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[インデックス 11968] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリosパッケージ内のpath_test.goファイルにおけるビルドエラーを修正するものです。具体的には、TestMkdirAll関数内で一時ディレクトリのパスを構築する際に、不要なアンダースコア文字がパスの区切り文字の前に挿入されていた問題を解決しています。これにより、特定の環境下でのビルド失敗やテスト実行時の問題が解消されます。

コミット

commit fa8bc8a6483cae53460810a797a8ef322d1cca64
Author: Rob Pike <r@golang.org>
Date:   Thu Feb 16 17:39:04 2012 +1100

    os: fix build
    
    TBR=golang-dev
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5674070
---
 src/pkg/os/path_test.go | 2 +--
 1 file changed, 1 insertion(+), 1 deletion(-)

diff --git a/src/pkg/os/path_test.go b/src/pkg/os/path_test.go
index 7744380678..8a786008c0 100644
--- a/src/pkg/os/path_test.go
+++ b/src/pkg/os/path_test.go
@@ -13,7 +13,7 @@ import (
 
  func TestMkdirAll(t *testing.T) {
  	tmpDir := TempDir()
- 	path := tmpDir + "_/_TestMkdirAll_/dir/./dir2"
+ 	path := tmpDir + "/_TestMkdirAll_/dir/./dir2"
  	err := MkdirAll(path, 0777)
  	if err != nil {
  		t.Fatalf("MkdirAll %q: %s", path, err)

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/fa8bc8a6483cae53460810a797a8ef322d1cca64

元コミット内容

os: fix build
    
TBR=golang-dev
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5674070

変更の背景

このコミットの背景には、Go言語のosパッケージのテストコードにおけるビルド問題が存在していました。src/pkg/os/path_test.go内のTestMkdirAll関数は、一時ディレクトリを作成し、そのパスの挙動をテストするためのものです。しかし、パス文字列の構築方法に問題があり、これが特定のビルド環境やオペレーティングシステムでエラーを引き起こしていたと考えられます。

具体的には、tmpDir + "_/_TestMkdirAll_/dir/./dir2"というパスの連結において、tmpDirの直後に_(アンダースコア)が入り、その後にパス区切り文字/が続く形になっていました。この_が、パスの解釈において予期せぬ挙動を引き起こし、MkdirAll関数がディレクトリを正しく作成できない、あるいはパスが無効と判断される原因となっていた可能性があります。結果として、テストのビルドが失敗したり、テストが正しく実行されなかったりする問題が発生していたため、この修正が必要となりました。

前提知識の解説

このコミットを理解するためには、以下のGo言語の概念とosパッケージの機能に関する知識が役立ちます。

  • Go言語のosパッケージ: osパッケージは、オペレーティングシステムと対話するための基本的な機能を提供します。これには、ファイルシステム操作(ファイルの作成、読み書き、ディレクトリの作成など)、プロセス管理、環境変数へのアクセスなどが含まれます。
  • os.TempDir(): この関数は、一時ファイルや一時ディレクトリを作成するためのデフォルトのディレクトリのパスを返します。オペレーティングシステムによってその場所は異なります(例: Linuxでは/tmp、WindowsではC:\Users\<username>\AppData\Local\Tempなど)。テストコードでは、テスト中に一時的なリソースを作成する際によく使用されます。
  • os.MkdirAll(path string, perm os.FileMode): この関数は、指定されたパスpathにディレクトリを作成します。もし途中のディレクトリが存在しない場合でも、それらもすべて作成します。perm引数は、作成されるディレクトリのパーミッション(アクセス権)を指定します。例えば、0777は、所有者、グループ、その他のユーザーすべてに読み取り、書き込み、実行の権限を与えることを意味します。
  • Go言語のテスト: Go言語には、標準でテストフレームワークが組み込まれています。テストファイルは通常、テスト対象のソースファイルと同じディレクトリに_test.goというサフィックスを付けて配置されます。テスト関数はTestで始まり、*testing.T型の引数を取ります。t.Fatalfは、テストが失敗した場合にエラーメッセージを出力し、テストを終了させるために使用されます。
  • パスの連結と正規化: ファイルパスは、オペレーティングシステムによって異なる規則を持つことがあります(例: Windowsでは\、Unix系では/)。Go言語のpathパッケージやpath/filepathパッケージは、これらの違いを吸収し、パスを正しく連結・正規化するための機能を提供します。このコミットでは、文字列連結によってパスを構築していますが、その結果がMkdirAllによって正しく解釈される必要があります。

技術的詳細

このコミットの技術的な詳細は、パス文字列の構築における微妙なエラーとその修正にあります。

元のコードでは、TestMkdirAll関数内で一時ディレクトリのパスを以下のように構築していました。

path := tmpDir + "_/_TestMkdirAll_/dir/./dir2"

ここで問題となるのは、tmpDirの直後に_が続き、その後にパス区切り文字/が続く点です。tmpDiros.TempDir()によって返されるパスであり、通常は末尾にパス区切り文字を含みません(例: /tmp)。したがって、この連結は以下のようなパス文字列を生成する可能性があります。

/tmp_/_TestMkdirAll_/dir/./dir2

このようなパスは、多くのUnix系システムでは有効なパスとして解釈されにくい、あるいは予期せぬ挙動を引き起こす可能性があります。特に、_がファイル名の一部としてではなく、パスの構造を壊すような形で存在しているため、MkdirAllがディレクトリを作成しようとした際にエラーとなることが考えられます。

修正後のコードは以下のようになります。

path := tmpDir + "/_TestMkdirAll_/dir/./dir2"

この変更により、tmpDirの直後に直接パス区切り文字/が続くようになります。これにより、生成されるパスは以下のような形式になります。

/tmp/_TestMkdirAll_/dir/./dir2

これは、標準的なファイルシステムパスの形式であり、MkdirAll関数が正しくディレクトリを作成できることを保証します。この修正は、パスの正規化や解釈に関する潜在的な問題を解消し、テストのビルドと実行の安定性を向上させます。

この種のバグは、異なるオペレーティングシステムやファイルシステムの実装、あるいはGoのバージョンアップに伴うosパッケージの内部挙動の変化によって顕在化することがあります。特に、パスの構築はOS依存性が高いため、このような細かな修正がビルドの安定性に大きく寄与します。

コアとなるコードの変更箇所

変更されたファイル: src/pkg/os/path_test.go

--- a/src/pkg/os/path_test.go
+++ b/src/pkg/os/path_test.go
@@ -13,7 +13,7 @@ import (
 
  func TestMkdirAll(t *testing.T) {
  	tmpDir := TempDir()
- 	path := tmpDir + "_/_TestMkdirAll_/dir/./dir2"
+ 	path := tmpDir + "/_TestMkdirAll_/dir/./dir2"
  	err := MkdirAll(path, 0777)
  	if err != nil {
  		t.Fatalf("MkdirAll %q: %s", path, err)

コアとなるコードの解説

このコミットのコアとなる変更は、src/pkg/os/path_test.goファイル内のTestMkdirAll関数における、path変数の初期化行です。

変更前:

path := tmpDir + "_/_TestMkdirAll_/dir/./dir2"

この行では、os.TempDir()によって取得された一時ディレクトリのパス(tmpDir)に、文字列"_/_TestMkdirAll_/dir/./dir2"を連結して、テスト用のパスを生成していました。ここで問題だったのは、tmpDirの直後に_が入り、その後にパス区切り文字/が続くという構造です。例えば、tmpDir/tmpだった場合、生成されるパスは/tmp_/_TestMkdirAll_/dir/./dir2のようになります。この_がパスの区切り文字の前に存在することで、MkdirAll関数がこのパスを正しく解釈できず、ディレクトリ作成に失敗する原因となっていました。

変更後:

path := tmpDir + "/_TestMkdirAll_/dir/./dir2"

変更後では、tmpDirの直後に直接パス区切り文字/が続くように修正されています。これにより、例えばtmpDir/tmpだった場合、生成されるパスは/tmp/_TestMkdirAll_/dir/./dir2のようになります。これは、ファイルシステムが期待する標準的なパスの形式であり、MkdirAll関数が問題なくディレクトリを作成できるようになります。

この修正は、一見すると非常に小さな変更ですが、ファイルパスの解釈はオペレーティングシステムやファイルシステムの実装に大きく依存するため、このような細かな違いがビルドの成功・失敗に直結することがあります。この修正によって、osパッケージのテストがより堅牢になり、様々な環境でのビルドの安定性が確保されました。

関連リンク

  • Go言語の公式リポジトリ (GitHub): https://github.com/golang/go
  • Go言語の変更リスト (CL) 5674070: https://golang.org/cl/5674070
    • このコミットメッセージに記載されているCLへのリンクです。CLはGoプロジェクトにおけるコードレビューと変更管理の単位です。

参考にした情報源リンク

  • GitHubコミットページ: https://github.com/golang/go/commit/fa8bc8a6483cae53460810a797a8ef322d1cca64
  • Go言語 os パッケージのドキュメント: https://pkg.go.dev/os
  • Go言語 testing パッケージのドキュメント: https://pkg.go.dev/testing
  • Go言語 path/filepath パッケージのドキュメント: https://pkg.go.dev/path/filepath (パス操作の一般的な情報源として)
  • Web検索: golang.org/cl/5674070 (CLに関する追加情報を確認するため)
    • ただし、今回のWeb検索では、このCLがgo runコマンドの-Cフラグ導入に関するものという情報が得られましたが、これはこのコミットの直接的な内容とは異なる可能性があります。コミットメッセージに記載されているCL番号と、実際のコミット内容(path_test.goの修正)から判断し、このコミットはビルド修正に特化したものであると解釈しました。CLの概要が広範であるか、あるいは検索結果が別のCLを指している可能性も考慮し、コミットのdiff内容を最優先して解説を生成しました。