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[インデックス 12128] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のドキュメント関連ファイルにおけるCSSスタイルの管理方法の改善を目的としています。具体的には、doc/go1.html および doc/go1.tmpl というHTMLテンプレートファイル内に直接埋め込まれていたCSSスタイルを、外部スタイルシートである doc/style.css へと移動させています。これにより、スタイルの再利用性、保守性、および読み込み効率の向上が図られています。

コミット

  • コミットハッシュ: 8d29a09707877185d0a19fe2d68459cf2f833bff
  • Author: Andrew Gerrand adg@golang.org
  • Date: Wed Feb 22 15:02:31 2012 +1100
  • コミットメッセージ:
    doc: move styles to style.css
    
    R=golang-dev, rsc
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5685075
    

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/8d29a09707877185d0a19fe2d68459cf2f833bff

元コミット内容

このコミットの目的は、「doc: move styles to style.css」(ドキュメント: スタイルをstyle.cssに移動)という簡潔なメッセージに集約されています。これは、HTMLファイル内に直接記述されていたスタイル定義を、プロジェクト全体のスタイルを管理する外部CSSファイルに集約するという、Web開発におけるベストプラクティスに沿った変更であることを示唆しています。

変更の背景

この変更の背景には、Webコンテンツの構造(HTML)、見た目(CSS)、振る舞い(JavaScript)を分離するという、Web標準における基本的な設計原則があります。

  1. 保守性の向上: スタイルが複数のHTMLファイルに分散して埋め込まれていると、デザインの変更や修正が必要になった際に、それぞれのファイルを個別に編集する必要が生じます。これは手間がかかるだけでなく、変更漏れや不整合の原因となります。スタイルを一つの外部CSSファイルに集約することで、一箇所を変更するだけで、そのスタイルを使用している全てのページに反映させることが可能になり、保守性が大幅に向上します。
  2. 再利用性の向上: 共通のスタイルを外部CSSファイルとして定義することで、複数のHTMLページで同じスタイルを簡単に再利用できます。これにより、コードの重複を避け、開発効率を高めることができます。
  3. 読み込み効率の改善: ブラウザは外部CSSファイルを一度読み込めばキャッシュすることができます。これにより、ユーザーがサイト内の異なるページを閲覧する際に、スタイルシートを再度ダウンロードする必要がなくなり、ページの読み込み速度が向上します。
  4. コードの可読性向上: HTMLファイルからスタイル定義を分離することで、HTMLファイルは純粋にコンテンツの構造を記述することに専念でき、コードの可読性が向上します。

このコミットは、特にGo 1リリースに関するドキュメントのスタイルを整理し、将来的なメンテナンスを容易にするための初期段階の取り組みであったと考えられます。

前提知識の解説

HTMLにおけるスタイル定義

HTML文書にスタイルを適用する方法は主に3つあります。

  1. インラインスタイル: HTML要素のstyle属性に直接CSSプロパティを記述する方法です。 例: <p style="color: blue;">これは青いテキストです。</p> これは最も優先度が高いですが、再利用性が低く、保守が困難になるため、特殊なケースを除いて推奨されません。

  2. 内部スタイルシート: HTML文書の<head>セクション内に<style>タグを用いてCSSを記述する方法です。 例:

    <head>
      <style type="text/css">
        p { color: blue; }
      </style>
    </head>
    <body>
      <p>これは青いテキストです。</p>
    </body>
    

    このコミットで削除されたのは、この形式のスタイル定義です。特定のページにのみ適用されるスタイルに適していますが、複数のページで共通のスタイルを使用する場合は非効率です。

  3. 外部スタイルシート: 独立した.cssファイルにCSSを記述し、HTML文書から<link>タグを用いて参照する方法です。 例: style.css

    p { color: blue; }
    

    index.html

    <head>
      <link rel="stylesheet" type="text/css" href="style.css">
    </head>
    <body>
      <p>これは青いテキストです。</p>
    </body>
    

    この方法は、スタイルとコンテンツの分離を最も徹底でき、再利用性、保守性、読み込み効率に優れているため、大規模なWebサイト開発で広く推奨されています。

CSSの基本

  • セレクタ: スタイルを適用するHTML要素を指定します。
    • table: <table>タグに適用。
    • hr: <hr>タグに適用。
    • table.codetable: codetableクラスを持つ<table>タグに適用。これは、特定のテーブルにのみスタイルを適用したい場合に便利です。
  • プロパティと値: どのようなスタイルを適用するかを定義します。
    • margin-left: auto; margin-right: auto;: 要素を水平方向に中央揃えにします。
    • border-style: none;: 要素の境界線を非表示にします。
    • border-top: 1px solid black;: 要素の上部に1ピクセルの実線で黒い境界線を設定します。

技術的詳細

このコミットでは、doc/go1.htmldoc/go1.tmpl から以下のCSSルールが削除され、doc/style.css に追加されました。

削除されたCSSルール(go1.html および go1.tmpl から):

table { margin-left: auto; margin-right: auto; border-style: none; }
hr { border-style: none; border-top: 1px solid black; }

これらのルールは、HTMLファイル内のコメントで「テーブルを中央揃えにし、1995年風の3Dボーダーを無効にする」と説明されています。これは、テーブル要素をページの中央に配置し、デフォルトで適用される可能性のある立体的な境界線をなくすことを意図しています。また、水平線(<hr>タグ)についても、デフォルトのスタイルを無効にし、上部に細い黒い線を追加することで、よりモダンでシンプルな見た目にするためのものです。

追加されたCSSルール(style.css へ):

table.codetable { margin-left: auto; margin-right: auto; border-style: none; }
hr { border-style: none; border-top: 1px solid black; }

ここで注目すべきは、table セレクタが table.codetable に変更されている点です。これは、元々すべてのテーブルに適用されていたスタイルが、codetable というクラスが指定されたテーブルにのみ適用されるように変更されたことを意味します。この変更は、ドキュメント内の特定のテーブル(例えば、コード例を表示するテーブルなど)にのみ中央揃えとボーダーなしのスタイルを適用し、他の一般的なテーブルには異なるスタイルを適用できるようにするための、よりきめ細やかな制御を可能にします。

この変更により、Go 1のドキュメントは、より整理されたCSS構造を持つことになり、将来的なスタイルの調整や拡張が容易になります。

コアとなるコードの変更箇所

doc/go1.html の変更点

--- a/doc/go1.html
+++ b/doc/go1.html
@@ -7,12 +7,6 @@
 -->
 
 
-<!-- Center the tables, and disable the 1995-era 3D borders -->
-<style type="text/css">
-table { margin-left: auto; margin-right: auto; border-style: none; }
-hr { border-style: none; border-top: 1px solid black; }\n-</style>
-\n <h2 id="introduction">Introduction to Go 1</h2>
 
 <p>

doc/go1.tmpl の変更点

--- a/doc/go1.tmpl
+++ b/doc/go1.tmpl
@@ -3,12 +3,6 @@
 }-->
 {{donotedit}}\n \n-<!-- Center the tables, and disable the 1995-era 3D borders -->
-<style type="text/css">
-table { margin-left: auto; margin-right: auto; border-style: none; }
-hr { border-style: none; border-top: 1px solid black; }\n-</style>
-\n <h2 id="introduction">Introduction to Go 1</h2>
 
 <p>

doc/style.css の変更点

--- a/doc/style.css
+++ b/doc/style.css
@@ -328,3 +328,6 @@ body {
 .example .expanded { display: none; }\n .exampleVisible .collapsed { display: none; }\n .exampleVisible .expanded { display: block; }\n+\n+table.codetable { margin-left: auto; margin-right: auto; border-style: none; }\n+hr { border-style: none; border-top: 1px solid black; }\n```

## コアとなるコードの解説

上記の差分は、以下の変更を示しています。

*   **`doc/go1.html` および `doc/go1.tmpl`**:
    *   これらのファイルから、`<style type="text/css">` タグで囲まれたCSSブロック全体が削除されています。このブロックには、`table` と `hr` 要素に対するスタイル定義が含まれていました。
    *   `go1.tmpl` はGo言語のテンプレートファイルであり、最終的にHTMLを生成するために使用されます。したがって、このテンプレートからスタイルを削除することは、生成されるHTMLからもスタイルが削除されることを意味します。

*   **`doc/style.css`**:
    *   ファイルの末尾に、削除されたCSSルールが追加されています。
    *   重要な変更点として、`table` セレクタが `table.codetable` に変更されています。これは、このスタイルがすべてのテーブルではなく、`codetable` クラスを持つテーブルにのみ適用されるように意図されたことを示しています。これにより、より特定の要素にスタイルを適用できるようになり、スタイルの適用範囲を細かく制御できるようになります。
    *   `hr` セレクタのスタイルはそのまま移動されています。

この一連の変更により、Go 1ドキュメントのスタイル定義は、HTMLファイルから完全に分離され、一元的に `doc/style.css` で管理されるようになりました。これにより、ドキュメント全体のデザインの一貫性を保ちつつ、将来的なスタイルの変更や拡張が容易になります。

## 関連リンク

*   **Gerrit Code Review**: [https://golang.org/cl/5685075](https://golang.org/cl/5685075)
    このリンクは、Goプロジェクトが使用しているコードレビューシステムであるGerritにおける、このコミットに対応する変更リスト(Change-ID)を示しています。Gerritのページでは、この変更に関する詳細な議論、レビューコメント、および関連するパッチセットの履歴を確認することができます。

## 参考にした情報源リンク

*   (この解説は、提供されたコミット情報と一般的なWeb開発の知識に基づいて生成されており、特定の外部情報源を参照していません。)