[インデックス 14747] ファイルの概要
このコミットは、Go言語の標準ライブラリであるfmt
パッケージ内のprint.go
ファイルにおけるコメントの更新とタイポの修正を目的としています。具体的には、古いコメントの記述を現在のコードの意図に合わせて更新し、関数名におけるタイポを修正しています。
コミット
commit f296adf819b0c2d20b7b44d04f947602b43f226c
Author: Oling Cat <olingcat@gmail.com>
Date: Tue Dec 25 14:54:24 2012 -0800
fmt: update an old comment; fix a typo.
R=golang-dev, iant
CC=golang-dev, minux.ma
https://golang.org/cl/6998055
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/f296adf819b0c2d20b7b44d04f947602b43f226c
元コミット内容
fmt: update an old comment; fix a typo.
R=golang-dev, iant
CC=golang-dev, minux.ma
https://golang.org/cl/6998055
変更の背景
このコミットの背景には、コードの可読性と正確性の向上が挙げられます。
- 古いコメントの更新:
fmt
パッケージはGo言語の基本的なフォーマット機能を提供する重要なパッケージです。時間の経過とともにコードがリファクタリングされたり、設計思想が変更されたりすると、それに伴ってコメントも更新される必要があります。このコミットでは、parsenum
関数のコメントが、その関数の実際の動作や返り値の命名(n
からnum
、got
からisnum
)に合わせて更新されています。これにより、コードを読む開発者がコメントと実際のコードの間に齟齬を感じることなく、スムーズに理解できるようになります。 - タイポの修正:
Println
という関数名がコメント内でprintln
と小文字で記述されていました。Go言語では、関数名や変数名の大文字・小文字はエクスポートの有無や慣習に影響します。Println
はエクスポートされた関数であり、外部から利用されることを意図しています。コメント内のタイポは、コードの正確な理解を妨げる可能性があります。この修正は、ドキュメントとしてのコメントの正確性を高め、将来的な誤解を防ぐためのものです。
これらの変更は、機能的な変更ではなく、コードベースの品質維持と保守性の向上に貢献するものです。
前提知識の解説
Go言語のfmt
パッケージ
fmt
パッケージは、Go言語におけるフォーマットI/Oを実装するためのパッケージです。C言語のprintf
やscanf
に似た機能を提供し、文字列、数値、構造体などの様々なデータ型を整形して出力したり、入力から解析したりするのに使われます。
fmt.Print
、fmt.Println
、fmt.Printf
: これらは最も基本的な出力関数です。Print
: 引数をスペースで区切って出力します。Println
: 引数をスペースで区切って出力し、最後に改行を追加します。Printf
: フォーマット文字列と引数を使って整形された文字列を出力します。
- フォーマット動詞:
Printf
で使用される%v
(デフォルトフォーマット)、%d
(整数)、%s
(文字列)などの特殊な記号です。
Go言語のreflect
パッケージ
reflect
パッケージは、実行時にプログラムの構造を検査(リフレクション)するための機能を提供します。これにより、変数の型、値、メソッドなどを動的に調べたり、操作したりすることができます。
reflect.Value
: 実行時のGoの値を表します。reflect.Type
: 実行時のGoの型を表します。Kind()
:reflect.Type
のメソッドで、その型がプリミティブ型(例:int
,string
)なのか、複合型(例:struct
,slice
)なのかを返します。
Go言語のコメント
Go言語では、単一行コメント(//
)と複数行コメント(/* ... */
)が使用されます。コメントはコードの意図や複雑なロジックを説明するために重要ですが、常に最新のコードと同期している必要があります。
parsenum
関数(Go言語のfmt
パッケージ内)
fmt
パッケージ内部で使用されるユーティリティ関数の一つで、文字列から数値を解析する役割を担います。フォーマット文字列の解析など、内部的な処理で利用されます。
技術的詳細
このコミットは、src/pkg/fmt/print.go
ファイル内の2つの異なる箇所に修正を加えています。
-
parsenum
関数のコメント修正:parsenum
関数は、文字列の一部を解析して整数に変換する内部ヘルパー関数です。- 元のコメントでは、返り値が
n
とgot
として言及されていましたが、実際の関数のシグネチャではnum
とisnum
という名前が使われています。このコメントの不一致が修正されました。 - また、コメントの冒頭に
parsenum converts ASCII to integer.
という説明が追加され、関数の目的がより明確になりました。
-
doPrint
関数内のコメント修正:doPrint
関数は、fmt
パッケージのPrint
、Println
、Printf
などの出力関数の内部的な処理を担う中心的な関数です。- この関数内のコメント
// always add spaces if we're doing println
は、Println
関数が引数間にスペースを追加する動作について説明しています。 - 元のコメントでは
println
と小文字で書かれていましたが、Go言語の慣習と実際の関数名に合わせてPrintln
と大文字に修正されました。これは、エクスポートされた関数名が常に大文字で始まるというGoのルールに則ったものです。
これらの変更は、コードの動作には影響を与えませんが、コードベースの正確性と保守性を向上させます。特に、新しい開発者がコードを理解する際に、コメントが誤解を招くことなく、正確な情報を提供できるようになります。
コアとなるコードの変更箇所
--- a/src/pkg/fmt/print.go
+++ b/src/pkg/fmt/print.go
@@ -310,7 +310,7 @@ func getField(v reflect.Value, i int) reflect.Value {
return val
}
-// Convert ASCII to integer. n is 0 (and got is false) if no number present.
+// parsenum converts ASCII to integer. num is 0 (and isnum is false) if no number present.
func parsenum(s string, start, end int) (num int, isnum bool, newi int) {
if start >= end {
return 0, false, end
@@ -1123,7 +1123,7 @@ func (p *pp) doPrint(a []interface{}, addspace, addnewline bool) {
prevString := false
for fieldnum := 0; fieldnum < len(a); fieldnum++ {
p.fmt.clearflags()
- // always add spaces if we're doing println
+ // always add spaces if we're doing Println
field := a[fieldnum]
if fieldnum > 0 {
isString := field != nil && reflect.TypeOf(field).Kind() == reflect.String
コアとなるコードの解説
1. parsenum
関数のコメント修正
-// Convert ASCII to integer. n is 0 (and got is false) if no number present.
+// parsenum converts ASCII to integer. num is 0 (and isnum is false) if no number present.
- 変更前:
// Convert ASCII to integer. n is 0 (and got is false) if no number present.
- このコメントは、
parsenum
関数がASCII文字列を整数に変換することを示しています。 - しかし、コメント内で言及されている返り値の変数名が
n
とgot
となっており、これは実際の関数のシグネチャfunc parsenum(...) (num int, isnum bool, newi int)
と一致していませんでした。
- このコメントは、
- 変更後:
// parsenum converts ASCII to integer. num is 0 (and isnum is false) if no number present.
- コメントの冒頭に
parsenum converts ASCII to integer.
という説明が追加され、関数の目的がより明確になりました。 - 返り値の変数名が
num
とisnum
に修正され、実際の関数のシグネチャとコメントが一致するようになりました。これにより、コードの可読性と正確性が向上しています。
- コメントの冒頭に
2. doPrint
関数内のコメント修正
-// always add spaces if we're doing println
+// always add spaces if we're doing Println
- 変更前:
// always add spaces if we're doing println
- このコメントは、
fmt.Println
のような関数が引数間にスペースを自動的に追加する動作を説明しています。 - しかし、
println
と小文字で記述されており、これはGo言語の標準ライブラリでエクスポートされている関数名Println
(大文字で始まる)とは異なっていました。
- このコメントは、
- 変更後:
// always add spaces if we're doing Println
println
がPrintln
に修正されました。これにより、コメントがGo言語の命名規則と実際の関数名に合致し、正確な情報を提供するようになりました。
これらの変更は、コードの動作に影響を与えることなく、コメントの正確性を高め、将来的なコードの理解と保守を容易にするためのものです。
関連リンク
- Go言語の
fmt
パッケージ公式ドキュメント: https://pkg.go.dev/fmt - Go言語の
reflect
パッケージ公式ドキュメント: https://pkg.go.dev/reflect - Go言語のChange List (CL) 6998055: https://go-review.googlesource.com/c/go/+/6998055 (これは元の
golang.org/cl/6998055
がリダイレクトされる新しいURLです)
参考にした情報源リンク
- Go言語の公式ドキュメント (
fmt
およびreflect
パッケージ) - Go言語のChange Listシステム (Gerrit) の一般的な理解
- Go言語の命名規則に関する一般的な知識
- GitHubのコミット履歴
[インデックス 14747] ファイルの概要
このコミットは、Go言語の標準ライブラリであるfmt
パッケージ内のprint.go
ファイルにおけるコメントの更新とタイポの修正を目的としています。具体的には、古いコメントの記述を現在のコードの意図に合わせて更新し、関数名におけるタイポを修正しています。
コミット
commit f296adf819b0c2d20b7b44d04f947602b43f226c
Author: Oling Cat <olingcat@gmail.com>
Date: Tue Dec 25 14:54:24 2012 -0800
fmt: update an old comment; fix a typo.
R=golang-dev, iant
CC=golang-dev, minux.ma
https://golang.org/cl/6998055
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/f296adf819b0c2d20b7b44d04f947602b43f226c
元コミット内容
fmt: update an old comment; fix a typo.
R=golang-dev, iant
CC=golang-dev, minux.ma
https://golang.org/cl/6998055
変更の背景
このコミットの背景には、コードの可読性と正確性の向上が挙げられます。
- 古いコメントの更新:
fmt
パッケージはGo言語の基本的なフォーマット機能を提供する重要なパッケージです。時間の経過とともにコードがリファクタリングされたり、設計思想が変更されたりすると、それに伴ってコメントも更新される必要があります。このコミットでは、parsenum
関数のコメントが、その関数の実際の動作や返り値の命名(n
からnum
、got
からisnum
)に合わせて更新されています。これにより、コードを読む開発者がコメントと実際のコードの間に齟齬を感じることなく、スムーズに理解できるようになります。 - タイポの修正:
Println
という関数名がコメント内でprintln
と小文字で記述されていました。Go言語では、関数名や変数名の大文字・小文字はエクスポートの有無や慣習に影響します。Println
はエクスポートされた関数であり、外部から利用されることを意図しています。コメント内のタイポは、コードの正確な理解を妨げる可能性があります。この修正は、ドキュメントとしてのコメントの正確性を高め、将来的な誤解を防ぐためのものです。
これらの変更は、機能的な変更ではなく、コードベースの品質維持と保守性の向上に貢献するものです。
前提知識の解説
Go言語のfmt
パッケージ
fmt
パッケージは、Go言語におけるフォーマットI/Oを実装するためのパッケージです。C言語のprintf
やscanf
に似た機能を提供し、文字列、数値、構造体などの様々なデータ型を整形して出力したり、入力から解析したりするのに使われます。
fmt.Print
、fmt.Println
、fmt.Printf
: これらは最も基本的な出力関数です。Print
: 引数をスペースで区切って出力します。Println
: 引数をスペースで区切って出力し、最後に改行を追加します。Printf
: フォーマット文字列と引数を使って整形された文字列を出力します。
- フォーマット動詞:
Printf
で使用される%v
(デフォルトフォーマット)、%d
(整数)、%s
(文字列)などの特殊な記号です。
Go言語のreflect
パッケージ
reflect
パッケージは、実行時にプログラムの構造を検査(リフレクション)するための機能を提供します。これにより、変数の型、値、メソッドなどを動的に調べたり、操作したりすることができます。
reflect.Value
: 実行時のGoの値を表します。reflect.Type
: 実行時のGoの型を表します。Kind()
:reflect.Type
のメソッドで、その型がプリミティブ型(例:int
,string
)なのか、複合型(例:struct
,slice
)なのかを返します。
Go言語のコメント
Go言語では、単一行コメント(//
)と複数行コメント(/* ... */
)が使用されます。コメントはコードの意図や複雑なロジックを説明するために重要ですが、常に最新のコードと同期している必要があります。
parsenum
関数(Go言語のfmt
パッケージ内)
fmt
パッケージ内部で使用されるユーティリティ関数の一つで、文字列から数値を解析する役割を担います。フォーマット文字列の解析など、内部的な処理で利用されます。
技術的詳細
このコミットは、src/pkg/fmt/print.go
ファイル内の2つの異なる箇所に修正を加えています。
-
parsenum
関数のコメント修正:parsenum
関数は、文字列の一部を解析して整数に変換する内部ヘルパー関数です。- 元のコメントでは、返り値が
n
とgot
として言及されていましたが、実際の関数のシグネチャではnum
とisnum
という名前が使われています。このコメントの不一致が修正されました。 - また、コメントの冒頭に
parsenum converts ASCII to integer.
という説明が追加され、関数の目的がより明確になりました。
-
doPrint
関数内のコメント修正:doPrint
関数は、fmt
パッケージのPrint
、Println
、Printf
などの出力関数の内部的な処理を担う中心的な関数です。- この関数内のコメント
// always add spaces if we're doing println
は、Println
関数が引数間にスペースを追加する動作について説明しています。 - 元のコメントでは
println
と小文字で書かれていましたが、Go言語の慣習と実際の関数名に合わせてPrintln
と大文字に修正されました。これは、エクスポートされた関数名が常に大文字で始まるというGoのルールに則ったものです。
これらの変更は、コードの動作には影響を与えませんが、コードベースの正確性と保守性を向上させます。特に、新しい開発者がコードを理解する際に、コメントが誤解を招くことなく、正確な情報を提供できるようになります。
コアとなるコードの変更箇所
--- a/src/pkg/fmt/print.go
+++ b/src/pkg/fmt/print.go
@@ -310,7 +310,7 @@ func getField(v reflect.Value, i int) reflect.Value {
return val
}
-// Convert ASCII to integer. n is 0 (and got is false) if no number present.
+// parsenum converts ASCII to integer. num is 0 (and isnum is false) if no number present.
func parsenum(s string, start, end int) (num int, isnum bool, newi int) {
if start >= end {
return 0, false, end
@@ -1123,7 +1123,7 @@ func (p *pp) doPrint(a []interface{}, addspace, addnewline bool) {
prevString := false
for fieldnum := 0; fieldnum < len(a); fieldnum++ {
p.fmt.clearflags()
- // always add spaces if we're doing println
+ // always add spaces if we're doing Println
field := a[fieldnum]
if fieldnum > 0 {
isString := field != nil && reflect.TypeOf(field).Kind() == reflect.String
コアとなるコードの解説
1. parsenum
関数のコメント修正
-// Convert ASCII to integer. n is 0 (and got is false) if no number present.
+// parsenum converts ASCII to integer. num is 0 (and isnum is false) if no number present.
- 変更前:
// Convert ASCII to integer. n is 0 (and got is false) if no number present.
- このコメントは、
parsenum
関数がASCII文字列を整数に変換することを示しています。 - しかし、コメント内で言及されている返り値の変数名が
n
とgot
となっており、これは実際の関数のシグネチャfunc parsenum(...) (num int, isnum bool, newi int)
と一致していませんでした。
- このコメントは、
- 変更後:
// parsenum converts ASCII to integer. num is 0 (and isnum is false) if no number present.
- コメントの冒頭に
parsenum converts ASCII to integer.
という説明が追加され、関数の目的がより明確になりました。 - 返り値の変数名が
num
とisnum
に修正され、実際の関数のシグネチャとコメントが一致するようになりました。これにより、コードの可読性と正確性が向上しています。
- コメントの冒頭に
2. doPrint
関数内のコメント修正
-// always add spaces if we're doing println
+// always add spaces if we're doing Println
- 変更前:
// always add spaces if we're doing println
- このコメントは、
fmt.Println
のような関数が引数間にスペースを自動的に追加する動作を説明しています。 - しかし、
println
と小文字で記述されており、これはGo言語の標準ライブラリでエクスポートされている関数名Println
(大文字で始まる)とは異なっていました。
- このコメントは、
- 変更後:
// always add spaces if we're doing Println
println
がPrintln
に修正されました。これにより、コメントがGo言語の命名規則と実際の関数名に合致し、正確な情報を提供するようになりました。
これらの変更は、コードの動作に影響を与えることなく、コメントの正確性を高め、将来的なコードの理解と保守を容易にするためのものです。
関連リンク
- Go言語の
fmt
パッケージ公式ドキュメント: https://pkg.go.dev/fmt - Go言語の
reflect
パッケージ公式ドキュメント: https://pkg.go.dev/reflect - Go言語のChange List (CL) 6998055: https://go-review.googlesource.com/c/go/+/6998055 (これは元の
golang.org/cl/6998055
がリダイレクトされる新しいURLです)
参考にした情報源リンク
- Go言語の公式ドキュメント (
fmt
およびreflect
パッケージ) - Go言語のChange Listシステム (Gerrit) の一般的な理解
- Go言語の命名規則に関する一般的な知識
- GitHubのコミット履歴