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[インデックス 12692] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式ドキュメントリポジトリにおいて、doc/playground.html というファイルを削除するものです。このファイルは、Go Playgroundに関する説明を提供していましたが、その役割が変更されたか、あるいは他の場所に統合されたため、不要と判断され削除されました。

コミット

  • コミットハッシュ: 58aac1d0ffe9e1c00347626306c30caa5dfb44e3
  • Author: Andrew Gerrand adg@golang.org
  • Date: Tue Mar 20 14:11:17 2012 +1100

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/58aac1d0ffe9e1c00347626306c30caa5dfb44e3

元コミット内容

doc: remove defunct playground.html

R=golang-dev, dsymonds
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5846071

変更の背景

このコミットの背景には、Go Playgroundのドキュメント構造の整理と進化があります。doc/playground.htmlは、Go Playgroundの機能や制約について説明する静的なHTMLファイルでした。しかし、Go Playgroundの機能が成熟し、その情報がより動的なコンテンツや、他の公式ドキュメント、あるいはGo Playground自体のインターフェースに直接組み込まれるようになったため、この静的な説明ページが「defunct」(機能停止、廃止)と判断されたと考えられます。

具体的には、Go Playgroundの利用方法や制約に関する情報は、Goの公式ウェブサイトの他のセクションや、Go Playgroundのインターフェース自体に直接表示されるようになった可能性があります。これにより、重複する情報源を排除し、ドキュメントの一貫性と保守性を向上させる目的があったと推測されます。

前提知識の解説

Go Playgroundとは

Go Playgroundは、Go言語のコードをブラウザ上で記述、実行、共有できるウェブサービスです。golang.orgのサーバー上で動作し、ユーザーが入力したGoプログラムをコンパイル、リンク、サンドボックス内で実行し、その出力を返します。これは、Go言語の学習、簡単なコードのテスト、コードスニペットの共有に非常に便利なツールです。

Go Playgroundの主な特徴と制約

削除されたdoc/playground.htmlの内容から、当時のGo Playgroundの重要な制約が読み取れます。これらは、Go Playgroundが安全かつ効率的に動作するために設計されたものです。

  1. シングルスレッド実行: プログラムはシングルスレッドで実行されますが、複数のGoroutineを使用することは可能です。これは、Goの並行処理モデルであるGoroutineのデモンストレーションを可能にしつつ、リソースの過剰な消費を防ぐための制約です。
  2. 実行時間、CPU、メモリ使用量の制限: 無限ループや過剰なリソース消費を防ぐため、プログラムの実行時間、CPU使用量、メモリ使用量には厳格な制限が設けられています。これにより、サーバーの安定稼働が保証されます。
  3. 標準ライブラリのサブセットへのアクセス: Go Playgroundは、標準ライブラリのすべての機能にアクセスできるわけではありません。特に、ネットワークアクセスやファイルシステムアクセスは制限されています。これは、サンドボックスのセキュリティモデルの核心であり、悪意のあるコードがサーバーや外部システムに影響を与えるのを防ぐための重要な措置です。
  4. 標準出力のみの通信: Go Playgroundで実行されるプログラムが外部と通信する唯一の方法は、標準出力(fmt.Printlnなど)を介することです。これにより、プログラムの動作が予測可能になり、サンドボックスの分離が強化されます。

サンドボックス環境

Go Playgroundは、ユーザーのコードを「サンドボックス」と呼ばれる隔離された環境で実行します。サンドボックスは、プログラムがシステムリソースに直接アクセスしたり、他のプロセスに干渉したりするのを防ぐためのセキュリティメカニズムです。これにより、悪意のあるコードやバグのあるコードがサーバーに損害を与えるリスクを最小限に抑えます。

技術的詳細

doc/playground.htmlは、Go Playgroundのクライアントサイドの機能と連携するためのJavaScriptファイル(/doc/play/playground.js)を読み込んでいました。これは、Go Playgroundのウェブインターフェースが、ユーザーのブラウザ側でコードの入力や表示を行い、実際の実行はバックエンドのGo Playgroundサービスにリクエストを送信して行っていたことを示唆しています。

削除されたHTMLファイルには、Go Playgroundの「About」ページとしての役割があり、その機能、目的、および技術的な制約について説明していました。このページの削除は、これらの情報がもはや静的なHTMLファイルとして提供される必要がなくなり、より動的な方法(例えば、Go Playgroundのウェブアプリケーション自体に組み込まれたヘルプセクションや、より広範なGoのドキュメントサイトの一部として)で提供されるようになったことを意味します。

この変更は、Goプロジェクトのドキュメント管理戦略の一部であり、情報の重複を避け、ユーザーが常に最新かつ正確な情報にアクセスできるようにするための継続的な取り組みを反映しています。

コアとなるコードの変更箇所

このコミットによるコアとなるコードの変更は、単一のファイルの削除です。

  • doc/playground.html が削除されました。

変更の差分は以下の通りです。

--- a/doc/playground.html
+++ /dev/null
@@ -1,29 +0,0 @@
-<!--{
-	"Title": "About the Go Playground"
-}-->
-
-<div class="left-column">
-<p>
-The Go Playground is a web service that runs on
-<a href="http://golang.org/">golang.org</a>'s servers.
-The service receives a Go program, compiles, links, and runs the program inside
-a sandbox, then returns the output.
-</p>
-
-<p>
-There are limitations to the programs that can be run in the Playground.
-They must be single-threaded (but they may use many goroutines).
-There are also limits on execution time, and CPU and memory usage.
-The Playground can access only a subset of the standard library
-(notably absent are network and file system access).
-Therefore, the only communication a Playground program has to the outside world
-is via standard output.
-</div>
-
-<div class="right-column">
-<script src="http://www.google.com/jsapi" type="text/javascript"></script>
-<div id="playground" class="small"></div>
-<script src="/doc/play/playground.js"></script>
-</div>
-
-<div class="end-columns"></div>

コアとなるコードの解説

このコミットは、特定の機能を追加したり、既存のコードを修正したりするものではなく、単に不要になったドキュメントファイルを削除するものです。doc/playground.htmlは、Go Playgroundに関する情報を提供していましたが、その情報が他の場所でより適切に管理されるようになったため、このファイルは「defunct」(廃止)と見なされました。

ファイルの削除は、リポジトリのクリーンアップと、ドキュメントの最新性および一貫性を保つための一般的なプラクティスです。これにより、開発者やユーザーが古い情報にアクセスするリスクが減り、ドキュメントのメンテナンスが容易になります。

関連リンク

参考にした情報源リンク