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[インデックス 13375] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリであるflagパッケージ内のドキュメントの記述ミスを修正するものです。具体的には、コマンドライン引数のインデックスに関する説明が、実際のGo言語のスライス(配列)のインデックスの振る舞いと一致するように修正されています。

コミット

commit c123c6c3f628b64c227d2de6d45e780716682e27
Author: David Symonds <dsymonds@golang.org>
Date:   Sun Jun 24 12:23:51 2012 -0700

    flag: fix indexing doc.
    
    R=golang-dev, r
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/6341046

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/c123c6c3f628b64c227d2de6d45e780716682e27

元コミット内容

flag: fix indexing doc.

このコミットメッセージは非常に簡潔で、「flagパッケージのインデックスに関するドキュメントを修正する」という内容を示しています。

変更の背景

Go言語のflagパッケージは、コマンドライン引数を解析するための標準ライブラリです。このパッケージには、フラグ以外の引数(位置引数)を取得するためのflag.Args()flag.Arg(i)、およびflag.NArg()といった関数が提供されています。

変更前のsrc/pkg/flag/flag.goのコメントには、以下のように記述されていました。 The arguments are indexed from 0 up to flag.NArg(). これは、「引数は0からflag.NArg()までインデックス付けされる」という意味です。しかし、Go言語のスライスや配列のインデックスは通常0から始まり、長さ-1までとなります。例えば、長さがNのスライスの場合、有効なインデックスは0からN-1までです。flag.NArg()は引数の「数」を返すため、flag.NArg()自体は有効なインデックスではありません。

この記述は、Go言語の一般的なインデックスの慣習と矛盾しており、ユーザーがflag.Arg(flag.NArg())のような誤ったアクセスを試みる可能性がありました。このコミットは、このような誤解を招く表現を修正し、より正確な情報を提供することを目的としています。

前提知識の解説

Go言語のflagパッケージ

flagパッケージは、Goプログラムがコマンドライン引数を簡単に解析できるようにするための標準ライブラリです。主な機能は以下の通りです。

  • フラグの定義: flag.String(), flag.Bool(), flag.Int()などの関数を使って、コマンドラインフラグ(例: -name="value", -verbose)を定義できます。これらの関数は、フラグの値が格納される変数のポインタを返します。
  • フラグの解析: flag.Parse()関数を呼び出すことで、コマンドライン引数が解析され、定義されたフラグ変数に値が設定されます。
  • 位置引数: フラグとして認識されなかった引数は「位置引数」と呼ばれます。これらはflag.Parse()の後に以下の関数でアクセスできます。
    • flag.Args(): 全ての位置引数を文字列のスライスとして返します。
    • flag.Arg(i): i番目の位置引数を文字列として返します。インデックスは0から始まります。
    • flag.NArg(): 位置引数の数を返します。

Go言語におけるスライスと配列のインデックス

Go言語において、スライス(および配列)は0から始まるインデックスを持ちます。 例えば、要素がN個あるスライスsがある場合、その要素にはs[0], s[1], ..., s[N-1]のようにアクセスします。 N番目の要素は存在せず、s[N]にアクセスしようとすると「インデックス範囲外(index out of range)」のエラーが発生します。

この基本的なインデックスの概念は、flag.Arg(i)で位置引数にアクセスする際にも同様に適用されます。flag.NArg()が位置引数の総数を返すため、有効なインデックスは0からflag.NArg() - 1までとなります。

技術的詳細

このコミットの技術的な詳細は、Go言語のドキュメンテーションの正確性に関するものです。コードの動作自体を変更するものではなく、コードのコメント、特にユーザーがAPIを理解するために参照するドキュメントの記述を修正しています。

変更された行は、src/pkg/flag/flag.goファイルのコメント部分です。 元の記述: The arguments are indexed from 0 up to flag.NArg(). 修正後の記述: The arguments are indexed from 0 through flag.NArg()-1.

この修正は、Go言語のインデックスの慣習(0から始まり、長さ-1まで)に厳密に合わせることで、flag.Arg(i)を使用する開発者が誤ったインデックスでアクセスすることを防ぎ、より正確な情報を提供します。これは、APIの使いやすさと、開発者がドキュメントを信頼してコードを書けるようにするために非常に重要です。

コアとなるコードの変更箇所

変更はsrc/pkg/flag/flag.goファイルの一箇所のみです。

--- a/src/pkg/flag/flag.go
+++ b/src/pkg/flag/flag.go
@@ -33,7 +33,7 @@
 
  	After parsing, the arguments after the flag are available as the
  	slice flag.Args() or individually as flag.Arg(i).
-	The arguments are indexed from 0 up to flag.NArg().
+	The arguments are indexed from 0 through flag.NArg()-1.
 
  	Command line flag syntax:
  		-flag

コアとなるコードの解説

変更された行は、flagパッケージのドキュメンテーションコメントの一部です。このコメントは、flag.Args()flag.Arg(i)を使ってコマンドライン引数にアクセスする方法を説明しています。

  • - The arguments are indexed from 0 up to flag.NArg().

    • この行は、位置引数が0からflag.NArg()(引数の総数)までインデックス付けされると誤って説明していました。これは、flag.NArg()自体が有効なインデックスではないため、混乱を招く可能性がありました。
  • + The arguments are indexed from 0 through flag.NArg()-1.

    • この行は、位置引数が0からflag.NArg()-1までインデックス付けされると正確に説明しています。これは、Go言語のスライスや配列のインデックスの一般的な慣習と完全に一致しており、開発者がflag.Arg(i)を使用する際に正しいインデックス範囲を理解するのに役立ちます。

この修正は、コードの振る舞いには影響を与えませんが、APIのドキュメンテーションの正確性を向上させ、ユーザーがflagパッケージをより適切に利用できるようにするための重要な改善です。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語 flag パッケージのドキュメント (Web検索結果より)
  • Go言語のスライスと配列のインデックスに関する一般的な知識
  • GitHub上のコミット履歴と差分表示