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[インデックス 14027] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のドキュメントツールであるcodewalkが、新しいjQueryバージョン1.8.2で正しく動作するようにするための修正です。具体的には、codewalk.js内のjQueryセレクタの初期化方法が変更され、バンドルされているjQueryライブラリとの互換性が確保されました。

コミット

commit 4077819f558bd7020bc6d66da6827ce97ce63b99
Author: Shenghou Ma <minux.ma@gmail.com>
Date:   Fri Oct 5 23:51:40 2012 +0800

    doc/codewalk: make it work with jQuery 1.8.2
        so that it could work with the bundled jQuery.
    
    R=adg
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/6592073

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/4077819f558bd7020bc6d66da6827ce97ce63b99

元コミット内容

doc/codewalk: make it work with jQuery 1.8.2
    so that it could work with the bundled jQuery.

R=adg
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/6592073

変更の背景

このコミットの背景には、doc/codewalkツールが使用しているjQueryライブラリのバージョンアップがあります。コミットメッセージによると、codewalkはjQuery 1.8.2で動作するように修正されました。これは、おそらくGoプロジェクト内で使用されるjQueryのバージョンが更新され、それに伴いcodewalk.js内の既存のjQuery利用方法が新しいバージョンと互換性がなくなったためと考えられます。特に「bundled jQuery」(バンドルされたjQuery)という記述から、codewalkがGoのドキュメントシステムに組み込まれた特定のjQueryバージョンを使用しており、そのバージョンが1.8.2に更新されたことが示唆されます。

jQueryのバージョンアップでは、APIの変更や内部動作の調整が行われることがよくあります。この場合、以前のバージョンでは問題なく動作していたjQuery()(引数なしのセレクタ)の挙動が、jQuery 1.8.2で変更されたか、あるいは特定のコンテキストでの使用が推奨されなくなった可能性があります。その結果、codewalk.jsが期待通りに動作しなくなり、明示的にDOM要素を指定するセレクタjQuery('#codewalk-main')に変更する必要が生じたと推測されます。

前提知識の解説

jQuery

jQueryは、JavaScriptの高速で小規模、かつ機能豊富なJavaScriptライブラリです。HTMLのDOM操作、イベントハンドリング、アニメーション、Ajaxなどを、より簡単でクロスブラウザ互換性のある方法で記述できるように設計されています。 jQuery()または$はjQueryのメイン関数であり、通常はDOM要素を選択したり、新しいDOM要素を作成したり、ユーティリティ関数にアクセスしたりするために使用されます。

$(document).ready()

$(document).ready(function() { ... });は、jQueryで非常に頻繁に使用される構文です。これは、DOM(Document Object Model)が完全にロードされ、解析された後に指定された関数を実行することを保証します。これにより、JavaScriptコードがDOM要素にアクセスしようとしたときに、まだそれらの要素が存在しないという問題を回避できます。

Codewalk

"Codewalk"(コードウォーク)は、ソフトウェア開発の文脈で、コードベースを段階的に見ていくプロセスを指すことがあります。特にGo言語の文脈では、Goの公式ドキュメントやチュートリアルで、コードの実行フローや特定の機能の実装をインタラクティブに解説するために使用されるツールや形式を指すことがあります。これは、コードスニペットとそれに対応する説明が順を追って表示され、読者がコードの動作を理解しやすくするためのものです。doc/codewalkというパスから、Goのドキュメントの一部として提供されるインタラクティブなコード解説ツールであることがわかります。

バンドルされたjQuery

「バンドルされたjQuery」とは、特定のアプリケーションやフレームワーク、またはドキュメントシステム(この場合はGoのcodewalk)に、その動作に必要なjQueryライブラリの特定のバージョンが同梱されている状態を指します。これにより、外部のCDNに依存することなく、アプリケーションが常に正しいバージョンのjQueryを使用することが保証されます。

技術的詳細

このコミットの技術的な変更は、doc/codewalk/codewalk.jsファイル内のjQueryの初期化部分にあります。

変更前:

jQuery(document).ready(function() {
  var viewer = new CodewalkViewer(jQuery());
  // ...
});

変更後:

jQuery(document).ready(function() {
  var viewer = new CodewalkViewer(jQuery('#codewalk-main'));
  // ...
});

この変更の核心は、CodewalkViewerコンストラクタに渡されるjQueryオブジェクトの生成方法です。

  • 変更前 (jQuery()): 引数なしでjQuery()を呼び出すと、jQueryのバージョンによっては、空のjQueryオブジェクトが返されるか、あるいは現在のドキュメントのコンテキストが暗黙的に設定されることがありました。しかし、jQuery 1.8.2では、引数なしのjQuery()の挙動が変更されたか、または特定のコンテキストでの使用が非推奨になった可能性があります。特に、jQuery 1.8.x系では、セレクタのパフォーマンス改善や内部的な最適化が行われており、空のセレクタや不適切なコンテキストでの初期化が予期せぬ挙動を引き起こす可能性がありました。
  • 変更後 (jQuery('#codewalk-main')): 明示的にIDセレクタ'#codewalk-main'を指定することで、CodewalkViewerが操作する対象となるDOM要素が明確に定義されます。#codewalk-mainは、codewalkのメインコンテンツを保持するHTML要素のIDであると推測されます。これにより、jQuery 1.8.2が期待する形式でjQueryオブジェクトが初期化され、CodewalkViewerが正しくDOM要素を操作できるようになります。

この修正は、jQueryのバージョンアップに伴うAPIの厳格化や内部的な変更に対応するための典型的なパターンです。特に、引数なしのセレクタは、意図しないグローバルなコンテキストを生成したり、パフォーマンス上の問題を引き起こしたりする可能性があるため、新しいバージョンではより具体的なセレクタの使用が推奨される傾向があります。

コアとなるコードの変更箇所

diff --git a/doc/codewalk/codewalk.js b/doc/codewalk/codewalk.js
index f780bc7a57..eb4667ac0c 100644
--- a/doc/codewalk/codewalk.js
+++ b/doc/codewalk/codewalk.js
@@ -297,7 +297,7 @@ CodewalkViewer.prototype.updateHeight = function() {
 };
 
 jQuery(document).ready(function() {
-  var viewer = new CodewalkViewer(jQuery());
+  var viewer = new CodewalkViewer(jQuery('#codewalk-main'));
   viewer.selectFirstComment();
   viewer.targetCommentLinksAtBlank();
   viewer.installEventHandlers();

コアとなるコードの解説

変更された行は以下の通りです。

- var viewer = new CodewalkViewer(jQuery()); + var viewer = new CodewalkViewer(jQuery('#codewalk-main'));

この変更は、CodewalkViewerオブジェクトを初期化する際に渡されるjQueryオブジェクトの生成方法を修正しています。

  • 変更前: jQuery()は、引数なしでjQueryオブジェクトを生成していました。これは、jQueryの古いバージョンでは、空のjQueryセットを返すか、あるいはドキュメントルートを暗黙的にコンテキストとして扱うことがありました。しかし、jQuery 1.8.2では、この引数なしの呼び出しが、CodewalkViewerが期待するDOMコンテキストを提供しなくなったか、またはエラーを引き起こすようになりました。
  • 変更後: jQuery('#codewalk-main')は、IDがcodewalk-mainであるDOM要素を明示的に選択し、その要素を含むjQueryオブジェクトを生成します。これにより、CodewalkViewerは、codewalk-mainというIDを持つHTML要素を基点として、その内部のDOM要素を操作できるようになります。これは、codewalkの表示領域や主要なコンテナ要素を正確に指定することで、jQuery 1.8.2との互換性を確保し、codewalkの機能が正しく動作するようにするための修正です。

この修正により、CodewalkViewerは、特定のDOM要素(#codewalk-main)をコンテキストとして受け取るようになり、jQuery 1.8.2の挙動と整合性が取れるようになりました。

関連リンク

参考にした情報源リンク