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[インデックス 11033] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のmathパッケージ内のall_test.goファイルにおける誤字を修正するものです。具体的には、Logb関数のテストにおいて、エラーメッセージが誤ってIlogb関数のエラーとして報告されていた問題を修正しています。これにより、テスト結果の正確性が向上し、デバッグ時の混乱が解消されます。

コミット

commit 149d3f06d8e4b38c7195a2e27f3479309c71bcb9
Author: Charles L. Dorian <cldorian@gmail.com>
Date:   Thu Jan 5 11:04:14 2012 -0800

    math: fix typo in all_test.go

    Logb errors were reported as Ilogb errors.

    R=rsc, golang-dev, gri
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5517045

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/149d3f06d8e4b38c7195a2e27f3479309c71bcb9

元コミット内容

このコミットは、all_test.goファイル内の誤字を修正します。Logb関数に関連するエラーが、誤ってIlogb関数のエラーとして報告されていました。

変更の背景

Go言語の標準ライブラリであるmathパッケージは、数値計算に関する様々な関数を提供しています。これらの関数の正確性を保証するために、厳密なテストが実施されています。all_test.goファイルは、mathパッケージ内の多くの関数のテストケースを定義しているファイルの一つです。

このコミットが行われる前は、Logb関数のテストにおいて、期待される結果と実際の計算結果が一致しない場合に表示されるエラーメッセージに誤りがありました。具体的には、Logb関数のテストが失敗したにもかかわらず、エラーメッセージが「Ilogb関数でエラーが発生した」と報告していました。これは、テストが失敗した原因を特定しようとする開発者にとって、誤解を招く可能性がありました。

この変更の背景には、テストコードの正確性と、それによって提供されるフィードバックの明確性を確保するという目的があります。誤ったエラーメッセージは、問題の診断を遅らせ、開発プロセスを非効率にする可能性があります。したがって、この誤字の修正は、コードの品質と保守性を向上させるための重要なステップでした。

前提知識の解説

このコミットを理解するためには、Go言語のmathパッケージにおけるLogb関数とIlogb関数について理解しておく必要があります。

  • math.Logb(x float64) float64: Logb関数は、xのバイナリ指数(binary exponent)を返します。これは、x = significand * 2^exponentという形式でxを表したときのexponentに相当します。具体的には、xが正規化された浮動小数点数として表現された場合の、2を底とする対数の整数部分を返します。例えば、Logb(10.0)3.0を返します(10 = 1.25 * 2^3)。非正規化数、無限大、NaN(Not a Number)に対しても定義されています。この関数は、浮動小数点数の内部表現を理解したり、浮動小数点数のスケールを操作したりする際に役立ちます。

  • math.Ilogb(x float64) int: Ilogb関数は、Logb関数と同様にxのバイナリ指数を返しますが、その結果はint型で返されます。これは、Logbが返すfloat64型の結果を整数に丸めたものと考えることができます。Ilogbは、Logbよりも高速に計算できる場合がありますが、Logbが返す特殊な値(NaN、無限大)を適切に処理できないため、使用には注意が必要です。通常、LogbはIEEE 754標準に準拠した振る舞いをしますが、Ilogbはより限定的な用途で使われます。

このコミットでは、Logb関数のテスト中に発生したエラーが、誤ってIlogb関数のエラーとして報告されていたという点が問題でした。これは、テストコード内でエラーメッセージを生成する際に、関数名が誤って記述されていたことに起因します。

技術的詳細

このコミットの技術的な詳細は、src/pkg/math/all_test.goファイル内のTestLogb関数におけるエラー報告のロジックにあります。

TestLogb関数は、Logb関数の様々な入力値に対する挙動をテストしています。テストループ内で、Logb関数の実際の出力e(変更後はf)と、期待される出力logbBC[i]を比較しています。もしこれらが一致しない場合、t.Errorf関数を使ってエラーを報告します。

変更前のコードでは、t.Errorfのフォーマット文字列が以下のようになっていました。

t.Errorf("Ilogb(%g) = %g, want %g", vffrexpBC[i], e, logbBC[i])

ここで問題なのは、エラーメッセージの冒頭にある"Ilogb(%g)"という部分です。このテストはLogb関数を対象としているにもかかわらず、エラーメッセージではIlogb関数が言及されていました。これは単なる文字列の誤りであり、Logb関数の実際の計算ロジックやテストの実行自体には影響を与えませんでしたが、テスト結果の解釈に混乱を招く可能性がありました。

このコミットは、この誤字を修正し、エラーメッセージが実際にテストされている関数(Logb)を正しく参照するように変更しました。これにより、テストが失敗した場合に表示されるメッセージが、問題の原因をより正確に反映するようになります。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/pkg/math/all_test.go
+++ b/src/pkg/math/all_test.go
@@ -2214,8 +2214,8 @@ func TestLogb(t *testing.T) {
 		}
 	}
 	for i := 0; i < len(vffrexpBC); i++ {\n-\t\tif e := Logb(vffrexpBC[i]); !alike(logbBC[i], e) {\n-\t\t\tt.Errorf(\"Ilogb(%g) = %g, want %g\", vffrexpBC[i], e, logbBC[i])
+\t\tif f := Logb(vffrexpBC[i]); !alike(logbBC[i], f) {\n+\t\t\tt.Errorf(\"Logb(%g) = %g, want %g\", vffrexpBC[i], f, logbBC[i])
 \t\t}\n \t}\n }

コアとなるコードの解説

この変更は、src/pkg/math/all_test.goファイル内のTestLogb関数にあります。

変更前のコード:

-\t\tif e := Logb(vffrexpBC[i]); !alike(logbBC[i], e) {\n-\t\t\tt.Errorf(\"Ilogb(%g) = %g, want %g\", vffrexpBC[i], e, logbBC[i])
  • if e := Logb(vffrexpBC[i]); !alike(logbBC[i], e): ここではLogb関数が呼び出され、その結果が変数eに代入されています。そして、期待される値logbBC[i]と実際の値ealike関数(おそらく浮動小数点数の比較を行うヘルパー関数)を使って比較されています。
  • t.Errorf("Ilogb(%g) = %g, want %g", vffrexpBC[i], e, logbBC[i]): もし比較がfalse(つまり値が一致しない)であれば、t.Errorfが呼び出され、エラーメッセージが出力されます。問題は、このエラーメッセージのフォーマット文字列が"Ilogb(%g)"となっていた点です。これはLogb関数のテストであるにもかかわらず、Ilogb関数が言及されていました。

変更後のコード:

+\t\tif f := Logb(vffrexpBC[i]); !alike(logbBC[i], f) {\n+\t\t\tt.Errorf(\"Logb(%g) = %g, want %g\", vffrexpBC[i], f, logbBC[i])
  • if f := Logb(vffrexpBC[i]); !alike(logbBC[i], f): 変数名がeからfに変更されていますが、これは単なる変数名の変更であり、機能的な意味はありません。重要なのは、引き続きLogb関数がテストされている点です。
  • t.Errorf("Logb(%g) = %g, want %g", vffrexpBC[i], f, logbBC[i]): エラーメッセージのフォーマット文字列が"Logb(%g)"に修正されました。これにより、エラーメッセージが実際にテストされているLogb関数を正しく指し示すようになり、テスト結果の明確性が向上しました。

この変更は非常に小さく、機能的な振る舞いを変更するものではありませんが、テストの出力の正確性を高め、デバッグ時の誤解を防ぐ上で重要な修正です。

関連リンク

参考にした情報源リンク