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[インデックス 12741] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式ドキュメントの一部であるdoc/articles/wiki/wiki.htmlファイルに対する修正です。このファイルは、Go言語でシンプルなWikiアプリケーションを構築するためのチュートリアルを提供しており、今回の変更はチュートリアルの説明文における軽微な修正と、Goのhtml/templateパッケージの関数名に関する誤記の訂正が主な内容です。

コミット

docs/articles/wiki: minor fixes

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/73b5eb38c1b15dc9bf8d35c285d0c8019ec33b53

元コミット内容

commit 73b5eb38c1b15dc9bf8d35c285d0c8019ec33b53
Author: Rob Pike <r@golang.org>
Date:   Sat Mar 24 10:14:25 2012 +1100

    docs/articles/wiki: minor fixes
    
    R=golang-dev, bradfitz
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5900046

変更の背景

このコミットは、「minor fixes(軽微な修正)」と説明されている通り、Go言語のWikiチュートリアルドキュメントにおける正確性と明確性を向上させることを目的としています。具体的には、ユーザーがチュートリアルを進める際にディレクトリを作成する場所に関する指示の明確化と、Goの標準ライブラリであるhtml/templateパッケージの関数名に関する誤記の訂正が行われています。

当時のGo言語のドキュメントは進化の途中にあり、ユーザーからのフィードバックや内部レビューに基づいて、より正確で分かりやすい情報を提供するための継続的な改善が行われていました。このコミットもその一環であり、チュートリアルの品質を高めるための細かな調整が施されています。

前提知識の解説

このコミットの変更内容を理解するためには、以下のGo言語に関する基本的な知識が必要です。

  • GOPATH: Go言語のワークスペースの概念です。Goのソースコード、パッケージ、実行可能ファイルが配置される場所を定義します。Go 1.11以降のGo Modulesの導入によりその重要性は薄れましたが、このコミットが作成された2012年当時は、Goプロジェクトの構造を管理する上で非常に重要な環境変数でした。通常、ユーザーはGOPATH配下にプロジェクトディレクトリを作成し、その中で開発を行います。
  • Goのhtml/templateパッケージ: Go言語の標準ライブラリの一部で、HTMLテンプレートを安全に生成するための機能を提供します。クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃を防ぐために、自動的にエスケープ処理を行うなど、セキュリティに配慮した設計がされています。
    • template.ParseFiles関数: 複数のテンプレートファイルを解析し、それらをまとめて一つの*Templateオブジェクトとして扱えるようにする関数です。通常、アプリケーションの起動時に一度だけ呼び出され、複数のHTMLテンプレートをロードする際に使用されます。
    • template.ParseFile関数: 単一のテンプレートファイルを解析する関数です。ParseFilesとは異なり、単一のファイルのみを扱います。

このコミットでは、チュートリアル内でParseFileと誤って記載されていた箇所がParseFilesに修正されています。これは、チュートリアルの文脈上、複数のテンプレートファイルを扱うことを意図していたため、より適切な関数名に訂正されたものと考えられます。

技術的詳細

このコミットは、doc/articles/wiki/wiki.htmlファイルに対して2つの主要な修正を行っています。

  1. GOPATHに関する指示の明確化:

    • 変更前: Make a new directory for this tutorial and cd to it:
    • 変更後: Make a new directory for this tutorial inside your <code>GOPATH</code> and cd to it: この修正は、チュートリアルを開始する際に新しいディレクトリを作成する場所について、より具体的な指示を提供します。当時のGo開発の慣習では、プロジェクトは通常GOPATH環境変数で指定されたワークスペース内に配置されていました。この変更により、Goのプロジェクト構造に慣れていないユーザーでも、適切な場所にディレクトリを作成できるよう、ガイダンスが追加されました。<code>GOPATH</code>というHTMLタグで囲むことで、コードの一部であることを視覚的に示しています。
  2. html/template関数名の誤記訂正:

    • 変更前: <code>ParseFile</code> every time a page is rendered.
    • 変更後: <code>ParseFiles</code> every time a page is rendered. この修正は、Goのhtml/templateパッケージの関数名に関する誤記を訂正しています。チュートリアルでは、テンプレートのレンダリング効率に関する議論の中で、ParseFile関数がページがレンダリングされるたびに呼び出されることの非効率性を指摘し、より良いアプローチとしてプログラムの初期化時に一度だけテンプレートを解析することを提案しています。この文脈において、複数のテンプレートファイルを扱うことを想定しているため、ParseFileではなくParseFilesが正しい関数名となります。この訂正により、チュートリアルの技術的な正確性が向上しました。

これらの変更は、チュートリアルの読者がGo言語の環境設定やテンプレート処理について、より正確な情報を得られるようにするためのものです。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/doc/articles/wiki/wiki.html
+++ b/doc/articles/wiki/wiki.html
@@ -36,7 +36,7 @@ Install Go (see the <a href="/doc/install">Installation Instructions</a>).
 </p>
 
 <p>
-Make a new directory for this tutorial and cd to it:\n
+Make a new directory for this tutorial inside your <code>GOPATH</code> and cd to it:\n
 </p>
 
 <pre>
@@ -551,8 +551,8 @@ to the user.
 
 <p>
 There is an inefficiency in this code: <code>renderTemplate</code> calls 
-<code>ParseFile</code> every time a page is rendered. \n
-A better approach would be to call <code>ParseFile</code> once for each \n
+<code>ParseFiles</code> every time a page is rendered. \n
+A better approach would be to call <code>ParseFiles</code> once for each \n
 template at program initialization, and store the resultant \n
 <code>*Template</code> values in a data structure for later use.\n
 </p>

コアとなるコードの解説

上記の差分は、doc/articles/wiki/wiki.htmlファイルに対する2つの修正を示しています。

  1. 行36-37の変更:

    • -Make a new directory for this tutorial and cd to it:
    • +Make a new directory for this tutorial inside your <code>GOPATH</code> and cd to it: この変更は、チュートリアルで新しいディレクトリを作成する際の指示を修正しています。元の文では単に「新しいディレクトリを作成し、そこへ移動する」とだけ書かれていましたが、修正後は「GOPATH内に新しいディレクトリを作成し、そこへ移動する」と明示的にGOPATHの概念が導入されています。これにより、Goのワークスペース構造に沿った適切なディレクトリ作成が促されます。<code>GOPATH</code>という表記は、HTMLの<code>タグを使用して、コードや技術的な用語であることを示しています。
  2. 行551-554の変更:

    • -<code>ParseFile</code> every time a page is rendered.
    • -A better approach would be to call <code>ParseFile</code> once for each
    • +<code>ParseFiles</code> every time a page is rendered.
    • +A better approach would be to call <code>ParseFiles</code> once for each この変更は、html/templateパッケージの関数名に関する誤記を修正しています。元の文ではParseFileと記載されていましたが、これはParseFilesの誤りでした。この文脈では、複数のテンプレートファイルを一度に解析し、それを再利用する効率的な方法について議論しているため、複数のファイルを扱うParseFilesが正しい関数名です。この修正により、チュートリアルの技術的な記述が正確になりました。

これらの変更は、チュートリアルの指示の明確化と技術的な正確性の向上に貢献しています。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の公式ドキュメントおよびパッケージリファレンス
  • Gitの差分表示
  • 一般的なGo言語の慣習とGOPATHの概念に関する知識