Keyboard shortcuts

Press or to navigate between chapters

Press S or / to search in the book

Press ? to show this help

Press Esc to hide this help

[インデックス 13049] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のコマンドラインツール go のヘルプメッセージに関する修正です。具体的には、src/cmd/go/help.go ファイルが変更されています。このファイルは、go コマンドの様々なサブコマンドに対するヘルプテキストを定義しています。

コミット

  • コミットハッシュ: 25a8a8dab8ae1638b91ec884e6db02c3bc7fe3e6
  • 作者: Francisco Souza franciscossouza@gmail.com
  • コミット日時: 2012年5月9日(水) 16:16:02 +1000

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/25a8a8dab8ae1638b91ec884e6db02c3bc7fe3e6

元コミット内容

cmd/go: fix remote help reference to "go help packages"

go help remote used to reference "go help importpath", which has
changed to "go help packages".

Fixes #3598.

R=golang-dev, bradfitz
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/6201065

変更の背景

このコミットの背景には、Go言語のパッケージ管理およびヘルプシステムの進化があります。

元々、Go言語ではパッケージの識別子として「import path (インポートパス)」という概念が用いられていました。これは、パッケージのソースコードがどこにあるかを示すパスであり、go get コマンドなどでリモートリポジトリからコードを取得する際にも利用されます。

しかし、Go言語の開発が進むにつれて、パッケージに関する概念やコマンドが整理され、より包括的な「packages (パッケージ)」という用語が使われるようになりました。これに伴い、go help importpath というコマンドが go help packages に変更されたと考えられます。

この変更にもかかわらず、go help remote コマンドのヘルプメッセージ内では、古い go help importpath への参照が残っていました。これはユーザーにとって混乱の原因となるため、このコミットではその参照を新しい go help packages に修正することを目的としています。

コミットメッセージにある Fixes #3598 は、この修正がGoのIssueトラッカーで報告された問題3598を解決することを示しています。このIssueは、まさにこのヘルプメッセージの不整合を指摘していたものと推測されます。

前提知識の解説

このコミットを理解するためには、以下のGo言語に関する基本的な知識が必要です。

  • Goコマンド (go): Go言語のビルド、テスト、実行、パッケージ管理などを行うための主要なコマンドラインツールです。
  • go help コマンド: go コマンドのサブコマンドの一つで、go コマンド自体やそのサブコマンドのヘルプメッセージを表示するために使用されます。例えば、go help buildgo build コマンドのヘルプを表示します。
  • インポートパス (Import Path): Go言語において、パッケージを一意に識別するための文字列です。通常、パッケージのソースコードが配置されているリポジトリのパスやファイルシステムのパスに対応します。例えば、"fmt" は標準ライブラリのフォーマットパッケージのインポートパスであり、"github.com/user/repo/package" はGitHub上のリポジトリにあるパッケージのインポートパスです。
  • パッケージ (Package): Go言語におけるコードの組織化の単位です。関連する関数、型、変数などをまとめたもので、他のパッケージからインポートして利用することができます。
  • go help importpathgo help packages:
    • go help importpath は、かつてインポートパスに関する詳細なヘルプを提供していたコマンドです。
    • go help packages は、go help importpath の後継として導入されたコマンドで、Goのパッケージに関するより広範な情報(パッケージの概念、インポートパスの解決方法、モジュールとの関連など)を提供します。この変更は、Goのパッケージ管理の仕組みが進化する中で行われました。
  • go help remote: リモートリポジトリからパッケージを取得する際のインポートパスの構文や動作に関するヘルプを提供するコマンドです。このコマンドのヘルプメッセージ内で、上記の importpath から packages への参照変更が行われました。

技術的詳細

このコミットは、Goコマンドのヘルプメッセージを定義している src/cmd/go/help.go ファイル内の文字列リテラルを修正するものです。

src/cmd/go/help.go ファイルは、go コマンドの各サブコマンドに対応する Command 構造体のインスタンスを定義しています。これらの Command 構造体には、Long フィールドがあり、これがそのコマンドの詳細なヘルプメッセージを保持しています。

今回の修正は、helpRemote という Command 構造体の Long フィールド内のテキストを変更しています。具体的には、An import path (see 'go help importpath') denotes a package という文字列から、'go help importpath' の部分を 'go help packages' に置き換えています。

これは、Goのコマンドラインツールの内部的なヘルプシステムが、静的な文字列としてヘルプメッセージを保持していることを示しています。そのため、関連するコマンドの名称が変更された場合、そのコマンドを参照している他のヘルプメッセージも手動で更新する必要があるわけです。

この修正は、Goのユーザーエクスペリエンスを向上させるための小さな、しかし重要な変更です。古い参照が残っていると、ユーザーが正しいヘルプ情報を探し出す際に混乱を招く可能性があります。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/cmd/go/help.go
+++ b/src/cmd/go/help.go
@@ -61,7 +61,7 @@ var helpRemote = &Command{\
 	Short:     "remote import path syntax",
 	Long: `
 
-An import path (see 'go help importpath') denotes a package
+An import path (see 'go help packages') denotes a package
 stored in the local file system.  Certain import paths also
 describe how to obtain the source code for the package using
 a revision control system.\

コアとなるコードの解説

上記の差分は、src/cmd/go/help.go ファイル内の helpRemote コマンドの Long フィールド(長いヘルプメッセージ)に対する変更を示しています。

  • -An import path (see 'go help importpath') denotes a package
    • これは変更前の行です。go help importpath という古いコマンドへの参照が含まれています。
  • +An import path (see 'go help packages') denotes a package
    • これは変更後の行です。go help packages という新しいコマンドへの参照に修正されています。

この変更は、go help remote を実行した際に表示されるヘルプメッセージの内容を直接修正するものです。これにより、ユーザーが go help remote を参照した際に、最新かつ正しいヘルプコマンド(go help packages)に誘導されるようになります。

この修正は、Goのコマンドラインツールのヘルプメッセージが、ユーザーにとって常に正確で最新の情報を提供するように維持するための、継続的なメンテナンスの一部であると言えます。

関連リンク

参考にした情報源リンク