[インデックス 11187] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のランタイムパッケージ内のコメントのタイポ（誤字）を修正するものです。具体的には、src/pkg/runtime/extern.go ファイル内の Callers 関数のコメントにおいて、「Caller」と誤記されていた部分を正しい関数名である「Callers」に修正しています。

コミット

runtime: fix typo in comment

R=golang-dev, dvyukov
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5540059

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/0aaf2c2d103101c66f60d3c02abd972a29b70b33

元コミット内容

commit 0aaf2c2d103101c66f60d3c0abd972a29b70b33
Author: Maxim Pimenov <mpimenov@google.com>
Date:   Mon Jan 16 18:42:18 2012 +0400

    runtime: fix typo in comment
    
    R=golang-dev, dvyukov
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5540059
---
 src/pkg/runtime/extern.go | 2 +-\
 1 file changed, 1 insertion(+), 1 deletion(-)

diff --git a/src/pkg/runtime/extern.go b/src/pkg/runtime/extern.go
index 25c7470aab..88598cb7d4 100644
--- a/src/pkg/runtime/extern.go
+++ b/src/pkg/runtime/extern.go
@@ -27,7 +27,7 @@ func Caller(skip int) (pc uintptr, file string, line int, ok bool)\n 
 // Callers fills the slice pc with the program counters of function invocations
 // on the calling goroutine's stack.  The argument skip is the number of stack frames
 // to skip before recording in pc, with 0 starting at the caller of Caller.
- // to skip before recording in pc, with 0 starting at the caller of Caller.
+ // to skip before recording in pc, with 0 starting at the caller of Callers.
 // It returns the number of entries written to pc.
 func Callers(skip int, pc []uintptr) int

変更の背景

このコミットは、Go言語の標準ライブラリの一部である runtime パッケージ内のコメントの誤字を修正することを目的としています。Go言語の標準ライブラリは、その品質と正確性が非常に重視されており、コードだけでなく、ドキュメンテーションやコメントも同様に正確であることが求められます。

runtime パッケージはGoプログラムの実行環境を管理する非常に低レベルな部分であり、そのコメントは開発者が関数の挙動を正確に理解するために不可欠です。Callers 関数はスタックトレースを取得するための重要な関数であり、そのコメントに誤りがあると、開発者が関数を誤解したり、誤用したりする可能性がありました。

この修正は、機能的な変更ではなく、ドキュメンテーションの品質向上と正確性の維持を目的としたものです。このような小さな修正も、大規模なオープンソースプロジェクトにおいては、コードベース全体の健全性を保つ上で重要視されます。

前提知識の解説

Go言語の runtime パッケージ: runtime パッケージは、Goプログラムの実行時環境（ランタイム）を管理するGo言語のコアパッケージです。ガベージコレクション、ゴルーチン（軽量スレッド）のスケジューリング、スタック管理、システムコールなど、Goプログラムが動作するために必要な低レベルな機能を提供します。通常、開発者が直接このパッケージの関数を呼び出すことは稀ですが、デバッグやプロファイリング、あるいは特定の高度なユースケースで利用されることがあります。
runtime.Callers 関数: この関数は、現在のゴルーチンのコールスタック上の関数呼び出しのプログラムカウンタ（PC）を取得するために使用されます。デバッグ時やエラーハンドリングにおいて、どこでエラーが発生したか、どのような関数呼び出しの連鎖があったかを特定する際に非常に役立ちます。
- skip 引数: スタックフレームをスキップする数を指定します。0 は Callers 関数自体の呼び出し元から開始することを意味します。
- pc []uintptr 引数: プログラムカウンタを格納するためのスライスです。
- 戻り値: pc スライスに書き込まれたエントリの数を返します。
コメントの重要性: プログラミングにおいて、コメントはコードの意図、挙動、制約などを説明するために不可欠です。特に、Go言語のようなオープンソースプロジェクトでは、世界中の開発者がコードを読み、理解し、貢献するため、正確で分かりやすいコメントが非常に重要になります。コメントの誤りは、コードの誤解や誤用につながる可能性があります。

技術的詳細

このコミットの技術的な詳細は、非常にシンプルで直接的です。

対象ファイル: src/pkg/runtime/extern.go
- このファイルは、Goランタイムの外部インターフェース、特にGo言語から直接呼び出される可能性のあるランタイム関数（Caller や Callers など）の宣言を含んでいます。
変更箇所: Callers 関数のコメント行
- 変更前のコメント: // to skip before recording in pc, with 0 starting at the caller of Caller.
- 変更後のコメント: // to skip before recording in pc, with 0 starting at the caller of Callers.
変更内容: コメント内の「Caller」という単語が、対象の関数名である「Callers」に修正されました。これは、単数形と複数形の誤りであり、関数名とコメントの内容を一致させるための修正です。
影響: この変更はコードの実行には一切影響を与えません。純粋にドキュメンテーションの修正であり、コンパイルされたバイナリの動作やパフォーマンスに変化はありません。しかし、将来的にこの関数を利用する開発者にとっては、より正確な情報が提供されることになります。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/pkg/runtime/extern.go
+++ b/src/pkg/runtime/extern.go
@@ -27,7 +27,7 @@ func Caller(skip int) (pc uintptr, file string, line int, ok bool)\n 
 // Callers fills the slice pc with the program counters of function invocations
 // on the calling goroutine's stack.  The argument skip is the number of stack frames
 // to skip before recording in pc, with 0 starting at the caller of Caller.
- // to skip before recording in pc, with 0 starting at the caller of Caller.
+ // to skip before recording in pc, with 0 starting at the caller of Callers.
 // It returns the number of entries written to pc.
 func Callers(skip int, pc []uintptr) int

コアとなるコードの解説

変更された行は、runtime.Callers 関数のドキュメンテーションコメントの一部です。

元のコメント: // to skip before recording in pc, with 0 starting at the caller of Caller.

このコメントは、Callers 関数の skip 引数の意味を説明しています。skip が 0 の場合、Callers 関数を呼び出した関数（つまり、Callers の「呼び出し元」）からスタックフレームの記録を開始するという意味です。

問題は、コメントの最後に「Caller」と書かれている点です。runtime パッケージには Caller と Callers という似た名前の関数が存在します。このコメントは Callers 関数に関するものであるにもかかわらず、誤って Caller と記載されていました。

修正後のコメント: // to skip before recording in pc, with 0 starting at the caller of Callers.

この修正により、「Caller」が「Callers」に変わり、コメントが対象の関数名と完全に一致するようになりました。これにより、開発者がコメントを読んだ際に、どの関数に関する説明であるかを明確に理解できるようになります。

この変更は、コードの機能には影響を与えませんが、ドキュメンテーションの正確性を高め、将来のGo開発者が runtime.Callers 関数をより正確に理解し、利用する上で役立ちます。

参考にした情報源リンク

Go言語のコードレビューシステム (Gerrit) の変更リスト: https://golang.org/cl/5540059
GitHub上のコミットページ: https://github.com/golang/go/commit/0aaf2c2d103101c66f60d3c0abd972a29b70b33

comemo