[インデックス 11634] ファイルの概要
このコミットは、Go言語の標準ライブラリであるhtml
パッケージにパッケージドキュメントを追加するものです。これにより、html
パッケージの目的と機能が明確になり、開発者がこのパッケージをより理解しやすくなります。
コミット
commit e066db3acbd65f12349d0dff36332e2c7648711d
Author: Nigel Tao <nigeltao@golang.org>
Date: Mon Feb 6 13:24:45 2012 +1100
html: add package doc.
Fixes #2857.
R=r, adg
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5635046
---
src/pkg/html/escape.go | 1 +
1 file changed, 1 insertion(+)
diff --git a/src/pkg/html/escape.go b/src/pkg/html/escape.go
index c0b5262af8..dbe1b9cd37 100644
--- a/src/pkg/html/escape.go
+++ b/src/pkg/html/escape.go
@@ -2,6 +2,7 @@
// Use of this source code is governed by a BSD-style
// license that can be found in the LICENSE file.\n \n+// Package html provides functions for escaping and unescaping HTML text.\n package html\n \n import (
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/e066db3acbd65f12349d0dff36332e2c7648711d
元コミット内容
html: add package doc.
Fixes #2857.
R=r, adg
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5635046
変更の背景
このコミットの主な目的は、Go言語の標準ライブラリであるhtml
パッケージに公式のパッケージドキュメントを追加することです。コミットメッセージにある「Fixes #2857」は、おそらくGoプロジェクトの内部的な課題追跡システムにおける特定の課題番号を指していると考えられます。公開されているGoのIssue Trackerでは、この番号に直接関連する明確な課題は見つかりませんでしたが、これはドキュメントの不足を指摘する、あるいはドキュメント追加の必要性を示す内部的なリクエストであった可能性が高いです。
Go言語では、コードの可読性と保守性を高めるために、適切なドキュメントが非常に重視されています。特にパッケージレベルのドキュメントは、そのパッケージが何を提供し、どのように使用されるべきかを簡潔に説明する上で不可欠です。このコミットは、html
パッケージの利用者がその機能を迅速に理解し、適切に利用できるようにするための改善の一環として行われました。
前提知識の解説
Go言語のパッケージドキュメント
Go言語では、ソースコード内に直接記述されたコメントが自動的にドキュメントとして生成される仕組みがあります。これはgo doc
コマンドやpkg.go.devのようなオンラインドキュメントサービスで利用されます。
- パッケージドキュメント: パッケージの目的や全体像を説明するドキュメントです。通常、パッケージ内の任意のGoファイルの
package
宣言の直前に記述されたコメントがパッケージドキュメントとして扱われます。このコメントは、package
キーワードの前に空行を挟まずに記述する必要があります。 - エクスポートされた識別子のドキュメント: 関数、変数、定数、型、メソッドなど、エクスポートされた(大文字で始まる)識別子に対しても、その直前にコメントを記述することでドキュメントを生成できます。
html
パッケージ
Go言語の標準ライブラリに含まれるhtml
パッケージは、HTMLテキストのエスケープおよびアンエスケープ機能を提供します。これは、ウェブアプリケーションにおいてクロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃などのセキュリティ脆弱性を防ぐ上で非常に重要です。
- エスケープ: HTML特殊文字(例:
<
,>
,&
,"
,'
)を、ブラウザがそれらを文字として解釈するようにエンティティ(例:<
,>
,&
,"
,'
)に変換する処理です。これにより、ユーザー入力に含まれる悪意のあるスクリプトがHTMLとして実行されるのを防ぎます。 - アンエスケープ: エスケープされたHTMLエンティティを元の特殊文字に戻す処理です。
技術的詳細
Go言語におけるパッケージドキュメントの追加は、非常にシンプルかつ標準的なプラクティスです。このコミットでは、src/pkg/html/escape.go
ファイルのpackage html
宣言の直前に、パッケージの目的を説明するコメント行を追加しています。
Goのドキュメンテーションツール(go doc
など)は、package
キーワードの直前にあるコメントブロックをそのパッケージのドキュメントとして認識します。このコメントは、パッケージの機能の概要を簡潔に説明する役割を担います。
追加されたコメントは以下の通りです。
// Package html provides functions for escaping and unescaping HTML text.
この一行のコメントが、html
パッケージの主要な機能、すなわちHTMLテキストのエスケープとアンエスケープを提供することを明確に示しています。これにより、開発者はこのパッケージが何をするものなのかを一目で理解できるようになります。
コアとなるコードの変更箇所
--- a/src/pkg/html/escape.go
+++ b/src/pkg/html/escape.go
@@ -2,6 +2,7 @@
// Use of this source code is governed by a BSD-style
// license that can be found in the LICENSE file.\n \n+// Package html provides functions for escaping and unescaping HTML text.\n package html\n \n import (
コアとなるコードの解説
変更はsrc/pkg/html/escape.go
ファイルに対して行われました。具体的には、ファイルの冒頭、既存のライセンスコメントとpackage html
宣言の間に新しい行が追加されています。
追加された行は以下の通りです。
+ // Package html provides functions for escaping and unescaping HTML text.
この行は、Go言語のドキュメンテーション規約に従って、html
パッケージ全体の目的を説明するパッケージコメントとして機能します。package html
宣言の直前に記述されているため、go doc html
コマンドを実行した際や、pkg.go.devなどのGoドキュメントサイトでhtml
パッケージのページを表示した際に、この説明が表示されるようになります。
この変更は、コードの機能自体には影響を与えませんが、パッケージの利用者がその目的を理解しやすくなるという点で、非常に重要な改善です。
関連リンク
- GitHub上のコミットページ: https://github.com/golang/go/commit/e066db3acbd65f12349d0dff36332e2c7648711d
- Gerrit Code Review (Go): https://golang.org/cl/5635046
参考にした情報源リンク
- Go言語のドキュメンテーションに関する公式情報 (pkg.go.dev): https://pkg.go.dev/
- Go言語のドキュメンテーションの書き方に関する一般的なガイドライン (Effective Go - Documentation): https://go.dev/doc/effective_go#documentation
- Go言語のIssue Tracker (Go issue 2857の検索結果): https://go.dev/issue/2857 (直接的な関連は確認できず)
- Web検索結果 (Go issue 2857): https://www.google.com/search?q=Go+issue+2857
- Web検索結果 (golang.org/cl/5635046): https://www.google.com/search?q=golang.org/cl/5635046