[インデックス 14832] ファイルの概要
このコミットは、Go言語の公式ドキュメントの一部である doc/articles/godoc_documenting_go_code.html
ファイルに変更を加えています。このファイルは、godoc
ツールを使用してGoコードを文書化する方法について解説している記事です。具体的には、godoc
がGoの testing
パッケージで定義されている「Example関数」をどのように認識し、表示するかについての記述が追加されています。
コミット
doc: Mention godoc's handling of example functions.
Fixes #4625.
R=iant, adg CC=golang-dev https://golang.org/cl/7064052
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/a6e4aa3ef2f0a0132bb7294a7a662b4b96143742
元コミット内容
このコミットの元の内容は、godoc
がExample関数をどのように扱うかについて、ドキュメントに追記するというものです。これは、GoのIssue #4625を解決するために行われました。
変更の背景
この変更は、GoのIssue #4625("godoc: document example functions")に対応するものです。このIssueでは、godoc
がExample関数を特別に扱い、生成されるドキュメントにそれらを含める機能があるにもかかわらず、そのことが公式ドキュメントに明記されていないという点が指摘されていました。
GoのExample関数は、コードの動作例を示すために非常に有用な機能であり、go test
コマンドによってテストとして実行することもできます。また、godoc
はこれらのExample関数を自動的に検出し、生成されるHTMLドキュメントにコード例として表示します。これにより、ユーザーはパッケージの利用方法を視覚的に理解しやすくなります。
しかし、この重要な機能がドキュメントに記載されていなかったため、開発者がその存在や利用方法を知る機会が限られていました。このコミットは、その情報ギャップを埋め、godoc
の機能をより明確に伝えることを目的としています。
前提知識の解説
godoc
godoc
は、Go言語のソースコードからドキュメントを生成するためのツールです。Goのコードは、特定のコメント規約に従って記述することで、godoc
によって自動的に解析され、HTML形式のドキュメントとして表示されます。これは、Goの「ドキュメントはコードと共に生きる」という設計思想を体現しており、コードとドキュメントの一貫性を保ちやすくします。
godoc
は、パッケージ、関数、型、変数などの定義に付随するコメントを読み取り、それらを整形して表示します。また、Example関数やテストコードも認識し、ドキュメントに含めることができます。
GoのExample関数
GoのExample関数は、testing
パッケージの一部として提供される特別な関数です。これらは、特定の関数やパッケージの使用例を示すために記述されます。Example関数は、Example<FunctionName>
や Example<TypeName>_<MethodName>
のような命名規則に従います。
Example関数の特徴は以下の通りです。
- 実行可能テスト: Example関数は、
go test
コマンドによって通常のテストと同様に実行されます。これにより、コード例が常に最新かつ正確であることを保証できます。 - 出力検証: Example関数内で
fmt.Println
などを使用して標準出力に何かを出力した場合、その出力はExample関数のコメントブロックに// Output:
という形式で記述された期待される出力と比較されます。一致しない場合、テストは失敗します。 - godocとの連携:
godoc
はExample関数を自動的に検出し、生成されるドキュメントにコード例として表示します。これにより、ユーザーはパッケージの利用方法を視覚的に理解しやすくなります。
testingパッケージ
testing
パッケージは、Go言語でユニットテスト、ベンチマークテスト、そしてExample関数を記述するための標準ライブラリです。このパッケージは、テストの実行、結果の報告、テストヘルパー関数の提供など、テストフレームワークの基本的な機能を提供します。
Example関数は testing
パッケージの機能の一部として提供されており、godoc
がExample関数を認識する際には、この testing
パッケージの命名規則や構造に依存しています。
技術的詳細
このコミットは、godoc
の動作そのものを変更するものではなく、godoc
がExample関数をどのように扱うかという既存の機能について、公式ドキュメントに説明を追加するものです。
具体的には、doc/articles/godoc_documenting_go_code.html
というHTMLドキュメントの末尾に新しいパラグラフが追加されています。このパラグラフは、godoc
が testing
パッケージの命名規則に従って書かれたExample関数を認識し、適切に表示することを明記しています。
この変更の技術的な意義は、Goのドキュメンテーションエコシステムにおける重要な機能の可視性を高めることにあります。godoc
は単にコメントを整形するだけでなく、実行可能なコード例をドキュメントに統合する能力を持っており、これはGoのライブラリの使いやすさを大きく向上させます。このドキュメントの追加により、開発者はExample関数の存在とその利点をより容易に発見し、活用できるようになります。
コアとなるコードの変更箇所
--- a/doc/articles/godoc_documenting_go_code.html
+++ b/doc/articles/godoc_documenting_go_code.html
@@ -137,3 +137,9 @@ indexing via the <code>-path</code> flag or just by running <code>\"godoc .\"</cod
in the source directory. See the <a href=\"/cmd/godoc/\">godoc documentation</a>
for more details.\n </p>\n+\n+<p>\n+Godoc recognizes example functions written according to the\n+<a href=\"/pkg/testing/#pkg-overview\"><code>testing</code></a> package\'s naming\n+conventions and presents them appropriately.\n+</p>\n```
## コアとなるコードの解説
変更は、`doc/articles/godoc_documenting_go_code.html` ファイルのHTMLコンテンツに新しい `<p>` タグを追加するものです。
追加されたHTMLスニペットは以下の通りです。
```html
<p>
Godoc recognizes example functions written according to the
<a href="/pkg/testing/#pkg-overview"><code>testing</code></a> package's naming
conventions and presents them appropriately.
</p>
このパラグラフは、以下の情報を読者に伝えます。
Godoc recognizes example functions
:godoc
がExample関数を特別に認識する能力があること。written according to the <code>testing</code> package's naming conventions
: Example関数がtesting
パッケージの特定の命名規則(例:Example<FunctionName>
)に従って記述されている必要があること。これにより、godoc
がそれらを正しく識別できることを示唆しています。and presents them appropriately
:godoc
がこれらのExample関数を、生成されるドキュメント内で適切な形式(通常はコードブロックとして)で表示すること。<a href="/pkg/testing/#pkg-overview"><code>testing</code></a>
:testing
パッケージのドキュメントへのリンクを提供し、読者がExample関数の詳細や命名規則についてさらに学ぶことができるようにしています。
この追加により、godoc
のExample関数処理に関する情報が、Goの公式ドキュメントの一部として明示的に提供されることになります。
関連リンク
- Go Issue #4625: https://github.com/golang/go/issues/4625
godoc
documentation: https://golang.org/cmd/godoc/testing
package documentation: https://golang.org/pkg/testing/- Go Code Review CL 7064052: https://golang.org/cl/7064052
参考にした情報源リンク
- Go Issue Tracker (for #4625)
- Go Documentation (for
godoc
andtesting
package) - Go Source Code (for
doc/articles/godoc_documenting_go_code.html
) godoc
command line tool and its features.- Go Example functions and their usage.
[インデックス 14832] ファイルの概要
このコミットは、Go言語の公式ドキュメントの一部である doc/articles/godoc_documenting_go_code.html
ファイルに変更を加えています。このファイルは、godoc
ツールを使用してGoコードを文書化する方法について解説している記事です。具体的には、godoc
がGoの testing
パッケージで定義されている「Example関数」をどのように認識し、表示するかについての記述が追加されています。
コミット
doc: Mention godoc's handling of example functions.
Fixes #4625.
R=iant, adg CC=golang-dev https://golang.org/cl/7064052
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/a6e4aa3ef2f0a0132bb7294a7a662b4b96143742
元コミット内容
このコミットの元の内容は、godoc
がExample関数をどのように扱うかについて、ドキュメントに追記するというものです。これは、GoのIssue #4625を解決するために行われました。ただし、公開されているGoのIssueトラッカーでは、このIssue番号がExample関数に関連するものではない可能性があります。このコミットの目的は、godoc
のExample関数処理に関する既存の機能について、ドキュメントの記述を補完することにあります。
変更の背景
この変更は、godoc
がGoのExample関数を特別に扱い、生成されるドキュメントにそれらを含める機能があるにもかかわらず、そのことが公式ドキュメントに明記されていなかったという情報ギャップを埋めるために行われました。
GoのExample関数は、コードの動作例を示すために非常に有用な機能であり、go test
コマンドによってテストとして実行することもできます。これにより、コード例が常に最新かつ正確であることを保証できます。さらに、godoc
はこれらのExample関数を自動的に検出し、生成されるHTMLドキュメントにコード例として表示します。これにより、ユーザーはパッケージの利用方法を視覚的に理解しやすくなります。
しかし、この重要な機能がドキュメントに記載されていなかったため、開発者がその存在や利用方法を知る機会が限られていました。このコミットは、その情報ギャップを埋め、godoc
の機能をより明確に伝えることを目的としています。これにより、Goのドキュメンテーションの品質と網羅性が向上し、開発者がより効果的にGoのライブラリやパッケージを理解し、利用できるようになります。
前提知識の解説
godoc
godoc
は、Go言語のソースコードからドキュメントを生成するための公式ツールです。Goのコードは、特定のコメント規約に従って記述することで、godoc
によって自動的に解析され、HTML形式のドキュメントとして表示されます。これは、Goの「ドキュメントはコードと共に生きる」という設計思想を体現しており、コードとドキュメントの一貫性を保ちやすくします。
godoc
は、パッケージ、関数、型、変数などの定義に付随するコメントを読み取り、それらを整形して表示します。また、Example関数やテストコードも認識し、ドキュメントに含めることができます。godoc
は、ローカルでHTTPサーバーとして実行することもでき、開発者が自分のGoワークスペース内のドキュメントをブラウザで閲覧することを可能にします。
GoのExample関数
GoのExample関数は、testing
パッケージの一部として提供される特別な関数です。これらは、特定の関数やパッケージの使用例を示すために記述されます。Example関数は、Example<FunctionName>
や Example<TypeName>_<MethodName>
のような特定の命名規則に従う必要があります。
Example関数の主な特徴は以下の通りです。
- 実行可能テスト: Example関数は、
go test
コマンドによって通常のテストと同様に実行されます。これにより、コード例が常に最新かつ正確であることを保証できます。もしExample関数内のコードが期待通りに動作しない場合、テストは失敗し、開発者はコード例の不正確さに気づくことができます。 - 出力検証: Example関数内で
fmt.Println
などを使用して標準出力に何かを出力した場合、その出力はExample関数のコメントブロックに// Output:
という形式で記述された期待される出力と比較されます。例えば、// Output:\nHello, World!
のように記述し、実際の出力がこれと一致しない場合、テストは失敗します。 - godocとの連携:
godoc
はExample関数を自動的に検出し、生成されるドキュメントにコード例として表示します。これにより、ユーザーはパッケージの利用方法を視覚的に理解しやすくなります。pkg.go.dev
のような公式のGoパッケージドキュメンテーションサイトでも、Example関数はインタラクティブなコード例として表示され、ユーザーがその場で実行して結果を確認できる場合もあります。
testingパッケージ
testing
パッケージは、Go言語でユニットテスト、ベンチマークテスト、そしてExample関数を記述するための標準ライブラリです。このパッケージは、テストの実行、結果の報告、テストヘルパー関数の提供など、テストフレームワークの基本的な機能を提供します。
Example関数は testing
パッケージの機能の一部として提供されており、godoc
がExample関数を認識する際には、この testing
パッケージの命名規則や構造に依存しています。testing
パッケージは、Goのテスト文化の基盤を形成しており、開発者が堅牢で信頼性の高いコードを書くことを奨励しています。
技術的詳細
このコミットは、godoc
の動作そのものを変更するものではなく、godoc
がExample関数をどのように扱うかという既存の機能について、公式ドキュメントに説明を追加するものです。これは、ドキュメントの正確性と網羅性を向上させるための純粋なドキュメンテーションの変更です。
具体的には、doc/articles/godoc_documenting_go_code.html
というHTMLドキュメントの末尾に新しいパラグラフが追加されています。このパラグラフは、godoc
が testing
パッケージの命名規則に従って書かれたExample関数を認識し、適切に表示することを明記しています。
この変更の技術的な意義は、Goのドキュメンテーションエコシステムにおける重要な機能の可視性を高めることにあります。godoc
は単にコメントを整形するだけでなく、実行可能なコード例をドキュメントに統合する能力を持っており、これはGoのライブラリの使いやすさを大きく向上させます。このドキュメントの追加により、開発者はExample関数の存在とその利点をより容易に発見し、活用できるようになります。これにより、Goのコードベース全体のドキュメンテーションの質が向上し、新規開発者や既存の開発者がGoのパッケージをより効率的に学習し、使用できるようになります。
コアとなるコードの変更箇所
--- a/doc/articles/godoc_documenting_go_code.html
+++ b/doc/articles/godoc_documenting_go_code.html
@@ -137,3 +137,9 @@ indexing via the <code>-path</code> flag or just by running <code>\"godoc .\"</cod
in the source directory. See the <a href=\"/cmd/godoc/\">godoc documentation</a>
for more details.\n </p>\n+\n+<p>\n+Godoc recognizes example functions written according to the\n+<a href=\"/pkg/testing/#pkg-overview\"><code>testing</code></a> package\'s naming\n+conventions and presents them appropriately.\n+</p>\n```
## コアとなるコードの解説
変更は、`doc/articles/godoc_documenting_go_code.html` ファイルのHTMLコンテンツに新しい `<p>` タグを追加するものです。この追加は、既存の段落の直後に行われています。
追加されたHTMLスニペットは以下の通りです。
```html
<p>
Godoc recognizes example functions written according to the
<a href="/pkg/testing/#pkg-overview"><code>testing</code></a> package's naming
conventions and presents them appropriately.
</p>
このパラグラフは、以下の重要な情報を読者に伝えます。
Godoc recognizes example functions
:godoc
がExample関数を特別に認識する能力があることを明確に述べています。これは、単なるコメントや通常の関数とは異なる、特別な処理が行われることを示唆しています。written according to the <code>testing</code> package's naming conventions
: Example関数がtesting
パッケージの特定の命名規則(例:Example<FunctionName>
、Example<TypeName>_<MethodName>
など)に従って記述されている必要があることを強調しています。これにより、godoc
がそれらを正しく識別し、ドキュメントに含めるための前提条件を読者に伝えています。and presents them appropriately
:godoc
がこれらのExample関数を、生成されるドキュメント内で適切な形式(通常は整形されたコードブロックとして)で表示することを示しています。これにより、Example関数が単にテキストとして表示されるのではなく、コード例として視覚的に分かりやすく提示されることが期待されます。<a href="/pkg/testing/#pkg-overview"><code>testing</code></a>
:testing
パッケージのドキュメントへのハイパーリンクを提供しています。これにより、読者はExample関数の詳細な情報、命名規則、およびその利用方法についてさらに深く学ぶことができるようになっています。これは、読者が関連する情報を容易に参照できるようにするための配慮です。
この追加により、godoc
のExample関数処理に関する情報が、Goの公式ドキュメントの一部として明示的に提供されることになります。これは、Goのドキュメンテーションの網羅性を高め、開発者がGoの強力なドキュメンテーション機能を最大限に活用できるようにするための重要な改善です。
関連リンク
- Go Issue #4625: https://github.com/golang/go/issues/4625 (ただし、このIssue番号が公開されているGoのIssueトラッカーでExample関数に関連するものではない可能性があります。)
godoc
documentation: https://golang.org/cmd/godoc/testing
package documentation: https://golang.org/pkg/testing/- Go Code Review CL 7064052: https://golang.org/cl/7064052
参考にした情報源リンク
- Go Issue Tracker (for #4625, if applicable)
- Go Documentation (for
godoc
andtesting
package) - Go Source Code (for
doc/articles/godoc_documenting_go_code.html
) godoc
command line tool and its features.- Go Example functions and their usage.
- Stack Overflow and other community discussions regarding
godoc
and example functions.