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[インデックス 12895] ファイルの概要

コミット

commit 3180137b86fa0fd529bbaeb9bcd873331e0fb183
Author: Shenghou Ma <minux.ma@gmail.com>
Date:   Sun Apr 15 21:50:21 2012 +0800

    text/template/parse: fix doc comment
        Fixes #3529.
    
    R=golang-dev, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/6037046

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/3180137b86fa0fd529bbaeb9bcd873331e0fb183

元コミット内容

このコミットは、Go言語の標準ライブラリtext/template/parseパッケージ内のドキュメントコメントの修正を目的としています。具体的には、expectEitherという関数名のコメントが、実際の関数名expectOneOfと一致するように修正されています。コミットメッセージには「Fixes #3529.」とあり、これはGoのIssueトラッカーにおける特定のバグ報告を修正するものであることを示唆しています。

変更の背景

Go言語のコードベースでは、ドキュメントコメントは非常に重要です。これらはGoDocツールによって自動的にドキュメントが生成され、開発者がライブラリや関数の使い方を理解する上で不可欠な情報源となります。関数名とドキュメントコメントが一致しない場合、それは誤解を招き、APIの誤用につながる可能性があります。

このコミットの背景には、text/template/parseパッケージ内のexpectEitherというコメントが、実際にはexpectOneOfという関数を指しているという不整合が存在したことが挙げられます。このような不整合は、コードの可読性を損ない、将来的なメンテナンスの妨げとなるため、修正が必要とされました。コミットメッセージにあるFixes #3529.は、この不整合がGoのIssueトラッカーで報告された問題(Issue 3529)に対応するものであることを示しています。ただし、2012年のコミットであるため、現在のGoのIssueトラッカーで直接このIssueを見つけることは困難な場合があります。

前提知識の解説

  • Go言語のtext/templateパッケージ: Go言語の標準ライブラリの一部であり、テキストベースのテンプレートを処理するための機能を提供します。データ構造とテンプレートを組み合わせて、動的なテキスト出力を生成するために使用されます。例えば、HTML、XML、プレーンテキストなどの生成に利用されます。
  • text/template/parseパッケージ: text/templateパッケージの内部で使用されるパッケージで、テンプレート文字列を解析し、抽象構文木(AST: Abstract Syntax Tree)を構築する役割を担います。このパッケージは、テンプレートの構文解析ロジックをカプセル化しており、通常、エンドユーザーが直接使用することはありません。
  • ドキュメントコメント (Doc Comments): Go言語では、エクスポートされた(大文字で始まる)関数、変数、型、定数などに対して、その直前に記述されたコメントがドキュメントコメントとして扱われます。これらのコメントはgo docコマンドやGoDocウェブサイトで表示され、コードのAPIドキュメントとして機能します。
  • itemType: text/template/parseパッケージ内で定義されている列挙型(またはそれに相当する型)で、テンプレート解析中に識別される様々なトークンの種類(例: 識別子、キーワード、演算子など)を表します。
  • Tree構造体: text/template/parseパッケージにおけるテンプレートの解析状態を管理する主要な構造体の一つです。この構造体には、字句解析器(lexer)からトークンを取得し、それらを基に解析木を構築するためのメソッドが含まれています。
  • expectおよびexpectOneOfメソッド: Tree構造体のメソッドで、テンプレートの構文解析中に特定の種類のトークン(itemType)が期待される場合に呼び出されます。
    • expect(expected itemType, context string) item: 次のトークンがexpectedで指定された型であることを期待し、そのトークンを消費します。期待される型と異なる場合はエラーを発生させます。
    • expectOneOf(expected1, expected2 itemType, context string) item: 次のトークンがexpected1またはexpected2のいずれかの型であることを期待し、そのトークンを消費します。期待される型と異なる場合はエラーを発生させます。

技術的詳細

このコミットは、src/pkg/text/template/parse/parse.goファイル内のドキュメントコメントの修正に焦点を当てています。具体的には、expectOneOf関数のドキュメントコメントが、以前は誤ってexpectEitherと記述されていた箇所を修正しています。

Go言語のドキュメンテーション規約では、関数やメソッドのドキュメントコメントは、その関数やメソッドの宣言の直前に記述され、その機能や引数、戻り値について説明します。このコメントは、go docツールによって自動的に解析され、開発者向けのAPIドキュメントとして公開されます。

元のコードでは、expectOneOfという名前の関数に対して、そのドキュメントコメントが// expectEither consumes the next token and guarantees it has one of the required types.となっていました。これは、関数名がexpectOneOfであるにもかかわらず、コメントがexpectEitherという異なる名前を使用しているという不整合を生み出していました。このような不整合は、コードを読んだり、GoDocでドキュメントを参照したりする開発者にとって混乱の原因となります。

このコミットは、この単純なタイプミスを修正し、ドキュメントコメントが実際の関数名と一致するように変更することで、コードの正確性と可読性を向上させています。これは、コードベースの品質を維持し、将来のメンテナンスを容易にするための重要なステップです。

コアとなるコードの変更箇所

変更はsrc/pkg/text/template/parse/parse.goファイルの一箇所のみです。

--- a/src/pkg/text/template/parse/parse.go
+++ b/src/pkg/text/template/parse/parse.go
@@ -101,7 +101,7 @@ func (t *Tree) expect(expected itemType, context string) item {
 	return token
 }
 
-// expectEither consumes the next token and guarantees it has one of the required types.
+// expectOneOf consumes the next token and guarantees it has one of the required types.
 func (t *Tree) expectOneOf(expected1, expected2 itemType, context string) item {
 	token := t.next()
 	if token.typ != expected1 && token.typ != expected2 {

コアとなるコードの解説

この変更は、parse.goファイル内のexpectOneOfメソッドのドキュメントコメントを修正するものです。

  • 変更前:

    // expectEither consumes the next token and guarantees it has one of the required types.
    func (t *Tree) expectOneOf(expected1, expected2 itemType, context string) item {
    

    ここでは、expectOneOfという関数名の直前に、expectEitherという異なる名前を含むドキュメントコメントが記述されていました。これは、関数名とコメントの内容が一致しないという問題を引き起こしていました。

  • 変更後:

    // expectOneOf consumes the next token and guarantees it has one of the required types.
    func (t *Tree) expectOneOf(expected1, expected2 itemType, context string) item {
    

    変更後では、ドキュメントコメント内の関数名がexpectOneOfに修正され、実際の関数名と完全に一致するようになりました。これにより、コードの可読性が向上し、GoDocによって生成されるドキュメントも正確になります。

この修正は、機能的な変更を伴うものではなく、純粋にドキュメンテーションの正確性を高めるためのものです。しかし、このような小さな修正が、大規模なプロジェクトにおけるコードベースの品質とメンテナンス性を維持する上で非常に重要です。開発者がコードを理解し、正しく使用するためには、正確で最新のドキュメントが不可欠だからです。

関連リンク

参考にした情報源リンク