[インデックス 14584] ファイルの概要
このコミットは、src/pkg/math/rand/example_test.go
ファイル内のコメントのタイポを修正するものです。具体的には、math/rand
パッケージの Example
関数内のコメントにおいて、Int
メソッドの説明における誤字を訂正しています。
コミット
- コミットハッシュ:
ec4595267085d132b63050e2cfac085a981f3cee
- 作者: David Symonds dsymonds@golang.org
- 日付: 2012年12月8日 19:20:38 +1100
- コミットメッセージ:
math/rand: fix typo in example comment. R=golang-dev, iant CC=golang-dev https://golang.org/cl/6901056
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/ec4595267085d132b63050e2cfac085a981f3cee
元コミット内容
math/rand: fix typo in example comment.
このコミットは、math/rand
パッケージの例示コード内のコメントに存在するタイポ(誤字)を修正することを目的としています。
変更の背景
この変更は、Go言語の標準ライブラリである math/rand
パッケージのドキュメントおよび例示コードの正確性を向上させるためのものです。example_test.go
ファイルは、Goのテストフレームワークの一部として、パッケージの利用例を示すために使用されます。これらの例は、GoDocを通じて公開され、開発者がパッケージの機能や使い方を理解する上で重要な役割を果たします。
今回の変更は、コードの動作自体に影響を与えるものではなく、あくまでコメント内の記述ミスを修正するものです。しかし、正確なドキュメントは、ライブラリの利用者が混乱することなく、正しく理解し、利用するために不可欠です。特に、Int
メソッドが Int31
または Int63
のどちらに似ているかという説明は、Goの int
型のサイズがシステムアーキテクチャ(32ビットまたは64ビット)に依存するという特性を考慮すると、非常に重要な情報です。誤った記述は、開発者に誤解を与える可能性がありました。
前提知識の解説
Go言語の math/rand
パッケージ
math/rand
パッケージは、Go言語で擬似乱数を生成するための機能を提供します。様々な分布(一様分布、正規分布など)に従う乱数を生成する関数や、指定された範囲内の整数乱数を生成する関数などが含まれています。
rand.Int()
、rand.Int31()
、rand.Int63()
rand.Int31()
: 32ビット符号付き整数(int32
)の範囲で擬似乱数を生成します。rand.Int63()
: 64ビット符号付き整数(int64
)の範囲で擬似乱数を生成します。rand.Int()
: これは、Goの組み込み型であるint
のサイズに依存して、Int31()
またはInt63()
のいずれかと同じように動作します。Goのint
型は、コンパイルされるシステム(アーキテクチャ)によって32ビットまたは64ビットのいずれかになります。例えば、32ビットシステムではint
は32ビットであり、rand.Int()
はrand.Int31()
と同様に動作します。64ビットシステムではint
は64ビットであり、rand.Int()
はrand.Int63()
と同様に動作します。
example_test.go
ファイル
Go言語では、_test.go
で終わるファイルはテストファイルとして扱われます。その中でも、Example
関数(ExamplePackageName
や ExampleFunctionName
の形式)は、GoDocのドキュメントにコード例として表示される特別な関数です。これらの関数は、パッケージの機能や使い方を簡潔に、かつ実行可能な形で示すために利用されます。
技術的詳細
このコミットの技術的詳細は、非常にシンプルです。src/pkg/math/rand/example_test.go
ファイル内のコメント行に存在する単一のタイポを修正しています。
元のコメントは以下の通りでした。
// The Int method (not shown) is like either Int31 or Int64
このコメントでは、rand.Int()
メソッドが Int31
または Int64
のように動作すると記述されていました。しかし、math/rand
パッケージには Int64()
というメソッドは存在せず、代わりに Int63()
が存在します。Int63()
は64ビットの符号付き整数を生成するメソッドです。
Go言語の int
型は、そのサイズが実行環境に依存するため、rand.Int()
が Int31()
または Int63()
のどちらの動作に似ているかを正確に記述することは重要です。Int64
という誤った記述は、存在しないメソッドを参照しており、読者に混乱を与える可能性がありました。
この修正は、コードの実行には全く影響を与えません。これは純粋にドキュメンテーションの正確性を高めるための変更であり、GoDocを通じて提供される情報が正しくなることを保証します。このような小さな修正も、オープンソースプロジェクト、特に標準ライブラリにおいては、品質と信頼性を維持するために重要です。
コアとなるコードの変更箇所
--- a/src/pkg/math/rand/example_test.go
+++ b/src/pkg/math/rand/example_test.go
@@ -40,7 +40,7 @@ func Example() {
show("NormFloat64", r.NormFloat64(), r.NormFloat64(), r.NormFloat64())
// Int31, Int63, and Uint32 generate values of the given width.
- // The Int method (not shown) is like either Int31 or Int64
+ // The Int method (not shown) is like either Int31 or Int63
// depending on the size of 'int'.
show("Int31", r.Int31(), r.Int31(), r.Int31())
show("Int63", r.Int63(), r.Int63(), r.Int63())
コアとなるコードの解説
変更は src/pkg/math/rand/example_test.go
ファイルの1行のみです。
- 変更前:
// The Int method (not shown) is like either Int31 or Int64
- 変更後:
// The Int method (not shown) is like either Int31 or Int63
この変更は、コメント内の Int64
という記述を Int63
に修正しています。これは、math/rand
パッケージに Int64()
というメソッドは存在せず、代わりに Int63()
が存在するためです。Int63()
は64ビットの符号付き整数を生成するメソッドであり、Goの int
型が64ビットである場合に rand.Int()
がこれに似た動作をすることを示しています。
この修正により、math/rand
パッケージの Example
関数のコメントが、実際のAPIと一致し、より正確な情報を提供するようになりました。
関連リンク
- Go CL (Change List) 6901056: https://golang.org/cl/6901056
参考にした情報源リンク
- Go言語の
math/rand
パッケージのドキュメント: https://pkg.go.dev/math/rand - Go言語の
int
型に関するドキュメント: https://go.dev/ref/spec#Numeric_types - Go言語のテストにおける
Example
関数: https://go.dev/blog/examples - GitHubのコミットページ: https://github.com/golang/go/commit/ec4595267085d132b63050e2cfac085a981f3cee