[インデックス 14269] ファイルの概要
このコミットは、Go言語のリポジトリにおけるファイルパーミッションの修正に関するものです。具体的には、doc/effective_go.html
とsrc/pkg/database/sql/sql.go
の2つのファイルから実行可能ビット(execute bit)をクリアし、パーミッションを100755
から100644
に変更しています。これは、これらのファイルが実行可能である必要がないため、適切なパーミッションに設定し直すことを目的としています。
コミット
commit b602c3dbbdde9b42a90ec682921b4c90d84a0340
Author: Mikio Hara <mikioh.mikioh@gmail.com>
Date: Thu Nov 1 10:04:42 2012 +0900
all: clear execute bit
R=golang-dev, r
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/6826044
---
doc/effective_go.html | 0
src/pkg/database/sql/sql.go | 0
2 files changed, 0 insertions(+), 0 deletions(-)
diff --git a/doc/effective_go.html b/doc/effective_go.html
old mode 100755
new mode 100644
diff --git a/src/pkg/database/sql/sql.go b/src/pkg/database/sql/sql.go
old mode 100755
new mode 100644
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/b602c3dbbdde9b42a90ec682921b4c90d84a0340
元コミット内容
all: clear execute bit
変更の背景
この変更の背景には、バージョン管理システム(Git)におけるファイルパーミッションの管理と、プロジェクトのコードベースの整合性維持があります。Unix系システムでは、ファイルには読み取り(read)、書き込み(write)、実行(execute)の3種類のパーミッションが設定されます。これらのパーミッションは、ファイルの所有者、グループ、その他のユーザーに対して個別に設定できます。
doc/effective_go.html
はHTMLドキュメントであり、src/pkg/database/sql/sql.go
はGoのソースコードファイルです。これらのファイルは、通常、直接実行されることを意図していません。しかし、何らかの理由(例えば、誤ったgit add
操作や、開発環境でのumask設定の不一致など)により、これらのファイルに実行可能ビットが設定されてしまった可能性があります。
実行可能ビットが不要なファイルに設定されていると、以下のような問題が発生する可能性があります。
- 混乱: ファイルが実行可能であると誤解される可能性があります。
- セキュリティリスク: 意図しないスクリプトやコードが実行される可能性は低いですが、理論的には潜在的なリスクとなりえます。
- リポジトリの整合性: ファイルパーミッションはリポジトリの一部として追跡されるため、不要なパーミッションはリポジトリのクリーンさを損ないます。
- クロスプラットフォーム互換性: WindowsなどのOSでは実行可能ビットの概念が異なるため、異なる環境間での開発において予期せぬ挙動を引き起こす可能性があります。
このコミットは、これらの問題を解消し、リポジトリ内のファイルパーミッションを正確かつ適切に保つためのクリーンアップ作業の一環です。
前提知識の解説
Unix系ファイルパーミッション
Unix系オペレーティングシステム(Linux, macOSなど)では、ファイルやディレクトリにはアクセス権限が設定されています。これは、誰がそのファイルを読み取り、書き込み、実行できるかを制御します。パーミッションは通常、3桁の八進数(例: 755
, 644
)で表現されます。
各桁は、以下の順序でパーミッションを表します。
- 所有者 (Owner): ファイルを作成したユーザーのパーミッション。
- グループ (Group): ファイルが属するグループのメンバーのパーミッション。
- その他 (Others): 上記以外のすべてのユーザーのパーミッション。
各桁の数字は、以下のパーミッションの合計値です。
4
: 読み取り (read,r
)2
: 書き込み (write,w
)1
: 実行 (execute,x
)
例えば:
7
(4+2+1
): 読み取り、書き込み、実行のすべてが可能 (rwx
)6
(4+2
): 読み取り、書き込みが可能 (rw-
)5
(4+1
): 読み取り、実行が可能 (r-x
)4
(4
): 読み取りのみ可能 (r--
)
100755
と 100644
Gitの差分表示におけるold mode 100755
やnew mode 100644
の100
は、Gitがファイルを通常のファイル(regular file)として扱っていることを示します。これは、シンボリックリンク(120xxx
)やディレクトリ(040xxx
)などと区別するためのものです。
100755
:- 所有者:
rwx
(7) - グループ:
r-x
(5) - その他:
r-x
(5) - これは、スクリプトや実行可能バイナリによく見られるパーミッションです。
- 所有者:
100644
:- 所有者:
rw-
(6) - グループ:
r--
(4) - その他:
r--
(4) - これは、テキストファイル、ソースコード、画像などのデータファイルによく見られるパーミッションです。所有者のみが書き込み可能で、他のユーザーは読み取りのみ可能です。
- 所有者:
このコミットでは、doc/effective_go.html
とsrc/pkg/database/sql/sql.go
のパーミッションが100755
から100644
に変更されました。これは、これらのファイルから実行可能ビットが削除されたことを意味します。
Gitとファイルパーミッション
Gitは、ファイルのコンテンツだけでなく、実行可能ビットの変更も追跡します。これは、git diff
コマンドでold mode
とnew mode
として表示されます。Gitは、ファイルのパーミッションの変更を検知すると、それを変更として記録します。これにより、リポジトリのクローンやチェックアウト時に、正しいパーミッションが再現されるようになります。
技術的詳細
このコミットは、Gitのファイルモード(file mode)の変更を記録しています。Gitは、ファイルのタイプ(通常ファイル、シンボリックリンク、Gitlinkなど)と実行可能ビットをモードとして保存します。
doc/effective_go.html
: Go言語の「Effective Go」ドキュメントのHTML版です。これは静的なドキュメントであり、実行されることはありません。したがって、実行可能ビットは不要です。src/pkg/database/sql/sql.go
: Go言語の標準ライブラリの一部であるdatabase/sql
パッケージのソースコードです。Goのソースコードはコンパイルされて実行可能バイナリになりますが、ソースコード自体は直接実行されるものではありません。したがって、このファイルにも実行可能ビットは不要です。
これらのファイルから実行可能ビットを削除することで、リポジトリの整合性が向上し、意図しないパーミッション設定による潜在的な問題を回避できます。これは、特に大規模なプロジェクトや、複数の開発者が異なる環境で作業する際に重要です。
Gitでファイルパーミッションを変更するには、通常、chmod
コマンドを使用し、その変更をgit add
でステージングし、git commit
でコミットします。
例:
chmod -x doc/effective_go.html
chmod -x src/pkg/database/sql/sql.go
git add doc/effective_go.html src/pkg/database/sql/sql.go
git commit -m "all: clear execute bit"
このコミットは、まさにこのような操作が行われた結果であると考えられます。
コアとなるコードの変更箇所
このコミットでは、実際のコード内容の変更(挿入や削除)は行われていません。2 files changed, 0 insertions(+), 0 deletions(-)
という表示がそれを示しています。変更されたのは、以下の2つのファイルのGitにおけるファイルモード(パーミッション)のみです。
doc/effective_go.html
old mode 100755
からnew mode 100644
へ変更
src/pkg/database/sql/sql.go
old mode 100755
からnew mode 100644
へ変更
コアとなるコードの解説
このコミットには、Go言語のソースコードやドキュメントの内容に関する変更は含まれていません。したがって、特定のGo言語のコード行を解説する部分はありません。
このコミットの「コア」は、Gitが管理するファイルのメタデータ、特にファイルパーミッションの変更にあります。100755
から100644
への変更は、ファイルの所有者、グループ、その他のユーザーから実行権限(x
)を削除し、読み取りと書き込み(所有者)、読み取りのみ(グループ、その他)の権限に設定し直したことを意味します。
これは、リポジトリの健全性を保つためのメンテナンス作業であり、コードの機能的な振る舞いには影響を与えません。
関連リンク
- Git Documentation - git-diff
- Git Documentation - git-add
- Git Documentation - git-commit
- Effective Go (Go言語の公式ドキュメント)
- Go database/sql package (Go言語の公式ドキュメント)
参考にした情報源リンク
- Gitの公式ドキュメント
- Unix/Linuxのファイルパーミッションに関する一般的な情報源
- Go言語の公式ドキュメント
- コミットメッセージと差分情報