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[インデックス 14420] ファイルの概要

このコミットは、Go言語のランタイムパッケージ内の debug.go ファイルにおける、コメントの修正と関数宣言のスタイル調整に関するものです。具体的には、Breakpoint() 関数のコメントから不要な括弧を削除し、よりGoの慣習に沿った記述に修正しています。

コミット

commit aa3d05acc9d0e9fba63a3f5375682ae9c5d696b0
Author: Oling Cat <olingcat@gmail.com>
Date:   Fri Nov 16 23:09:37 2012 +1100

    runtime: remove extra parentheses.
    
    R=golang-dev, dsymonds
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/6843069
---
 src/pkg/runtime/debug.go | 2 +--
 1 file changed, 1 insertion(+), 1 deletion(-)

diff --git a/src/pkg/runtime/debug.go b/src/pkg/runtime/debug.go
index e9d7601710..0211ce61b8 100644
--- a/src/pkg/runtime/debug.go
+++ b/src/pkg/runtime/debug.go
@@ -4,7 +4,7 @@
 
  package runtime
  
-// Breakpoint() executes a breakpoint trap.
+// Breakpoint executes a breakpoint trap.
  func Breakpoint()
  
  // LockOSThread wires the calling goroutine to its current operating system thread.

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/aa3d05acc9d0e9fba63a3f5375682ae9c5d696b0

元コミット内容

runtime: remove extra parentheses.

R=golang-dev, dsymonds
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/6843069

変更の背景

このコミットは、Go言語の標準ライブラリにおけるコードの整合性と可読性を向上させるための、小さなクリーンアップ作業の一環です。Goのコードスタイルガイドラインでは、関数名やメソッド名をコメントで参照する際に、引数リストを示すための括弧 () を含めないのが一般的です。例えば、func Foo() という関数について言及する場合、コメントでは Foo と記述し、Foo() とは記述しません。

src/pkg/runtime/debug.go 内の Breakpoint() 関数のコメントが、この慣習に反して Breakpoint() と括弧付きで記述されていたため、それを修正し、Goの標準的なスタイルに合わせる目的でこの変更が行われました。このような細かな修正は、コードベース全体の統一感を保ち、新規開発者がコードを理解しやすくするために重要です。

前提知識の解説

Go言語の runtime パッケージ

runtime パッケージは、Goプログラムの実行環境と密接に関わる低レベルな機能を提供するパッケージです。ガベージコレクション、ゴルーチンのスケジューリング、スタック管理、デバッグサポートなど、Goランタイムの核心部分を担う機能が含まれています。通常、アプリケーション開発者が直接このパッケージの関数を呼び出すことは稀ですが、パフォーマンスチューニングや高度なデバッグ、あるいはGo言語自体の内部動作を理解する上で非常に重要です。

runtime.Breakpoint() 関数

runtime.Breakpoint() 関数は、デバッガがアタッチされている場合に、プログラムの実行を一時停止させるための特別な関数です。この関数が呼び出されると、デバッガはブレークポイントに到達したかのように振る舞い、実行を停止します。これは、特定のコードパスが実行されたときにデバッガを起動させたい場合や、デバッグ中に特定の状態を検査したい場合に役立ちます。

この関数は、通常のアプリケーションコードで頻繁に使用されるものではなく、主にGoランタイム自体のデバッグや、Go言語のツールチェーンの一部として利用されます。例えば、GoのデバッガであるDelveは、runtime.Breakpoint() の呼び出しを認識し、そこで実行を停止することができます。

Goのコメントスタイルと慣習

Go言語には、公式のコードスタイルガイドライン(go fmtgolint などのツールによって強制されることが多い)が存在します。その中には、コメントの書き方に関する慣習も含まれます。特に、関数やメソッドのドキュメントコメントでは、関数名を参照する際に引数リストの括弧を含めないのが一般的です。これは、コメントが関数のシグネチャ全体ではなく、その「名前」に言及していることを明確にするためです。

例:

  • 良い例: // Foo does something.
  • 悪い例: // Foo() does something.

この慣習は、コードの読みやすさを向上させ、Goコミュニティ全体での一貫性を保つために重要視されています。

技術的詳細

このコミットの技術的な変更は非常にシンプルです。src/pkg/runtime/debug.go ファイル内の Breakpoint() 関数の直前にあるコメント行が修正されています。

変更前:

// Breakpoint() executes a breakpoint trap.

変更後:

// Breakpoint executes a breakpoint trap.

この変更は、コードの機能的な動作には一切影響を与えません。runtime.Breakpoint() 関数の動作や、それがトリガーするブレークポイントの挙動は変わりません。変更の目的は純粋に、Go言語のコードスタイルガイドラインに準拠し、コメントの記述をよりGoらしい慣習に合わせることにあります。

このような細かなスタイル修正は、大規模なオープンソースプロジェクト、特にGoのような言語の標準ライブラリにおいては非常に重要です。一貫したスタイルは、コードベース全体の品質を高め、新しい貢献者がプロジェクトに参加しやすくする効果があります。また、自動化されたリンターツール(例: golint)がこのようなスタイル違反を検出することがあり、それらの警告を解消するためにも行われます。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/pkg/runtime/debug.go
+++ b/src/pkg/runtime/debug.go
@@ -4,7 +4,7 @@
 
  package runtime
  
-// Breakpoint() executes a breakpoint trap.
+// Breakpoint executes a breakpoint trap.
  func Breakpoint()
  
  // LockOSThread wires the calling goroutine to its current operating system thread.

コアとなるコードの解説

変更されたのは src/pkg/runtime/debug.go ファイルの以下の行です。

  • - // Breakpoint() executes a breakpoint trap.: 変更前のコメント行です。Breakpoint の後に不要な括弧 () が付いています。
  • + // Breakpoint executes a breakpoint trap.: 変更後のコメント行です。Breakpoint の後の括弧が削除され、Goのコメントスタイルの慣習に沿った形になっています。

この修正は、func Breakpoint() の宣言自体には影響を与えず、その直前のドキュメンテーションコメントのみを対象としています。Goのツール(例えば godoc)がこのコメントを読み取り、ドキュメントを生成する際に、より自然で一貫性のある表示がされるようになります。

関連リンク

参考にした情報源リンク