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[インデックス 12045] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリのテストスイートにおける多数のテストファイルに、説明的なコメントを追加することを目的としています。これにより、各テストの目的、検証内容、および特定の挙動(例:コンパイルエラーになるべきテスト)が明確化され、コードの可読性と保守性が向上しています。

コミット

commit 83976e3ac8a4b6da1782ca850ba9806b63b65c38
Author: Rob Pike <r@golang.org>
Date:   Sun Feb 19 14:28:53 2012 +1100

    test: explanatory comments [c-g]*
    
    R=golang-dev, bradfitz
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5656103

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/83976e3ac8a4b6da1782ca850ba9806b63b65c38

元コミット内容

test: explanatory comments [c-g]*

このコミットメッセージは、「テスト: 説明的なコメント [c-g]*」と訳されます。これは、test/ディレクトリ内のファイルのうち、ファイル名が 'c' から 'g' で始まる範囲のテストファイルに、説明的なコメントが追加されたことを示しています。

変更の背景

ソフトウェア開発において、テストコードは単に機能が正しく動作するかを検証するだけでなく、その機能の意図や期待される挙動を文書化する役割も果たします。特に、大規模なプロジェクトやオープンソースプロジェクトでは、多くの開発者がコードベースに関わるため、テストコードの可読性と理解しやすさが非常に重要になります。

このコミットが行われた2012年2月は、Go言語がまだ比較的新しい言語であり、活発に開発が進められていた時期です。初期のテストコードには、その目的が自明でないものや、特定のコーナーケースを検証しているにもかかわらずその意図が不明瞭なものが存在した可能性があります。

このような背景から、Go言語のコア開発者の一人であるRob Pike氏によって、テストコードの品質向上と将来的なメンテナンスの容易化を目的として、説明的なコメントの追加が実施されました。これにより、Go言語のテストスイートがより自己文書化され、新規開発者や将来のメンテナンス担当者がテストの意図を迅速に把握できるようになります。

前提知識の解説

Go言語のテストの仕組み

Go言語には、標準で強力なテストフレームワークが組み込まれています。

  • テストファイルの命名規則: テストファイルは通常、テスト対象のソースファイルと同じディレクトリに配置され、ファイル名の末尾に _test.go を付けます(例: foo.go のテストは foo_test.go)。
  • テスト関数の命名規則: テスト関数は func TestXxx(*testing.T) の形式で定義されます。Xxx は大文字で始まり、テスト対象の機能やシナリオを記述します。
  • go test コマンド: go test コマンドを実行することで、プロジェクト内のテストが自動的に発見され、実行されます。
  • テストの目的: Goのテストは、単体テスト、結合テスト、ベンチマークテストなど、様々なレベルのテストをサポートします。

コードコメントの重要性

コードコメントは、プログラムの動作を説明し、他の開発者(または将来の自分自身)がコードを理解するのを助けるために不可欠です。特にテストコードにおいては、以下の点で重要です。

  • テストの意図の明確化: なぜこのテストが存在するのか、何を検証しようとしているのかを明確にします。
  • 期待される挙動の記述: テストが成功した場合、どのような状態になることを期待しているのかを記述します。
  • コーナーケースの解説: 通常のシナリオでは発生しないような、特定の境界条件やエラーケースをテストしている場合に、その背景を説明します。
  • コンパイルエラー/ランタイムエラーの明示: 意図的にコンパイルエラーやランタイムエラーを引き起こすテストの場合、その旨を明記することで、誤解を防ぎます。

Go言語のコードレビュープロセス (Gerrit/Change List)

Go言語のプロジェクトでは、Gerritというコードレビューシステムが使用されています。コミットメッセージにある https://golang.org/cl/5656103 は、GerritにおけるChange List (CL) のIDを示しています。開発者はコード変更を提案する際にCLを作成し、他の開発者(この場合は golang-dev メーリングリストのメンバーや bradfitz 氏)がレビューを行い、承認された後にコミットされます。このプロセスは、コード品質の維持と共同開発の効率化に貢献しています。

技術的詳細

このコミットでは、既存のGoテストファイルに、そのテストの目的や挙動を説明するコメントが追加されています。追加されたコメントは、主にファイルの冒頭に記述されており、そのテストファイル全体が何を検証しているのかを一目で理解できるようにしています。

具体的なコメントのパターンとしては、以下のようなものが見られます。

  • // Test ...: 特定の機能や概念のテストであることを示す。
    • 例: test/ddd.go -> // Test variadic functions and calls (dot-dot-dot). (可変長引数関数のテスト)
    • 例: test/defer.go -> // Test defer. (defer文のテスト)
    • 例: test/escape.go -> // Test for correct heap-moving of escaped variables. (エスケープ変数のヒープ移動のテスト)
  • // Verify that ...: 特定の条件や制約が満たされていることを検証することを示す。
    • 例: test/ddd1.go -> // Verify that illegal uses of ... are detected. (不正な可変長引数の使用が検出されることの検証)
    • 例: test/func3.go -> // Verify that illegal function signatures are detected. (不正な関数シグネチャが検出されることの検証)
  • // Does not compile.: そのテストファイルが意図的にコンパイルエラーになることを示す。これは、コンパイラが特定の不正なコードを正しく検出するかどうかを検証するテストでよく用いられます。
    • 例: test/ddd1.go, test/declbad.go, test/func1.go, test/func3.go, test/func4.go, test/goto.go
  • // Compiles but does not run.: そのテストファイルがコンパイルは成功するが、実行はされないことを示す。これは、特定の構文や宣言の有効性を検証するが、実行時に特別な出力や副作用がない場合に用いられます。
    • 例: test/empty.go, test/eof.go, test/eof1.go, test/escape2.go, test/func2.go
  • 既存のコメントの修正: 既存のコメントがより明確になるように修正されている箇所もあります。
    • 例: test/decl.go// Correct short declarations and redeclarations.// Test correct short declarations and redeclarations. に変更され、よりテストであることを明確にしています。
    • 例: test/deferprint.go// defer panic("dead") のコメントが // Disabled so the test doesn't crash but left here for reference. に変更され、なぜコメントアウトされているのかが明確になっています。

これらのコメントは、Go言語のテストコードの自己文書化能力を高め、開発者がテストの意図をより迅速かつ正確に理解できるようにするために非常に有効です。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットは、Go言語のテストスイート内の33のファイルにわたる変更を含んでいます。主な変更は、各テストファイルの冒頭に説明的なコメントを追加することです。以下にいくつかの代表的な変更箇所を抜粋します。

test/ddd.go

--- a/test/ddd.go
+++ b/test/ddd.go
@@ -4,6 +4,8 @@
 // Use of this source code is governed by a BSD-style
 // license that can be found in the LICENSE file.
 
+// Test variadic functions and calls (dot-dot-dot).
+
 package main
 
 func sum(args ...int) int {

test/ddd1.go

--- a/test/ddd1.go
+++ b/test/ddd1.go
@@ -4,6 +4,9 @@
 // Use of this source code is governed by a BSD-style
 // license that can be found in the LICENSE file.
 
+// Verify that illegal uses of ... are detected.
+// Does not compile.
+
 package main
 
 import "unsafe"

test/declbad.go

--- a/test/declbad.go
+++ b/test/declbad.go
@@ -4,7 +4,8 @@
 // Use of this source code is governed by a BSD-style
 // license that can be found in the LICENSE file.
 
-// Incorrect short declarations and redeclarations.
+// Test that incorrect short declarations and redeclarations are detected.
+// Does not compile.
 
 package main

test/deferprint.go

--- a/test/deferprint.go
+++ b/test/deferprint.go
@@ -4,11 +4,14 @@
 // Use of this source code is governed by a BSD-style
 // license that can be found in the LICENSE file.
 
+// Test that we can defer the predeclared functions print and println.
+
 package main
 
 func main() {
  	defer println(42, true, false, true, 1.5, "world", (chan int)(nil), []int(nil), (map[string]int)(nil), (func())(nil), byte(255))
  	defer println(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20)
-//	defer panic("dead")
+\t// Disabled so the test doesn't crash but left here for reference.
+\t// defer panic("dead")
  	defer print("printing: ")
 }

コアとなるコードの解説

このコミットにおける「コアとなるコードの変更」は、Go言語のテストファイルそのものではなく、それらのテストファイルに付加されたコメントです。これらのコメントは、Go言語のテストコードの可読性と保守性を大幅に向上させるための重要なメタデータとして機能します。

具体的には、以下のような情報がコメントとして追加されています。

  1. テスト対象の機能: 各テストファイルがGo言語のどの機能(例: 可変長引数、defer、関数、ガベージコレクションなど)をテストしているのかを明示します。これにより、特定の機能に関するテストを探す際や、その機能の挙動を理解する際に役立ちます。
  2. テストの目的: 単に機能が動作するかどうかだけでなく、どのようなシナリオやコーナーケースを検証しているのかを説明します。例えば、test/ddd1.go// Verify that illegal uses of ... are detected. のように、不正な使用方法が正しく検出されることを検証している旨が明確にされています。
  3. コンパイル/実行の挙動: // Does not compile.// Compiles but does not run. といったコメントは、そのテストファイルが意図的にコンパイルエラーになるべきか、あるいはコンパイルは通るが実行はされない(または実行結果が重要でない)ことを示します。これは、コンパイラの診断機能や特定の言語仕様の検証を行うテストにおいて特に重要です。開発者がこれらのテストを見たときに、なぜエラーになるのか、なぜ実行されないのかをすぐに理解できるようになります。
  4. 既存コメントの改善: test/deferprint.go のように、既存のコメントがより詳細で分かりやすい説明に修正されています。これにより、コードの意図がより正確に伝わるようになります。

これらのコメントは、Go言語のテストスイートが「自己文書化」されることを促進します。つまり、テストコード自体が、テスト対象の機能の仕様や期待される挙動を説明するドキュメントとしての役割も果たすようになります。これは、Go言語の設計思想である「シンプルさ」と「実用性」にも合致しており、長期的なプロジェクトの健全性を保つ上で不可欠な改善と言えます。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • コミット情報: /home/orange/Project/comemo/commit_data/12045.txt
  • GitHubコミットページ: https://github.com/golang/go/commit/83976e3ac8a4b6da1782ca850ba9806b63b65c38
  • Go言語のテストに関する一般的な知識
  • コードコメントのベストプラクティスに関する一般的な知識
  • Go言語の歴史と開発プロセスに関する一般的な知識```markdown

[インデックス 12045] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリのテストスイートにおける多数のテストファイルに、説明的なコメントを追加することを目的としています。これにより、各テストの目的、検証内容、および特定の挙動(例:コンパイルエラーになるべきテスト)が明確化され、コードの可読性と保守性が向上しています。

コミット

commit 83976e3ac8a4b6da1782ca850ba9806b63b65c38
Author: Rob Pike <r@golang.org>
Date:   Sun Feb 19 14:28:53 2012 +1100

    test: explanatory comments [c-g]*
    
    R=golang-dev, bradfitz
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5656103

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/83976e3ac8a4b6da1782ca850ba9806b63b65c38

元コミット内容

test: explanatory comments [c-g]*

このコミットメッセージは、「テスト: 説明的なコメント [c-g]*」と訳されます。これは、test/ディレクトリ内のファイルのうち、ファイル名が 'c' から 'g' で始まる範囲のテストファイルに、説明的なコメントが追加されたことを示しています。

変更の背景

ソフトウェア開発において、テストコードは単に機能が正しく動作するかを検証するだけでなく、その機能の意図や期待される挙動を文書化する役割も果たします。特に、大規模なプロジェクトやオープンソースプロジェクトでは、多くの開発者がコードベースに関わるため、テストコードの可読性と理解しやすさが非常に重要になります。

このコミットが行われた2012年2月は、Go言語がまだ比較的新しい言語であり、活発に開発が進められていた時期です。初期のテストコードには、その目的が自明でないものや、特定のコーナーケースを検証しているにもかかわらずその意図が不明瞭なものが存在した可能性があります。

このような背景から、Go言語のコア開発者の一人であるRob Pike氏によって、テストコードの品質向上と将来的なメンテナンスの容易化を目的として、説明的なコメントの追加が実施されました。これにより、Go言語のテストスイートがより自己文書化され、新規開発者や将来のメンテナンス担当者がテストの意図を迅速に把握できるようになります。

前提知識の解説

Go言語のテストの仕組み

Go言語には、標準で強力なテストフレームワークが組み込まれています。

  • テストファイルの命名規則: テストファイルは通常、テスト対象のソースファイルと同じディレクトリに配置され、ファイル名の末尾に _test.go を付けます(例: foo.go のテストは foo_test.go)。
  • テスト関数の命名規則: テスト関数は func TestXxx(*testing.T) の形式で定義されます。Xxx は大文字で始まり、テスト対象の機能やシナリオを記述します。
  • go test コマンド: go test コマンドを実行することで、プロジェクト内のテストが自動的に発見され、実行されます。
  • テストの目的: Goのテストは、単体テスト、結合テスト、ベンチマークテストなど、様々なレベルのテストをサポートします。

コードコメントの重要性

コードコメントは、プログラムの動作を説明し、他の開発者(または将来の自分自身)がコードを理解するのを助けるために不可欠です。特にテストコードにおいては、以下の点で重要です。

  • テストの意図の明確化: なぜこのテストが存在するのか、何を検証しようとしているのかを明確にします。
  • 期待される挙動の記述: テストが成功した場合、どのような状態になることを期待しているのかを記述します。
  • コーナーケースの解説: 通常のシナリオでは発生しないような、特定の境界条件やエラーケースをテストしている場合に、その背景を説明します。
  • コンパイルエラー/ランタイムエラーの明示: 意図的にコンパイルエラーやランタイムエラーを引き起こすテストの場合、その旨を明記することで、誤解を防ぎます。

Go言語のコードレビュープロセス (Gerrit/Change List)

Go言語のプロジェクトでは、Gerritというコードレビューシステムが使用されています。コミットメッセージにある https://golang.org/cl/5656103 は、GerritにおけるChange List (CL) のIDを示しています。開発者はコード変更を提案する際にCLを作成し、他の開発者(この場合は golang-dev メーリングリストのメンバーや bradfitz 氏)がレビューを行い、承認された後にコミットされます。このプロセスは、コード品質の維持と共同開発の効率化に貢献しています。

技術的詳細

このコミットでは、既存のGoテストファイルに、そのテストの目的や挙動を説明するコメントが追加されています。追加されたコメントは、主にファイルの冒頭に記述されており、そのテストファイル全体が何を検証しているのかを一目で理解できるようにしています。

具体的なコメントのパターンとしては、以下のようなものが見られます。

  • // Test ...: 特定の機能や概念のテストであることを示す。
    • 例: test/ddd.go -> // Test variadic functions and calls (dot-dot-dot). (可変長引数関数のテスト)
    • 例: test/defer.go -> // Test defer. (defer文のテスト)
    • 例: test/escape.go -> // Test for correct heap-moving of escaped variables. (エスケープ変数のヒープ移動のテスト)
  • // Verify that ...: 特定の条件や制約が満たされていることを検証することを示す。
    • 例: test/ddd1.go -> // Verify that illegal uses of ... are detected. (不正な可変長引数の使用が検出されることの検証)
    • 例: test/func3.go -> // Verify that illegal function signatures are detected. (不正な関数シグネチャが検出されることの検証)
  • // Does not compile.: そのテストファイルが意図的にコンパイルエラーになることを示す。これは、コンパイラが特定の不正なコードを正しく検出するかどうかを検証するテストでよく用いられます。
    • 例: test/ddd1.go, test/declbad.go, test/func1.go, test/func3.go, test/func4.go, test/goto.go
  • // Compiles but does not run.: そのテストファイルがコンパイルは成功するが、実行はされないことを示す。これは、特定の構文や宣言の有効性を検証するが、実行時に特別な出力や副作用がない場合に用いられます。
    • 例: test/empty.go, test/eof.go, test/eof1.go, test/escape2.go, test/func2.go
  • 既存のコメントの修正: 既存のコメントがより明確になるように修正されている箇所もあります。
    • 例: test/decl.go// Correct short declarations and redeclarations.// Test correct short declarations and redeclarations. に変更され、よりテストであることを明確にしています。
    • 例: test/deferprint.go// defer panic("dead") のコメントが // Disabled so the test doesn't crash but left here for reference. に変更され、なぜコメントアウトされているのかが明確になっています。

これらのコメントは、Go言語のテストコードの自己文書化能力を高め、開発者がテストの意図をより迅速かつ正確に理解できるようにするために非常に有効です。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットは、Go言語のテストスイート内の33のファイルにわたる変更を含んでいます。主な変更は、各テストファイルの冒頭に説明的なコメントを追加することです。以下にいくつかの代表的な変更箇所を抜粋します。

test/ddd.go

--- a/test/ddd.go
+++ b/test/ddd.go
@@ -4,6 +4,8 @@
 // Use of this source code is governed by a BSD-style
 // license that can be found in the LICENSE file.
 
+// Test variadic functions and calls (dot-dot-dot).
+
 package main
 
 func sum(args ...int) int {

test/ddd1.go

--- a/test/ddd1.go
+++ b/test/ddd1.go
@@ -4,6 +4,9 @@
 // Use of this source code is governed by a BSD-style
 // license that can be found in the LICENSE file.
 
+// Verify that illegal uses of ... are detected.
+// Does not compile.
+
 package main
 
 import "unsafe"

test/declbad.go

--- a/test/declbad.go
+++ b/test/declbad.go
@@ -4,7 +4,8 @@
 // Use of this source code is governed by a BSD-style
 // license that can be found in the LICENSE file.
 
-// Incorrect short declarations and redeclarations.
+// Test that incorrect short declarations and redeclarations are detected.
+// Does not compile.
 
 package main

test/deferprint.go

--- a/test/deferprint.go
+++ b/test/deferprint.go
@@ -4,11 +4,14 @@
 // Use of this source code is governed by a BSD-style
 // license that can be found in the LICENSE file.
 
+// Test that we can defer the predeclared functions print and println.
+
 package main
 
 func main() {
  	defer println(42, true, false, true, 1.5, "world", (chan int)(nil), []int(nil), (map[string]int)(nil), (func())(nil), byte(255))
  	defer println(1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20)
-//	defer panic("dead")
+\t// Disabled so the test doesn't crash but left here for reference.
+\t// defer panic("dead")
  	defer print("printing: ")
 }

コアとなるコードの解説

このコミットにおける「コアとなるコードの変更」は、Go言語のテストファイルそのものではなく、それらのテストファイルに付加されたコメントです。これらのコメントは、Go言語のテストコードの可読性と保守性を大幅に向上させるための重要なメタデータとして機能します。

具体的には、以下のような情報がコメントとして追加されています。

  1. テスト対象の機能: 各テストファイルがGo言語のどの機能(例: 可変長引数、defer、関数、ガベージコレクションなど)をテストしているのかを明示します。これにより、特定の機能に関するテストを探す際や、その機能の挙動を理解する際に役立ちます。
  2. テストの目的: 単に機能が動作するかどうかだけでなく、どのようなシナリオやコーナーケースを検証しているのかを説明します。例えば、test/ddd1.go// Verify that illegal uses of ... are detected. のように、不正な使用方法が正しく検出されることを検証している旨が明確にされています。
  3. コンパイル/実行の挙動: // Does not compile.// Compiles but does not run. といったコメントは、そのテストファイルが意図的にコンパイルエラーになるべきか、あるいはコンパイルは通るが実行はされない(または実行結果が重要でない)ことを示します。これは、コンパイラの診断機能や特定の言語仕様の検証を行うテストにおいて特に重要です。開発者がこれらのテストを見たときに、なぜエラーになるのか、なぜ実行されないのかをすぐに理解できるようになります。
  4. 既存コメントの改善: test/deferprint.go のように、既存のコメントがより詳細で分かりやすい説明に修正されています。これにより、コードの意図がより正確に伝わるようになります。

これらのコメントは、Go言語のテストスイートが「自己文書化」されることを促進します。つまり、テストコード自体が、テスト対象の機能の仕様や期待される挙動を説明するドキュメントとしての役割も果たすようになります。これは、Go言語の設計思想である「シンプルさ」と「実用性」にも合致しており、長期的なプロジェクトの健全性を保つ上で不可欠な改善と言えます。

関連リンク

参考にした情報源リンク