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[インデックス 12782] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式ドキュメントの一部である doc/articles/image_draw.html ファイルに対する変更です。このファイルは、Go言語の image/draw パッケージに関する記事であり、画像の描画操作について解説しています。具体的には、image/draw パッケージが提供する唯一の操作である、ソース画像をオプションのマスク画像を通して宛先画像に描画する方法について説明しています。

コミット

このコミットは、doc/articles/image_draw.html 内のリンクを絶対パスから相対パスに変更することで、ドキュメントの可搬性と保守性を向上させることを目的としています。

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/cafc2b6a24c0a27682bb078215efc1a02c3728b5

元コミット内容

doc: use relative links in draw package article

R=golang-dev, r
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/5924051

変更の背景

この変更の背景には、ドキュメントのリンク管理におけるベストプラクティスがあります。以前のバージョンでは、image_draw.html 内の image/draw パッケージへのリンクが http://golang.org/pkg/image/draw/ のような絶対URLで記述されていました。

絶対URLを使用することにはいくつかの問題があります。

  1. 環境依存性: ドキュメントが golang.org 以外の環境(例えば、ローカル開発環境やミラーサイト)でホストされる場合、リンクが正しく機能しなくなります。
  2. 保守性: ドメイン名が変更されたり、パスの構造が変わったりした場合、すべての絶対URLを手動で更新する必要があり、エラーのリスクが高まります。
  3. パフォーマンス: 外部へのリクエストが発生するため、わずかながらパフォーマンスに影響を与える可能性があります(ただし、このケースでは内部リンクなので影響は小さい)。

これらの問題を解決するため、内部リンクには相対URLを使用することが推奨されます。相対URLは、現在のドキュメントの場所を基準にしてリンク先を指定するため、ドキュメントが移動してもリンクが壊れることがありません。これにより、ドキュメントの可搬性が向上し、将来的な保守が容易になります。

前提知識の解説

1. 絶対URLと相対URL

ウェブページにおけるリンクの指定方法には、大きく分けて「絶対URL」と「相対URL」の2種類があります。

  • 絶対URL (Absolute URL):

    • リソースの完全な場所をインターネット上で一意に特定するURLです。
    • プロトコル (例: http://, https://)、ドメイン名 (例: golang.org)、パス (例: /pkg/image/draw/) を含みます。
    • 例: http://golang.org/pkg/image/draw/
    • 利点: どこからでもリソースにアクセスできることが保証されます。
    • 欠点: ドメイン名やプロトコルが変更されるとリンクが壊れる可能性があります。
  • 相対URL (Relative URL):

    • 現在のドキュメントの場所を基準にして、リソースの場所を指定するURLです。
    • プロトコルやドメイン名は含まず、パスのみで構成されます。
    • 例: /pkg/image/draw/ (ルートからの相対パス)、../images/foo.png (親ディレクトリからの相対パス)
    • 利点: ドキュメントの移動やドメイン名の変更に強く、可搬性が高いです。
    • 欠点: 基準となるドキュメントの場所が変わると、リンクの意味も変わる可能性があります。

このコミットでは、golang.org ドメイン内の別のページへのリンクであるため、絶対URLから相対URLへの変更が適切です。

2. Go言語の image/draw パッケージ

image/draw パッケージは、Go言語の標準ライブラリの一部であり、画像処理機能を提供します。このパッケージの主な機能は、ある画像(ソース画像)の内容を別の画像(宛先画像)に描画することです。

  • Draw 関数: 最も基本的な描画関数で、ソース画像を宛先画像にコピーします。
  • DrawMask 関数: Draw 関数よりも汎用的な関数で、マスク画像を使用して描画領域を制御できます。マスク画像は、描画されるピクセルの透明度や不透明度を決定します。

このパッケージは、画像のリサイズ、合成、切り抜きなど、様々な画像操作の基盤となります。ドキュメント image_draw.html は、これらの関数の使い方や、image/draw パッケージの設計思想について解説しています。

技術的詳細

このコミットで行われた技術的な変更は、HTMLドキュメント内のハイパーリンクの href 属性値を絶対URLから相対URLに修正することです。

具体的には、以下の3つのリンクが変更されました。

  1. Package image/draw へのリンク:

    • 変更前: <a href="http://golang.org/pkg/image/draw/">Package image/draw</a>
    • 変更後: <a href="/pkg/image/draw/">Package image/draw</a>
    • これは、ルートディレクトリ (/) からの相対パスです。golang.org ドメイン内でホストされている限り、golang.org/pkg/image/draw/ と同じリソースを指します。
  2. DrawMask 関数へのリンク:

    • 変更前: <a href="http://golang.org/pkg/image/draw/#DrawMask"><code>DrawMask</code></a>
    • 変更後: <a href="/pkg/image/draw/#DrawMask"><code>DrawMask</code></a>
    • これもルートからの相対パスで、image/draw パッケージのドキュメント内の DrawMask セクションへのアンカーリンクです。
  3. Draw 関数へのリンク:

    • 変更前: <a href="http://golang.org/pkg/image/draw/#Draw"><code>Draw</code></a>
    • 変更後: <a href="/pkg/image/draw/#Draw"><code>Draw</code></a>
    • 同様に、ルートからの相対パスで、image/draw パッケージのドキュメント内の Draw セクションへのアンカーリンクです。
  4. draw.Image インターフェースへのリンク:

    • 変更前: <a href="http://golang.org/pkg/image/draw/#Image"><code>draw.Image</code></a>
    • 変更後: <a href="/pkg/image/draw/#Image"><code>draw.Image</code></a>
    • これもルートからの相対パスで、image/draw パッケージのドキュメント内の Image インターフェースの定義へのアンカーリンクです。

これらの変更により、image_draw.html ドキュメントは、golang.org のサブディレクトリとして配置されることを前提としつつ、ドメイン名に依存しない形で内部リンクを解決できるようになります。これは、ドキュメントのビルドプロセスやデプロイメントの柔軟性を高める上で重要です。例えば、開発者がローカルでドキュメントを生成して確認する際にも、外部へのネットワークリクエストなしにリンクが正しく機能するようになります。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/doc/articles/image_draw.html
+++ b/doc/articles/image_draw.html
@@ -4,7 +4,7 @@
 }-->
 
 <p>
-<a href="http://golang.org/pkg/image/draw/">Package image/draw</a> defines
+<a href="/pkg/image/draw/">Package image/draw</a> defines
 only one operation: drawing a source image onto a destination
 image, through an optional mask image. This one operation is
 surprisingly versatile and can perform a number of common image
@@ -64,10 +64,10 @@ respective co-ordinate space.
 </p>
 
 <p>
-The <a href="http://golang.org/pkg/image/draw/#DrawMask"><code>DrawMask</code></a>
+The <a href="/pkg/image/draw/#DrawMask"><code>DrawMask</code></a>
 function takes seven arguments, but an explicit mask and mask-point
 are usually unnecessary, so the
-<a href="http://golang.org/pkg/image/draw/#Draw"><code>Draw</code></a> function takes five:\n+<a href="/pkg/image/draw/#Draw"><code>Draw</code></a> function takes five:\n </p>
 
 <pre>
@@ -79,7 +79,7 @@ func DrawMask(dst Image, r image.Rectangle, src image.Image, sp image.Point,\n \n <p>\n The destination image must be mutable, so the image/draw package\n-defines a <a href="http://golang.org/pkg/image/draw/#Image"><code>draw.Image</code></a>\n+defines a <a href="/pkg/image/draw/#Image"><code>draw.Image</code></a>\n interface which has a <code>Set</code> method.\n </p>\n \n```

## コアとなるコードの解説

上記のdiffは、`doc/articles/image_draw.html` ファイル内の3箇所で、`<a>` タグの `href` 属性が変更されていることを示しています。

1.  **最初の変更 (`- <a href="http://golang.org/pkg/image/draw/">` から `+ <a href="/pkg/image/draw/">`)**:
    *   これは、記事の冒頭にある「Package image/draw」へのリンクです。
    *   `http://golang.org/pkg/image/draw/` という絶対URLが、`/pkg/image/draw/` というルート相対URLに変更されています。これにより、このドキュメントがどのドメインでホストされても、Go言語の公式パッケージドキュメントの `image/draw` セクションへのリンクが正しく機能するようになります。

2.  **2番目と3番目の変更 (`- The <a href="http://golang.org/pkg/image/draw/#DrawMask">` と `- <a href="http://golang.org/pkg/image/draw/#Draw">` から `+ The <a href="/pkg/image/draw/#DrawMask">` と `+ <a href="/pkg/image/draw/#Draw">`)**:
    *   これらは、`DrawMask` 関数と `Draw` 関数へのリンクです。
    *   同様に、絶対URLからルート相対URLに変更されています。これらのリンクは、`image/draw` パッケージのドキュメント内の特定のセクション(アンカー)を指しています。相対パスにすることで、ドキュメントの可搬性が保たれます。

3.  **4番目の変更 (`- defines a <a href="http://golang.org/pkg/image/draw/#Image">` から `+ defines a <a href="/pkg/image/draw/#Image">`)**:
    *   これは、`draw.Image` インターフェースへのリンクです。
    *   これも絶対URLからルート相対URLに変更されています。

これらの変更はすべて、ドキュメント内の内部リンクをより堅牢で柔軟なものにするためのものです。ウェブサイトの構造やドメイン名が将来変更された場合でも、これらのリンクは引き続き有効であり、手動での修正作業を不要にします。これは、大規模なドキュメントセットを管理する上で非常に重要な改善点です。

## 関連リンク

*   Go言語 `image/draw` パッケージのドキュメント: [https://pkg.go.dev/image/draw](https://pkg.go.dev/image/draw)
*   Go言語の公式ドキュメント: [https://go.dev/doc/](https://go.dev/doc/)

## 参考にした情報源リンク

*   MDN Web Docs - 相対 URL: [https://developer.mozilla.org/ja/docs/Glossary/Relative_URL](https://developer.mozilla.org/ja/docs/Glossary/Relative_URL)
*   MDN Web Docs - 絶対 URL: [https://developer.mozilla.org/ja/docs/Glossary/Absolute_URL](https://developer.mozilla.org/ja/docs/Glossary/Absolute_URL)
*   Go言語の公式ウェブサイト: [https://go.dev/](https://go.dev/)
*   Go言語のソースコードリポジトリ (GitHub): [https://github.com/golang/go](https://github.com/golang/go)