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[インデックス 14834] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の標準ライブラリ unicode/utf8 パッケージ内の utf8.go ファイルにおけるコメントのタイポ(誤字)を修正するものです。機能的な変更は一切なく、コードの可読性を向上させるための軽微な修正です。

コミット

commit be36ab339f5f11f2daaec29e46e9e1ce25c74688
Author: Andrey Mirtchovski <mirtchovski@gmail.com>
Date:   Wed Jan 9 11:07:13 2013 -0800

    utf8: fix typo.
    
    R=golang-dev, iant
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/7063056
---
 src/pkg/unicode/utf8/utf8.go | 2 +--
 1 file changed, 1 insertion(+), 1 deletion(-)

diff --git a/src/pkg/unicode/utf8/utf8.go b/src/pkg/unicode/utf8/utf8.go
index ad23577740..93d0be5e0c 100644
--- a/src/pkg/unicode/utf8/utf8.go
+++ b/src/pkg/unicode/utf8/utf8.go
@@ -400,7 +400,7 @@ func Valid(p []byte) bool {
 		} else {
 			_, size := DecodeRune(p[i:])
 			if size == 1 {
-				// All valid runes of size of 1 (those
+				// All valid runes of size 1 (those
 				// below RuneSelf) were handled above.
 				// This must be a RuneError.
 				return false

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/be36ab339f5f11f2daaec29e46e9e1ce25c74688

元コミット内容

このコミットは、Go言語の unicode/utf8 パッケージ内の utf8.go ファイルにあるコメントのタイポを修正します。具体的には、「size of 1」という記述を「size 1」に修正しています。

変更の背景

この変更は、コードのコメントに含まれる単純な誤字を修正するためのものです。src/pkg/unicode/utf8/utf8.go ファイル内の Valid 関数のコメントにおいて、「size of 1」という表現が文法的に不自然であったため、「size 1」というより自然な表現に修正されました。これはコードの動作に影響を与えるものではなく、純粋にコメントの正確性と可読性を向上させるための保守的な変更です。

前提知識の解説

UTF-8とは

UTF-8(Unicode Transformation Format - 8-bit)は、Unicode文字を可変長でエンコードするための文字エンコーディング方式です。ASCII文字(0-127)は1バイトで表現され、それ以外の文字は2バイトから4バイトで表現されます。これにより、ASCIIとの互換性を保ちつつ、世界中の多様な言語の文字を効率的に表現できます。Webページや多くの現代的なシステムで広く採用されています。

Go言語におけるUnicodeとrune

Go言語は、文字列をUTF-8でエンコードされたバイト列として扱います。Goの組み込み型である string は不変のバイトスライスであり、UTF-8のシーケンスを保持します。 Goには rune という特殊な型があります。rune はGoにおけるUnicodeコードポイントを表すエイリアス型であり、実体は int32 です。これにより、GoはUTF-8バイト列から個々のUnicode文字(コードポイント)を効率的に操作できます。

unicode/utf8 パッケージ

Goの標準ライブラリ unicode/utf8 パッケージは、UTF-8エンコードされたバイト列を操作するためのユーティリティ関数を提供します。主な機能には以下のようなものがあります。

  • UTF-8の検証: バイト列が有効なUTF-8シーケンスであるかを確認します。
  • ルーンのデコード/エンコード: UTF-8バイト列からルーンをデコードしたり、ルーンをUTF-8バイト列にエンコードしたりします。
  • ルーンの長さの計算: UTF-8エンコードされたルーンが占めるバイト数を計算します。

このパッケージは、GoプログラムがUnicodeテキストを正しく処理するために不可欠です。

Valid 関数

unicode/utf8 パッケージの Valid(p []byte) bool 関数は、与えられたバイトスライス p が有効なUTF-8エンコーディングであるかどうかをチェックします。この関数は、不正なバイトシーケンスや、UTF-8の規則に違反するシーケンスを検出します。

DecodeRune 関数

unicode/utf8 パッケージの DecodeRune(p []byte) (r rune, size int) 関数は、与えられたバイトスライス p の先頭から1つのUTF-8エンコードされたルーンをデコードします。戻り値として、デコードされたルーン r と、そのルーンが占めるバイト数 size を返します。もし不正なシーケンスが検出された場合、runicode.ReplacementChar (U+FFFD) となり、size は1となります。

RuneSelf 定数

unicode/utf8 パッケージには RuneSelf という定数があります。これは 0x80 (128) の値を持つ rune です。RuneSelf は、UTF-8エンコーディングにおいて、1バイトで表現できる文字(ASCII文字)と、複数バイトで表現される文字の境界を示します。つまり、rune の値が RuneSelf 未満であれば1バイトで表現され、それ以上であれば複数バイトで表現されます。

技術的詳細

このコミットで修正された箇所は、src/pkg/unicode/utf8/utf8.go ファイル内の Valid 関数にあります。Valid 関数は、入力されたバイトスライスが有効なUTF-8シーケンスであるかを効率的に検証するために、様々なチェックを行います。

修正されたコメントは、Valid 関数がバイトスライスをイテレートし、各ルーンの有効性を確認するロジックの一部に存在します。特に、DecodeRune を呼び出してルーンをデコードし、その size が1である場合の処理に関するコメントです。

// src/pkg/unicode/utf8/utf8.go
func Valid(p []byte) bool {
	// ... (前略) ...
	} else {
		_, size := DecodeRune(p[i:])
		if size == 1 {
			// All valid runes of size 1 (those
			// below RuneSelf) were handled above.
			// This must be a RuneError.
			return false
		}
	}
	// ... (後略) ...
}

このコードブロックでは、DecodeRune が返した size が1である場合を処理しています。コメントが説明しているのは、size が1である有効なルーン(つまりASCII文字)は、この if ブロックよりも前の処理で既に検証済みである、という点です。したがって、この if size == 1 の条件に到達した時点で DecodeRunesize を1と返した場合、それは unicode.ReplacementChar (U+FFFD) を含む不正なシーケンスである可能性が高い、ということを示唆しています。このため、return false で無効なUTF-8シーケンスとして処理を終了します。

修正されたコメント「All valid runes of size 1 (those below RuneSelf) were handled above.」は、このロジックの意図をより正確に伝えています。RuneSelf 未満のルーンは1バイトで表現され、それらは既に処理済みであるため、ここで size == 1 となるのはエラーケースである、という文脈です。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/pkg/unicode/utf8/utf8.go
+++ b/src/pkg/unicode/utf8/utf8.go
@@ -400,7 +400,7 @@ func Valid(p []byte) bool {
 		} else {
 			_, size := DecodeRune(p[i:])
 			if size == 1 {
-				// All valid runes of size of 1 (those
+				// All valid runes of size 1 (those
 				// below RuneSelf) were handled above.
 				// This must be a RuneError.
 				return false

コアとなるコードの解説

変更された行は src/pkg/unicode/utf8/utf8.go の401行目です。

  • 変更前: // All valid runes of size of 1 (those
  • 変更後: // All valid runes of size 1 (those

この変更は、コメント内の「size of 1」という表現を「size 1」に修正したものです。英語の文法において、「size of 1」は「1のサイズ」という意味合いで、間違いではありませんが、「size 1」の方がより簡潔で自然な表現です。特に技術文書やコードコメントにおいては、簡潔さが好まれます。この修正は、コードの動作には全く影響を与えず、純粋にコメントの可読性と英語表現の自然さを向上させるためのものです。

関連リンク

参考にした情報源リンク