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[インデックス 11048] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式ドキュメント「Effective Go」における記述の修正に関するものです。具体的には、浮動小数点数型に関する記述で、曖昧な「float」という表現を、Go言語で一般的に使用されるデフォルトの浮動小数点数型である「float64」に修正しています。これにより、ドキュメントの正確性と明確性が向上しています。

コミット

commit b7f44e97a362f3c57a33712b2b092dc9ca91e478
Author: Jeff R. Allen <jra@nella.org>
Date:   Mon Jan 9 11:53:20 2012 +1100

    doc: float -> float64 in Effective Go
    
    R=golang-dev
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5531046

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/b7f44e97a362f3c57a33712b2b092dc9ca91e478

元コミット内容

doc: float -> float64 in Effective Go

R=golang-dev
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5531046

変更の背景

Go言語には、floatという組み込み型は存在しません。浮動小数点数型としては、単精度浮動小数点数であるfloat32と、倍精度浮動小数点数であるfloat64の2種類が提供されています。Go言語において、特に明示的な型指定がない場合や、リテラルで浮動小数点数を記述した場合、デフォルトではfloat64として扱われます。

「Effective Go」は、Go言語の慣用的な書き方やベストプラクティスを解説する公式ドキュメントであり、Goプログラミングの指針となる重要な資料です。このドキュメント内で「float」という曖昧な表現が使用されていると、読者がGo言語の型システムについて誤解する可能性がありました。特に、他のプログラミング言語ではfloatが一般的な単精度浮動小数点数を指す場合があるため、Go言語の文脈では不正確な表現となります。

このコミットは、ドキュメントの正確性を高め、Go言語の型システムに関する誤解を防ぐことを目的として、「float」という記述をより具体的な「float64」に修正しました。

前提知識の解説

Go言語の数値型

Go言語は静的型付け言語であり、変数を宣言する際にはその型を明示する必要があります。数値型には、整数型と浮動小数点数型があります。

  • 整数型:
    • 符号付き整数: int8, int16, int32, int64, int (環境依存のサイズ)
    • 符号なし整数: uint8, uint16, uint32, uint64, uint (環境依存のサイズ), uintptr
  • 浮動小数点数型:
    • float32: IEEE-754 32ビット浮動小数点数(単精度)
    • float64: IEEE-754 64ビット浮動小数点数(倍精度)
  • 複素数型:
    • complex64: float32の実部と虚部を持つ複素数
    • complex128: float64の実部と虚部を持つ複素数

Go言語では、浮動小数点数リテラル(例: 3.14)は、特に型を明示しない限り、デフォルトでfloat64型として推論されます。これは、多くの科学技術計算や一般的な用途で倍精度浮動小数点数が推奨されるためです。

Effective Go

「Effective Go」は、Go言語の公式ドキュメントの一部であり、Go言語の設計思想、慣用的なプログラミングスタイル、およびベストプラクティスについて詳細に解説しています。Go言語で効率的かつGoらしいコードを書くための重要なガイドラインが提供されており、Goプログラマーにとって必読のドキュメントとされています。このドキュメントは、Go言語の公式ウェブサイトで公開されています。

技術的詳細

このコミットの技術的なポイントは、ドキュメントの正確性を追求した点にあります。Go言語の型システムにおいて、「float」という抽象的な型は存在せず、具体的なビット幅を持つfloat32またはfloat64を使用します。

多くのプログラミング言語では、floatというキーワードが単精度浮動小数点数を指すことが一般的です。しかし、Go言語では、浮動小数点数リテラルがデフォルトでfloat64として扱われるため、単に「float」と記述すると、読者がfloat32を意図しているのか、float64を意図しているのか、あるいはGo言語にfloatという型が存在すると誤解する可能性があります。

Effective Goのような公式ドキュメントでは、このような曖昧さを排除し、Go言語の仕様に厳密に準拠した表現を用いることが極めて重要です。floatfloat64に修正することで、ドキュメントはGo言語の実際の型システムを正確に反映し、読者に対して正しい情報を提供できるようになります。これは、Go言語の設計思想である「明確さ」と「簡潔さ」にも合致する変更と言えます。

コアとなるコードの変更箇所

変更はdoc/effective_go.htmlファイル内の一箇所です。

--- a/doc/effective_go.html
+++ b/doc/effective_go.html
@@ -1494,7 +1494,7 @@ format <code>%#v</code> prints the value in full Go syntax.\n <pre>\n type T struct {\n     a int\n-    b float\n+    b float64\n     c string\n }\n t := &amp;T{ 7, -2.35, \"abc\\tdef\" }\n```

## コアとなるコードの解説

上記の変更箇所は、`doc/effective_go.html`内の構造体定義の例を示している部分です。

元のコードでは、以下のように`b`フィールドが`float`型として定義されていました。

```html
    b float

このコミットにより、bフィールドの型がfloat64に修正されました。

    b float64

この修正は、Go言語にfloatという型が存在しないため、ドキュメントの記述をGo言語の実際の型システムに合わせるためのものです。これにより、読者はGo言語の浮動小数点数型について正確な情報を得ることができます。この変更は、ドキュメントの品質と正確性を向上させるための小さな、しかし重要な修正です。

関連リンク

参考にした情報源リンク