[インデックス 12795] ファイルの概要
このコミットは、Go言語のリポジトリにおけるバージョン管理ファイルである.hgtags
に、weekly.2012-03-27
とgo1
という2つの重要なタグを追加するものです。これは、Go言語の歴史において非常に重要なマイルストーンであるGo 1のリリースを公式にマークする変更です。
コミット
- コミットハッシュ:
8e71ee3b75f12766089816dd28980d4150686367
- 作者: Andrew Gerrand adg@golang.org
- コミット日時: 2012年3月28日 23:44:45 +1100
- コミットメッセージ:
tag weekly.2012-03-27 and go1
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/8e71ee3b75f12766089816dd28980d4150686367
元コミット内容
tag weekly.2012-03-27 and go1
変更の背景
このコミットは、Go言語のバージョン1(Go 1)のリリースを公式に記録するために行われました。Go 1は、Go言語の安定版としての最初のメジャーリリースであり、将来の互換性を保証する重要な節目でした。このリリースにより、Go言語は開発者にとってより信頼性の高いプラットフォームとなり、エコシステムの成長を加速させました。
Goプロジェクトは、Mercurialという分散型バージョン管理システムを初期に利用しており、そのタグ付けメカニズムとして.hgtags
ファイルを使用していました。このコミットは、Go 1のリリース日である2012年3月28日に合わせて、その時点のコードベースにgo1
というタグを付与し、同時にその週の最終的な開発版を示すweekly.2012-03-27
タグも追加しています。これにより、特定のコミットハッシュがGo 1の公式リリースポイントとして永続的にマークされます。
前提知識の解説
Mercurialと.hgtags
Go言語のプロジェクトは、初期にはGitではなくMercurialという分散型バージョン管理システムを使用していました。MercurialはGitと同様にリポジトリの履歴を管理しますが、タグの管理方法に特徴があります。
.hgtags
ファイルは、Mercurialリポジトリにおいて「通常タグ(regular tags)」を管理するために使用される特別なファイルです。このファイルはリポジトリの一部としてバージョン管理され、コミット履歴に含まれます。.hgtags
の各行は、特定のチェンジセット(コミット)のハッシュと、それに対応するタグ名で構成されます。
例えば、[チェンジセットハッシュ] [タグ名]
のような形式で記述されます。このファイルにタグを追加する変更は、通常のコード変更と同様にコミットされ、リポジトリの履歴に永続的に記録されます。これにより、特定のバージョン(例: リリースバージョン)のコードベースを簡単に参照できるようになります。
Go 1の意義
Go 1は、Go言語にとって非常に重要なリリースでした。それまでのGo言語は活発に開発が進められていましたが、APIや言語仕様が頻繁に変更される可能性がありました。Go 1のリリースにより、Goチームは「Go 1の互換性保証」を宣言しました。これは、Go 1で書かれたプログラムは、将来のGoのバージョンでも動作し続けることを保証するというものです。この互換性保証は、Go言語がエンタープライズレベルのアプリケーション開発や長期的なプロジェクトで採用される上で不可欠な要素となり、Goエコシステムの安定と成長に大きく貢献しました。
技術的詳細
このコミットは、Goリポジトリのルートにある.hgtags
ファイルに4行を追加しています。これらの行は、特定のコミットハッシュとそれに対応するタグ名を関連付けています。
dc5e410f0b4c32ab11dc992593a2bcf5f607381b weekly.2012-03-27
: この行は、dc5e410f0b4c32ab11dc992593a2bcf5f607381b
というチェンジセットハッシュにweekly.2012-03-27
というタグを関連付けています。これは、2012年3月27日時点の週次開発版を示すタグです。Goプロジェクトでは、定期的にスナップショットをタグ付けして、開発の進捗を追跡していました。dc5e410f0b4c32ab11dc992593a2bcf5f607381b weekly
: 同じチェンジセットハッシュにweekly
というタグも関連付けています。これは、最新の週次ビルドを指す一般的なタグとして使用されていた可能性があります。920e9d1ffd1f46665dd152aa9cf3c0f17d68dd88 go1
: この行が最も重要です。920e9d1ffd1f46665dd152aa9cf3c0f17d68dd88
というチェンジセットハッシュにgo1
というタグを関連付けています。このチェンジセットがGo 1の公式リリースポイントのコードベースを表します。920e9d1ffd1f46665dd152aa9cf3c0f17d68dd88 release
: 同じチェンジセットハッシュにrelease
というタグも関連付けています。これは、go1
タグと同様に、このチェンジセットがリリース版であることを示すためのエイリアスまたは追加のマーカーとして機能します。
これらのタグは、Go 1のリリース時点のコードベースを明確に識別し、将来の参照やビルドのために利用されます。Mercurialのタグはリポジトリの履歴に組み込まれるため、このコミット自体がGo 1リリースの公式な記録の一部となります。
コアとなるコードの変更箇所
--- a/.hgtags
+++ b/.hgtags
@@ -108,3 +108,7 @@ b4a91b6933748db1a7150c06a1b55ad506e52906 weekly.2011-11-18
f4470a54e6dbcdd52d8d404e12e4754adcd2c948 weekly.2012-03-04
3cdba7b0650c6c906ef3e782654f61701abd7dd2 weekly.2012-03-13
bce220d0377405146527ab9478867cbc572a6886 weekly.2012-03-22
+dc5e410f0b4c32ab11dc992593a2bcf5f607381b weekly.2012-03-27
+dc5e410f0b4c32ab11dc992593a2bcf5f607381b weekly
+920e9d1ffd1f46665dd152aa9cf3c0f17d68dd88 go1
+920e9d1ffd1f46665dd152aa9cf3c0f17d68dd88 release
コアとなるコードの解説
上記の差分は、.hgtags
ファイルに追加された4行を示しています。
bce220d0377405146527ab9478867cbc572a6886 weekly.2012-03-22
の行の下に新しい行が追加されています。これは、既存の週次タグのリストに新しいエントリが追加されたことを意味します。+dc5e410f0b4c32ab11dc992593a2bcf5f607381b weekly.2012-03-27
: この行は、ハッシュdc5e410f0b4c32ab11dc992593a2bcf5f607381b
にweekly.2012-03-27
というタグを割り当てています。これは、2012年3月27日時点の週次スナップショットを示します。+dc5e410f0b4c32ab11dc992593a2bcf5f607381b weekly
: 同じハッシュdc5e410f0b4c32ab11dc992593a2bcf5f607381b
にweekly
というタグを割り当てています。これは、最新の週次ビルドを指す一般的なタグです。+920e9d1ffd1f46665dd152aa9cf3c0f17d68dd88 go1
: この行は、ハッシュ920e9d1ffd1f46665dd152aa9cf3c0f17d68dd88
にgo1
というタグを割り当てています。このハッシュがGo 1の公式リリース版のコードベースを指します。+920e9d1ffd1f46665dd152aa9cf3c0f17d68dd88 release
: 同じハッシュ920e9d1ffd1f46665dd152aa9cf3c0f17d68dd88
にrelease
というタグを割り当てています。これは、go1
タグの別名として、またはリリース版であることを強調するために使用されます。
これらの変更は、Go言語のバージョン管理において、特定のコミットがGo 1リリースという重要なマイルストーンに対応することを明確に定義しています。