Keyboard shortcuts

Press or to navigate between chapters

Press S or / to search in the book

Press ? to show this help

Press Esc to hide this help

[インデックス 13611] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のmisc/cgo/lifeディレクトリにあるlife.goファイルを修正しています。このファイルは、CGo(GoからC言語のコードを呼び出す機能)を使用したConway's Game of Lifeのサンプルまたはテストコードの一部であると考えられます。変更の目的は、Windows/amd64環境でのビルドエラーを修正することです。

コミット

commit ef96d724e54a3f98d08f4ff2b731df8dbcb614db
Author: Alex Brainman <alex.brainman@gmail.com>
Date:   Thu Aug 9 17:00:31 2012 +1000

    misc/cgo/life: explicitly specify library for assert function (fixes windows/amd64 build)
    
    R=golang-dev, dave
    CC=golang-dev, minux.ma
    https://golang.org/cl/6461065

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/ef96d724e54a3f98d08f4ff2b731df8dbcb614db

元コミット内容

misc/cgo/life: explicitly specify library for assert function (fixes windows/amd64 build)

このコミットは、assert関数に対するライブラリを明示的に指定することで、Windows/amd64環境でのビルド問題を修正することを目的としています。

変更の背景

Go言語のCGo機能を使用してC言語のコードを呼び出す際、特に異なるオペレーティングシステムやアーキテクチャ(この場合はWindows/amd64)でビルドを行うと、リンカがC言語の標準ライブラリ関数(assertなど)を見つけられないという問題が発生することがあります。

assert関数はC標準ライブラリの一部であり、通常は自動的にリンクされますが、Windows環境、特にMinGWやCygwinのようなツールチェーンを使用する場合、または特定のGoのビルド設定では、リンカがassert関数を含むライブラリを自動的に解決できないことがあります。このコミットは、このようなリンキングの問題がWindows/amd64環境で発生し、ビルドが失敗していたことを示唆しています。

この問題に対処するため、CGoの#cgoディレクティブを用いて、Windowsビルド時に必要なライブラリを明示的にリンカに指定する必要がありました。

前提知識の解説

  • CGo: Go言語のプログラムからC言語のコードを呼び出すためのGoの機能です。import "C"という特別なインポート文を使用することで、Goのコード内でCの関数や型を直接利用できるようになります。CGoは、既存のCライブラリをGoプロジェクトに統合したり、パフォーマンスが重要な部分をCで記述したりする際に役立ちます。
  • #cgo ディレクティブ: CGoを使用する際に、Cコンパイラやリンカに渡すフラグを指定するための特殊なコメント行です。Goのソースファイル内で// #cgo [条件] [フラグタイプ]: [フラグ]の形式で記述されます。
    • 条件: 特定のOSやアーキテクチャにのみフラグを適用する場合に指定します(例: windows, linux, amd64, arm)。条件を省略すると、すべてのプラットフォームに適用されます。
    • フラグタイプ: CFLAGS (Cコンパイラフラグ), CPPFLAGS (Cプリプロセッサフラグ), CXXFLAGS (C++コンパイラフラグ), FFLAGS (Fortranコンパイラフラグ), LDFLAGS (リンカフラグ) などがあります。
  • LDFLAGS: リンカに渡すオプションを指定するためのフラグタイプです。主に、プログラムが依存するライブラリのパスや名前を指定するために使用されます。例えば、-L/path/to/libはライブラリの検索パスを追加し、-lnamelibname.alibname.so(Linux)またはname.lib(Windows)といったライブラリをリンクするようリンカに指示します。
  • -lmsvcrt: これは、Microsoft Visual C++ Runtime Library (MSVCRT) をリンクするためのリンカフラグです。Windows環境でC言語の標準ライブラリ関数(printf, malloc, assertなど)を使用する際に、これらの関数が実装されているランタイムライブラリを明示的にリンクする必要がある場合に指定されます。
  • assert 関数: C言語の標準ライブラリ(<assert.h>で定義)に含まれるマクロ関数です。プログラムのデバッグ時に、特定の条件が真であることを確認するために使用されます。assert(condition)のように記述し、conditionが偽(0)の場合、エラーメッセージを出力してプログラムを異常終了させます。これは、開発中に予期せぬ状態を早期に発見するために非常に有用です。
  • Windows/amd64ビルド: GoプログラムをWindowsオペレーティングシステム上で、AMD64(x86-64)アーキテクチャ向けにコンパイルおよびリンクすることです。Goはクロスコンパイルをサポートしていますが、CGoを使用する場合は、ターゲットOSとアーキテクチャに対応するCコンパイラとリンカが正しく設定されている必要があります。

技術的詳細

このコミットの技術的な核心は、CGoのビルドプロセスにおけるWindows環境特有のリンキング問題の解決です。

misc/cgo/life/life.goファイルは、CGoを使用してC言語のコード(おそらくlife.hで定義されたassert関数を使用するコード)を呼び出しています。Windows/amd64環境でこのGoプログラムをビルドする際、リンカはCコード内で使用されているassert関数の定義を見つけることができませんでした。これは、assert関数が通常含まれるCランタイムライブラリが、デフォルトのリンキング設定では自動的に含まれていなかったためと考えられます。

解決策として、life.goのCGoディレクティブに以下の行が追加されました。

// #cgo windows LDFLAGS: -lmsvcrt

この行は、Goのビルドシステムに対して、以下の指示を与えます。

  1. windows: このリンカフラグは、ターゲットOSがWindowsの場合にのみ適用されます。これにより、他のOS(LinuxやmacOSなど)でのビルドには影響を与えません。
  2. LDFLAGS: -lmsvcrt: リンカに対して、msvcrtライブラリをリンクするよう指示します。msvcrtはMicrosoft Visual C++ Runtime Libraryの略で、Windows上でC標準ライブラリ関数(assertを含む)の実装を提供します。

この変更により、Windows/amd64環境でlife.goがビルドされる際、リンカはassert関数の定義をmsvcrtライブラリ内で見つけることができるようになり、ビルドエラーが解消されました。これは、クロスプラットフォーム開発において、特定のプラットフォームでCGoが正しく動作するために、プラットフォーム固有のリンカフラグが必要となる典型的な例です。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/misc/cgo/life/life.go
+++ b/misc/cgo/life/life.go
@@ -6,6 +6,7 @@
 
  package life
  
+// #cgo windows LDFLAGS: -lmsvcrt
  // #include "life.h"
  import "C"
  

コアとなるコードの解説

追加された行 // #cgo windows LDFLAGS: -lmsvcrt がこのコミットの核心です。

  • //: Go言語におけるコメントです。しかし、CGoは// #cgoで始まる行を特別なディレクティブとして解釈します。
  • #cgo: CGoディレクティブの開始を示します。
  • windows: このディレクティブがWindowsオペレーティングシステムをターゲットとするビルドにのみ適用されることを指定する条件です。これにより、Goのクロスコンパイル機能を利用して、Windows以外のプラットフォームでビルドする際にはこのリンカフラグは無視されます。
  • LDFLAGS: リンカに渡すフラグを指定するためのキーワードです。
  • -lmsvcrt: リンカフラグの実体です。これは、リンカに対してmsvcrtという名前のライブラリをリンクするよう指示します。msvcrtはMicrosoft Visual C++ Runtime Libraryの略で、Windows環境でC言語の標準ライブラリ関数(assertなど)の実装を提供します。

この一行を追加することで、Windows/amd64環境でlife.goがビルドされる際に、Cコード内で使用されているassert関数が正しく解決され、ビルドが成功するようになります。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語のCGoに関する公式ドキュメント (上記と同じ)
  • Microsoft Visual C++ Runtime Library (MSVCRT) に関する一般的な情報 (Web検索による)
  • C言語のassert関数に関する一般的な情報 (Web検索による)
  • Go言語のクロスコンパイルとCGoに関するコミュニティの議論 (Web検索による)

[インデックス 13611] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のmisc/cgo/lifeディレクトリにあるlife.goファイルを修正しています。このファイルは、CGo(GoからC言語のコードを呼び出す機能)を使用したConway's Game of Lifeのサンプルまたはテストコードの一部であると考えられます。変更の目的は、Windows/amd64環境でのビルドエラーを修正することです。

コミット

commit ef96d724e54a3f98d08f4ff2b731df8dbcb614db
Author: Alex Brainman <alex.brainman@gmail.com>
Date:   Thu Aug 9 17:00:31 2012 +1000

    misc/cgo/life: explicitly specify library for assert function (fixes windows/amd64 build)
    
    R=golang-dev, dave
    CC=golang-dev, minux.ma
    https://golang.org/cl/6461065

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/ef96d724e54a3f98d08f4ff2b731df8dbcb614db

元コミット内容

misc/cgo/life: explicitly specify library for assert function (fixes windows/amd64 build)

このコミットは、assert関数に対するライブラリを明示的に指定することで、Windows/amd64環境でのビルド問題を修正することを目的としています。

変更の背景

Go言語のCGo機能を使用してC言語のコードを呼び出す際、特に異なるオペレーティングシステムやアーキテクチャ(この場合はWindows/amd64)でビルドを行うと、リンカがC言語の標準ライブラリ関数(assertなど)を見つけられないという問題が発生することがあります。

assert関数はC標準ライブラリの一部であり、通常は自動的にリンクされますが、Windows環境、特にMinGWやCygwinのようなツールチェーンを使用する場合、または特定のGoのビルド設定では、リンカがassert関数を含むライブラリを自動的に解決できないことがあります。このコミットは、このようなリンキングの問題がWindows/amd64環境で発生し、ビルドが失敗していたことを示唆しています。

この問題に対処するため、CGoの#cgoディレクティブを用いて、Windowsビルド時に必要なライブラリを明示的にリンカに指定する必要がありました。

前提知識の解説

  • CGo: Go言語のプログラムからC言語のコードを呼び出すためのGoの機能です。import "C"という特別なインポート文を使用することで、Goのコード内でCの関数や型を直接利用できるようになります。CGoは、既存のCライブラリをGoプロジェクトに統合したり、パフォーマンスが重要な部分をCで記述したりする際に役立ちます。
  • #cgo ディレクティブ: CGoを使用する際に、Cコンパイラやリンカに渡すフラグを指定するための特殊なコメント行です。Goのソースファイル内で// #cgo [条件] [フラグタイプ]: [フラグ]の形式で記述されます。
    • 条件: 特定のOSやアーキテクチャにのみフラグを適用する場合に指定します(例: windows, linux, amd64, arm)。条件を省略すると、すべてのプラットフォームに適用されます。
    • フラグタイプ: CFLAGS (Cコンパイラフラグ), CPPFLAGS (Cプリプロセッサフラグ), CXXFLAGS (C++コンパイラフラグ), FFLAGS (Fortranコンパイラフラグ), LDFLAGS (リンカフラグ) などがあります。
  • LDFLAGS: リンカに渡すオプションを指定するためのフラグタイプです。主に、プログラムが依存するライブラリのパスや名前を指定するために使用されます。例えば、-L/path/to/libはライブラリの検索パスを追加し、-lnamelibname.alibname.so(Linux)またはname.lib(Windows)といったライブラリをリンクするようリンカに指示します。
  • -lmsvcrt: これは、Microsoft Visual C++ Runtime Library (MSVCRT) をリンクするためのリンカフラグです。Windows環境でC言語の標準ライブラリ関数(printf, malloc, assertなど)を使用する際に、これらの関数が実装されているランタイムライブラリを明示的にリンクする必要がある場合に指定されます。
  • assert 関数: C言語の標準ライブラリ(<assert.h>で定義)に含まれるマクロ関数です。プログラムのデバッグ時に、特定の条件が真であることを確認するために使用されます。assert(condition)のように記述し、conditionが偽(0)の場合、エラーメッセージを出力してプログラムを異常終了させます。これは、開発中に予期せぬ状態を早期に発見するために非常に有用です。
  • Windows/amd64ビルド: GoプログラムをWindowsオペレーティングシステム上で、AMD64(x86-64)アーキテクチャ向けにコンパイルおよびリンクすることです。Goはクロスコンパイルをサポートしていますが、CGoを使用する場合は、ターゲットOSとアーキテクチャに対応するCコンパイラとリンカが正しく設定されている必要があります。

技術的詳細

このコミットの技術的な核心は、CGoのビルドプロセスにおけるWindows環境特有のリンキング問題の解決です。

misc/cgo/life/life.goファイルは、CGoを使用してC言語のコード(おそらくlife.hで定義されたassert関数を使用するコード)を呼び出しています。Windows/amd64環境でこのGoプログラムをビルドする際、リンカはCコード内で使用されているassert関数の定義を見つけることができませんでした。これは、assert関数が通常含まれるCランタイムライブラリが、デフォルトのリンキング設定では自動的に含まれていなかったためと考えられます。

解決策として、life.goのCGoディレクティブに以下の行が追加されました。

// #cgo windows LDFLAGS: -lmsvcrt

この行は、Goのビルドシステムに対して、以下の指示を与えます。

  1. windows: このリンカフラグは、ターゲットOSがWindowsの場合にのみ適用されます。これにより、他のOS(LinuxやmacOSなど)でのビルドには影響を与えません。
  2. LDFLAGS: -lmsvcrt: リンカに対して、msvcrtライブラリをリンクするよう指示します。msvcrtはMicrosoft Visual C++ Runtime Libraryの略で、Windows上でC標準ライブラリ関数(assertを含む)の実装を提供します。

この変更により、Windows/amd64環境でlife.goがビルドされる際、リンカはassert関数の定義をmsvcrtライブラリ内で見つけることができるようになり、ビルドエラーが解消されました。これは、クロスプラットフォーム開発において、特定のプラットフォームでCGoが正しく動作するために、プラットフォーム固有のリンカフラグが必要となる典型的な例です。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/misc/cgo/life/life.go
+++ b/misc/cgo/life/life.go
@@ -6,6 +6,7 @@
 
  package life
  
+// #cgo windows LDFLAGS: -lmsvcrt
  // #include "life.h"
  import "C"
  

コアとなるコードの解説

追加された行 // #cgo windows LDFLAGS: -lmsvcrt がこのコミットの核心です。

  • //: Go言語におけるコメントです。しかし、CGoは// #cgoで始まる行を特別なディレクティブとして解釈します。
  • #cgo: CGoディレクティブの開始を示します。
  • windows: このディレクティブがWindowsオペレーティングシステムをターゲットとするビルドにのみ適用されることを指定する条件です。これにより、Goのクロスコンパイル機能を利用して、Windows以外のプラットフォームでビルドする際にはこのリンカフラグは無視されます。
  • LDFLAGS: リンカに渡すフラグを指定するためのキーワードです。
  • -lmsvcrt: リンカフラグの実体です。これは、リンカに対してmsvcrtという名前のライブラリをリンクするよう指示します。msvcrtはMicrosoft Visual C++ Runtime Libraryの略で、Windows環境でC言語の標準ライブラリ関数(assertなど)の実装を提供します。

この一行を追加することで、Windows/amd64環境でlife.goがビルドされる際に、Cコード内で使用されているassert関数が正しく解決され、ビルドが成功するようになります。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語のCGoに関する公式ドキュメント (上記と同じ)
  • Microsoft Visual C++ Runtime Library (MSVCRT) に関する一般的な情報 (Web検索による)
  • C言語のassert関数に関する一般的な情報 (Web検索による)
  • Go言語のクロスコンパイルとCGoに関するコミュニティの議論 (Web検索による)