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[インデックス 11106] ファイルの概要

コミット

このコミットは、Go言語の標準ライブラリの一部であるcrypto/openpgpパッケージ内のディレクトリ名をerrorからerrorsに更新するものです。具体的には、Makefile内の参照パスが修正されています。

  • コミットハッシュ: b1bad5530a3f06fe4cfcd37f13d67ec9974ccd52
  • 作者: Adam Langley agl@golang.org
  • 日付: 2012年1月11日 水曜日 08:39:29 -0500

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/b1bad5530a3f06fe4cfcd37f13d67ec9974ccd52

元コミット内容

Makefile: update openpgp/error -> openpgp/errors

R=golang-dev
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5530078

変更の背景

この変更は、crypto/openpgpパッケージ内のerrorという名前のディレクトリが、より適切で一般的な命名規則に沿うようにerrorsにリネームされたことに伴うものです。通常、複数のエラー型やエラー関連のユーティリティを含むパッケージやディレクトリは、単数形ではなく複数形(例: errors)で命名されることが一般的です。これにより、コードベース全体の整合性が向上し、他の開発者がディレクトリの内容をより直感的に理解できるようになります。

Go言語のプロジェクトでは、パッケージ名やディレクトリ名に関する厳格な慣習が存在します。この変更は、これらの慣習に準拠し、コードベースの品質と可読性を維持するためのリファクタリングの一環と考えられます。

前提知識の解説

Makefile

Makefileは、主にUnix系システムでソフトウェアのビルドプロセスを自動化するために使用されるファイルです。makeコマンドによって解釈され、ソースコードのコンパイル、ライブラリのリンク、テストの実行など、一連のタスクを定義します。このコミットでは、Goプロジェクトのビルド設定を記述したMakefileが変更されています。

Go言語のパッケージとディレクトリ構造

Go言語では、コードはパッケージにまとめられ、各パッケージは通常、ファイルシステム上のディレクトリに対応します。パッケージ名はディレクトリ名と一致することが推奨されます。crypto/openpgpは、OpenPGP(Pretty Good Privacy)プロトコルに関連する暗号化機能を提供するGo標準ライブラリのパッケージ群です。その中にerrorまたはerrorsというサブディレクトリが存在し、OpenPGPに関連するエラー定義やエラー処理ロジックが含まれていると推測されます。

命名規則の重要性

ソフトウェア開発において、一貫性のある命名規則は非常に重要です。特に、複数の関連する項目(この場合は複数のエラー型)を扱うディレクトリやパッケージには、複数形(例: errors)を使用することで、その内容が単一のエンティティではなく、コレクションであることを明確に示します。これにより、コードの可読性が向上し、新しい開発者がプロジェクトに参加した際の学習コストを削減できます。

技術的詳細

このコミットは、src/pkg/Makefileファイルに対して行われた変更です。具体的には、crypto/openpgp/errorへの参照がcrypto/openpgp/errorsに更新されています。

Makefile内では、主に以下の2つのセクションで変更が行われています。

  1. DIRS変数: DIRS変数は、makeコマンドがビルド対象として認識するディレクトリのリストを定義しています。このリストにcrypto/openpgp/errorが含まれていましたが、これがcrypto/openpgp/errorsに修正されました。これにより、ビルドシステムが新しいディレクトリパスを正しく認識し、コンパイルやその他のビルドプロセスを実行できるようになります。

  2. NOTEST変数: NOTEST変数は、テストを実行しないディレクトリのリストを定義しています。通常、テストが不要な、またはテストスイートに含まれない特定のパッケージやディレクトリがここにリストされます。このリストでもcrypto/openpgp/errorcrypto/openpgp/errorsに更新されました。これは、ディレクトリ名が変更された後も、そのディレクトリ内のコードが引き続きテスト対象外であることを保証するためです。

この変更は、Go言語のソースコード自体ではなく、ビルドシステムの設定ファイルに対するものです。これは、Goのパッケージ構造が変更された際に、ビルドツールがその変更を正しく反映できるようにするための典型的な手順です。

コアとなるコードの変更箇所

diff --git a/src/pkg/Makefile b/src/pkg/Makefile
index c14a2d9f53..c090a2f6c6 100644
--- a/src/pkg/Makefile
+++ b/src/pkg/Makefile
@@ -43,7 +43,7 @@ DIRS=\
  	crypto/openpgp\
  	crypto/openpgp/armor\
  	crypto/openpgp/elgamal\
--	crypto/openpgp/error\
-+	crypto/openpgp/errors\
  	crypto/openpgp/packet\
  	crypto/openpgp/s2k\
  	crypto/rand\
@@ -198,7 +198,7 @@ endif
  
 NOTEST+=\
  	crypto\\\
--	crypto/openpgp/error\\\
-+	crypto/openpgp/errors\\\
  	crypto/x509/pkix\\\
  	exp/ebnflint\\\
  	go/doc\\\

コアとなるコードの解説

上記のdiffは、src/pkg/Makefileファイルに対する変更を示しています。

  • - crypto/openpgp/error\: これは、元のMakefileから削除された行を示しています。DIRS変数とNOTEST変数の両方から、古いディレクトリ名であるcrypto/openpgp/errorへの参照が削除されました。
  • + crypto/openpgp/errors\: これは、新しいMakefileに追加された行を示しています。DIRS変数とNOTEST変数の両方に、新しいディレクトリ名であるcrypto/openpgp/errorsへの参照が追加されました。

この変更は、MakefileがGoのパッケージ構造の変更に追従し、ビルドプロセスが引き続き正しく機能するようにするために不可欠です。これにより、makeコマンドがcrypto/openpgp/errorsディレクトリをビルド対象として認識し、またテスト対象外として適切に処理できるようになります。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の公式ドキュメント(パッケージ命名規則に関する情報)
  • Makefileの基本的な構文と使用法に関する一般的な情報
  • Gitのdiffコマンドの出力形式に関する情報