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[インデックス 12722] ファイルの概要

このコミットは、Goコンパイラのsrc/cmd/gc/walk.cファイルにおけるコメントのタイポ修正と、代入演算子のスペース調整を行うものです。コードの機能的な変更はなく、主にコードの可読性と一貫性を向上させるための修正です。

コミット

  • コミットハッシュ: 209b2e55f70169c517e682532e48e49d6a86d1bf
  • Author: Ian Lance Taylor iant@golang.org
  • Date: Thu Mar 22 11:40:12 2012 -0700
  • コミットメッセージ:
    cmd/gc: fix comment typo, assignment spacing
    
    R=bradfitz, gri, lvd
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5874053
    

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/209b2e55f70169c517e682532e48e49d6a86d1bf

元コミット内容

cmd/gc: fix comment typo, assignment spacing

R=bradfitz, gri, lvd
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5874053

変更の背景

この変更は、Goコンパイラのコードベースの品質と保守性を向上させるためのものです。具体的には、以下の2つの目的があります。

  1. コメントのタイポ修正: walk.c内のコメントに存在する「along」という単語のタイポを「alone」に修正することで、コメントの意図をより正確に伝え、コードの理解を助けます。これは、コードベース全体のドキュメンテーション品質を維持する上で重要です。
  2. 代入演算子のスペース調整: forループの初期化部分における代入演算子(=)の周りのスペースを調整し、l = n->listからl=n->listへと変更しています。これは、Goプロジェクト全体で採用されているコーディングスタイルガイドラインに準拠するためのものです。一貫したコーディングスタイルは、コードの可読性を高め、異なる開発者間での共同作業を容易にします。

これらの変更は機能的な影響を伴わないため、リファクタリングやコードクリーンアップの一環として行われたと考えられます。

前提知識の解説

Goコンパイラ (cmd/gc)

cmd/gcは、Go言語の公式コンパイラの一部であり、Goソースコードを機械語に変換する主要なコンポーネントです。Goコンパイラは、フロントエンド(構文解析、型チェック)、ミドルエンド(最適化)、バックエンド(コード生成)の複数のステージで構成されています。src/cmd/gcディレクトリには、これらのステージに関連するC言語のソースファイルが含まれています。

walk.c

walk.cは、Goコンパイラのcmd/gc内で重要な役割を果たすソースファイルの一つです。このファイルは、抽象構文木(AST: Abstract Syntax Tree)を「ウォーク(走査)」し、最適化やコード生成のための変換を行う処理を含んでいます。具体的には、Go言語の様々な構文要素(式、ステートメントなど)を処理し、それらをより低レベルの中間表現に変換するロジックが実装されています。

walkexprlistsafe

walkexprlistsafeは、Goコンパイラの内部関数の一つで、式のリストを安全にウォーク(走査)するために使用されます。この関数は、式の評価順序や副作用を考慮しながら、ASTのノードを処理します。特に、リスト内の式が他の式の評価に影響を与える可能性がある場合に、安全な処理を保証するために設計されています。

OINDEX

OINDEXは、Goコンパイラの内部で使われるオペレーションコード(Opcode)の一つで、配列やスライス、マップのインデックスアクセスを表します。例えば、s[n]のような式は、コンパイラの内部ではOINDEXオペレーションとして表現されます。このオペレーションは、インデックス付けされた要素へのアクセスを処理する際に、コンパイラがその操作の種類を識別するために使用します。

AST (Abstract Syntax Tree)

ASTは、ソースコードの抽象的な構文構造を木構造で表現したものです。コンパイラは、ソースコードを解析してASTを構築し、その後の最適化やコード生成のフェーズでこのASTを操作します。walk.cのようなファイルは、このASTを走査し、必要な変換やチェックを行います。

技術的詳細

このコミットは、src/cmd/gc/walk.cファイル内の2箇所に修正を加えています。

  1. コメントの修正: 変更前: // walkexprlistsafe will leave OINDEX (s[n]) along if both s 変更後: // walkexprlistsafe will leave OINDEX (s[n]) alone if both s 「along」が「alone」に修正されています。これは、walkexprlistsafe関数が、snが名前またはリテラルである場合に、OINDEXs[n])を「そのままにする(leave alone)」という意図を明確にするための修正です。元の「along」では意味が通じにくく、誤解を招く可能性がありました。

  2. 代入演算子のスペース調整: 変更前: for(l = n->list; l; l=l->next) 変更後: for(l=n->list; l; l=l->next) forループの初期化部分であるl = n->list=の周りのスペースが削除されています。これは、Go言語のコーディングスタイルガイドライン(Go Code Review Commentsやgofmtの挙動など)に準拠するためのものです。Goの慣習では、代入演算子の周りにスペースを入れないことが一般的です。これにより、コードベース全体での一貫性が保たれ、可読性が向上します。

これらの変更は、コンパイラの動作に影響を与えるものではなく、純粋にコードの品質と保守性を高めるための「クリーンアップ」作業に分類されます。しかし、このような小さな修正の積み重ねが、大規模なプロジェクトのコードベースを健全に保つ上で非常に重要です。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/cmd/gc/walk.c
+++ b/src/cmd/gc/walk.c
@@ -2358,10 +2358,10 @@ append(Node *n, NodeList **init)
 
 	walkexprlistsafe(n->list, init);
 
-	// walkexprlistsafe will leave OINDEX (s[n]) along if both s
+	// walkexprlistsafe will leave OINDEX (s[n]) alone if both s
 	// and n are name or literal, but those may index the slice we're
 	// modifying here.  Fix explicitly.
-	for(l = n->list; l; l=l->next)
+	for(l=n->list; l; l=l->next)
 		l->n = cheapexpr(l->n, init);
 
 	nsrc = n->list->n;

コアとなるコードの解説

上記の差分は、src/cmd/gc/walk.cファイルのappend関数内の変更を示しています。

  • 行 2361: コメントの修正が行われています。

    • - // walkexprlistsafe will leave OINDEX (s[n]) along if both s
    • + // walkexprlistsafe will leave OINDEX (s[n]) alone if both s
    • alongaloneに修正され、walkexprlistsafe関数が特定の条件下でOINDEXノードを「そのままにする」という意図が明確になりました。このコメントは、walkexprlistsafeの挙動と、その後のforループでcheapexprを呼び出して明示的に修正する必要がある理由を説明しています。snが名前またはリテラルである場合、OINDEXwalkexprlistsafeによって変更されないが、それが現在変更中のスライスをインデックスする可能性があるため、明示的な修正が必要である、という文脈です。
  • 行 2364: forループの初期化部分のスペースが調整されています。

    • - for(l = n->list; l; l=l->next)
    • + for(l=n->list; l; l=l->next)
    • l = n->listからl=n->listに変更され、代入演算子=の周りのスペースが削除されました。これは、Go言語のコーディングスタイルに合わせた整形です。このループは、n->list内の各ノードを走査し、cheapexpr関数を適用して、式をより効率的な形式に変換する役割を担っています。

これらの変更は、コードの機能には影響を与えず、主にコードベースの品質と一貫性を向上させるためのものです。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の公式ドキュメント
  • Goコンパイラのソースコード(GitHub)
  • Goコミュニティの議論やスタイルガイドライン
  • 一般的なコンパイラ設計の原則に関する知識

[インデックス 12722] ファイルの概要

このコミットは、Goコンパイラのsrc/cmd/gc/walk.cファイルにおけるコメントのタイポ修正と、代入演算子のスペース調整を行うものです。コードの機能的な変更はなく、主にコードの可読性と一貫性を向上させるための修正です。

コミット

  • コミットハッシュ: 209b2e55f70169c517e682532e48e49d6a86d1bf
  • Author: Ian Lance Taylor iant@golang.org
  • Date: Thu Mar 22 11:40:12 2012 -0700
  • コミットメッセージ:
    cmd/gc: fix comment typo, assignment spacing
    
    R=bradfitz, gri, lvd
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5874053
    

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/209b2e55f70169c517e682532e48e49d6a86d1bf

元コミット内容

cmd/gc: fix comment typo, assignment spacing

R=bradfitz, gri, lvd
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5874053

変更の背景

この変更は、Goコンパイラのコードベースの品質と保守性を向上させるためのものです。具体的には、以下の2つの目的があります。

  1. コメントのタイポ修正: walk.c内のコメントに存在する「along」という単語のタイポを「alone」に修正することで、コメントの意図をより正確に伝え、コードの理解を助けます。これは、コードベース全体のドキュメンテーション品質を維持する上で重要です。
  2. 代入演算子のスペース調整: forループの初期化部分における代入演算子(=)の周りのスペースを調整し、l = n->listからl=n->listへと変更しています。これは、Goプロジェクト全体で採用されているコーディングスタイルガイドラインに準拠するためのものです。一貫したコーディングスタイルは、コードの可読性を高め、異なる開発者間での共同作業を容易にします。

これらの変更は機能的な影響を伴わないため、リファクタリングやコードクリーンアップの一環として行われたと考えられます。

前提知識の解説

Goコンパイラ (cmd/gc)

cmd/gcは、Go言語の公式コンパイラの一部であり、Goソースコードを機械語に変換する主要なコンポーネントです。Goコンパイラは、フロントエンド(構文解析、型チェック)、ミドルエンド(最適化)、バックエンド(コード生成)の複数のステージで構成されています。src/cmd/gcディレクトリには、これらのステージに関連するC言語のソースファイルが含まれていました。

補足: Goコンパイラは元々C言語で書かれていましたが、後にGo言語自身にセルフコンパイルされました。現在、このコミットで言及されているwalk.cに相当する機能は、src/cmd/compile/internal/walk/walk.goに存在します。しかし、このコミットが作成された2012年時点では、C言語のソースファイルが使用されていました。

walk.c (現在の walk.go に相当)

walk.cは、Goコンパイラのcmd/gc内で重要な役割を果たすソースファイルの一つでした。このファイルは、コンパイラのミドルエンドにおける「ウォーク(walk)」フェーズを担当していました。ウォークフェーズは、抽象構文木(AST: Abstract Syntax Tree)を走査し、コード生成に適したよりプリミティブな形式に変換する役割を担います。

ウォークフェーズの主な機能は以下の通りです。

  • 分解と順序付け (Decomposition and Ordering): 複雑なGoのステートメントを、必要に応じて一時変数を導入しながら、より単純な個別のステートメントに分解し、評価の正しい順序を保証します。このプロセスは「order」とも呼ばれます。
  • 脱糖 (Desugaring): 高レベルなGo言語の構文構造を、より基本的な操作に変換します。例えば、switchステートメントはバイナリサーチやジャンプテーブルに変換されたり、マップやチャネルに対する操作はGoランタイムへの呼び出しに置き換えられたりします。

walkexprlistsafe

walkexprlistsafeは、Goコンパイラの内部関数の一つで、式のリストを安全にウォーク(走査)するために使用されます。その「safe」という名称が示す通り、この関数は式の評価順序と潜在的な副作用を尊重する方法で式を処理します。これは、変換プロセス中にプログラムの正しいセマンティクスを維持するために非常に重要です。

OINDEX

OINDEXは、コンパイラの内部表現(AST/IR)における操作コード(Opcode)またはノードタイプの一つです。具体的には、OINDEXはインデックス操作、例えば配列やスライス、マップの要素へのアクセス(例: a[i])を表します。ウォークフェーズでは、OINDEXノードはwalkexprlistsafeのような関数によって処理され、インデックス操作が正しく脱糖され、式リスト内の他の操作との相対的な順序が保証されます。

AST (Abstract Syntax Tree)

ASTは、ソースコードの抽象的な構文構造を木構造で表現したものです。コンパイラは、ソースコードを解析してASTを構築し、その後の最適化やコード生成のフェーズでこのASTを操作します。walk.cのようなファイルは、このASTを走査し、必要な変換やチェックを行います。

技術的詳細

このコミットは、src/cmd/gc/walk.cファイル内の2箇所に修正を加えています。

  1. コメントの修正: 変更前: // walkexprlistsafe will leave OINDEX (s[n]) along if both s 変更後: // walkexprlistsafe will leave OINDEX (s[n]) alone if both s 「along」が「alone」に修正されています。これは、walkexprlistsafe関数が、snが名前またはリテラルである場合に、OINDEXs[n])を「そのままにする(leave alone)」という意図を明確にするための修正です。元の「along」では意味が通じにくく、誤解を招く可能性がありました。このコメントは、walkexprlistsafeの挙動と、その後のforループでcheapexprを呼び出して明示的に修正する必要がある理由を説明しています。snが名前またはリテラルである場合、OINDEXwalkexprlistsafeによって変更されないが、それが現在変更中のスライスをインデックスする可能性があるため、明示的な修正が必要である、という文脈です。

  2. 代入演算子のスペース調整: 変更前: for(l = n->list; l; l=l->next) 変更後: for(l=n->list; l; l=l->next) forループの初期化部分であるl = n->list=の周りのスペースが削除されています。これは、Go言語のコーディングスタイルガイドライン(Go Code Review Commentsやgofmtの挙動など)に準拠するためのものです。Goの慣習では、代入演算子の周りにスペースを入れないことが一般的です。これにより、コードベース全体での一貫性が保たれ、可読性が向上します。

これらの変更は、コンパイラの動作に影響を与えるものではなく、純粋にコードの品質と保守性を高めるための「クリーンアップ」作業に分類されます。しかし、このような小さな修正の積み重ねが、大規模なプロジェクトのコードベースを健全に保つ上で非常に重要です。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/cmd/gc/walk.c
+++ b/src/cmd/gc/walk.c
@@ -2358,10 +2358,10 @@ append(Node *n, NodeList **init)
 
 	walkexprlistsafe(n->list, init);
 
-	// walkexprlistsafe will leave OINDEX (s[n]) along if both s
+	// walkexprlistsafe will leave OINDEX (s[n]) alone if both s
 	// and n are name or literal, but those may index the slice we're
 	// modifying here.  Fix explicitly.
-	for(l = n->list; l; l=l->next)
+	for(l=n->list; l; l=l->next)
 		l->n = cheapexpr(l->n, init);
 
 	nsrc = n->list->n;

コアとなるコードの解説

上記の差分は、src/cmd/gc/walk.cファイルのappend関数内の変更を示しています。

  • 行 2361: コメントの修正が行われています。

    • - // walkexprlistsafe will leave OINDEX (s[n]) along if both s
    • + // walkexprlistsafe will leave OINDEX (s[n]) alone if both s
    • alongaloneに修正され、walkexprlistsafe関数が特定の条件下でOINDEXノードを「そのままにする」という意図が明確になりました。このコメントは、walkexprlistsafeの挙動と、その後のforループでcheapexprを呼び出して明示的に修正する必要がある理由を説明しています。snが名前またはリテラルである場合、OINDEXwalkexprlistsafeによって変更されないが、それが現在変更中のスライスをインデックスする可能性があるため、明示的な修正が必要である、という文脈です。
  • 行 2364: forループの初期化部分のスペースが調整されています。

    • - for(l = n->list; l; l=l->next)
    • + for(l=n->list; l; l=l->next)
    • l = n->listからl=n->listに変更され、代入演算子=の周りのスペースが削除されました。これは、Go言語のコーディングスタイルに合わせた整形です。このループは、n->list内の各ノードを走査し、cheapexpr関数を適用して、式をより効率的な形式に変換する役割を担っています。

これらの変更は、コードの機能には影響を与えず、主にコードベースの品質と一貫性を向上させるためのものです。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の公式ドキュメント
  • Goコンパイラのソースコード(GitHub)
  • Goコミュニティの議論やスタイルガイドライン
  • 一般的なコンパイラ設計の原則に関する知識
  • Web検索結果: "Go compiler cmd/gc walk.c OINDEX walkexprlistsafe"