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[インデックス 12854] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式仕様書ドキュメント doc/go_spec.html 内の誤字を修正するものです。具体的には、構造体のフィールド名に関するコメントの記述が p.T1 と誤っていた箇所を p.T0 に訂正しています。これは、コード例とコメントの整合性を保つための軽微ながらも重要な修正です。

コミット

commit 9bc8dd398548c76a15642026a60275145f926894
Author: Shenghou Ma <minux.ma@gmail.com>
Date:   Tue Apr 10 01:50:46 2012 +0800

    doc/go_spec: fix a typo
    
    R=golang-dev, rsc
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5989065

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/9bc8dd398548c76a15642026a60275145f926894

元コミット内容

    doc/go_spec: fix a typo
    
    R=golang-dev, rsc
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/5989065

変更の背景

このコミットの背景は、Go言語の公式仕様書 doc/go_spec.html 内に存在する誤字の修正です。仕様書はプログラミング言語の挙動を正確に記述するものであり、その内容は開発者にとっての唯一の真実の源となります。そのため、たとえ小さな誤字であっても、読者の誤解を招いたり、混乱を引き起こしたりする可能性があります。

この特定のケースでは、構造体のフィールドアクセスに関するコード例のコメントにおいて、存在しないフィールド名 T1 が参照されていました。これは、おそらくコピー&ペーストや手動入力の際に発生した単純なミスと考えられます。このような誤りは、特に言語仕様のような厳密なドキュメントにおいては、その信頼性を損なう可能性があるため、速やかに修正されるべきです。

この修正は、Go言語のドキュメントの品質と正確性を維持するための継続的な取り組みの一環として行われました。オープンソースプロジェクトでは、コミュニティメンバーがこのような誤りを発見し、修正を提案することが一般的であり、このコミットもその典型的な例と言えます。

前提知識の解説

このコミットを理解するためには、以下の前提知識が役立ちます。

  1. Go言語の構造体 (Structs): Go言語における構造体は、異なる型のフィールド(プロパティ)をまとめるためのユーザー定義型です。例えば、type Person struct { Name string; Age int } のように定義し、p := Person{Name: "Alice", Age: 30} のようにインスタンス化します。構造体のフィールドにはドット記法 (p.Name) を使ってアクセスします。

  2. ポインタ (Pointers): Go言語では、変数のメモリアドレスを指し示すポインタを使用できます。ポインタ型は *T のように記述され、& 演算子で変数のアドレスを取得し、* 演算子でポインタが指す値にアクセスします。構造体ポインタの場合、p.Field のように直接フィールドにアクセスすると、Goコンパイラが自動的にデリファレンス((*p).Field と同じ意味)してくれます。

  3. Go言語の仕様書 (Go Language Specification): Go言語の仕様書は、Go言語の構文、セマンティクス、および標準ライブラリの動作を正式に定義したドキュメントです。これはGo言語の「憲法」のようなものであり、言語の挙動に関する最終的な権威となります。開発者は、言語の特定の挙動について疑問が生じた際に、この仕様書を参照します。doc/go_spec.html は、この仕様書のHTML版です。

  4. Gitと差分 (Diff): Gitはバージョン管理システムであり、ファイルの変更履歴を追跡します。diff は、2つのファイルまたはバージョンの間の違いを表示するコマンドです。このコミット情報に含まれる diff --git a/doc/go_spec.html b/doc/go_spec.html は、doc/go_spec.html ファイルの変更内容を示しており、- で始まる行は削除された行、+ で始まる行は追加された行を表します。

  5. コードレビューとCL (Change List): オープンソースプロジェクト、特にGoのような大規模なプロジェクトでは、コードの変更は直接リポジトリにプッシュされるのではなく、通常は「変更リスト (Change List, CL)」として提出され、他の開発者によるレビューを受けます。このコミットメッセージにある https://golang.org/cl/5989065 は、この変更がレビューされたGoのコードレビューシステム(Gerritベース)上のCLへのリンクです。R=CC= は、それぞれレビュー担当者 (Reviewer) とカーボンコピー (Carbon Copy) の略で、レビュープロセスに関与した人々を示します。

これらの知識があれば、このコミットがGo言語の仕様書内の特定のコード例のコメントにおける、構造体フィールドの参照に関する単純な誤字を修正したものであることが理解できます。

技術的詳細

このコミットは、Go言語の仕様書 doc/go_spec.html 内の、構造体の埋め込みフィールドとメソッドのプロモーションに関するセクションのコード例に存在する誤字を修正しています。

問題の箇所は、以下のHTMLスニペット内にありました。

<pre>
type T2 struct {
    // ...
}

func (recv *T2) M2()

var p *T2  // with p != nil and p.T1 != nil
</pre>

ここで、p.T1 != nil というコメントは、T2 構造体内に T1 というフィールドが存在するかのように示唆しています。しかし、このコード例の文脈(埋め込みフィールドとプロモーション)から判断すると、おそらく T0 という別の構造体が埋め込まれており、そのフィールドを参照する意図があったと考えられます。

このコミットでは、この誤りを修正し、コメントを以下のように変更しました。

<pre>
type T2 struct {
    // ...
}

func (recv *T2) M2()

var p *T2  // with p != nil and p.T0 != nil
</pre>

変更は、HTMLファイル内のテキストコンテンツに対するものであり、Go言語のコンパイラやランタイムの動作に直接的な影響を与えるものではありません。これは純粋にドキュメンテーションの正確性を向上させるための修正です。

この修正は、Go言語の仕様書が、その記述する言語の挙動を正確に反映していることを保証するための、継続的な品質管理プロセスの一部です。仕様書は、言語の設計意図と実装の詳細を理解するための重要なリソースであるため、その内容は常に最新かつ正確である必要があります。

コアとなるコードの変更箇所

変更されたファイルは doc/go_spec.html のみです。 具体的な変更箇所は以下の通りです。

--- a/doc/go_spec.html
+++ b/doc/go_spec.html
@@ -2396,7 +2396,7 @@ type T2 struct {
 
 func (recv *T2) M2()
 
-var p *T2  // with p != nil and p.T1 != nil
+var p *T2  // with p != nil and p.T0 != nil
 </pre>
 
 <p>

コアとなるコードの解説

この変更は、doc/go_spec.html ファイルの2396行目付近にあるHTMLの <pre> タグ内のコメントを修正しています。

元の行: -var p *T2 // with p != nil and p.T1 != nil

修正後の行: +var p *T2 // with p != nil and p.T0 != nil

この変更は、p.T1 という記述を p.T0 に変更しています。これは、Go言語の仕様書内で示されているコード例の文脈において、T2 構造体内に埋め込まれている(または関連する)別の構造体 T0 のフィールドを参照する意図があったためと考えられます。

Go言語の構造体では、他の構造体を匿名フィールドとして埋め込むことができます。これにより、埋め込まれた構造体のフィールドやメソッドが、外側の構造体のフィールドやメソッドであるかのように「プロモート」されます。このセクションは、おそらくそのプロモーションの挙動を説明している部分であり、コメントが実際のコード例や説明と一致していないことが誤字として認識され、修正されました。

この修正は、ドキュメントの整合性を保ち、読者が誤解する可能性を排除することを目的としています。Go言語の仕様書は、言語の挙動に関する最終的な参照元であるため、その正確性は非常に重要です。

関連リンク

参考にした情報源リンク