[インデックス 12063] ファイルの概要
このコミットは、Go言語の公式ドキュメントの一部である doc/install.html
ファイル内のリンクを修正するものです。具体的には、「Go Tutorial」へのリンクが相対パスから絶対パスに変更されています。
コミット
commit fa9c44d831edf4f0208c16547e1195ef026f24db
Author: Rob Pike <r@golang.org>
Date: Mon Feb 20 08:08:30 2012 +1100
doc/install.html: fix link
Fixes #3072.
R=golang-dev, rsc
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5684044
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/fa9c44d831edf4f0208c16547e1195ef026f24db
元コミット内容
doc/install.html: fix link
Fixes #3072.
このコミットは、doc/install.html
ファイル内のリンクを修正し、内部的な課題追跡システムにおける問題 #3072 を解決したことを示しています。
変更の背景
ウェブサイトやドキュメントにおいて、リンクが正しく機能しないことはユーザーエクスペリエンスを著しく損ないます。このコミットは、Go言語のインストールガイドである doc/install.html
内の「Go Tutorial」へのリンクが、何らかの理由で正しく解決されていなかったために行われました。
一般的な原因としては、以下の点が考えられます。
- 相対パスの問題: ドキュメントが異なるディレクトリ構造から参照された場合、相対パスのリンクが壊れることがあります。例えば、
install.html
が/doc/
ディレクトリにあり、go_tutorial.html
が同じディレクトリにある場合、go_tutorial.html
という相対パスはinstall.html
が/doc/
から提供される限りは機能します。しかし、もしinstall.html
が別の場所(例えば、ルートディレクトリ)から提供された場合、go_tutorial.html
はルートディレクトリからの相対パスとして解釈され、リンクが壊れます。 - ベースURLの変更: ウェブサイトの構造やベースURLが変更された場合、相対パスのリンクが意図せず壊れることがあります。
- ビルドプロセスの問題: ドキュメントのビルドプロセスにおいて、リンクの解決方法に問題があった可能性も考えられます。
このコミットでは、相対パス go_tutorial.html
を絶対パス /doc/go_tutorial.html
に変更することで、リンクの堅牢性を高め、どの場所から install.html
が参照されても「Go Tutorial」へのリンクが正しく機能するように修正されています。コミットメッセージにある Fixes #3072
は、Goプロジェクト内部の課題管理システムにおける特定のバグ報告に対応するものであると推測されます。
前提知識の解説
HTMLにおけるパスの種類
HTMLドキュメント内で他のリソース(画像、CSSファイル、JavaScriptファイル、他のHTMLページなど)を参照する際には、パス(path)を使用します。パスには主に以下の2種類があります。
-
相対パス (Relative Path):
- 現在表示しているHTMLファイルの位置を基準として、目的のリソースへのパスを指定します。
- 例:
go_tutorial.html
(同じディレクトリ内のファイル),../images/logo.png
(一つ上のディレクトリにあるimages
フォルダ内のファイル),subfolder/page.html
(現在のディレクトリ内のsubfolder
フォルダ内のファイル)。 - 利点: ドキュメントの移動やサーバーのルートディレクトリの変更に柔軟に対応できます。開発環境と本番環境でディレクトリ構造が同じであれば、パスを変更する必要がありません。
- 欠点: ドキュメントが異なる階層から参照されると、リンクが壊れる可能性があります。特に、ウェブサーバーの設定やURLの書き換えによって、期待されるベースURLが変わる場合に問題が生じやすいです。
-
絶対パス (Absolute Path):
- ルート相対パス (Root-Relative Path): ウェブサイトのドキュメントルート(通常はドメイン名の直下)を基準としてパスを指定します。パスはスラッシュ (
/
) で始まります。- 例:
/doc/go_tutorial.html
。これは、http://example.com/
というドメインであれば、http://example.com/doc/go_tutorial.html
を指します。 - 利点: どのHTMLファイルから参照されても、常にウェブサイトのルートからの相対的な位置でリソースを特定できるため、リンクが壊れにくいです。
- 欠点: ウェブサイトのドキュメントルートが変更された場合、パスを修正する必要があります。
- 例:
- 完全なURL (Full URL): プロトコル(
http://
またはhttps://
)、ドメイン名、ポート番号(もしあれば)、およびパス全体を含む完全なアドレスを指定します。- 例:
https://golang.org/doc/go_tutorial.html
。 - 利点: どの場所からでもリソースを一意に特定できます。外部サイトへのリンクによく使用されます。
- 欠点: ドメイン名が変更された場合、パスを修正する必要があります。
- 例:
- ルート相対パス (Root-Relative Path): ウェブサイトのドキュメントルート(通常はドメイン名の直下)を基準としてパスを指定します。パスはスラッシュ (
このコミットでは、相対パス go_tutorial.html
をルート相対パス /doc/go_tutorial.html
に変更しています。これにより、install.html
がウェブサイトのどのURLパスからアクセスされても、常に /doc/go_tutorial.html
というウェブサイトのルートからの絶対的な位置にある「Go Tutorial」を参照するようになります。
技術的詳細
このコミットの技術的詳細は、HTMLの <a>
タグにおける href
属性のパス解決メカニズムに集約されます。
元のコード:
<a href="go_tutorial.html">Go Tutorial</a>
この href="go_tutorial.html"
は相対パスです。ブラウザは、このリンクが記述されている install.html
ファイルの現在のURLを基準にして go_tutorial.html
の場所を解決しようとします。
例えば、install.html
が https://golang.org/doc/install.html
というURLでアクセスされている場合、ブラウザは https://golang.org/doc/go_tutorial.html
を参照します。しかし、もし install.html
が https://golang.org/install.html
のように、/doc/
ディレクトリの外からアクセスされた場合、ブラウザは https://golang.org/go_tutorial.html
を参照しようとし、これは存在しないためリンクが壊れます。
変更後のコード:
<a href="/doc/go_tutorial.html">Go Tutorial</a>
この href="/doc/go_tutorial.html"
はルート相対パスです。パスがスラッシュ (/
) で始まるため、ブラウザは常にウェブサイトのドキュメントルート(例: https://golang.org/
)を基準にしてパスを解決します。
したがって、install.html
が https://golang.org/doc/install.html
であろうと、https://golang.org/install.html
であろうと、あるいは https://golang.org/some/other/path/install.html
であろうと、リンクは常に https://golang.org/doc/go_tutorial.html
を指すことになります。これにより、リンクの堅牢性が大幅に向上します。
この修正は、ウェブサイトのナビゲーションやドキュメントの構造が複雑になるにつれて発生しがちな、リンク切れの問題を回避するための標準的なプラクティスです。特に、静的サイトジェネレータやコンテンツ管理システムを使用している場合、生成されるHTMLファイルのパスが動的に変わる可能性があるため、ルート相対パスの使用は推奨されます。
コアとなるコードの変更箇所
変更は doc/install.html
ファイルの1箇所のみです。
--- a/doc/install.html
+++ b/doc/install.html
@@ -144,7 +144,7 @@ If you see the "hello, world" message then your Go installation is working.
<p>
Start by taking <a href="http://code.google.com/p/go-tour/">A Tour of Go</a>
-or reading the <a href="go_tutorial.html">Go Tutorial</a>.
+or reading the <a href="/doc/go_tutorial.html">Go Tutorial</a>.
</p>
<p>
コアとなるコードの解説
上記の差分は、doc/install.html
ファイルの145行目付近にある <a>
タグの href
属性が変更されたことを示しています。
- or reading the <a href="go_tutorial.html">Go Tutorial</a>.
- これは変更前の行です。
href
属性の値が"go_tutorial.html"
となっており、これは相対パスです。
- これは変更前の行です。
+ or reading the <a href="/doc/go_tutorial.html">Go Tutorial</a>.
- これは変更後の行です。
href
属性の値が"/doc/go_tutorial.html"
となっており、これはルート相対パスです。
- これは変更後の行です。
この変更により、「Go Tutorial」へのリンクは、install.html
がウェブサイトのどの階層からアクセスされても、常にウェブサイトのルートディレクトリ直下の doc
フォルダにある go_tutorial.html
を指すようになります。これにより、リンク切れのリスクが低減され、ユーザーが常に正しいチュートリアルページにアクセスできるようになります。
関連リンク
- Go言語公式サイト: https://golang.org/
- A Tour of Go: http://code.google.com/p/go-tour/ (コミット当時のリンク)
- Go Tutorial (現在のリンク): https://go.dev/doc/tutorial/
参考にした情報源リンク
- GitHubコミットページ: https://github.com/golang/go/commit/fa9c44d831edf4f0208c16547e1195ef026f24db
- HTML
<a>
タグとhref
属性に関する一般的なウェブ開発ドキュメント (例: MDN Web Docs) - 相対パスと絶対パスに関するウェブ開発の基本概念
- Go言語の公式ドキュメント構造に関する一般的な知識
golang/go
issue 3072 の検索結果 (直接的な関連は薄いが、コミットメッセージのコンテキストとして確認)