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[インデックス 12578] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリである log パッケージ内の log.go ファイルに対する変更です。具体的には、Ldate フラグのドキュメントコメントの修正が行われています。

コミット

commit 0af08d825343431594421aec06fec4c96052257b
Author: Russ Cox <rsc@golang.org>
Date:   Mon Mar 12 16:29:33 2012 -0400

    log: fix doc comment for Ldate
    
    Fixes #3303.
    
    R=golang-dev, bradfitz
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5795062

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/0af08d825343431594421aec06fec4c96052257b

元コミット内容

log: fix doc comment for Ldate

Fixes #3303.

R=golang-dev, bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5795062

変更の背景

このコミットの背景には、Go言語の標準ライブラリ log パッケージの Ldate フラグに関するドキュメントコメントの誤りがありました。Ldate フラグはログ出力に日付を含めるためのものですが、そのコメントに記載されていた日付のフォーマット例が実際の出力と異なっていました。

具体的には、コメントでは日付が 2009/0123 のように月と日が結合された形式で示されていましたが、実際の log パッケージの Ldate フラグによる日付出力は 2009/01/23 のようにスラッシュで区切られた形式でした。この不一致は、ドキュメントの正確性を損ない、開発者が log パッケージの挙動を誤解する可能性がありました。

この問題は、GoのIssueトラッカーでIssue #3303として報告されており、このコミットはその問題を修正するために行われました。ドキュメントはコードの挙動を正確に反映しているべきであるという原則に基づき、この修正が適用されました。

前提知識の解説

Go言語の log パッケージ

Go言語の標準ライブラリには、シンプルなロギング機能を提供する log パッケージが含まれています。このパッケージは、アプリケーションのイベントやデバッグ情報を標準エラー出力(または指定された出力先)に書き出すために使用されます。

log パッケージの主要な機能には以下のようなものがあります。

  • ロガーの作成: log.New() 関数を使用して、出力先、プレフィックス、フラグを指定して新しいロガーを作成できます。
  • ログの出力: log.Print(), log.Printf(), log.Println() などの関数を使用して、様々な形式でログメッセージを出力できます。
  • フラグ: ログ出力に含める情報を制御するためのビットフラグが提供されています。これには、日付、時刻、ファイル名、行番号などが含まれます。

log パッケージのフラグ

log パッケージでは、ログメッセージに含める情報を制御するために、const ブロックで定義されたビットフラグを使用します。これらのフラグは、log.SetFlags() 関数や log.New() 関数で組み合わせて指定できます。

主なフラグには以下のようなものがあります(コミット当時のものを含む):

  • Ldate: ローカルタイムゾーンでの日付(例: 2009/01/23
  • Ltime: ローカルタイムゾーンでの時刻(例: 01:23:23
  • Lmicroseconds: 時刻にマイクロ秒の解像度を追加(例: 01:23:23.123123)。Ltime が前提。
  • Llongfile: 完全なファイル名と行番号(例: /a/b/c/d.go:23
  • Lshortfile: 最後のファイル名要素と行番号(例: d.go:23)。Llongfile が設定されている場合はオーバーライドされる。
  • LUTC: 日付と時刻をUTC(協定世界時)で表示。
  • LstdFlags: LdateLtime の組み合わせ。

これらのフラグはビット演算子 (|) を使って組み合わせることができます。例えば、log.Ldate | log.Ltime は日付と時刻の両方をログに含めます。

Go言語の iota

iota はGo言語の特別な識別子で、const 宣言内で使用され、連続する定数値を生成するために利用されます。iotaconst ブロック内で0から始まり、新しい const 定数が宣言されるたびに1ずつ増加します。

このコミットで関連する log パッケージのフラグ定義では、iota が以下のように使用されています。

const (
	Ldate         = 1 << iota     // the date: 2009/01/23
	Ltime                         // the time: 01:23:23
	Lmicroseconds                 // microsecond resolution: 01:23:23.123123.  assumes Ltime.
	// ...
)

ここで、Ldate1 << 0 (つまり 1) となり、Ltime1 << 1 (つまり 2)、Lmicroseconds1 << 2 (つまり 4) となります。これにより、各フラグが一意のビット位置を持つようになり、ビットマスクとして機能します。

ドキュメントコメント

Go言語では、エクスポートされた(大文字で始まる)識別子(変数、関数、型など)の直前に書かれたコメントは、その識別子のドキュメントコメントとして扱われます。これらのコメントは go doc コマンドやGoの公式ドキュメントサイトで表示され、コードの利用者にその機能や挙動を説明するために非常に重要です。

良いドキュメントコメントは、コードの目的、引数、戻り値、そして特に重要な挙動や制約について明確かつ簡潔に説明する必要があります。このコミットは、まさにこのドキュメントコメントの正確性を保つための修正です。

技術的詳細

このコミットは、src/pkg/log/log.go ファイル内の Ldate フラグのドキュメントコメントを修正するものです。

変更前は、Ldate フラグのコメントは以下のようになっていました。

//	Ldate         = 1 << iota     // the date: 2009/0123

ここで示されている日付の例 2009/0123 は、月と日が結合された形式であり、実際の log パッケージが Ldate フラグで出力する日付のフォーマット YYYY/MM/DD(例: 2009/01/23)とは異なっていました。

このコミットでは、この不正確な例を修正し、実際の出力フォーマットに合わせるように変更されました。

//	Ldate         = 1 << iota     // the date: 2009/01/23

この変更は、コードの機能自体には影響を与えません。Ldate フラグの挙動や、log パッケージによる日付のフォーマット方法が変わるわけではありません。しかし、ドキュメントの正確性を向上させることで、開発者が log パッケージをより正確に理解し、利用できるようになります。これは、ライブラリの品質とユーザビリティを維持する上で非常に重要な側面です。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/pkg/log/log.go
+++ b/src/pkg/log/log.go
@@ -27,7 +27,7 @@ const (
  // order they appear (the order listed here) or the format they present (as
  // described in the comments).  A colon appears after these items:
  //	2009/0123 01:23:23.123123 /a/b/c/d.go:23: message
- Ldate         = 1 << iota     // the date: 2009/0123
+ Ldate         = 1 << iota     // the date: 2009/01/23
  Ltime                         // the time: 01:23:23
  Lmicroseconds                 // microsecond resolution: 01:23:23.123123.  assumes Ltime.
  Llongfile                     // full file name and line number: /a/b/c/d.go:23

コアとなるコードの解説

変更は src/pkg/log/log.go ファイルの29行目(変更後)にあります。

元のコード:

Ldate         = 1 << iota     // the date: 2009/0123

修正後のコード:

Ldate         = 1 << iota     // the date: 2009/01/23

この変更は、Ldate 定数の定義行にあるインラインコメント(ドキュメントコメントの一部)を修正しています。// the date: 2009/0123 の部分が // the date: 2009/01/23 に変更されました。

これは、Ldate フラグがログ出力に含める日付のフォーマット例を修正したものです。以前の例 2009/0123 は、月と日がスラッシュで区切られていない形式でしたが、実際の log パッケージの出力は 2009/01/23 のようにスラッシュで区切られた形式です。この修正により、ドキュメントコメントが実際の挙動と一致するようになり、開発者にとってより正確な情報が提供されるようになりました。

コードの機能的な変更は一切なく、純粋にドキュメントの正確性を高めるための修正です。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の log パッケージ公式ドキュメント: https://pkg.go.dev/log
  • Go言語の iota に関するドキュメントやチュートリアル (一般的なGo言語の知識)
  • Go言語のドキュメンテーションに関するガイドライン (一般的なGo言語の知識)