[インデックス 12508] ファイルの概要
このコミットは、Go言語の公式ドキュメントインデックスである doc/docs.html
ファイルに対する変更です。このファイルは、Go言語に関する様々なドキュメントやリソースへのリンクを集約しており、ユーザーがGoに関する情報を探す際の出発点となる重要な役割を担っています。
コミット
このコミットは、Go 1リリースに関連する重要なドキュメント、具体的には「Go 1 Release Notes」と「Go 1 and the Future of Go Programs (Go 1互換性保証)」へのリンクを doc/docs.html
に追加するものです。これにより、Go 1への移行を検討しているユーザーや、Go 1の互換性保証について理解したいユーザーが、これらの情報に容易にアクセスできるようになります。
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/c9836be112d4c9f7836c2adcfa2f7e941c8a1ecd
元コミット内容
commit c9836be112d4c9f7836c2adcfa2f7e941c8a1ecd
Author: Andrew Gerrand <adg@golang.org>
Date: Thu Mar 8 16:10:55 2012 +1100
doc: link to go1 and go1compat from docs index
Fixes #3239.
R=golang-dev, r
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5782049
変更の背景
この変更は、Go言語のバージョン1(Go 1)のリリースが間近に迫っていた、またはリリースされた直後の時期に行われました。Go 1は、Go言語にとって非常に重要なマイルストーンであり、言語仕様と標準ライブラリの安定性を保証し、将来にわたる後方互換性を確立することを目的としていました。
Go 1のリリースに伴い、既存のGoコードをGo 1に対応させるための変更点や、Go 1が提供する互換性保証の範囲について、ユーザーに明確に伝える必要がありました。そのため、Go 1への移行ガイドとなるリリースノートと、Go 1の互換性ポリシーを説明するドキュメントが作成されました。
このコミットは、これらの重要なドキュメントへのアクセス性を向上させるために、Goの公式ドキュメントインデックスページ (doc/docs.html
) から直接リンクを張ることを目的としています。コミットメッセージにある Fixes #3239
は、GitHub Issue #3239でこのリンク追加の必要性が議論されていたことを示唆しています。
前提知識の解説
Go 1とは
Go 1は、2012年3月28日にリリースされたGo言語の最初のメジャー安定版リリースです。Go 1の主な目的は、Go言語の仕様と標準ライブラリを安定させ、将来のバージョンアップにおいても既存のGoプログラムが動作し続けることを保証する「後方互換性」を提供することでした。これにより、開発者は安心してGo言語を採用し、長期的なプロジェクトに取り組むことができるようになりました。Go 1のリリースは、Go言語が実験的な段階から、実用的なプログラミング言語へと成熟したことを意味します。
リリースノート (Release Notes)
リリースノートは、ソフトウェアの新しいバージョンがリリースされる際に公開されるドキュメントです。これには、新機能、改善点、バグ修正、非推奨になった機能、そして特に重要な変更点(例: 既存のコードに影響を与える可能性のある変更)などが記載されます。開発者はリリースノートを参照することで、新しいバージョンへの移行に必要な情報や、新機能の活用方法を理解することができます。
後方互換性 (Backward Compatibility)
後方互換性とは、ソフトウェアの新しいバージョンが、古いバージョン向けに作成されたデータやコードを問題なく処理できる能力を指します。Go 1では、言語仕様と標準ライブラリにおいて厳格な後方互換性ポリシーが導入されました。これは、Go 1で書かれたプログラムは、Go 1.x、Go 2といった将来のGoのバージョンでも、変更なしにコンパイル・実行できることを原則として保証するというものです。この保証は、Go言語が大規模なシステム開発で信頼される基盤となる上で極めて重要です。
技術的詳細
このコミットは、HTMLファイルである doc/docs.html
に新しいセクションとリンクを追加するものです。具体的には、以下のHTML要素が追加されています。
<h2>
タグ: セクションの主要な見出しを定義します。ここでは「Go version 1」という見出しが追加されています。<h3>
タグ:<h2>
の下位の見出しを定義します。ここでは「Go 1 Release Notes」と「Go 1 and the Future of Go Programs」という見出しが追加されています。<a href="...">
タグ: ハイパーリンクを作成します。href
属性にはリンク先のURLが指定されます。ここでは、/doc/go1.html
と/doc/go1compat.html
への相対パスが指定されています。<p>
タグ: 段落を定義します。リンクの説明文がここに記述されています。
これらのHTML要素は、ウェブページ上で構造化された情報を提供し、ユーザーがクリック可能なリンクを通じて関連ドキュメントにナビゲートできるようにするために使用されます。
コアとなるコードの変更箇所
--- a/doc/docs.html
+++ b/doc/docs.html
@@ -70,6 +70,19 @@ Answers to common questions about Go.
<h3 id=\"wiki\"><a href=\"http://code.google.com/p/go-wiki/wiki\">Go Language Community Wiki</a></h3>
<p>A wiki maintained by the Go community.</p>
+<h2 id=\"go1\">Go version 1</h2>
+
+<h3 id=\"go1notes\"><a href=\"/doc/go1.html\">Go 1 Release Notes</a></h3>
+<p>
+A guide for updating your code to work with Go 1.
+</p>
+
+<h3 id=\"go1compat\"><a href=\"/doc/go1compat.html\">Go 1 and the Future of Go Programs</a></h3>
+<p>
+What Go 1 defines and the backwards-compatibility guarantees one can expect as
+Go 1 matures.
+</p>
+
<h2 id=\"articles\">Go Articles</h2>
<h3 id=\"blog\"><a href=\"http://blog.golang.org/\">The Go Blog</a></h3>
コアとなるコードの解説
追加されたコードは、doc/docs.html
ファイルの既存のコンテンツ(Go Language Community WikiのセクションとGo Articlesのセクションの間)に、Go 1に関する新しいセクションを挿入しています。
-
<h2 id="go1">Go version 1</h2>
:id="go1"
は、このセクションへの内部リンク(アンカー)を可能にするための識別子です。- 「Go version 1」という見出しは、このセクションがGo 1に関する情報を提供することを示します。
-
<h3 id="go1notes"><a href="/doc/go1.html">Go 1 Release Notes</a></h3>
:id="go1notes"
は、このサブセクションへの内部リンク用識別子です。<a href="/doc/go1.html">
は、Go 1のリリースノートドキュメント (go1.html
) へのリンクです。- その下の
<p>
タグには、「A guide for updating your code to work with Go 1.」という説明文があり、このリンクがGo 1へのコード更新ガイドであることを示しています。
-
<h3 id="go1compat"><a href="/doc/go1compat.html">Go 1 and the Future of Go Programs</a></h3>
:id="go1compat"
は、このサブセクションへの内部リンク用識別子です。<a href="/doc/go1compat.html">
は、Go 1の互換性保証に関するドキュメント (go1compat.html
) へのリンクです。- その下の
<p>
タグには、「What Go 1 defines and the backwards-compatibility guarantees one can expect as Go 1 matures.」という説明文があり、このリンクがGo 1の定義と後方互換性保証について説明するものであることを示しています。
これらの変更により、Go 1に関する最も重要な情報源が、Goの公式ドキュメントのトップページから直接アクセスできるようになり、ユーザーエクスペリエンスが大幅に向上しました。
関連リンク
- Go言語公式サイト: https://golang.org/
- Go言語公式ブログ: https://blog.golang.org/
- Go言語ドキュメント: https://golang.org/doc/
参考にした情報源リンク
- GitHubコミットページ: https://github.com/golang/go/commit/c9836be112d4c9f7836c2adcfa2f7e941c8a1ecd
- Gerrit Code Review (Goの変更リスト): https://golang.org/cl/5782049
- Go 1 Release Notes (当時のURL): https://golang.org/doc/go1.html
- Go 1 and the Future of Go Programs (当時のURL): https://golang.org/doc/go1compat.html
- Go 1 Release Announcement (Go Blog): https://blog.golang.org/go1 (これはコミット日より後の記事ですが、Go 1の背景を理解する上で参考になります)
- Go Issue 3239: https://github.com/golang/go/issues/3239 (このコミットが修正したIssue)