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[インデックス 14374] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の公式ドキュメントである doc/install.html ファイルに対する変更です。具体的には、FreeBSDオペレーティングシステムにおけるARMアーキテクチャのサポートに関するシステム要件の記述が更新されています。

コミット

commit a8accda52d2e63ff146169e0d25fb58f632f4133
Author: Shenghou Ma <minux.ma@gmail.com>
Date:   Mon Nov 12 12:20:42 2012 +0100

    doc/install: document system requirements for the FreeBSD/ARM port
    
    R=golang-dev, r, mikioh.mikioh
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/6816080

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/a8accda52d2e63ff146169e0d25fb58f632f4133

元コミット内容

doc/install: document system requirements for the FreeBSD/ARM port

変更の背景

このコミットは、Go言語がFreeBSDオペレーティングシステムのARMアーキテクチャをサポートするにあたり、そのシステム要件を公式インストールガイドに明記することを目的としています。2012年当時、Go言語はFreeBSD上のARMアーキテクチャに対して実験的なサポートを開始していました。Go 1.0(2012年3月リリース)にはFreeBSDの初期サポートが含まれており、Go WikiではFreeBSD、OpenBSD、NetBSDにおけるARMv5、ARMv6、ARMv7アーキテクチャのサポートが言及され、ARMv6K以上が必要とされていました。また、FreeBSD 9.0-RELEASE(2012年1月)のリリースノートでは、FreeBSDのARM版が開発中であることが示されていました。

このような背景から、Go言語のFreeBSD/ARMポートが成熟しつつあり、ユーザーがGoをFreeBSD/ARM環境にインストールする際に必要な情報を提供することが重要になりました。特に、FreeBSD/ARM環境でGoを動作させるためには、特定のFreeBSDのバージョン(FreeBSD 10以降)が必要であるという重要な制約があったため、これをドキュメントに追記する必要がありました。これにより、ユーザーは適切な環境を準備できるようになります。

前提知識の解説

  • Go言語 (Golang): Googleによって開発されたオープンソースのプログラミング言語です。シンプルさ、効率性、並行処理のサポート、強力な標準ライブラリが特徴で、システムプログラミング、Webサービス、ネットワークプログラミングなどで広く利用されています。
  • FreeBSD: UNIX系のオープンソースオペレーティングシステムの一つです。堅牢性、高性能、セキュリティの高さが評価されており、サーバー、組み込みシステム、デスクトップ環境など、幅広い用途で利用されています。
  • ARMアーキテクチャ: Advanced RISC Machinesの略で、モバイルデバイス(スマートフォン、タブレット)、組み込みシステム、IoTデバイス、最近ではサーバーやデスクトップPCなど、多岐にわたるデバイスで利用されているCPUアーキテクチャです。低消費電力と高い性能効率が特徴です。
  • ポート (Port): ソフトウェアが特定のオペレーティングシステムやハードウェアアーキテクチャで動作するように適応させるプロセス、またはその結果として動作するソフトウェア自体を指します。Go言語の場合、異なるOSやCPUアーキテクチャ(例: Linux/amd64, Windows/386, FreeBSD/ARM)でコンパイル・実行できるようにするための対応を「ポート」と呼びます。
  • doc/install.html: Go言語の公式ウェブサイトで公開されているインストールガイドのHTMLソースファイルです。Go言語を様々なプラットフォームにインストールするための手順やシステム要件が記載されています。

技術的詳細

このコミットの技術的な詳細は、Go言語のインストールガイドにおけるプラットフォームサポート情報の更新にあります。doc/install.html ファイルには、Go言語がサポートするオペレーティングシステムとアーキテクチャの組み合わせが表形式でまとめられています。

変更前は、FreeBSDの行には amd64386 のアーキテクチャのみが記載されており、ARMアーキテクチャに関する言及はありませんでした。

<tr><td>FreeBSD 7 or later</td> <td>amd64, 386</td> <td>Debian GNU/kFreeBSD not supported</td></tr>

このコミットでは、FreeBSDのサポートアーキテクチャに arm が追加され、さらにFreeBSD/ARM環境でGoを動作させるための具体的なバージョン要件が追記されました。

<tr><td>FreeBSD 7 or later</td> <td>amd64, 386, arm</td> <td>Debian GNU/kFreeBSD not supported; FreeBSD/ARM needs FreeBSD 10 or later</td></tr>

この変更は、単にARMがサポート対象になったことを示すだけでなく、「FreeBSD/ARM needs FreeBSD 10 or later」(FreeBSD/ARMはFreeBSD 10以降が必要)という重要な注記を追加しています。これは、FreeBSDのARMポートがGo言語の特定の機能やランタイム要件を満たすために、FreeBSDのより新しいバージョン(具体的にはバージョン10以降)が必要であることを示唆しています。これは、FreeBSDのARM版がまだ開発途上にあったり、特定のシステムコールやライブラリのバージョンがGoのランタイムに必要であったりする可能性を示しています。

このようなドキュメントの更新は、ユーザーがGo言語をFreeBSD/ARM環境に導入する際の混乱を防ぎ、適切な環境構築を促す上で非常に重要です。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/doc/install.html
+++ b/doc/install.html
@@ -40,7 +40,7 @@ proceeding. If your OS or architecture is not on the list, it\'s possible that
 <th align=\"middle\">Notes</th>
 </tr>
 <tr><td colspan=\"3\"><hr></td></tr>
-<tr><td>FreeBSD 7 or later</td> <td>amd64, 386</td> <td>Debian GNU/kFreeBSD not supported</td></tr>
+<tr><td>FreeBSD 7 or later</td> <td>amd64, 386, arm</td> <td>Debian GNU/kFreeBSD not supported; FreeBSD/ARM needs FreeBSD 10 or later</td></tr>
 <tr><td>Linux 2.6.23 or later with glibc</td> <td>amd64, 386, arm</td> <td>CentOS/RHEL 5.x not supported; no binary distribution for ARM yet</td></tr>
 <tr><td>Mac OS X 10.6/10.7</td> <td>amd64, 386</td> <td>use the gcc<sup>&#8224;</sup> that comes with Xcode<sup>&#8225;</sup></td></tr>
 <tr><td>Windows 2000 or later</td> <td>amd64, 386</td> <td>use mingw gcc<sup>&#8224;</sup>; cygwin or msys is not needed</td></tr>

コアとなるコードの解説

上記の差分は、doc/install.html ファイル内のHTMLテーブルの1行を変更しています。

  • - で始まる行は削除された行、+ で始まる行は追加された行を示します。
  • 変更されたのは、FreeBSDに関するテーブル行です。
    • 元の行 (- の行):
      <tr><td>FreeBSD 7 or later</td> <td>amd64, 386</td> <td>Debian GNU/kFreeBSD not supported</td></tr>
      
      この行では、FreeBSD 7以降がサポートされ、対応アーキテクチャは amd64386 であり、「Debian GNU/kFreeBSDはサポートされていない」という注記がありました。
    • 新しい行 (+ の行):
      <tr><td>FreeBSD 7 or later</td> <td>amd64, 386, arm</td> <td>Debian GNU/kFreeBSD not supported; FreeBSD/ARM needs FreeBSD 10 or later</td></tr>
      
      この行では、対応アーキテクチャのリストに arm が追加されています。さらに、注記の末尾に ; FreeBSD/ARM needs FreeBSD 10 or later というテキストが追記され、FreeBSDのARM版でGoを使用するにはFreeBSD 10以降が必要であるという新しいシステム要件が明記されました。

この変更により、Go言語の公式インストールガイドは、FreeBSD/ARM環境におけるGoのサポート状況と、そのための具体的なOSバージョン要件を正確に反映するようになりました。

関連リンク

参考にした情報源リンク