+<!--
     <p>
     An "ok" in the <b>build</b> column indicates that the package is
     <a href="http://golang.org/cmd/goinstall/">goinstallable</a>
     with the latest
     <a href="http://golang.org/doc/devel/release.html">release</a> of Go.
     </p>
+-->
 
     <p>
     The <b>info</b> column shows the first paragraph from the
@@ -39,7 +41,7 @@
         <tr>
           <td class="time">{{r.last_install|date:"Y-M-d H:i"}}</td>
           <td class="count">{{r.week_count}}</td>
-          <td class="ok">{% if r.ok %}<a title="{{r.last_ok|date:"Y-M-d H:i"}}">ok</a>{% else %}&nbsp;{% endif %}</td>
+<!--          <td class="ok">{% if r.ok %}<a title="{{r.last_ok|date:"Y-M-d H:i"}}">ok</a>{% else %}&nbsp;{% endif %}</td> -->
           <td class="path"><a href="{{r.web_url}}">{{r.path}}</a></td>
           <td class="info">{% if r.info %}{{r.info|escape}}{% endif %}</td>
         </tr>
@@ -53,7 +55,7 @@
         <tr>
           <td class="time">{{r.last_install|date:"Y-M-d H:i"}}</td>
           <td class="count">{{r.count}}</td>
-          <td class="ok">{% if r.ok %}<a title="{{r.last_ok|date:"Y-M-d H:i"}}">ok</a>{% else %}&nbsp;{% endif %}</td>
+<!--          <td class="ok">{% if r.ok %}<a title="{{r.last_ok|date:"Y-M-d H:i"}}">ok</a>{% else %}&nbsp;{% endif %}</td> -->
           <td class="path"><a href="{{r.web_url}}">{{r.path}}</a></td>
           <td class="info">{% if r.info %}{{r.info|escape}}{% endif %}</td>
         </tr>
@@ -67,7 +69,7 @@
         <tr>
           <td class="time">{{r.last_install|date:"Y-M-d H:i"}}</td>
           <td class="count">{{r.count}}</td>
-          <td class="ok">{% if r.ok %}<a title="{{r.last_ok|date:"Y-M-d H:i"}}">ok</a>{% else %}&nbsp;{% endif %}</td>
+<!--          <td class="ok">{% if r.ok %}<a title="{{r.last_ok|date:"Y-M-d H:i"}}">ok</a>{% else %}&nbsp;{% endif %}</td> -->
           <td class="path"><a href="{{r.web_url}}">{{r.path}}</a></td>
           <td class="info">{% if r.info %}{{r.info|escape}}{% endif %}</td>
         </tr>

コアとなるコードの解説

このコミットでは、package.html ファイル内の以下の部分が変更されました。

  1. ビルドステータス説明のコメントアウト:

    <!--
        <p>
        An "ok" in the <b>build</b> column indicates that the package is
        <a href="http://golang.org/cmd/goinstall/">goinstallable</a>
        with the latest
        <a href="http://golang.org/doc/devel/release.html">release</a> of Go.
        </p>
    -->
    

    このHTMLブロックは、Goパッケージが goinstallable であることを示す「build」列の「ok」ステータスに関する説明を提供していました。パッケージビルダーが動作不能になったため、この説明は現状と合致しなくなり、ユーザーに誤解を与える可能性がありました。そのため、HTMLコメントアウトによってこの説明文がウェブページに表示されないようにされました。

  2. ビルドステータス表示セルのコメントアウト:

    <!--          <td class="ok">{% if r.ok %}<a title="{{r.last_ok|date:"Y-M-d H:i"}}">ok</a>{% else %}&nbsp;{% endif %}</td> -->
    

    この行は、HTMLテーブルの <td> 要素であり、各パッケージのビルドステータス(r.ok の値に基づいて「ok」または空白)を表示する役割を担っていました。この <td> 要素がコメントアウトされたことで、ウェブページ上のテーブルからビルドステータス列が完全に非表示になります。この変更は、<tr> タグで囲まれた3つの異なるテーブル行(おそらく異なる表示セクションやソート順に対応)に対して行われています。これにより、ダッシュボードのパッケージ一覧からビルドステータスに関する情報が一時的に取り除かれました。

これらの変更は、フロントエンドの表示層のみに影響を与え、バックエンドのデータ処理ロジックには手を加えていません。これは、問題が一時的なものであり、表示される情報が不正確になることを防ぐための迅速な対応として適切です。

関連リンク

  • Go言語公式ウェブサイト: https://golang.org/
  • Go言語の go install コマンドに関するドキュメント: https://golang.org/cmd/goinstall/ (コミット当時のリンクであり、現在は go installgo コマンドの一部として統合されています)
  • Go言語のリリースに関するドキュメント: https://golang.org/doc/devel/release.html (コミット当時のリンクであり、現在はGoのリリースノートやバージョン管理に関する情報が提供されています)

参考にした情報源リンク