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[インデックス 11598] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式仕様書である doc/go_spec.html ファイル内の、素数のリストの例を修正するものです。具体的には、スライスリテラルの例として示されている素数のリストに、数学的には素数ではない「9」と非常に大きな数値を追加し、同時にコミットメッセージでユーモラスなコメントを付加しています。

コミット

commit a044154a4c82af185d56ed5826d9946cd065178b
Author: Rob Pike <r@golang.org>
Date:   Sat Feb 4 06:16:02 2012 +1100

    spec: restore primality
    9 is prime if it's a hot day.
    
    R=golang-dev, gri
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5630043

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/a044154a4c82af185d56ed5826d9946cd065178b

元コミット内容

このコミットの元々の意図は、Go言語の仕様書における素数の例を「復元 (restore)」することです。しかし、コミットメッセージの「9 is prime if it's a hot day.(暑い日なら9は素数だ)」という記述と、実際に素数ではない「9」がリストに追加されていることから、これはユーモアを交えた変更、あるいは以前の変更を元に戻す際の遊び心のある修正であると解釈できます。

変更の背景

Go言語の仕様書は、言語の挙動を正確に定義する重要なドキュメントです。その中に含まれるコード例は、読者が言語機能を理解する上で役立ちます。このコミットは、doc/go_spec.html 内の配列、スライス、マップリテラルの例セクションにある、素数のリストの例を対象としています。

変更の背景には、おそらく以前のコミットでこの素数リストが誤って変更されたか、あるいは単に例として示されているリストに遊び心を加える意図があったと考えられます。特に「9」が素数ではないにもかかわらず追加されている点、そして非常に大きな数値が追加されている点は、この例が厳密な数学的正確さよりも、Go言語のスライスリテラルの構文を示すことに主眼を置いていることを示唆しています。コミットメッセージのユーモラスな表現は、Go開発チームの文化の一端を垣間見せるものです。

前提知識の解説

Go言語のスライスとリテラル

Go言語において、スライス (slice) は、同じ型の要素のシーケンスを表すデータ構造です。スライスは配列の上に構築され、動的なサイズ変更が可能です。

スライスリテラル (slice literal) は、スライスを直接初期化するための構文です。[]Type{value1, value2, ...} の形式で記述され、Type はスライスの要素の型を示します。例えば、[]int{1, 2, 3} は整数型のスライスを初期化します。

素数

素数 (prime number) とは、1とその数自身以外に正の約数を持たない、1より大きい自然数のことです。例えば、2, 3, 5, 7, 11, 13 などが素数です。9は3で割り切れるため、素数ではありません。

Gitとコミット

Git は分散型バージョン管理システムです。コミット (commit) は、リポジトリへの変更の記録単位です。各コミットには、変更内容、作者、日時、コミットメッセージなどが含まれます。diff は、あるコミットと別のコミット(または現在の作業ディレクトリ)との間の変更点を示すものです。

Go言語の仕様書

doc/go_spec.html は、Go言語の公式な仕様書です。これはGo言語の構文、セマンティクス、標準ライブラリの挙動などを詳細に記述しており、Go言語の「真実の源」として機能します。

技術的詳細

このコミットは、Go言語の仕様書 doc/go_spec.html のHTMLコンテンツを直接変更しています。変更箇所は、スライスリテラルの例として示されている primes という名前の int 型のスライスです。

元のコードでは、primes スライスは以下の要素を持っていました。 primes := []int{2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 991}

このコミットによって、91174250539803415390440702411831137627109439 という非常に大きな数値が追加されています。

変更後の primes スライスは以下のようになります。 primes := []int{2, 3, 5, 7, 9, 11, 13, 17, 19, 991, 1174250539803415390440702411831137627109439}

注目すべき点は以下の通りです。

  1. 9 の追加: 9は素数ではありません(3で割り切れる)。コミットメッセージの「9 is prime if it's a hot day.」というユーモラスなコメントと合わせて、この例が厳密な素数リストではなく、スライスリテラルの構文を示すためのものであることを強調しています。
  2. 非常に大きな数値の追加: 1174250539803415390440702411831137627109439 という数値は、Go言語の int 型(または uint 型)が非常に大きな整数値を扱えることを示唆している可能性があります。この数値も素数ではありません。
  3. 991 の維持: 元々リストに含まれていた素数 991 はそのまま残されています。

この変更は、Go言語のコンパイラやランタイムの動作に影響を与えるものではなく、純粋にドキュメントの例の修正です。しかし、公式仕様書という性質上、このようなユーモラスな変更も記録として残る点が興味深いと言えます。

コアとなるコードの変更箇所

変更は doc/go_spec.html ファイルの以下の部分です。

--- a/doc/go_spec.html
+++ b/doc/go_spec.html
@@ -2143,7 +2143,7 @@ Examples of valid array, slice, and map literals:
 
 <pre>
 // list of prime numbers
-primes := []int{2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 991}\n
+primes := []int{2, 3, 5, 7, 9, 11, 13, 17, 19, 991, 1174250539803415390440702411831137627109439}\n
 
 // vowels[ch] is true if ch is a vowel
 vowels := [128]bool{'a': true, 'e': true, 'i': true, 'o': true, 'u': true, 'y': true}\n

コアとなるコードの解説

この変更は、Go言語の仕様書内でスライスリテラルの使用例を示している箇所を直接編集しています。

primes := []int{...} は、int 型の要素を持つスライス primes を宣言し、波括弧 {} 内に列挙された値で初期化しています。

変更前は、このリストは比較的正確な素数の集合でした(ただし、991 は素数ですが、その前の 19 の次に来る素数は 23 です)。

変更後は、リストに 91174250539803415390440702411831137627109439 が追加されました。これらの数値は素数ではありません。このことは、この例が「素数」の厳密な定義を示すためではなく、Go言語におけるスライスリテラルの構文と、int 型が扱える数値の範囲(特に大きな数値)を示すためのものであることを示唆しています。

コミットメッセージの「spec: restore primality」というタイトルは、一見すると素数リストの正確性を回復するように見えますが、その後の「9 is prime if it's a hot day.」という補足と実際の変更内容から、これはユーモラスな表現であり、Go言語のドキュメントにおける遊び心や、開発者の人間味を示すものと解釈できます。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の公式ドキュメント: https://go.dev/doc/
  • Go言語の仕様書: https://go.dev/ref/spec
  • 素数に関する一般的な情報 (例: Wikipedia)
  • Gitの基本的なコマンドと概念に関する情報