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[インデックス 14004] ファイルの概要

このコミットは、Goプロジェクトのコードレビューツールである codereview.py スクリプトに対する変更です。具体的には、Mercurialのバージョンが古い場合に表示されるエラーメッセージの内容を修正し、Mercurialのインストール方法に関する推奨事項を更新しています。

コミット

このコミットは、lib/codereview/codereview.py ファイルにおいて、Mercurialの推奨インストール方法に関するメッセージを更新するものです。以前は sudo easy_install mercurial コマンドを推奨していましたが、このコミットでは公式ダウンロードページへのリンクのみを提示するように変更されました。これにより、ユーザーはより信頼性の高い方法でMercurialをインストールできるようになります。

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/10ea3254a87f1bed2f9519c3349ddaa2fef86d7f

元コミット内容

codereview.py: suggest installing Mercurial from official website

Continuation of https://golang.org/cl/6499053/

R=golang-dev, minux.ma
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/6584059

変更の背景

この変更の背景には、easy_install を使用したMercurialのインストールが、必ずしも最新かつ推奨される方法ではないという認識があります。easy_install はPythonのパッケージ管理ツールの一つですが、より新しい pip が登場し、またMercurialのようなシステムレベルのツールは、OSのパッケージマネージャーや公式のダウンロードページからインストールする方が、安定性やセキュリティの面で望ましい場合があります。

Goプロジェクトでは、コードレビューにMercurialを使用するツール (codereview.py) が存在しており、ユーザーが古いMercurialバージョンを使用している場合に、適切なアップグレード方法を提示する必要がありました。以前のメッセージでは easy_install を直接推奨していましたが、これは環境によっては問題を引き起こす可能性がありました。そのため、より汎用的で安全な「公式ダウンロードページからのインストール」を推奨するように変更されました。これは、以前の変更 (CL 6499053) の継続であり、Mercurialのインストールに関するガイダンスを改善する取り組みの一環です。

前提知識の解説

  • Mercurial (Hg): Mercurialは、Gitと同様に分散型バージョン管理システム (DVCS) の一つです。大規模なプロジェクトや、履歴の整合性を重視するプロジェクトで利用されることがあります。Goプロジェクトの初期には、Mercurialがバージョン管理システムとして広く利用されており、Goのコードベース自体もMercurialで管理されていました。
  • codereview.py: これはGoプロジェクトで使用されていたPythonスクリプトで、Mercurialリポジトリと連携してコードレビュープロセスを支援するツールです。変更の提出、レビューコメントの取得、パッチの適用など、コードレビューワークフローを効率化するために利用されていました。
  • easy_install: Pythonのパッケージ管理ツールの一つで、Python Package Index (PyPI) からパッケージをインストールするために使用されます。しかし、現在では pip がPythonの標準的なパッケージインストーラとして広く推奨されており、easy_install は非推奨となっています。
  • Goプロジェクトのコードレビュープロセス: Goプロジェクトでは、変更をコミットする前に厳格なコードレビュープロセスが実施されます。これは、コードの品質、一貫性、および正確性を保証するためです。codereview.py のようなツールは、このプロセスを円滑に進めるために重要な役割を果たしていました。

技術的詳細

このコミットの技術的な変更は、lib/codereview/codereview.py ファイル内のエラーメッセージの文字列リテラルを修正することに集約されます。

具体的には、Mercurialのバージョンが要件を満たさない場合に表示される old_message という複数行文字列の定義が変更されています。

変更前:

old_message = """
The code review extension requires Mercurial """+hg_required+""" or newer.
You are using Mercurial """+hgversion+""".

To install a new Mercurial, use

	sudo easy_install mercurial=="""+hg_suggested+"""

or visit http://mercurial.selenic.com/downloads/.
"""

このメッセージでは、sudo easy_install mercurial== に続けて推奨バージョンをインストールするコマンドが提示されていました。

変更後:

old_message = """
The code review extension requires Mercurial """+hg_required+""" or newer.
You are using Mercurial """+hgversion+""".

To install a new Mercurial, visit http://mercurial.selenic.com/downloads/.
"""

変更後では、sudo easy_install を使用したインストール方法の記述が完全に削除され、代わりにMercurialの公式ダウンロードページ (http://mercurial.selenic.com/downloads/) へのリンクのみが残されています。

この変更は、以下の技術的な考慮に基づいています。

  1. easy_install の非推奨化: 前述の通り、Pythonコミュニティでは pip が標準的なパッケージインストーラとなっており、easy_install は推奨されなくなっています。古いツールを推奨し続けることは、ユーザーに混乱を与えたり、依存関係の問題を引き起こしたりする可能性があります。
  2. システム全体のMercurialインストール: Mercurialは通常、システム全体にインストールされるツールであり、easy_install でインストールすると、システムに既に存在するMercurialのバージョンと競合したり、予期せぬ問題を引き起こしたりする可能性があります。公式のダウンロードページでは、OSごとの推奨されるインストール方法(例:apt, yum, brewなどのパッケージマネージャーの使用)が案内されており、より堅牢なインストールが期待できます。
  3. セキュリティと信頼性: 公式サイトからのダウンロードは、通常、署名されたパッケージや検証済みのインストーラを提供するため、セキュリティの観点からもより信頼性が高いとされています。

この変更は、ユーザーがMercurialをインストールする際のガイダンスを改善し、より安全で推奨される方法に誘導することを目的としています。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/lib/codereview/codereview.py
+++ b/lib/codereview/codereview.py
@@ -1039,11 +1039,7 @@ old_message = """
 The code review extension requires Mercurial """+hg_required+""" or newer.
 You are using Mercurial """+hgversion+""".
 
-To install a new Mercurial, use
-
-	sudo easy_install mercurial=="""+hg_suggested+"""
-
-or visit http://mercurial.selenic.com/downloads/.
+To install a new Mercurial, visit http://mercurial.selenic.com/downloads/.
 """
 
 linux_message = """

コアとなるコードの解説

変更は lib/codereview/codereview.py ファイルの old_message 変数に集中しています。

  • - で始まる行: 削除された行を示します。

    • To install a new Mercurial, use
    • sudo easy_install mercurial=="""+hg_suggested+"""
    • or visit http://mercurial.selenic.com/downloads/. これらの行は、easy_install を使用したMercurialのインストール方法と、公式ダウンロードページへのリンクを併記していました。
  • + で始まる行: 追加された行を示します。

    • To install a new Mercurial, visit http://mercurial.selenic.com/downloads/. この行は、easy_install の推奨を削除し、公式ダウンロードページへのリンクのみを提示するように変更された新しいメッセージです。

この変更により、codereview.py がMercurialのバージョンが古いことを検出した場合に表示するメッセージが、easy_install を介したインストール方法の推奨を削除し、Mercurialの公式ダウンロードページへの直接的な案内のみを提供するようになりました。これは、ユーザーがMercurialをインストールする際に、より適切で信頼性の高い情報源に誘導することを目的としています。

関連リンク

参考にした情報源リンク