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[インデックス 12436] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式ドキュメントの一部である「The Laws of Reflection」という記事の修正と改善に関するものです。具体的には、記事内の誤字を修正し、コードスニペットの表示方法をより正確に制御するための変更が加えられています。また、関連するGoのサンプルコードファイルに著作権表示とファイルの説明が追加されています。

コミット

commit 26dc17ce78f331852fb52c9a1f15aebe4e1155ad
Author: Johan Euphrosine <proppy@google.com>
Date:   Wed Mar 7 11:24:00 2012 +1100

    doc: fix typos in laws_of_reflection article, add copyright notice.
    
    Update #2547.
    
    R=golang-dev, minux.ma, r, r, adg
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5755051

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/26dc17ce78f331852fb52c9a1f15aebe4e1155ad

元コミット内容

doc: fix typos in laws_of_reflection article, add copyright notice.

このコミットの目的は、「The Laws of Reflection」記事内の誤字を修正し、著作権表示を追加することです。これはIssue #2547の更新に対応しています。

変更の背景

Go言語のドキュメントは、その品質と正確性が非常に重視されています。「The Laws of Reflection」は、Goの強力なリフレクション機能について解説した重要な記事であり、開発者がGoのインターフェースとリフレクションを理解するための基礎を提供します。

このコミットの背景には、以下の点が挙げられます。

  1. 誤字の修正: ドキュメントの品質を維持するためには、誤字脱字の修正が不可欠です。特に技術記事においては、正確な記述が読者の理解に直結します。
  2. 著作権表示の追加: Goプロジェクトのコードベース全体で一貫した著作権表示を適用することは、ライセンスの明確化と法的な保護のために重要です。サンプルコードファイルに著作権ヘッダーを追加することで、コードの利用条件が明確になります。
  3. コードスニペット表示の改善: Goのドキュメントシステムでは、Goのソースコードファイルから特定のコードブロックを抽出して記事に埋め込む機能があります。このコミットでは、その抽出メカニズムをより柔軟かつ正確にするための改善が行われました。具体的には、コードブロックの開始と終了を明示的に指定する新しいマーカー(// STOP OMIT)が導入され、これにより記事に表示されるコードの範囲をより細かく制御できるようになりました。これは、記事の読みやすさと、提示されるコード例の関連性を高める上で非常に重要です。

前提知識の解説

このコミットの変更内容を理解するためには、以下の前提知識が役立ちます。

  • Go言語のリフレクション: Goのリフレクションは、実行時にプログラムの構造を検査し、変更する機能です。reflectパッケージを通じて提供され、主にreflect.Typereflect.Valueという2つの型が中心となります。
    • reflect.Type: Goの型(例: int, string, struct{...})に関する情報を提供します。
    • reflect.Value: Goの値(例: 42, "hello", MyStruct{...})に関する情報を提供し、その値を操作する機能も持ちます。
    • 「The Laws of Reflection」記事は、これらの概念と、インターフェース値がどのように型と値のペアを保持しているかを詳細に説明しています。
  • GoのドキュメンテーションツールとOMITコメント: Goの標準的なドキュメンテーションツール(go docなど)は、ソースコード内の特定のコメントマーカーを認識し、ドキュメント生成時にコードの表示を制御します。
    • // START OMIT// END OMIT: これらのマーカーで囲まれたコードブロックは、ドキュメントに含められます。
    • // OMIT: このマーカーが単独で記述された行は、ドキュメントから除外されます。
    • このコミットで導入された// STOP OMITは、特定のコードスニペットの終了位置を明示的に示すための新しい慣習であり、ドキュメント生成システムがより正確にコードを抽出できるようにするためのものです。
  • HTMLとテンプレートエンジン: GoのドキュメントはHTML形式で提供され、多くの場合、テンプレートエンジン(この場合はGoの標準的なtext/templateパッケージに類似したメカニズム)を使用して動的に生成されます。記事のHTMLファイル(.html)とテンプレートファイル(.tmpl)は、この生成プロセスの一部です。
    • <!--{{code "..."}}-->: これは、Goのドキュメント生成システムが特定のGoソースファイルからコードスニペットを埋め込むための特別なディレクティブです。このディレクティブ内のパスとマーカー(例: /START f3/)は、どのファイルからどの部分を抽出するかを指示します。

技術的詳細

このコミットの技術的詳細は、主に以下の3つの側面に集約されます。

  1. ドキュメント内の誤字修正:

    • doc/articles/laws_of_reflection.html および doc/articles/laws_of_reflection.tmpl ファイルにおいて、Type</a>andという記述がType</a> andに修正されました。これは、HTMLタグと単語の間にスペースを追加する単純な修正ですが、視認性と可読性を向上させます。
  2. コードスニペット抽出ロジックの更新:

    • 「The Laws of Reflection」記事では、Goのサンプルコード(doc/progs/interface2.goなど)から特定のコードブロックを抽出して表示しています。以前は、<!--{{code "progs/interface2.go" /START f3/ /START/}}-->のように、開始マーカー(/START f3/)と、その後に続く別の開始マーカー(/START/)の間のコードを抽出するような、やや曖昧な指定が使われていた可能性があります。
    • このコミットでは、この抽出ロジックが<!--{{code "progs/interface2.go" /START f3/ /STOP/}}-->のように変更されました。これは、コードスニペットの開始を/START .../で、終了を/STOP/で明示的に指定する新しい慣習への移行を示唆しています。
    • この変更に対応するため、doc/progs/interface2.goファイル内の関連するコードブロックに// STOP OMITというコメントが追加されました。この// STOP OMITは、ドキュメント生成ツールに対して、その位置でコードスニペットの抽出を停止するよう指示する役割を果たします。これにより、記事に表示されるコードの範囲がより正確に、意図した通りに制御されるようになります。
    • 特に、doc/articles/laws_of_reflection.htmlから、s.Field(0).SetInt(77)などのSet操作を含むコード行が削除されています。これは、interface2.go内の// STOP OMITマーカーの配置と連動しており、記事の特定のセクションで表示されるコード例から、その後のSet操作の部分が意図的に除外されるように調整されたことを意味します。これにより、記事の各セクションで議論されている概念に焦点を当て、不要なコードを表示しないようにしています。
  3. 著作権表示とファイル説明の追加:

    • doc/progs/interface.godoc/progs/interface2.goの2つのGoソースファイルに、標準的なGoプロジェクトの著作権ヘッダーが追加されました。
      // Copyright 2012 The Go Authors. All rights reserved.
      // Use of this source code is governed by a BSD-style
      // license that can be found in the LICENSE file.
      
    • さらに、これらのファイルが「The Laws of Reflection」記事に含まれるコードスニペットであることを示すコメントも追加されました。
      // This file contains the code snippets included in "The Laws of Reflection."
      
    • これにより、これらのファイルが単なる独立したプログラムではなく、ドキュメントの一部として機能していることが明確になります。

これらの変更は、Goのドキュメントの正確性、可読性、および保守性を向上させるための細部にわたる配慮を示しています。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットにおけるコアとなるコードの変更は、主に以下のファイルと行に集中しています。

  1. doc/articles/laws_of_reflection.html

    • Type</a>and -> Type</a> and (行216)
    • <!--{{code "progs/interface2.go" /START f3/ /START/}} -> <!--{{code "progs/interface2.go" /START f3/ /STOP/}} (行356)
    • 同様の変更が、f3b, f3c, f6, f7, f7b のコードスニペット参照にも適用されています。
    • s.Field(0).SetInt(77) などの3行のコードが削除されました (行676-678)。
  2. doc/articles/laws_of_reflection.tmpl

    • Type</a>and -> Type</a> and (行184)
    • {{code "progs/interface2.go" /START f3/ /START/}} -> {{code "progs/interface2.go" /START f3/ /STOP/}} (行301)
    • 同様の変更が、f3b, f3c, f6, f7, f7b のコードスニペット参照にも適用されています。
  3. doc/progs/interface.go

    • ファイルの先頭に著作権表示と説明コメントが追加されました (行1-6)。
  4. doc/progs/interface2.go

    • ファイルの先頭に著作権表示と説明コメントが追加されました (行1-6)。
    • 各コードスニペットの終了位置に// STOP OMITコメントが追加されました。
      • v := reflect.ValueOf(x) の後 (行42)
      • fmt.Println(y) の後 (行46)
      • fmt.Println(v.Interface()) の後 (行49)
      • v := reflect.ValueOf(x) の後 (行72)
      • fmt.Println("settability of p:", p.CanSet()) の後 (行84)
      • fmt.Println("settability of v:", v.CanSet()) の後 (行88)
      • fmt.Printf("%d: %s %s = %v\\n", i, ...)forループの後 (行108)

コアとなるコードの解説

このコミットの核心は、Goのドキュメント生成システムにおけるコードスニペットの取り扱いを改善した点にあります。

  • laws_of_reflection.html および .tmpl ファイルの変更:

    • Type</a>andからType</a> andへの変更は、単純なHTMLの整形であり、可読性を高めるためのものです。
    • より重要なのは、<!--{{code "..."}}-->ディレクティブ内のマーカーの変更です。以前は/START/という汎用的なマーカーが使われていた箇所が、/STOP/というより具体的な終了マーカーに置き換えられました。これは、ドキュメント生成ツールがコードスニペットを抽出する際に、開始マーカーから次の/STOP/マーカーまでを範囲として認識するように変更されたことを意味します。この変更により、記事の執筆者は、Goのソースコード内で表示したいコードブロックの開始と終了をより正確に定義できるようになります。
  • interface.go および interface2.go ファイルの変更:

    • 著作権表示とファイル説明の追加は、Goプロジェクトにおける標準的な慣行に従うものであり、コードのライセンスと目的を明確にします。
    • interface2.goに導入された// STOP OMITコメントは、上記のHTML/テンプレートファイルの変更と直接連携しています。これらのコメントは、Goのドキュメント生成ツールがコードスニペットを抽出する際の「停止点」として機能します。例えば、f3()関数内のv := reflect.ValueOf(x)の直後に// STOP OMITが追加されたことで、記事の該当セクションではこの行までが表示され、それ以降のコードは表示されなくなります。
    • 特に注目すべきは、doc/articles/laws_of_reflection.htmlからs.Field(0).SetInt(77)などの行が削除されたことです。これは、interface2.go内の// STOP OMITマーカーの配置と同期しており、記事の特定の文脈でSet操作のコード例を表示しないように調整されたことを示しています。これにより、記事の各部分が特定の概念に焦点を当て、読者が混乱することなく情報を吸収できるようになります。

これらの変更は、Goのドキュメントが常に最新かつ正確な情報を提供し、読者にとって最も理解しやすい形式であることを保証するための継続的な努力の一環です。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の公式ドキュメントとブログ記事
  • Goのソースコードリポジトリ (特にdocディレクトリ)
  • GoのIssueトラッカー (Issue 2547)
  • GoのCode Reviewシステム (Gerrit)
  • Goのreflectパッケージのドキュメント: https://pkg.go.dev/reflect
  • Goのドキュメンテーションコメントに関する慣習 (OMITコメントなど) に関する情報 (Goのソースコードや関連するツール、ドキュメントから)