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[インデックス 11799] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のツールチェインの一部である cmd/dist ディレクトリ内の buf.c ファイルから実行可能ビットを削除する変更です。具体的には、ファイルのパーミッションを 100755 (実行可能) から 100644 (読み書きのみ) へと変更しています。これは、ソースコードファイルが通常は直接実行されるものではなく、コンパイルや解釈によって利用されるため、不要な実行権限を削除するという保守的な変更です。

コミット

commit f842dc160bb48d2bd9c06f704f71cd10f4ea68c2
Author: Mikio Hara <mikioh.mikioh@gmail.com>
Date:   Sat Feb 11 13:23:44 2012 +0900

    cmd/dist: clear execute bit from source file

    R=golang-dev, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5651072

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/f842dc160bb48d2bd9c06f704f71cd10f4ea68c2

元コミット内容

cmd/dist: clear execute bit from source file

このコミットメッセージは、cmd/dist ツールがソースファイルから実行可能ビットをクリアすることを示しています。これは、ソースファイルが誤って実行可能として扱われることを防ぐための変更です。

変更の背景

Unix系システムでは、ファイルのパーミッションは、そのファイルが誰によってどのようにアクセスできるかを決定します。特に「実行可能ビット」は、そのファイルがプログラムとして直接実行できるかどうかを示します。ソースコードファイル(例: .c, .go, .py など)は、通常、コンパイラやインタプリタによって処理されるものであり、それ自体が直接実行されることは稀です。

src/cmd/dist/buf.c ファイルが以前 100755 のパーミッションを持っていたということは、このC言語のソースファイルに実行権限が付与されていたことを意味します。これは、以下のような潜在的な問題を引き起こす可能性があります。

  1. 誤解と混乱: ソースファイルが実行可能であると誤解され、直接実行しようとするユーザーがいるかもしれません。
  2. セキュリティリスク: 非常に稀なケースですが、もし悪意のあるコードがソースファイルに注入され、それが実行可能として扱われた場合、予期せぬ動作を引き起こす可能性があります。
  3. ビルドシステムの問題: 一部のビルドシステムやツールは、実行可能ビットが設定されているファイルに対して特別な処理を行うことがあり、意図しない動作やエラーの原因となることがあります。
  4. バージョン管理のノイズ: Gitのようなバージョン管理システムでは、ファイルのパーミッション変更も差分として記録されます。不要な実行可能ビットが設定されていると、それがノイズとなり、本当に意味のあるパーミッション変更が見過ごされる可能性があります。

この変更は、これらの潜在的な問題を回避し、Goプロジェクトのファイルパーミッション管理をより厳密かつ適切にするためのものです。ソースファイルはデータとして扱われるべきであり、実行可能である必要はありません。

前提知識の解説

Unixファイルパーミッション

Unix系オペレーティングシステムにおけるファイルパーミッションは、ファイルのアクセス権限を制御するための重要なメカニズムです。これらは通常、3つのカテゴリ(所有者、グループ、その他)と3つの権限(読み取り、書き込み、実行)で構成されます。

  • カテゴリ:
    • 所有者 (Owner): ファイルを作成したユーザー。
    • グループ (Group): ファイルに関連付けられたグループのメンバー。
    • その他 (Others): 上記以外のすべてのユーザー。
  • 権限:
    • 読み取り (Read, r): ファイルの内容を読み取る権限。ディレクトリの場合は、そのディレクトリ内のファイルリストを読み取る権限。
    • 書き込み (Write, w): ファイルの内容を変更する権限。ディレクトリの場合は、そのディレクトリ内のファイルを作成、削除、名前変更する権限。
    • 実行 (Execute, x): ファイルをプログラムとして実行する権限。ディレクトリの場合は、そのディレクトリにアクセスし、その中のファイルにアクセスする権限。

これらのパーミッションは、通常、シンボリック表記(例: rwxr-xr-x)または8進数表記(例: 755)で表されます。 8進数表記では、各権限に数値が割り当てられます。

  • r = 4
  • w = 2
  • x = 1 これらの数値を合計して、各カテゴリのパーミッションを表します。

例:

  • rwx = 4 + 2 + 1 = 7
  • rw- = 4 + 2 + 0 = 6
  • r-x = 4 + 0 + 1 = 5
  • r-- = 4 + 0 + 0 = 4

したがって、100755 は以下を意味します。

  • 先頭の 1 は、通常、ファイルのタイプ(ここでは通常のファイル)を示す特別なビットです。
  • 7 (所有者): 読み取り、書き込み、実行 (rwx)
  • 5 (グループ): 読み取り、実行 (r-x)
  • 5 (その他): 読み取り、実行 (r-x)

そして、100644 は以下を意味します。

  • 1 (ファイルのタイプ)
  • 6 (所有者): 読み取り、書き込み (rw-)
  • 4 (グループ): 読み取り (r--)
  • 4 (その他): 読み取り (r--)

この変更は、src/cmd/dist/buf.c ファイルの所有者の実行権限を削除し、グループとその他の実行権限も削除しています。

Go言語の cmd/dist

cmd/dist は、Go言語のソースコードリポジトリ内のディレクトリであり、Goのビルドシステムの一部を構成するツール群を含んでいます。これらのツールは、Goのコンパイラ、リンカ、アセンブラなどの主要なツールをビルドするために使用されます。buf.c は、このビルドプロセスで使用されるC言語のソースファイルの一つであり、バッファリング関連のユーティリティ関数を提供している可能性があります。

技術的詳細

このコミットの技術的な核心は、Gitがファイルのパーミッション変更をどのように扱うか、そしてUnix系システムにおけるファイルモードの重要性にあります。

Gitは、ファイルのコンテンツだけでなく、特定のメタデータ(特に実行可能ビット)も追跡します。ファイルのパーミッションが変更されると、Gitはそれを差分として認識し、コミットに含めます。このコミットでは、git diff の出力に old mode 100755new mode 100644 が明確に示されており、コンテンツの変更がないにもかかわらず、パーミッションの変更が記録されていることがわかります。

具体的には、src/cmd/dist/buf.c ファイルの実行可能ビットがクリアされました。これは、chmod コマンドで例えるならば、chmod -x buf.c または chmod 644 buf.c を実行したことに相当します。

この変更は、Goのビルドプロセスや実行には直接的な影響を与えません。なぜなら、buf.c はコンパイルされるC言語のソースファイルであり、直接実行されることを意図していないからです。しかし、前述の「変更の背景」で述べたように、ファイル管理のベストプラクティスに従い、不要な実行権限を削除することで、プロジェクト全体の整合性とセキュリティを向上させます。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットでは、コードの内容自体には変更がありません。唯一の変更点は、src/cmd/dist/buf.c ファイルのGitリポジトリにおけるパーミッション(ファイルモード)です。

diff --git a/src/cmd/dist/buf.c b/src/cmd/dist/buf.c
old mode 100755
new mode 100644

この差分は、buf.c の以前のパーミッションが 100755 であったのに対し、新しいパーミッションが 100644 になったことを示しています。

コアとなるコードの解説

このコミットには、Go言語のソースコードの変更は含まれていません。変更されたのは、Gitが追跡するファイルのメタデータ、具体的には src/cmd/dist/buf.c の実行可能パーミッションです。

  • old mode 100755: これは、コミット前の buf.c ファイルが、所有者に対して読み取り、書き込み、実行の権限を持ち、グループとその他のユーザーに対して読み取りと実行の権限を持っていたことを示します。
  • new mode 100644: これは、コミット後の buf.c ファイルが、所有者に対して読み取りと書き込みの権限のみを持ち、グループとその他のユーザーに対して読み取りの権限のみを持つことを示します。実行権限はすべてのカテゴリから削除されています。

この変更は、buf.c がC言語のソースファイルであり、直接実行されるべきではないという事実を反映しています。これにより、ファイルシステム上でのファイルの扱いがより正確になり、潜在的な誤解や不必要な実行権限による問題を回避できます。

関連リンク

参考にした情報源リンク