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[インデックス 12496] ファイルの概要

このコミットは、Go 1のリリースに関する公式ドキュメントの一部である doc/go1.html およびそのテンプレートファイル doc/go1.tmpl における軽微なテキストの修正です。具体的には、Go 1でパッケージが移動された場所に関する記述を「sub-repositories of」から「other repositories, usually sub-repositories of」へと変更し、より正確な表現に修正することを目的としています。これは、先行するコミット abf39116ffac で導入された変更の残存する不整合を修正するものです。

コミット

  • コミットハッシュ: a93047aa72ef696d0973a02fc3997344785c81cd
  • 作者: Alex Brainman alex.brainman@gmail.com
  • コミット日時: 2012年3月8日 木曜日 10:01:15 +1100
  • 変更ファイル数: 2ファイル
    • doc/go1.html: 1行追加, 1行削除
    • doc/go1.tmpl: 1行追加, 1行削除

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/a93047aa72ef696d0973a02fc3997344785c81cd

元コミット内容

doc/go1.tmpl: small change left behind from abf39116ffac

R=r
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5752072

変更の背景

このコミットは、Go 1のリリースノートまたは関連ドキュメントの一部である doc/go1.htmldoc/go1.tmpl に存在する、以前のコミット abf39116ffac で導入された変更の「残存物(left behind)」を修正するために行われました。

先行するコミット abf39116ffac は、Go 1のリリースに伴い、一部の標準パッケージがメインのGoリポジトリから「サブリポジトリ」へと移動されたことに関するドキュメントの更新を行いました。この移動は、Goプロジェクトのモジュール化と、コア言語と周辺パッケージの分離を進めるための重要なステップでした。

しかし、abf39116ffac の変更において、ドキュメント内の特定の箇所で表現の不正確さが残ってしまいました。具体的には、「Go 1 has moved a number of packages into sub-repositories of the main Go repository.」という記述が、実際にはサブリポジトリだけでなく、他の独立したリポジトリにも移動されたパッケージが存在する可能性を十分にカバーしていませんでした。

このコミット a93047aa72ef696d0973a02fc3997344785c81cd は、その不正確さを修正し、「Go 1 has moved a number of packages into other repositories, usually sub-repositories of the main Go repository.」とすることで、より広範なパッケージ移動の状況を正確に反映させることを目的としています。これは、ドキュメントの正確性を保つための、細部への配慮を示すものです。

前提知識の解説

Go 1リリース

Go 1は、Go言語の最初の安定版リリースであり、2012年3月28日に公開されました。このリリースは、Go言語の仕様を安定させ、将来のバージョンとの互換性を保証することを主な目的としていました。Go 1以降、Go言語の互換性ポリシーが導入され、既存のGo 1プログラムが将来のGoバージョンでも動作することが保証されるようになりました。このコミットが2012年3月8日に行われていることから、Go 1リリース直前の最終調整段階でのドキュメント修正であることがわかります。

Goのパッケージとリポジトリ構造

Go言語では、コードは「パッケージ」という単位で整理されます。パッケージは、関連する機能の集合であり、他のパッケージからインポートして利用できます。Goの初期の段階では、多くの標準パッケージが単一の巨大なリポジトリ(code.google.com/p/go/、後にGitHubのgolang/goへ移行)に存在していました。

Go 1のリリースに伴い、Goプロジェクトは一部のパッケージをメインリポジトリから分離し、より独立した「サブリポジトリ(sub-repositories)」や「その他のリポジトリ(other repositories)」に移動させる方針を取りました。これは、メインリポジトリの肥大化を防ぎ、各パッケージの独立した開発・バージョン管理を可能にすることを目的としていました。

  • サブリポジトリ: メインのGoリポジトリの傘下にあるが、独立したGitリポジトリとして管理されるパッケージ群。例えば、golang.org/x/netgolang.org/x/text などがこれに該当します。これらはGoチームによって公式にメンテナンスされています。
  • その他のリポジトリ: Goチームが直接管理しない、コミュニティによって開発・メンテナンスされるパッケージが存在するリポジトリ。

このコミットは、ドキュメントが「サブリポジトリ」という言葉だけでパッケージの移動先を説明していたために生じた、このニュアンスの欠如を修正しています。

doc/go1.htmldoc/go1.tmpl

  • doc/go1.html: これはGo 1のリリースに関する公式ドキュメントのHTMLファイルです。ユーザーがブラウザで閲覧する最終的な形式のドキュメントです。
  • doc/go1.tmpl: これはGoのドキュメント生成システムで使用されるテンプレートファイルです。Goのドキュメントは、Goの text/template パッケージや html/template パッケージに似たテンプレート言語を使用して生成されることがよくあります。doc/go1.tmpl は、doc/go1.html のような最終的なHTMLファイルを生成するための元となるテンプレートであり、共通の構造や動的なコンテンツを埋め込むために使用されます。このコミットでは、HTMLファイルとテンプレートファイルの両方が修正されていることから、ドキュメント生成プロセスの一貫性を保つための変更であることがわかります。

Gerrit Change-ID (https://golang.org/cl/5752072)

Goプロジェクトでは、コードレビューと変更管理にGerritというシステムを使用しています。https://golang.org/cl/5752072 は、このコミットに対応するGerrit上の変更リスト(Change List, CL)のIDです。GerritのCLページには、コミットの提案、レビューコメント、変更履歴など、より詳細な情報が含まれている場合があります。このリンクは、変更の経緯や議論を追跡するための重要な手がかりとなります。

技術的詳細

このコミットの技術的な変更は非常にシンプルで、ドキュメント内の特定の文字列を置換することに集約されます。しかし、その背後にはGoプロジェクトのパッケージ管理戦略とドキュメントの正確性へのこだわりが垣間見えます。

変更された行は以下の通りです。

--- a/doc/go1.html
+++ b/doc/go1.html
@@ -734,7 +734,7 @@ Code that uses the other packages (there should be almost zero) will need to be
 <h3 id=\"subrepo\">Packages moving to subrepositories</h3>
 
 <p>
-Go 1 has moved a number of packages into sub-repositories of
+Go 1 has moved a number of packages into other repositories, usually sub-repositories of
 <a href=\"http://code.google.com/p/go/\">the main Go repository</a>.
 This table lists the old and new import paths:
 

そして、doc/go1.tmpl でも全く同じ変更が行われています。

この変更のポイントは、「sub-repositories of」という表現が、Go 1で移動された全てのパッケージの状況を正確に反映していなかった点にあります。Go 1では、メインリポジトリから分離されたパッケージの中には、厳密には「メインリポジトリのサブリポジトリ」ではない、完全に独立した「他のリポジトリ」に移動したものも存在しました。

other repositories, usually sub-repositories of」という表現に修正することで、以下のニュアンスが追加されます。

  1. 「other repositories」の包含: パッケージの移動先がサブリポジトリに限定されず、より広範な「他のリポジトリ」も含まれることを明示します。
  2. 「usually sub-repositories of」による補足: その中でも、多くの場合(通常は)メインGoリポジトリのサブリポジトリに移動した、という実態を補足します。これにより、読者は主要な移動先がサブリポジトリであることを理解しつつ、例外的なケースも考慮に入れることができます。

この修正は、Goプロジェクトがドキュメントの正確性と網羅性を重視していることを示しています。特に、Go 1のような重要なマイルストーンのドキュメントにおいては、誤解を招く可能性のある表現を排除し、読者に正確な情報を提供することが極めて重要です。

コアとなるコードの変更箇所

doc/go1.html および doc/go1.tmpl の両ファイルで、以下の変更が行われています。

--- a/doc/go1.html
+++ b/doc/go1.html
@@ -734,7 +734,7 @@ Code that uses the other packages (there should be almost zero) will need to be
 <h3 id=\"subrepo\">Packages moving to subrepositories</h3>
 
 <p>
-Go 1 has moved a number of packages into sub-repositories of
+Go 1 has moved a number of packages into other repositories, usually sub-repositories of
 <a href=\"http://code.google.com/p/go/\">the main Go repository</a>.
 This table lists the old and new import paths:
 

コアとなるコードの解説

変更は、HTMLの <p> タグ内にあるテキストコンテンツに対して行われています。

  • -Go 1 has moved a number of packages into sub-repositories of: これは変更前の元のテキストです。「Go 1は多くのパッケージを、メインGoリポジトリのサブリポジトリに移動しました。」という意味になります。この表現は、移動先の全てがメインリポジトリの「サブリポジトリ」であるかのような印象を与えます。

  • +Go 1 has moved a number of packages into other repositories, usually sub-repositories of: これが変更後の新しいテキストです。「Go 1は多くのパッケージを、他のリポジトリ、通常はメインGoリポジトリのサブリポジトリに移動しました。」という意味になります。 「other repositories」というより一般的な表現を導入することで、移動先がサブリポジトリに限定されないことを明確にしています。 そして、「, usually sub-repositories of」という句を追加することで、その「他のリポジトリ」の中でも、多くの場合がメインGoリポジトリのサブリポジトリであるという実態を補足しています。

この修正により、Go 1におけるパッケージ移動の状況がより正確に、かつ包括的に説明されるようになりました。これは、ドキュメントの品質向上と、読者の誤解を防ぐための重要な改善です。

関連リンク

  • Gerrit Change-ID: https://golang.org/cl/5752072 このコミットのコードレビューと関連する議論の詳細を確認できます。

参考にした情報源リンク

  • Go 1 Release Notes: Go 1の公式リリースノートは、パッケージの移動に関する詳細な情報を提供しています。
  • Go Subrepositories: Goのサブリポジトリに関する公式情報。
  • Gerrit Code Review: Goプロジェクトが使用しているコードレビューシステムGerritに関する情報。
  • コミット abf39116ffac の情報: このコミットが修正している元のコミット。
  • Google Code Archive: 過去のGoプロジェクトのリポジトリがホストされていた code.google.com/p/go/ は現在アーカイブされていますが、当時のGoプロジェクトの構造を理解する上で重要です。