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[インデックス 1418] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のコンパイラの一部である src/cmd/gc/walk.c ファイルに対する変更です。walk.c は、Goコンパイラの「ウォーカー」フェーズを担当するファイルで、抽象構文木(AST)を走査し、最適化やコード生成のための変換を行います。具体的には、この変更はGo言語における複合リテラル(&Point{1,2} のような構文)の内部的な処理方法を調整しています。

コミット

このコミットは、Go言語のコンパイラが &Point{1,2} のような複合リテラルを処理する方法を更新しています。以前は OMAKE という内部操作を使用していた箇所を ONEW に変更し、型の扱いも n->left->type を参照するように修正しています。これは、Go言語の new キーワードと複合リテラルのセマンティクスをより正確に反映させるためのコンパイラ内部の調整と考えられます。

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/dabdfa6ccea0f1573f55cf746bf73f12f8c1aa1d

元コミット内容

commit dabdfa6ccea0f1573f55cf746bf73f12f8c1aa1d
Author: Russ Cox <rsc@golang.org>
Date:   Tue Jan 6 15:24:12 2009 -0800

    new new &Point{1,2}
    
    R=ken
    OCL=22168
    CL=22168

変更の背景

このコミットは、Go言語の初期開発段階(2009年)に行われたものです。当時のGo言語はまだ活発に進化しており、言語仕様やコンパイラの内部実装が頻繁に調整されていました。この変更の背景には、Go言語における値の初期化とメモリ割り当てに関するセマンティクスをより明確にし、new キーワードと複合リテラル(&T{...})の挙動を統一的かつ効率的に処理するためのコンパイラ側の改善があったと考えられます。

具体的には、new(T) は型 T のゼロ値を割り当て、そのポインタを返します。一方、&T{...} は構造体の複合リテラルであり、指定された値で初期化された T 型のインスタンスを割り当て、そのポインタを返します。これら二つの構文は、結果としてポインタを返すという点で似ていますが、初期化のセマンティクスが異なります。コンパイラはこれらの違いを適切に内部表現にマッピングする必要があり、このコミットはその調整の一環として、OMAKE から ONEW への変更を通じて、より適切な内部表現を選択したと推測されます。

前提知識の解説

Go言語の new と複合リテラル (&T{...})

  • new(Type): Go言語の組み込み関数 new は、引数として型を取り、その型の新しいゼロ値の項目を割り当て、その項目へのポインタを返します。例えば、p := new(int)int 型のゼロ値(0)を格納するメモリを割り当て、そのアドレスを p に代入します。p*int 型になります。
  • 複合リテラル (&Type{...}): 複合リテラルは、構造体、配列、スライス、マップなどの複合型の値を初期化するための構文です。& を前置することで、その複合リテラルが評価された結果の「アドレス」を取得できます。例えば、p := &Point{X: 1, Y: 2}Point 型の構造体を {X: 1, Y: 2} で初期化し、その構造体が格納されているメモリのアドレスを p に代入します。p*Point 型になります。

このコミットの文脈では、&Point{1,2} のような複合リテラルが、コンパイラ内部でどのようにメモリ割り当てと初期化に変換されるかが重要です。

Goコンパイラ (cmd/gc) と walk.c

  • Goコンパイラ (cmd/gc): Go言語の公式コンパイラは、主に cmd/gc と呼ばれるツールチェーンの一部です。これは、Goのソースコードを機械語に変換する役割を担います。
  • コンパイラのフェーズ: 一般的なコンパイラは、字句解析、構文解析、意味解析、中間コード生成、最適化、コード生成などの複数のフェーズを経て動作します。
  • walk.c: src/cmd/gc/walk.c は、Goコンパイラの「ウォーカー」フェーズの実装が含まれるファイルです。このフェーズでは、構文解析によって生成された抽象構文木(AST: Abstract Syntax Tree)を走査し、意味解析の結果に基づいてASTを変換したり、最適化を行ったり、最終的なコード生成のための準備をしたりします。具体的には、高レベルな言語構造(例えば、複合リテラル)を、より低レベルなコンパイラ内部の操作(例えば、メモリ割り当てやフィールドへの代入)に分解する役割を担います。

コンパイラ内部の操作 (OMAKE, ONEW)

Goコンパイラは、ASTノードのタイプを表すために、OMAKEONEW のような内部的なオペレーションコード(opcode)を使用します。

  • OMAKE: このopcodeは、一般的に「何かを作成する」という広範な意味合いで使われることがあります。初期のコンパイラでは、複合リテラルのような構造体の生成にも使われていた可能性があります。
  • ONEW: このopcodeは、Go言語の new キーワードに対応する内部操作であり、メモリを割り当ててゼロ値を初期化するセマンティクスを表現します。

このコミットでは、&Point{1,2} のような複合リテラルの処理において、OMAKE から ONEW へと内部操作が変更されています。これは、複合リテラルが「新しいメモリを割り当てて初期化する」という new と類似したセマンティクスを持つため、コンパイラ内部でより適切な ONEW を使用することで、コードの整合性や最適化の機会を改善しようとしたものと考えられます。

技術的詳細

このコミットの技術的な核心は、GoコンパイラのAST変換フェーズにおける、複合リテラルの内部表現の変更にあります。

変更前は、&Point{1,2} のような複合リテラルを処理する際に、コンパイラは OMAKE という内部オペレーションコードを持つASTノードを生成していました。この OMAKE ノードには、複合リテラルの型が直接割り当てられていました (nnew->type = t;)。

変更後は、OMAKEONEW に置き換えています。さらに、nnew->type の設定方法も n->left->type に変更されています。

  • OMAKE から ONEW への変更:

    • OMAKE はより汎用的な「作成」操作を意味する可能性がありますが、ONEW はGo言語の new キーワードのセマンティクス、すなわち「メモリを割り当ててゼロ値を初期化し、そのポインタを返す」という操作を直接的に表します。
    • &T{...} 構文は、新しい T 型のインスタンスをメモリに割り当て、指定された値で初期化し、そのポインタを返します。これは new(T) がゼロ値を割り当てるのと似ていますが、初期化のセマンティクスが異なります。しかし、どちらも「新しいメモリ領域を確保し、そのポインタを返す」という点で共通しています。
    • この変更は、コンパイラが &T{...}new(T) と同様に、まずメモリ割り当ての操作として ONEW を使用し、その後にフィールドの初期化を行うという、より統一された内部処理フローを採用したことを示唆しています。これにより、コンパイラのコードがより明確になり、将来的な最適化やバグ修正が容易になる可能性があります。
  • nnew->type = t; から nnew->type = n->left->type; への変更:

    • n は現在のASTノード(おそらく ODOTOIND のようなポインタ操作に関連するノード、または複合リテラル自体を表すノード)を指していると考えられます。
    • n->left は、そのノードの左の子ノードを指します。複合リテラルの文脈では、n->left が複合リテラルが適用される「型」を表すノードである可能性が高いです。
    • したがって、n->left->type は、複合リテラルが初期化している実際の型(例: Point 型)を正確に取得することを意味します。
    • この変更は、ONEW 操作が適用されるべき型をより正確に特定するためのものです。ONEW は特定の型のためのメモリを割り当てるため、その型情報を正確に渡すことが重要です。

これらの変更は、Goコンパイラが複合リテラルを処理する際の内部的な正確性と整合性を向上させることを目的としています。これにより、コンパイラは new&T{...} の両方の構文を、より効率的かつ一貫した方法で機械語に変換できるようになります。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/cmd/gc/walk.c
+++ b/src/cmd/gc/walk.c
@@ -979,8 +979,8 @@ loop:
 		tnvar = nod(0, N, N);
 		tempname(nvar, t);
 
-		tnnew = nod(OMAKE, N, N);
-		tnnew->type = t;
+		tnnew = nod(ONEW, N, N);
+		tnnew->type = n->left->type;
 		tnnew = newcompat(nnew);
 
 		tnas = nod(OAS, nvar, tnnew);

コアとなるコードの解説

このコードスニペットは、src/cmd/gc/walk.c 内の、おそらく複合リテラル(&T{...})を処理するループまたは関数の一部です。

  • 変更前のコード:

    tnnew = nod(OMAKE, N, N);
    tnnew->type = t;
    

    nod(OMAKE, N, N) は、OMAKE オペレーションコードを持つ新しいASTノード tnnew を作成しています。N はおそらく nil または NULL を意味し、子ノードがないことを示します。 tnnew->type = t; は、この OMAKE ノードの型を t に設定しています。ここで t は、複合リテラルの型(例: Point)を表す Type* ポインタであると推測されます。

  • 変更後のコード:

    tnnew = nod(ONEW, N, N);
    tnnew->type = n->left->type;
    

    nod(ONEW, N, N) は、OMAKE の代わりに ONEW オペレーションコードを持つ新しいASTノード tnnew を作成しています。 tnnew->type = n->left->type; は、tnnew の型を n->left->type に設定しています。ここで n は現在のASTノード、n->left はその左の子ノードを指します。この n->left->type が、複合リテラルが初期化している実際の型をより正確に表現していると考えられます。

この変更は、コンパイラが &T{...} 構文を内部的にどのように解釈し、変換するかというセマンティクスレベルの調整です。OMAKE から ONEW への変更は、複合リテラルが「新しいオブジェクトを割り当てる」という new と同様のメモリ割り当ての側面を持つことを強調し、コンパイラ内部でより一貫した処理を可能にします。また、型の取得方法を n->left->type に変更することで、より堅牢で正確な型推論とコード生成を実現しようとしています。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の公式ドキュメント
  • Goコンパイラのソースコード (GitHub)
  • Go言語の newmake に関する議論や解説記事 (一般的なプログラミング知識として)
  • コンパイラ設計に関する一般的な知識

[インデックス 1418] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のコンパイラの一部である src/cmd/gc/walk.c ファイルに対する変更です。walk.c は、Goコンパイラの「ウォーカー」フェーズを担当するファイルで、抽象構文木(AST)を走査し、最適化やコード生成のための変換を行います。具体的には、この変更はGo言語における複合リテラル(&Point{1,2} のような構文)の内部的な処理方法を調整しています。

コミット

このコミットは、Go言語のコンパイラが &Point{1,2} のような複合リテラルを処理する方法を更新しています。以前は OMAKE という内部操作を使用していた箇所を ONEW に変更し、型の扱いも n->left->type を参照するように修正しています。これは、Go言語の new キーワードと複合リテラルのセマンティクスをより正確に反映させるためのコンパイラ内部の調整と考えられます。

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/dabdfa6ccea0f1573f55cf746bf73f12f8c1aa1d

元コミット内容

commit dabdfa6ccea0f1573f55cf746bf73f12f8c1aa1d
Author: Russ Cox <rsc@golang.org>
Date:   Tue Jan 6 15:24:12 2009 -0800

    new new &Point{1,2}
    
    R=ken
    OCL=22168
    CL=22168

変更の背景

このコミットは、Go言語の初期開発段階(2009年)に行われたものです。当時のGo言語はまだ活発に進化しており、言語仕様やコンパイラの内部実装が頻繁に調整されていました。この変更の背景には、Go言語における値の初期化とメモリ割り当てに関するセマンティクスをより明確にし、new キーワードと複合リテラル(&T{...})の挙動を統一的かつ効率的に処理するためのコンパイラ側の改善があったと考えられます。

具体的には、new(T) は型 T のゼロ値を割り当て、そのポインタを返します。一方、&T{...} は構造体の複合リテラルであり、指定された値で初期化された T 型のインスタンスを割り当て、そのポインタを返します。これら二つの構文は、結果としてポインタを返すという点で似ていますが、初期化のセマンティクスが異なります。コンパイラはこれらの違いを適切に内部表現にマッピングする必要があり、このコミットはその調整の一環として、OMAKE から ONEW への変更を通じて、より適切な内部表現を選択したと推測されます。

前提知識の解説

Go言語の new と複合リテラル (&T{...})

  • new(Type): Go言語の組み込み関数 new は、引数として型を取り、その型の新しいゼロ値の項目を割り当て、その項目へのポインタを返します。例えば、p := new(int)int 型のゼロ値(0)を格納するメモリを割り当て、そのアドレスを p に代入します。p*int 型になります。
  • 複合リテラル (&Type{...}): 複合リテラルは、構造体、配列、スライス、マップなどの複合型の値を初期化するための構文です。& を前置することで、その複合リテラルが評価された結果の「アドレス」を取得できます。例えば、p := &Point{X: 1, Y: 2}Point 型の構造体を {X: 1, Y: 2} で初期化し、その構造体が格納されているメモリのアドレスを p に代入します。p*Point 型になります。

このコミットの文脈では、&Point{1,2} のような複合リテラルが、コンパイラ内部でどのようにメモリ割り当てと初期化に変換されるかが重要です。

Goコンパイラ (cmd/gc) と walk.c

  • Goコンパイラ (cmd/gc): Go言語の公式コンパイラは、主に cmd/gc と呼ばれるツールチェーンの一部です。これは、Goのソースコードを機械語に変換する役割を担います。
  • コンパイラのフェーズ: 一般的なコンパイラは、字句解析、構文解析、意味解析、中間コード生成、最適化、コード生成などの複数のフェーズを経て動作します。
  • walk.c: src/cmd/gc/walk.c は、Goコンパイラの「ウォーカー」フェーズの実装が含まれるファイルです。このフェーズでは、構文解析によって生成された抽象構文木(AST: Abstract Syntax Tree)を走査し、意味解析の結果に基づいてASTを変換したり、最適化を行ったり、最終的なコード生成のための準備をしたりします。具体的には、高レベルな言語構造(例えば、複合リテラル)を、より低レベルなコンパイラ内部の操作(例えば、メモリ割り当てやフィールドへの代入)に分解する役割を担います。なお、現代のGoコンパイラはGo言語で再実装されており、walk.c の機能は src/cmd/compile/internal/walk ディレクトリ内の walk.go などに引き継がれています。

コンパイラ内部の操作 (OMAKE, ONEW)

Goコンパイラは、ASTノードのタイプを表すために、OMAKEONEW のような内部的なオペレーションコード(opcode)を使用します。

  • OMAKE: このopcodeは、一般的に「何かを作成する」という広範な意味合いで使われることがあります。初期のコンパイラでは、複合リテラルのような構造体の生成にも使われていた可能性があります。Goコンパイラの内部表現(IR)パッケージでは、ir.OMAKEmake 組み込み関数を表します。
  • ONEW: このopcodeは、Go言語の new キーワードに対応する内部操作であり、メモリを割り当ててゼロ値を初期化するセマンティクスを表現します。GoコンパイラのIRパッケージでは、ir.ONEWnew 組み込み関数を表します。

このコミットでは、&Point{1,2} のような複合リテラルの処理において、OMAKE から ONEW へと内部操作が変更されています。これは、複合リテラルが「新しいメモリを割り当てて初期化する」という new と類似したセマンティクスを持つため、コンパイラ内部でより適切な ONEW を使用することで、コードの整合性や最適化の機会を改善しようとしたものと考えられます。

技術的詳細

このコミットの技術的な核心は、GoコンパイラのAST変換フェーズにおける、複合リテラルの内部表現の変更にあります。

変更前は、&Point{1,2} のような複合リテラルを処理する際に、コンパイラは OMAKE という内部オペレーションコードを持つASTノードを生成していました。この OMAKE ノードには、複合リテラルの型が直接割り当てられていました (tnnew->type = t;)。

変更後は、OMAKEONEW に置き換えています。さらに、tnnew->type の設定方法も n->left->type に変更されています。

  • OMAKE から ONEW への変更:

    • OMAKE はより汎用的な「作成」操作を意味する可能性がありますが、ONEW はGo言語の new キーワードのセマンティクス、すなわち「メモリを割り当ててゼロ値を初期化し、そのポインタを返す」という操作を直接的に表します。
    • &T{...} 構文は、新しい T 型のインスタンスをメモリに割り当て、指定された値で初期化し、そのポインタを返します。これは new(T) がゼロ値を割り当てるのと似ていますが、初期化のセマンティクスが異なります。しかし、どちらも「新しいメモリ領域を確保し、そのポインタを返す」という点で共通しています。
    • この変更は、コンパイラが &T{...}new(T) と同様に、まずメモリ割り当ての操作として ONEW を使用し、その後にフィールドの初期化を行うという、より統一された内部処理フローを採用したことを示唆しています。これにより、コンパイラのコードがより明確になり、将来的な最適化やバグ修正が容易になる可能性があります。
  • tnnew->type = t; から tnnew->type = n->left->type; への変更:

    • n は現在のASTノード(おそらく ODOTOIND のようなポインタ操作に関連するノード、または複合リテラル自体を表すノード)を指していると考えられます。
    • n->left は、そのノードの左の子ノードを指します。複合リテラルの文脈では、n->left が複合リテラルが適用される「型」を表すノードである可能性が高いです。
    • したがって、n->left->type は、複合リテラルが初期化している実際の型(例: Point 型)を正確に取得することを意味します。
    • この変更は、ONEW 操作が適用されるべき型をより正確に特定するためのものです。ONEW は特定の型のためのメモリを割り当てるため、その型情報を正確に渡すことが重要です。

これらの変更は、Goコンパイラが複合リテラルを処理する際の内部的な正確性と整合性を向上させることを目的としています。これにより、コンパイラは new&T{...} の両方の構文を、より効率的かつ一貫した方法で機械語に変換できるようになります。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/cmd/gc/walk.c
+++ b/src/cmd/gc/walk.c
@@ -979,8 +979,8 @@ loop:
 		tnvar = nod(0, N, N);
 		tempname(nvar, t);
 
-		tnnew = nod(OMAKE, N, N);
-		tnnew->type = t;
+		tnnew = nod(ONEW, N, N);
+		tnnew->type = n->left->type;
 		tnnew = newcompat(nnew);
 
 		tnas = nod(OAS, nvar, tnnew);

コアとなるコードの解説

このコードスニペットは、src/cmd/gc/walk.c 内の、おそらく複合リテラル(&T{...})を処理するループまたは関数の一部です。

  • 変更前のコード:

    tnnew = nod(OMAKE, N, N);
    tnnew->type = t;
    

    nod(OMAKE, N, N) は、OMAKE オペレーションコードを持つ新しいASTノード tnnew を作成しています。N はおそらく nil または NULL を意味し、子ノードがないことを示します。 tnnew->type = t; は、この OMAKE ノードの型を t に設定しています。ここで t は、複合リテラルの型(例: Point)を表す Type* ポインタであると推測されます。

  • 変更後のコード:

    tnnew = nod(ONEW, N, N);
    tnnew->type = n->left->type;
    

    nod(ONEW, N, N) は、OMAKE の代わりに ONEW オペレーションコードを持つ新しいASTノード tnnew を作成しています。 tnnew->type = n->left->type; は、tnnew の型を n->left->type に設定しています。ここで n は現在のASTノード、n->left はその左の子ノードを指します。この n->left->type が、複合リテラルが初期化している実際の型をより正確に表現していると考えられます。

この変更は、コンパイラが &T{...} 構文を内部的にどのように解釈し、変換するかというセマンティクスレベルの調整です。OMAKE から ONEW への変更は、複合リテラルが「新しいオブジェクトを割り当てる」という new と同様のメモリ割り当ての側面を持つことを強調し、コンパイラ内部でより一貫した処理を可能にします。また、型の取得方法を n->left->type に変更することで、より堅牢で正確な型推論とコード生成を実現しようとしています。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • Go言語の公式ドキュメント
  • Goコンパイラのソースコード (GitHub)
  • Go言語の newmake に関する議論や解説記事 (一般的なプログラミング知識として)
  • コンパイラ設計に関する一般的な知識
  • Web search results for "Go language new vs &T{}"
  • Web search results for "Go compiler cmd/gc walk.c"
  • Web search results for "Go compiler OMAKE ONEW"