[インデックス 13587] ファイルの概要
このコミットは、Go言語のランタイムにおけるalg.c
ファイル内の不要なROUND
マクロの呼び出しを削除するものです。これは、以前の変更(CL 6452046)によって導入された非効率性を修正し、コードの正確性を維持しつつ、冗長な処理を取り除くことを目的としています。
コミット
commit 41645847b4f5187c088149f1177e8a3fc7d1f373
Author: Shenghou Ma <minux.ma@gmail.com>
Date: Tue Aug 7 09:49:56 2012 +0800
runtime: remove unnecessary ROUND in alg.c
Introduced in CL 6452046.
R=golang-dev, nigeltao, dave
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/6459051
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/41645847b4f5187c088149f1177e8a3fc7d1f373
元コミット内容
runtime: remove unnecessary ROUND in alg.c
Introduced in CL 6452046.
R=golang-dev, nigeltao, dave
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/6459051
変更の背景
このコミットの背景には、Goランタイムのメモリ管理と型システムにおけるアライメントの考慮があります。Goのランタイムは、効率的なメモリアクセスとデータ構造の整合性を保つために、メモリ上のオブジェクトを特定のアライメント境界に配置します。ROUND
マクロは、このアライメント調整を行うために使用されます。
コミットメッセージにある「Introduced in CL 6452046」という記述は、この不要なROUND
の呼び出しが、以前の変更リスト(Change List, CL)であるCL 6452046によって誤って導入されたことを示唆しています。CL 6452046は、おそらくruntime·equal
関数またはその周辺のロジックに変更を加え、その際にt->align
に基づくアライメント調整が不要な箇所に適用されてしまったと考えられます。
このコミットは、その以前の変更によって生じた冗長なROUND
呼び出しを特定し、削除することで、コードのクリーンアップと潜在的なパフォーマンスの最適化を図っています。t->size
は既にアライメントが考慮されたサイズであるため、t->align
による追加のROUND
は不要であり、むしろ誤った計算を引き起こす可能性がありました。
前提知識の解説
Goランタイム (runtime)
Goランタイムは、Goプログラムの実行を管理する低レベルのシステムです。ガベージコレクション、スケジューリング、メモリ管理、プリミティブな型操作など、Go言語のコア機能の多くを実装しています。src/pkg/runtime/
ディレクトリには、これらのランタイムのC(またはGoアセンブリ)コードが含まれています。
alg.c
alg.c
は、Goランタイムの一部であり、主に型の等価性チェック(equality comparison)やハッシュ計算など、データ構造のアルゴリズムに関連する機能を提供します。runtime·equal
関数は、Goの型が等しいかどうかを比較するための内部関数です。
メモリのアライメント (Memory Alignment)
メモリのアライメントとは、コンピュータのメモリ上でデータが配置される際の、特定のメモリアドレスへの制約のことです。CPUは、特定のバイト境界(例: 4バイト、8バイト)に配置されたデータにアクセスする方が効率的です。アライメントが正しく行われていないと、パフォーマンスの低下や、場合によってはハードウェア例外(アライメント違反)が発生する可能性があります。
ROUND
マクロ
ROUND(size, align)
のようなマクロは、size
をalign
の倍数に切り上げるために使用されます。例えば、ROUND(10, 8)
は16になります。これは、メモリ上でデータを特定のアライメント境界に配置するために、必要なパディング(埋め草)を計算する際によく使われます。
uintptr
uintptr
は、Go言語における符号なし整数型で、ポインタの値を保持するのに十分な大きさがあります。これは、ポインタと整数の間で変換を行う際に使用され、低レベルのメモリ操作でよく見られます。
byte*
C言語のポインタ型で、1バイトのデータへのポインタを示します。GoランタイムのCコードでは、メモリ上の任意のデータをバイト列として扱うためによく使用されます。
Type
構造体
Goランタイム内部で、Goの型情報を表現するための構造体です。この構造体には、型のサイズ(t->size
)やアライメント要件(t->align
)などのメタデータが含まれています。
t->size
Type
構造体のフィールドで、その型のインスタンスがメモリ上で占めるバイトサイズを示します。このサイズは、既にアライメントの考慮が含まれている場合があります。
t->align
Type
構造体のフィールドで、その型がメモリ上で要求するアライメント境界(例: 1, 2, 4, 8バイト)を示します。
Structrnd
Goランタイム内部で使用される定数で、構造体のアライメントに関する特定の丸め処理の基準となる値です。
技術的詳細
このコミットは、src/pkg/runtime/alg.c
内のruntime·equal
関数におけるメモリポインタy
の計算方法を変更しています。
変更前:
y = x + ROUND(t->size, t->align);
変更後:
y = x + t->size;
この変更の核心は、t->size
が既にその型のアライメント要件を満たすように計算されたサイズであるという理解に基づいています。つまり、t->size
自体が既にt->align
の倍数であるか、またはアライメントを考慮した上で必要なパディングを含んだ値になっているため、ROUND(t->size, t->align)
という追加の丸め処理は冗長であり、不要であると判断されました。
runtime·equal
関数は、2つの値x
とy
が等しいかどうかを比較するために使用されます。ここでx
は比較対象の最初の値の開始アドレス、y
は2番目の値の開始アドレスを指します。y
はx
の直後に続くメモリ領域にあると仮定されており、そのオフセットは最初の値のサイズによって決定されます。
もしt->size
が既にアライメント済みであれば、ROUND(t->size, t->align)
はt->size
と同じ値を返すことになります。しかし、もしt->size
がアライメントを考慮せずに計算された生の値であった場合、ROUND
は必要になります。このコミットは、t->size
が既にアライメントの考慮を含んでいるという前提に立っています。
この変更により、ROUND
マクロの呼び出しが1つ減り、コンパイルされたコードから不要な命令が削除されるため、わずかながらもパフォーマンスの向上が期待できます。また、コードの意図がより明確になり、冗長な処理がなくなることで保守性も向上します。
コアとなるコードの変更箇所
--- a/src/pkg/runtime/alg.c
+++ b/src/pkg/runtime/alg.c
@@ -476,7 +476,7 @@ runtime·equal(Type *t, ...)
uintptr ret;
x = (byte*)(&t+1);
- y = x + ROUND(t->size, t->align);
+ y = x + t->size;
ret = (uintptr)(y + t->size);
ret = ROUND(ret, Structrnd);
t->alg->equal((bool*)ret, t->size, x, y);
コアとなるコードの解説
変更が行われたのは、runtime·equal
関数内です。この関数は、Goの型t
を受け取り、可変引数リストから比較対象の2つの値を取得します。
-
x = (byte*)(&t+1);
&t+1
は、関数スタックフレーム上でt
引数の直後に続くメモリ位置を指します。Goの呼び出し規約では、引数はスタックにプッシュされるため、t
の直後には比較対象の最初の値が配置されていると想定されます。x
は、比較対象の最初の値のメモリ開始アドレスをbyte*
(バイトポインタ)として保持します。
-
y = x + ROUND(t->size, t->align);
(変更前)y
は、比較対象の2番目の値のメモリ開始アドレスを計算します。- 変更前は、
x
(最初の値の開始アドレス)に、t->size
をt->align
の倍数に丸めた値(ROUND(t->size, t->align)
)を加算していました。これは、最初の値のサイズがアライメント境界に揃えられていることを保証するためのものでした。
-
y = x + t->size;
(変更後)- 変更後は、
x
に直接t->size
を加算しています。 - この変更は、
t->size
が既にアライメントの考慮を含んだ値であるため、ROUND
による追加の丸め処理が不要であることを示しています。これにより、y
は最初の値の直後に続く2番目の値の正しい開始アドレスを指すことになります。
- 変更後は、
-
ret = (uintptr)(y + t->size);
ret
は、runtime·equal
関数の戻り値(比較結果のブール値)が格納されるメモリ位置を計算します。これは、2番目の値の直後に続くメモリ領域に配置されると想定されます。
-
ret = ROUND(ret, Structrnd);
ret
のアドレスをStructrnd
(構造体のアライメント基準)の倍数に丸めます。これは、戻り値が正しくアライメントされたメモリ位置に書き込まれることを保証するためです。
-
t->alg->equal((bool*)ret, t->size, x, y);
t->alg->equal
は、特定の型t
に対する等価性比較アルゴリズムを呼び出します。- 引数として、比較結果を書き込むアドレス(
ret
をbool*
にキャストしたもの)、比較対象のサイズ(t->size
)、そして比較対象の2つの値のアドレス(x
とy
)を渡します。
この変更は、y
の計算における冗長なアライメント処理を削除することで、コードの正確性を保ちつつ、より効率的なメモリポインタの計算を実現しています。
関連リンク
- このコミットのGo CL: https://golang.org/cl/6459051
- 関連するGo CL (CL 6452046): このコミットで言及されている「Introduced in CL 6452046」のCLは、以下のリンクで確認できます。
- https://golang.org/cl/6452046
- このCLは "runtime: make equal and hash functions use Type.size" というタイトルで、
Type.size
フィールドを使用するようにequal
およびhash
関数を変更したものです。この変更により、Type.size
がアライメントを考慮した値を持つようになったため、今回のコミットでROUND(t->size, t->align)
が不要になったと考えられます。
参考にした情報源リンク
- Go言語のソースコード (特に
src/pkg/runtime/
) - Go言語のCL (Change List) レビューシステム
- メモリのアライメントに関する一般的なコンピュータサイエンスの知識
- C言語のポインタとメモリ操作に関する知識
- Go言語の内部実装に関する議論やドキュメント (Goの公式ドキュメントやブログ、Goのメーリングリストなど)
- Goのランタイムに関する一般的な情報: https://go.dev/doc/
- Goの内部実装に関するより詳細な情報(非公式なものも含む)は、Goのコミュニティやブログ記事で探すことができます。# [インデックス 13587] ファイルの概要
このコミットは、Go言語のランタイムにおけるalg.c
ファイル内の不要なROUND
マクロの呼び出しを削除するものです。これは、以前の変更(CL 6452046)によって導入された非効率性を修正し、コードの正確性を維持しつつ、冗長な処理を取り除くことを目的としています。
コミット
commit 41645847b4f5187c088149f1177e8a3fc7d1f373
Author: Shenghou Ma <minux.ma@gmail.com>
Date: Tue Aug 7 09:49:56 2012 +0800
runtime: remove unnecessary ROUND in alg.c
Introduced in CL 6452046.
R=golang-dev, nigeltao, dave
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/6459051
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/41645847b4f5187c088149f1177e8a3fc7d1f373
元コミット内容
runtime: remove unnecessary ROUND in alg.c
Introduced in CL 6452046.
R=golang-dev, nigeltao, dave
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/6459051
変更の背景
このコミットの背景には、Goランタイムのメモリ管理と型システムにおけるアライメントの考慮があります。Goのランタイムは、効率的なメモリアクセスとデータ構造の整合性を保つために、メモリ上のオブジェクトを特定のアライメント境界に配置します。ROUND
マクロは、このアライメント調整を行うために使用されます。
コミットメッセージにある「Introduced in CL 6452046」という記述は、この不要なROUND
の呼び出しが、以前の変更リスト(Change List, CL)であるCL 6452046によって誤って導入されたことを示唆しています。CL 6452046は、おそらくruntime·equal
関数またはその周辺のロジックに変更を加え、その際にt->align
に基づくアライメント調整が不要な箇所に適用されてしまったと考えられます。
このコミットは、その以前の変更によって生じた冗長なROUND
呼び出しを特定し、削除することで、コードのクリーンアップと潜在的なパフォーマンスの最適化を図っています。t->size
は既にアライメントが考慮されたサイズであるため、t->align
による追加のROUND
は不要であり、むしろ誤った計算を引き起こす可能性がありました。
前提知識の解説
Goランタイム (runtime)
Goランタイムは、Goプログラムの実行を管理する低レベルのシステムです。ガベージコレクション、スケジューリング、メモリ管理、プリミティブな型操作など、Go言語のコア機能の多くを実装しています。src/pkg/runtime/
ディレクトリには、これらのランタイムのC(またはGoアセンブリ)コードが含まれています。
alg.c
alg.c
は、Goランタイムの一部であり、主に型の等価性チェック(equality comparison)やハッシュ計算など、データ構造のアルゴリズムに関連する機能を提供します。runtime·equal
関数は、Goの型が等しいかどうかを比較するための内部関数です。
メモリのアライメント (Memory Alignment)
メモリのアライメントとは、コンピュータのメモリ上でデータが配置される際の、特定のメモリアドレスへの制約のことです。CPUは、特定のバイト境界(例: 4バイト、8バイト)に配置されたデータにアクセスする方が効率的です。アライメントが正しく行われていないと、パフォーマンスの低下や、場合によってはハードウェア例外(アライメント違反)が発生する可能性があります。
ROUND
マクロ
ROUND(size, align)
のようなマクロは、size
をalign
の倍数に切り上げるために使用されます。例えば、ROUND(10, 8)
は16になります。これは、メモリ上でデータを特定のアライメント境界に配置するために、必要なパディング(埋め草)を計算する際によく使われます。
uintptr
uintptr
は、Go言語における符号なし整数型で、ポインタの値を保持するのに十分な大きさがあります。これは、ポインタと整数の間で変換を行う際に使用され、低レベルのメモリ操作でよく見られます。
byte*
C言語のポインタ型で、1バイトのデータへのポインタを示します。GoランタイムのCコードでは、メモリ上の任意のデータをバイト列として扱うためによく使用されます。
Type
構造体
Goランタイム内部で、Goの型情報を表現するための構造体です。この構造体には、型のサイズ(t->size
)やアライメント要件(t->align
)などのメタデータが含まれています。
t->size
Type
構造体のフィールドで、その型のインスタンスがメモリ上で占めるバイトサイズを示します。このサイズは、既にアライメントの考慮が含まれている場合があります。
t->align
Type
構造体のフィールドで、その型がメモリ上で要求するアライメント境界(例: 1, 2, 4, 8バイト)を示します。
Structrnd
Goランタイム内部で使用される定数で、構造体のアライメントに関する特定の丸め処理の基準となる値です。
技術的詳細
このコミットは、src/pkg/runtime/alg.c
内のruntime·equal
関数におけるメモリポインタy
の計算方法を変更しています。
変更前:
y = x + ROUND(t->size, t->align);
変更後:
y = x + t->size;
この変更の核心は、t->size
が既にその型のアライメント要件を満たすように計算されたサイズであるという理解に基づいています。つまり、t->size
自体が既にt->align
の倍数であるか、またはアライメントを考慮した上で必要なパディングを含んだ値になっているため、ROUND(t->size, t->align)
という追加の丸め処理は冗長であり、不要であると判断されました。
runtime·equal
関数は、2つの値x
とy
が等しいかどうかを比較するために使用されます。ここでx
は比較対象の最初の値の開始アドレス、y
は2番目の値の開始アドレスを指します。y
はx
の直後に続くメモリ領域にあると仮定されており、そのオフセットは最初の値のサイズによって決定されます。
もしt->size
が既にアライメント済みであれば、ROUND(t->size, t->align)
はt->size
と同じ値を返すことになります。しかし、もしt->size
がアライメントを考慮せずに計算された生の値であった場合、ROUND
は必要になります。このコミットは、t->size
が既にアライメントの考慮を含んでいるという前提に立っています。
この変更により、ROUND
マクロの呼び出しが1つ減り、コンパイルされたコードから不要な命令が削除されるため、わずかながらもパフォーマンスの向上が期待できます。また、コードの意図がより明確になり、冗長な処理がなくなることで保守性も向上します。
コアとなるコードの変更箇所
--- a/src/pkg/runtime/alg.c
+++ b/src/pkg/runtime/alg.c
@@ -476,7 +476,7 @@ runtime·equal(Type *t, ...)
uintptr ret;
x = (byte*)(&t+1);
- y = x + ROUND(t->size, t->align);
+ y = x + t->size;
ret = (uintptr)(y + t->size);
ret = ROUND(ret, Structrnd);
t->alg->equal((bool*)ret, t->size, x, y);
コアとなるコードの解説
変更が行われたのは、runtime·equal
関数内です。この関数は、Goの型t
を受け取り、可変引数リストから比較対象の2つの値を取得します。
-
x = (byte*)(&t+1);
&t+1
は、関数スタックフレーム上でt
引数の直後に続くメモリ位置を指します。Goの呼び出し規約では、引数はスタックにプッシュされるため、t
の直後には比較対象の最初の値が配置されていると想定されます。x
は、比較対象の最初の値のメモリ開始アドレスをbyte*
(バイトポインタ)として保持します。
-
y = x + ROUND(t->size, t->align);
(変更前)y
は、比較対象の2番目の値のメモリ開始アドレスを計算します。- 変更前は、
x
(最初の値の開始アドレス)に、t->size
をt->align
の倍数に丸めた値(ROUND(t->size, t->align)
)を加算していました。これは、最初の値のサイズがアライメント境界に揃えられていることを保証するためのものでした。
-
y = x + t->size;
(変更後)- 変更後は、
x
に直接t->size
を加算しています。 - この変更は、
t->size
が既にアライメントの考慮を含んだ値であるため、ROUND
による追加の丸め処理が不要であることを示しています。これにより、y
は最初の値の直後に続く2番目の値の正しい開始アドレスを指すことになります。
- 変更後は、
-
ret = (uintptr)(y + t->size);
ret
は、runtime·equal
関数の戻り値(比較結果のブール値)が格納されるメモリ位置を計算します。これは、2番目の値の直後に続くメモリ領域に配置されると想定されます。
-
ret = ROUND(ret, Structrnd);
ret
のアドレスをStructrnd
(構造体のアライメント基準)の倍数に丸めます。これは、戻り値が正しくアライメントされたメモリ位置に書き込まれることを保証するためです。
-
t->alg->equal((bool*)ret, t->size, x, y);
t->alg->equal
は、特定の型t
に対する等価性比較アルゴリズムを呼び出します。- 引数として、比較結果を書き込むアドレス(
ret
をbool*
にキャストしたもの)、比較対象のサイズ(t->size
)、そして比較対象の2つの値のアドレス(x
とy
)を渡します。
この変更は、y
の計算における冗長なアライメント処理を削除することで、コードの正確性を保ちつつ、より効率的なメモリポインタの計算を実現しています。
関連リンク
- このコミットのGo CL: https://golang.org/cl/6459051
- 関連するGo CL (CL 6452046): このコミットで言及されている「Introduced in CL 6452046」のCLは、以下のリンクで確認できます。
- https://golang.org/cl/6452046
- このCLは "runtime: make equal and hash functions use Type.size" というタイトルで、
Type.size
フィールドを使用するようにequal
およびhash
関数を変更したものです。この変更により、Type.size
がアライメントを考慮した値を持つようになったため、今回のコミットでROUND(t->size, t->align)
が不要になったと考えられます。
参考にした情報源リンク
- Go言語のソースコード (特に
src/pkg/runtime/
) - Go言語のCL (Change List) レビューシステム
- メモリのアライメントに関する一般的なコンピュータサイエンスの知識
- C言語のポインタとメモリ操作に関する知識
- Go言語の内部実装に関する議論やドキュメント (Goの公式ドキュメントやブログ、Goのメーリングリストなど)
- Goのランタイムに関する一般的な情報: https://go.dev/doc/
- Goの内部実装に関するより詳細な情報(非公式なものも含む)は、Goのコミュニティやブログ記事で探すことができます。