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[インデックス 13939] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリであるtestingパッケージのドキュメントに、-test.benchフラグに関する説明を追加するものです。これにより、ベンチマークテストの実行方法に関する情報がより明確になり、ユーザーがGoのテストツールを効果的に利用できるようになります。

コミット

commit b7cbfe6acee5cb41768a7c2d4fc63da2eea4614c
Author: Francesc Campoy <campoy@golang.org>
Date:   Mon Sep 24 13:05:47 2012 -0700

    testing: document -test.bench flag
    
    Fixes #4080.
    
    R=rsc, adg
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/6553068

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/b7cbfe6acee5cb41768a7c2d4fc63da2eea4614c

元コミット内容

    testing: document -test.bench flag
    
    Fixes #4080.
    
    R=rsc, adg
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/6553068

変更の背景

このコミットは、GoのIssueトラッカーで報告されたIssue #4080を修正するために行われました。Issue #4080は、go testコマンドの-test.benchフラグに関するドキュメントが不足していることを指摘していたと考えられます。Goのtestingパッケージは、ユニットテストだけでなく、ベンチマークテストもサポートしており、-test.benchフラグはベンチマークテストを実行するために不可欠なオプションです。このフラグの役割が明確に文書化されていないと、開発者がベンチマーク機能を適切に利用することが困難になるため、ドキュメントの追加が必要とされました。

前提知識の解説

Go言語のtestingパッケージ

Go言語には、標準ライブラリとしてtestingパッケージが提供されており、ユニットテスト、ベンチマークテスト、および例(Example)の記述をサポートしています。

  • ユニットテスト: 関数名がTestXxxの形式で、引数に*testing.Tを取る関数として定義されます。go testコマンドで実行されます。
  • ベンチマークテスト: 関数名がBenchmarkXxxの形式で、引数に*testing.Bを取る関数として定義されます。コードのパフォーマンスを測定するために使用され、通常はgo test -bench=.のように-benchフラグを指定して実行されます。
  • 例(Example): 関数名がExampleXxxの形式で、引数なしで定義されます。ドキュメントの一部として表示され、コードの利用例を示すために使われます。

go testコマンドとフラグ

go testコマンドは、Goのテストを実行するための主要なツールです。このコマンドには、テストの挙動を制御するための様々なフラグが用意されています。

  • -bench regexp: ベンチマークテストを実行するためのフラグです。regexpにマッチするベンチマーク関数が実行されます。.を指定すると、すべてのベンチマーク関数が実行されます。
  • -v: 詳細なテスト結果を表示します。
  • -run regexp: ユニットテストを実行するためのフラグです。regexpにマッチするテスト関数が実行されます。

ドキュメンテーションの重要性

ソフトウェア開発において、適切なドキュメンテーションは非常に重要です。特に、コマンドラインツールやライブラリのAPIに関するドキュメントは、ユーザーがその機能を理解し、効果的に利用するために不可欠です。ドキュメントが不足していると、ユーザーはツールの使い方を推測するか、ソースコードを直接読む必要があり、生産性が低下します。

技術的詳細

このコミットは、src/pkg/testing/testing.goファイルのコメント部分に、-test.benchフラグに関する説明を追加することで、ドキュメントの改善を図っています。Goのソースコード内のコメントは、go docコマンドやGoの公式ドキュメントサイトで表示されるドキュメントの基になります。したがって、ソースコード内のコメントを更新することは、ユーザー向けの公式ドキュメントを更新することに直結します。

具体的には、ベンチマーク関数の説明の直後に、-test.benchフラグがベンチマークの実行に必要であること、そしてテストフラグの完全な説明がhttp://golang.org/cmd/go/#Description_of_testing_flagsで参照できることを追記しています。これにより、ユーザーはベンチマークテストの実行方法を理解し、さらに詳細な情報が必要な場合には、公式ドキュメントへのリンクを辿ることができます。

この変更は、Goのテストフレームワークの使いやすさを向上させ、開発者がパフォーマンス測定をより簡単に行えるようにすることを目的としています。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/pkg/testing/testing.go
+++ b/src/pkg/testing/testing.go
@@ -14,6 +14,9 @@
 //     func BenchmarkXxx(*testing.B)\n // are considered benchmarks, and are executed by the \"go test\" command when\n // the -test.bench flag is provided. Benchmarks are run sequentially.\n+// \n+// For a description of the testing flags, see\n+// http://golang.org/cmd/go/#Description_of_testing_flags.\n //\n // A sample benchmark function looks like this:\n //     func BenchmarkHello(b *testing.B) {\

コアとなるコードの解説

変更はsrc/pkg/testing/testing.goファイルの14行目付近に集中しています。

追加された3行は以下の通りです。

// 
// For a description of the testing flags, see
// http://golang.org/cmd/go/#Description_of_testing_flags.

これらの行は、既存のコメントブロック内に挿入されています。既存のコメントは、BenchmarkXxx形式の関数がベンチマークとして認識され、-test.benchフラグが提供されたときにgo testコマンドによって実行されることを説明しています。

追加されたコメントは、この説明を補足し、Goのテストフラグに関するより包括的な情報が記載されている公式ドキュメントのURL(http://golang.org/cmd/go/#Description_of_testing_flags)を明示的に示しています。これにより、ユーザーはベンチマークテストの実行方法だけでなく、go testコマンドが提供する他のすべてのフラグについても、簡単に情報を得られるようになりました。

この変更は、コードの機能には影響を与えず、純粋にドキュメンテーションの改善を目的としています。

関連リンク

参考にした情報源リンク