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[インデックス 13329] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリの一部である encoding/gob パッケージのドキュメントファイル src/pkg/encoding/gob/doc.go に含まれるタイポ(誤字)を修正するものです。doc.go ファイルは、Goパッケージのドキュメントを生成するために使用される特別なファイルであり、パッケージ全体の概要や主要な型、関数、メソッドに関する説明が含まれています。このファイルは、go doc コマンドや pkg.go.dev のようなオンラインドキュメントサイトで表示されるドキュメントのソースとなります。

コミット

  • コミットハッシュ: 1d609f9b9f0c2133cfce86175ad49c8800954a28
  • Author: Brad Fitzpatrick bradfitz@golang.org
  • Date: Sat Jun 9 18:30:44 2012 -0700
  • コミットメッセージ:
    encoding/gob: fix doc typo
    
    R=golang-dev, dsymonds
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/6300078
    

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/1d609f9b9f0c2133cfce86175ad49c8800954a28

元コミット内容

encoding/gob: fix doc typo

R=golang-dev, dsymonds
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/6300078

変更の背景

このコミットの背景は、encoding/gob パッケージの公式ドキュメントに存在する単純なタイポ(誤字)を修正することです。ソフトウェアプロジェクトにおいて、ドキュメントの正確性は非常に重要です。特に、標準ライブラリのような広く利用されるコンポーネントの場合、ドキュメントの誤りは開発者の混乱を招き、誤った実装や理解につながる可能性があります。

このタイポは、Maps are sent as an unsigned count followed by that man key, element という文中の "man" が "many" の誤りであるというものです。このような小さな誤りであっても、公式ドキュメントの品質を損なうため、修正が必要とされました。これは、コードの機能には影響を与えないものの、ドキュメントの可読性と正確性を向上させるための典型的なメンテナンス作業です。

前提知識の解説

Go言語

Go(Golang)は、Googleによって開発されたオープンソースのプログラミング言語です。静的型付け、コンパイル型、並行処理のサポート、ガベージコレクションなどの特徴を持ち、シンプルさ、効率性、信頼性を重視しています。サーバーサイドアプリケーション、ネットワークサービス、CLIツールなどで広く利用されています。

Goの標準ライブラリ

Go言語は、非常に豊富で高品質な標準ライブラリを提供しています。これにより、ファイルI/O、ネットワーク通信、暗号化、データエンコーディングなど、多くの一般的なタスクを外部ライブラリに依存することなく実行できます。encoding/gob もこの標準ライブラリの一部です。

encoding/gob パッケージ

encoding/gob は、Go言語のデータ構造をバイナリ形式でエンコード(シリアライズ)およびデコード(デシリアライズ)するためのパッケージです。これは、Goプログラム間でGoの値を効率的に転送したり、永続化したりするのに特に適しています。

gob の主な特徴は以下の通りです。

  1. 自己記述型: gob ストリームは、エンコードされるデータの型情報を自身の中に含んでいます。これにより、受信側は事前に型を知らなくてもデータをデコードできます。これは、異なるバージョンのプログラム間でデータをやり取りする際に特に便利です。
  2. 効率性: gob は、Goの型システムに最適化されており、効率的なバイナリ表現を提供します。
  3. ストリーム指向: gob はストリームとして設計されており、複数のGoの値を連続してエンコード/デコードできます。
  4. Go固有: gob はGo言語に特化しており、他の言語との相互運用性はありません。他の言語とのデータ交換には、JSONやProtocol Buffersなどのより汎用的な形式が使用されます。

gob は、RPC(Remote Procedure Call)システムや、Goプログラム間でデータを共有する内部プロトコルなどでよく使用されます。

doc.go ファイル

Goのパッケージでは、doc.go という名前のファイルが特別な意味を持ちます。このファイルは、パッケージ全体のドキュメントコメントを記述するために使用されます。ファイル内のパッケージ宣言の直前に書かれたコメントは、go doc コマンドやGoの公式ドキュメントサイト(pkg.go.devなど)でそのパッケージの概要として表示されます。このコミットで修正されたのは、まさにこのドキュメントコメントの一部です。

技術的詳細

このコミットは、src/pkg/encoding/gob/doc.go ファイル内の特定の行のテキストを修正するものです。変更された行は、gob がマップ(Goの map 型)をどのようにエンコードするかを説明しています。

元の記述: Maps are sent as an unsigned count followed by that man key, element

修正後の記述: Maps are sent as an unsigned count followed by that many key, element

ここで修正されたのは、"man" という単語です。文脈から判断すると、これは「多くの」という意味の "many" の誤りであることが明らかです。

gob におけるマップのエンコードは、以下の手順で行われます。

  1. 要素数の送信: まず、マップに含まれるキーと値のペアの総数が符号なし整数として送信されます。
  2. キーと値のペアの連続送信: その後、その数(many)だけ、キーと値のペアが連続して送信されます。各キーと値は、それぞれの型に応じた標準の gob エンコーディングで再帰的にエンコードされます。

このドキュメントの記述は、gob がマップをシリアライズする際の内部的な動作を説明しており、開発者が gob を使用する際に、データがどのように表現されるかを理解するのに役立ちます。タイポの修正は、この説明の正確性と可読性を向上させます。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/pkg/encoding/gob/doc.go
+++ b/src/pkg/encoding/gob/doc.go
@@ -116,7 +116,7 @@ uninterpreted bytes of the value.
 All other slices and arrays are sent as an unsigned count followed by that many
 elements using the standard gob encoding for their type, recursively.
 
-Maps are sent as an unsigned count followed by that man key, element
+Maps are sent as an unsigned count followed by that many key, element
 pairs. Empty but non-nil maps are sent, so if the sender has allocated
 a map, the receiver will allocate a map even no elements are
 transmitted.

コアとなるコードの解説

上記の差分は、src/pkg/encoding/gob/doc.go ファイルの119行目に対する変更を示しています。

  • -Maps are sent as an unsigned count followed by that man key, element これは変更前の行で、"man" という誤字が含まれています。

  • +Maps are sent as an unsigned count followed by that many key, element これは変更後の行で、"man" が正しい単語である "many" に修正されています。

この変更は、gob がマップをどのようにエンコードするかを説明する文の文法的な誤りを修正するものです。具体的には、「符号なしのカウントの後に、その数のキーと要素のペアが続く」という意味を正しく伝えるために "man" を "many" に変更しています。この修正により、encoding/gob パッケージのドキュメントの品質と正確性が向上し、開発者がマップの gob エンコーディングについてより明確に理解できるようになります。コードの動作自体には一切影響を与えません。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の公式ドキュメント (pkg.go.dev)
  • Gitの差分表示の一般的な理解
  • Go言語の標準ライブラリとドキュメンテーションの慣習に関する一般的な知識