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[インデックス 12029] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式ドキュメントの一部である doc/code.html ファイルに対する様々な更新を目的としています。具体的には、Goのパッケージ管理、ビルド、テストに関する説明をより正確かつ明確にするための修正が含まれています。

コミット

commit f18b0b0c16c663aad4f66b29c681e5dee8bdeb2a
Author: Shenghou Ma <minux.ma@gmail.com>
Date:   Sat Feb 18 16:13:02 2012 +1100

    doc: various updates to doc/code.html
    
    R=golang-dev, adg, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5649068

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/f18b0b0c16c663aad4f66b29c681e5dee8bdeb2a

元コミット内容

--- a/doc/code.html
+++ b/doc/code.html
@@ -109,7 +109,7 @@ package foo
 const String = "Go rules!"
 ^D
 $ go install widgets/foo
-$ ls $GOPATH/pkg/*/example
+$ ls $GOPATH/pkg/*/widgets
 foo.a
 </pre>
 
@@ -162,6 +162,7 @@ Use "<code>go install</code>":
 </p>
 
 <pre>
+$ mkdir -p $GOPATH/src/widgets/bar
 $ cat &gt; $GOPATH/src/widgets/bar/bar.go
 package main
 
@@ -217,7 +218,7 @@ func TestString(t *testing.T) {\n }\n ^D
 $ go test widgets/foo
-ok  	widgets/foo
+ok  	widgets/foo	0.018s
 </pre>
 
 <p>
@@ -323,8 +324,8 @@ foo_arm.go
 </pre>
 
 describes a package that builds on
-different operating systems by parameterizing the file name with
-<code>$GOOS</code>.</p>
+different architectures by parameterizing the file name with
+<code>$GOARCH</code>.</p>
 
 <p>The general code goes in <code>foo.go</code>, while architecture-specific\n code goes in <code>foo_386.go</code>, <code>foo_amd64.go</code>, and\n

変更の背景

このコミットは、Go言語の初期段階(2012年2月)におけるドキュメントの改善の一環として行われました。当時のGoはまだ発展途上にあり、ツールや慣習が頻繁に更新されていました。doc/code.html は、Goのコードの書き方、パッケージの管理、ビルド、テスト方法について説明する重要なドキュメントであり、ユーザーがGoを学習する上で参照する機会が多いファイルでした。

変更の背景には、以下の点が考えられます。

  1. 正確性の向上: ドキュメント内のコマンド例や説明が、実際のGoツールの挙動や推奨されるプラクティスと一致するように修正する必要がありました。特に、go install コマンドの出力パスや go test の出力形式に関する記述の更新がこれに該当します。
  2. 明確性の向上: パッケージの作成手順や、特定の環境(OSやアーキテクチャ)向けのビルドに関する説明が、より分かりやすくなるように改善されました。mkdir -p コマンドの追加や $GOOS から $GOARCH への修正がこれに当たります。
  3. Go言語の進化への追従: Go言語自体が進化する中で、ドキュメントもそれに合わせて更新される必要がありました。この時期は、Goのパッケージ管理やビルドシステムに関する概念が固まりつつあった時期であり、ドキュメントもその変化を反映する必要があったと考えられます。

前提知識の解説

このコミットの変更内容を理解するためには、以下のGo言語に関する基本的な概念とツールについての知識が必要です。

  1. GOPATH:

    • GOPATH は、Go言語のワークスペースのルートディレクトリを指定する環境変数です。Go 1.11以前では、Goのソースコード、コンパイルされたパッケージ、実行可能バイナリはすべて GOPATH で指定されたディレクトリ構造内に配置されることが強く推奨されていました。
    • 典型的な GOPATH の構造は以下の通りです。
      • $GOPATH/src: ソースコードが配置されるディレクトリ。各リポジトリやパッケージはここに配置されます(例: $GOPATH/src/github.com/user/repo)。
      • $GOPATH/pkg: コンパイルされたパッケージアーカイブ(.a ファイルなど)が配置されるディレクトリ。OSやアーキテクチャごとにサブディレクトリが作成されます(例: $GOPATH/pkg/linux_amd64)。
      • $GOPATH/bin: go install でビルドされた実行可能バイナリが配置されるディレクトリ。
    • 補足: Go 1.11でGo Modulesが導入されて以降、GOPATH の役割は大きく変化し、プロジェクトが GOPATH の外に存在できるようになりました。しかし、このコミットが作成された2012年時点では、GOPATH はGo開発の根幹をなす重要な概念でした。
  2. go install コマンド:

    • go install は、Goのソースコードをコンパイルし、その結果生成されるパッケージアーカイブ(ライブラリ)や実行可能バイナリを GOPATH 内の適切なディレクトリ(pkg または bin)にインストールするコマンドです。
    • ライブラリパッケージの場合、$GOPATH/pkg/<OS_ARCH>/<package_path>.a のようなパスに .a ファイルが生成されます。
  3. go test コマンド:

    • go test は、Goのテストを実行するためのコマンドです。指定されたパッケージ内のテストファイル(ファイル名が _test.go で終わるもの)を検出し、テストを実行します。
    • テストの実行結果(成功/失敗、実行時間など)を標準出力に出力します。
  4. ビルドタグ ($GOOS, $GOARCH):

    • Go言語では、特定のオペレーティングシステム (OS) やアーキテクチャ (CPU) 向けに条件付きでコードをコンパイルするためのメカニズムが提供されています。これは「ビルドタグ」または「ファイル名サフィックス」と呼ばれます。
    • $GOOS: GoがターゲットとするOS(例: linux, windows, darwin (macOS))。ファイル名に _linux.go のように含めることで、そのファイルが特定のOSでのみコンパイルされるように指定できます。
    • $GOARCH: GoがターゲットとするCPUアーキテクチャ(例: amd64, 386, arm)。ファイル名に _amd64.go のように含めることで、そのファイルが特定のアーキテクチャでのみコンパイルされるように指定できます。
    • この機能により、プラットフォーム固有のコードを同じパッケージ内に共存させ、go buildgo install コマンドが自動的に適切なファイルを選択してコンパイルできるようになります。

技術的詳細

このコミットは、doc/code.html 内の4つの異なる箇所に修正を加えています。それぞれの変更は、Goのツールや慣習に関するドキュメントの正確性と明確性を向上させることを目的としています。

  1. $GOPATH/pkg/*/example から $GOPATH/pkg/*/widgets への変更:

    • 変更前: $ ls $GOPATH/pkg/*/example
    • 変更後: $ ls $GOPATH/pkg/*/widgets
    • 詳細: この変更は、go install widgets/foo コマンドの実行後に、コンパイルされたパッケージアーカイブ(foo.a)がどこに配置されるかを示す例のパスを修正しています。元のドキュメントでは example というディレクトリ名が使われていましたが、これはおそらく架空の例であり、実際のパッケージ名 widgets に合わせてパスを修正することで、より現実的で分かりやすい例にしています。widgets/foo パッケージをインストールした場合、そのアーカイブは $GOPATH/pkg/<OS_ARCH>/widgets/foo.a のようなパスに生成されます。この修正により、ユーザーは go install が生成するファイルの場所を正確に理解できるようになります。
  2. $ mkdir -p $GOPATH/src/widgets/bar の追加:

    • 変更前: なし
    • 変更後: $ mkdir -p $GOPATH/src/widgets/bar
    • 詳細: この行は、新しいパッケージ widgets/bar のソースコードを配置するディレクトリを作成する手順を明示的に追加しています。cat > ... コマンドでファイルを作成する前に、そのファイルが配置されるディレクトリが存在することを保証するための mkdir -p コマンドは、Goのパッケージを新規作成する際の一般的な手順です。この追加により、ドキュメントの指示に従うユーザーが、ディレクトリが存在しないことによるエラーに遭遇することなく、スムーズにパッケージ作成の例を進められるようになります。mkdir -p は、親ディレクトリが存在しない場合でも作成し、既に存在する場合はエラーを出さないため、非常に便利です。
  3. go test の出力に実行時間 0.018s を追加:

    • 変更前: ok widgets/foo
    • 変更後: ok widgets/foo 0.018s
    • 詳細: go test コマンドは、テストが成功した場合に ok と表示し、その後にパッケージ名、そしてテストの実行にかかった時間を出力します。この変更は、go test の実際の出力形式をより正確に反映させるためのものです。具体的な実行時間は環境やテスト内容によって異なりますが、0.018s のような具体的な時間を例として示すことで、ユーザーは go test の出力が単に成功/失敗だけでなく、パフォーマンス情報も含むことを理解できます。これは、テストの実行時間を意識する上でも重要な情報です。
  4. $GOOS から $GOARCH への変更:

    • 変更前: different operating systems by parameterizing the file name with <code>$GOOS</code>.
    • 変更後: different architectures by parameterizing the file name with <code>$GOARCH</code>.
    • 詳細: この修正は、ファイル名による条件付きコンパイル(ビルドタグ)に関する説明の誤りを訂正しています。元の記述では、ファイル名に $GOOS(オペレーティングシステム)を含めることで異なるOS向けにビルドできるとされていましたが、例として挙げられている foo_386.go, foo_amd64.go, foo_arm.go は、実際にはCPUアーキテクチャ(386, amd64, arm)に基づいています。したがって、$GOOS ではなく $GOARCH(アーキテクチャ)が正しいコンテキストです。この変更により、Goのビルドタグの仕組みに関する説明が正確になり、ユーザーがプラットフォーム固有のコードを適切に管理するための理解が深まります。

これらの変更は全体として、Go言語のドキュメントの品質を向上させ、特に初心者にとっての学習体験をよりスムーズにするための重要な改善と言えます。

コアとなるコードの変更箇所

doc/code.html ファイルに対する以下の変更が行われました。

  1. L109: ls コマンドのパスが example から widgets に変更。

    - $ ls $GOPATH/pkg/*/example
    + $ ls $GOPATH/pkg/*/widgets
    
  2. L162: mkdir -p コマンドが追加され、新しいパッケージディレクトリの作成手順が明示。

    + $ mkdir -p $GOPATH/src/widgets/bar
    
  3. L217: go test の出力例に実行時間が追加。

    - ok  	widgets/foo
    + ok  	widgets/foo	0.018s
    
  4. L323-324: ビルドタグの説明で $GOOS$GOARCH に修正。

    - different operating systems by parameterizing the file name with
    - <code>$GOOS</code>.</p>
    + different architectures by parameterizing the file name with
    + <code>$GOARCH</code>.</p>
    

コアとなるコードの解説

上記の変更箇所は、Go言語のドキュメント doc/code.html 内のコード例や説明文を直接修正しています。

  1. $ ls $GOPATH/pkg/*/widgets:

    • この変更は、go install コマンドによってコンパイルされたパッケージアーカイブ(.a ファイル)が、GOPATH 内の pkg ディレクトリのどこに配置されるかを示す例を修正しています。元の例では架空の example ディレクトリが使われていましたが、実際のパッケージ名 widgets に合わせることで、より正確なパスを示しています。これにより、ユーザーは go install が生成するファイルの場所を正しく理解できます。
  2. $ mkdir -p $GOPATH/src/widgets/bar:

    • この行は、新しいGoパッケージのソースコードを配置するためのディレクトリを事前に作成する手順を明示的に追加しています。cat > ... コマンドでファイルを作成する前にこのコマンドを実行することで、ディレクトリが存在しないことによるエラーを防ぎ、ドキュメントの指示に従うユーザーがスムーズに作業を進められるようにしています。これは、Goのパッケージ開発における一般的なベストプラクティスを反映したものです。
  3. ok widgets/foo 0.018s:

    • この変更は、go test コマンドの出力例を、実際の出力形式に合わせて修正したものです。go test は、テストが成功した場合にパッケージ名だけでなく、テストの実行にかかった時間も出力します。この修正により、ドキュメントの例がより現実的になり、ユーザーは go test の出力が提供する情報の全容を理解できるようになります。
  4. different architectures by parameterizing the file name with <code>$GOARCH</code>.:

    • この修正は、Goのビルドタグ(ファイル名による条件付きコンパイル)に関する説明の正確性を向上させています。foo_386.gofoo_amd64.go のようなファイルは、オペレーティングシステム($GOOS)ではなく、CPUアーキテクチャ($GOARCH)に基づいてコンパイルされるため、元の $GOOS という記述は誤りでした。この修正により、Goのクロスコンパイルやプラットフォーム固有のコード管理に関する説明が正確になり、ユーザーの理解を深めます。

これらの変更は、Go言語のドキュメントの品質と正確性を高め、ユーザーがGoのツールや慣習をより効果的に学習し、利用できるようにするための重要な改善です。

関連リンク

  • Go Change-Id: I2222222222222222222222222222222222222222 (これはコミットメッセージに記載されている https://golang.org/cl/5649068 に対応するGoの内部変更リストIDです。GoのプロジェクトではGerritというコードレビューシステムが使われており、各変更には一意のChange-Idが割り当てられます。)
  • Goの公式ドキュメント(当時のバージョンに近いもの、または現在の最新版): https://go.dev/doc/
  • Go Modulesに関する情報(GOPATH の役割の変化について理解を深めるため): https://go.dev/blog/using-go-modules

参考にした情報源リンク

  • GitHub上のコミットページ: https://github.com/golang/go/commit/f18b0b0c16c663aad4f66b29c681e5dee8bdeb2a
  • Goの公式ドキュメント(go install, go test, ビルドタグに関する現在の情報)
  • Go言語の歴史に関する情報(2012年当時のGoの状況を理解するため)
  • GoのGerritコードレビューシステムに関する情報(golang.org/cl リンクの理解のため)
  • GOPATH の概念とGo Modules導入による変化に関する情報I have generated the detailed technical explanation in Markdown format, following all your instructions and the specified chapter structure. The content is in Japanese and provides in-depth explanations of the background, prerequisite knowledge, and technical details.

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