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[インデックス 11412] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式ドキュメントの一部である doc/go1.html および doc/go1.tmpl ファイルに対する軽微なHTML修正を目的としています。具体的には、HTMLエンティティの誤った使用を修正し、コードスニペットがブラウザで正しく表示されるようにしています。

コミット

commit 7c9ee5f3696290804a2d192121f1da1fae1b3b8f
Author: Robert Hencke <robert.hencke@gmail.com>
Date:   Wed Jan 25 21:09:46 2012 -0800

    doc/go1: minor html fixes
    
    R=golang-dev, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5572064

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/7c9ee5f3696290804a2d192121f1da1fae1b3b8f

元コミット内容

doc/go1: minor html fixes

このコミットメッセージは非常に簡潔で、「Go 1ドキュメントの軽微なHTML修正」とだけ述べられています。具体的な修正内容は差分を見ることで明らかになります。

変更の背景

このコミットは、Go言語のバージョン1(Go 1)のリリースに向けたドキュメントの準備の一環として行われました。Go 1はGo言語にとって最初の安定版リリースであり、そのドキュメントは非常に重要でした。ドキュメント内のコードスニペットがブラウザで正しく表示されるように、HTMLエンティティの誤用を修正する必要がありました。

具体的には、Go言語のコード内で使用される < (小なり記号) や > (大なり記号) といった特殊文字が、HTMLドキュメント内でそのまま記述されると、ブラウザによってHTMLタグの一部として解釈されてしまう問題がありました。これを避けるためには、これらの文字をHTMLエンティティ(例: <&lt;>&gt;)に変換して記述する必要があります。このコミットは、この変換が適切に行われていなかった箇所を修正し、ドキュメントの表示品質を向上させることを目的としています。

前提知識の解説

HTMLエンティティ

HTMLエンティティは、HTMLドキュメント内で特殊文字や予約文字を表現するための仕組みです。HTMLでは、<>&"' などの文字は特別な意味を持ちます。例えば、<> はタグの開始と終了を示します。もしこれらの文字をテキストとして表示したい場合、そのまま記述するとブラウザが誤って解釈してしまう可能性があります。

これを避けるために、HTMLエンティティが使用されます。HTMLエンティティは通常、& で始まり、エンティティ名またはシャープ記号(#)と数値参照が続き、セミコロン(;)で終わります。

  • &lt;: "less than" の略で、< (小なり記号) を表します。
  • &gt;: "greater than" の略で、> (大なり記号) を表します。
  • &amp;: "ampersand" の略で、& (アンパサンド) を表します。
  • &quot;: "quotation mark" の略で、" (二重引用符) を表します。
  • &apos;: "apostrophe" の略で、' (アポストロフィ) を表します(HTML5で導入)。

このコミットでは、Go言語のコードスニペット内で使用されている <> が、HTMLドキュメント内で &lt;&gt; に適切にエスケープされていなかった問題を修正しています。

Go 1

Go 1は、2012年3月28日にリリースされたGo言語の最初の安定版リリースです。Go 1の目標は、言語仕様と標準ライブラリの安定性を提供し、将来のバージョンとの互換性を保証することでした。これにより、Go言語はより広範な採用とエコシステムの発展を促進しました。このコミットが行われた2012年1月は、Go 1のリリースに向けてドキュメントの最終調整が行われていた時期にあたります。

技術的詳細

このコミットは、doc/go1.htmldoc/go1.tmpl の2つのファイルを変更しています。

  • doc/go1.html: これは最終的にブラウザで表示されるHTMLドキュメントです。
  • doc/go1.tmpl: これはGo言語のテンプレートエンジンで使用されるテンプレートファイルである可能性が高いです。テンプレートファイルは、動的にHTMLを生成するために使用されます。この場合、go1.tmpl から go1.html が生成されるか、あるいは両者が独立して存在し、それぞれが異なる目的(例: go1.tmpl はサーバーサイドレンダリング用、go1.html は静的生成用)で使用されている可能性があります。しかし、変更内容が同一であることから、go1.tmpl がソースであり、そこから go1.html が生成される、あるいは両者が同じ内容を維持する必要がある、と考えるのが自然です。

変更の核心は、Go言語のコードスニペット内で使用されている比較演算子(<>)を、HTMLエンティティに置き換えることです。

変更前:

    var csend chan<- int = c
    var crecv <-chan int = c
    for i = 0; i < 5; i++ {
    for j := 0; j < 5; j++ { // Redeclares j.

変更後:

    var csend chan&lt;- int = c
    var crecv &lt;-chan int = c
    for i = 0; i &lt; 5; i++ {
    for j := 0; j &lt; 5; j++ { // Redeclares j.

この修正により、ブラウザはこれらの文字をHTMLタグの一部としてではなく、単なるテキスト文字として正しくレンダリングするようになります。これにより、ドキュメント内のコード例が意図した通りに表示され、読者がGo言語の構文を正確に理解できるようになります。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットは、以下の2つのファイルに影響を与えています。

  1. doc/go1.html
  2. doc/go1.tmpl

両ファイルで、以下のパターンに合致する行が変更されています。

  • chan<- intchan&lt;- int
  • <-chan int&lt;-chan int
  • i < 5i &lt; 5
  • j < 5j &lt; 5

具体的には、doc/go1.html の74行目、75行目、328行目、329行目、および doc/go1.tmpl の67行目、68行目、263行目、264行目が変更されています。

コアとなるコードの解説

変更されたコードは、Go言語のチャネルの宣言と for ループの条件式を含むコードスニペットです。

チャネルの宣言例

var c chan int
var csend chan<- int = c
var crecv <-chan int = c
  • var c chan int: int 型の値を送受信できるチャネル c を宣言しています。
  • var csend chan<- int = c: csend は、int 型の値を送信のみできるチャネルとして宣言され、c に代入されています。chan<- は送信専用チャネルを示します。
  • var crecv <-chan int = c: crecv は、int 型の値を受信のみできるチャネルとして宣言され、c に代入されています。<-chan は受信専用チャネルを示します。

これらの行では、Go言語の構文である <- が使用されています。HTMLドキュメント内でこの <- をそのまま記述すると、ブラウザが < をHTMLタグの開始と誤解釈する可能性があるため、&lt;- とエスケープする必要がありました。

for ループの例

for i = 0; i < 5; i++ {
    for j := 0; j < 5; j++ { // Redeclares j.

これは一般的な for ループの構文です。条件式 i < 5j < 5 に含まれる < 記号も、HTMLドキュメント内で正しく表示されるように &lt; にエスケープする必要がありました。

このコミットは、これらのGo言語の構文がHTMLドキュメント内で正しくレンダリングされるように、HTMLエンティティへの変換漏れを修正したものです。これにより、Go 1のドキュメントの正確性と可読性が向上しました。

関連リンク

参考にした情報源リンク