[インデックス 14980] ファイルの概要
このコミットは、Go言語の公式ドキュメントである doc/go_faq.html
と doc/go_spec.html
における軽微な書式設定の修正を目的としています。具体的には、余分なスペースの削除、HTMLタグの配置調整(アラインメント)、およびタブ文字をスペースに変換する変更が含まれています。これにより、ドキュメントの可読性と一貫性が向上します。
コミット
commit 018e89fa697a2c687b83de36e7ae5dcaff6ade49
Author: Oling Cat <olingcat@gmail.com>
Date: Thu Jan 24 20:46:33 2013 +1100
doc/go_spec: remove extra space, align tags, and change a tab to a space.
R=golang-dev, adg
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/7198048
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/018e89fa697a2c687b83de36e7ae5dcaff6ade49
元コミット内容
doc/go_spec
: 余分なスペースを削除し、タグを整列させ、タブをスペースに変更。
変更の背景
ソフトウェアプロジェクトにおいて、ドキュメントの品質はコードの品質と同様に重要です。特に、Go言語のような公式ドキュメントは、多くの開発者が参照するため、その正確性、明瞭性、そして一貫した書式は極めて重要です。このコミットは、GoのFAQ (go_faq.html
) と仕様書 (go_spec.html
) のHTMLソースコード内に存在する軽微な書式上の不整合(余分なスペース、タグの不揃いな配置、タブとスペースの混在)を修正することを目的としています。
これらの書式上の問題は、直接的にドキュメントの内容の正確性に影響を与えるものではありませんが、ソースコードの可読性を低下させ、将来的なメンテナンスを困難にする可能性があります。また、一貫性のない書式は、プロジェクト全体のコーディング規約やドキュメント作成ガイドラインへの準拠を妨げることもあります。このコミットは、このような細部の修正を通じて、ドキュメントの品質を維持・向上させるための継続的な取り組みの一環として行われました。
前提知識の解説
このコミットを理解するためには、以下の前提知識が役立ちます。
- HTML (HyperText Markup Language): Webページの構造を定義するためのマークアップ言語です。このコミットでは、HTMLファイル内のテキストやタグの配置が修正されています。HTMLは、要素(タグで囲まれたコンテンツ)と属性(タグ内の追加情報)で構成されます。
- Go言語のドキュメント構造: Go言語の公式ドキュメントは、通常、
doc/
ディレクトリ以下に配置されており、HTML形式で提供されます。これらはgodoc
ツールによって生成・提供されることもあります。 - Whitespace (空白文字): プログラミングやマークアップにおいて、スペース、タブ、改行などの目に見えない文字を指します。これらの文字は、コードやドキュメントの整形、可読性に大きな影響を与えます。特に、タブとスペースの混在は、異なるエディタや環境で表示が崩れる原因となることがあります。
- コードレビュープロセス (R=, CC=): コミットメッセージにある
R=
(Reviewers) とCC=
(Carbon Copy) は、Goプロジェクトで一般的に使用されるGerritなどのコードレビューシステムにおける慣習です。これは、変更がレビューされ、承認されたことを示します。 - Gerrit Change-ID (golang.org/cl/...):
https://golang.org/cl/7198048
は、Goプロジェクトが使用するGerritコードレビューシステムにおける変更セット(Change-ID)へのリンクです。これは、特定のコミットがどのレビュープロセスを経てマージされたかを示すものです。
技術的詳細
このコミットで行われた技術的な変更は、主にHTMLファイルのソースコードにおける空白文字の調整とタグの配置の統一です。
- 余分なスペースの削除: HTMLタグの前後やテキストの間に不要なスペースが存在する場合、それらを削除します。これにより、ソースコードがよりコンパクトになり、視覚的なノイズが減少します。例えば、
<p>
タグの直後に余分なスペースがある場合、それを削除します。 - タグのアラインメント: HTML要素や属性が複数行にわたる場合、それらを垂直方向に揃えることで、コードの構造が視覚的に明確になります。これは、特にリスト要素 (
<ul>
,<li>
) や属性が多いタグで効果的です。例えば、複数の<li>
タグの開始位置を揃えることで、リストの構造が一目でわかるようになります。 - タブからスペースへの変換: プロジェクトによっては、インデントにタブ文字ではなくスペース文字を使用するという規約があります。このコミットでは、タブ文字でインデントされていた箇所を、同等の数のスペース文字に置き換えることで、プロジェクト全体のインデント規約に準拠させます。これにより、異なる開発環境やテキストエディタでファイルを開いた際に、インデントの表示が崩れることを防ぎ、一貫した整形を保証します。
これらの変更は、HTMLのレンダリング結果(ブラウザでの表示)に直接的な影響を与えることはほとんどありませんが、ドキュメントのソースコードの保守性と可読性を大幅に向上させます。これは、大規模なオープンソースプロジェクトにおいて、多くの貢献者がコードベースを理解し、変更を加える上で非常に重要な側面です。
コアとなるコードの変更箇所
このコミットでは、以下の2つのファイルが変更されています。
doc/go_faq.html
doc/go_spec.html
具体的な変更箇所は、diff出力から確認できます。以下に主要な変更パターンを抜粋します。
doc/go_faq.html
の変更例:
--- a/doc/go_faq.html
+++ b/doc/go_faq.html
@@ -208,7 +208,7 @@ easier to understand what happens when things combine.
<h3 id="Is_Google_using_go_internally"> Is Google using Go internally?</h3>
<p>
-Yes. There are now several Go programs deployed in
+Yes. There are now several Go programs deployed in
production inside Google. A public example is the server behind
<a href="http://golang.org">http://golang.org</a>.
It's just the <a href="/cmd/godoc"><code>godoc</code></a>
@@ -224,14 +224,14 @@ There are two Go compiler implementations, <code>gc</code>
(the <code>6g</code> program and friends) and <code>gccgo</code>.
<code>Gc</code> uses a different calling convention and linker and can
therefore only be linked with C programs using the same convention.
-There is such a C compiler but no C++ compiler.
-<code>Gccgo</code> is a GCC front-end that can, with care, be linked with
-GCC-compiled C or C++ programs.
+There is such a C compiler but no C++ compiler.
+<code>Gccgo</code> is a GCC front-end that can, with care, be linked with
+GCC-compiled C or C++ programs.
</p>
<p>
-The <a href="/cmd/cgo/">cgo</a> program provides the mechanism for a
-“foreign function interface” to allow safe calling of
+The <a href="/cmd/cgo/">cgo</a> program provides the mechanism for a
+“foreign function interface” to allow safe calling of
C libraries from Go code. SWIG extends this capability to C++ libraries.
</p>
上記の例では、行末の不要なスペースが削除されています。
doc/go_spec.html
の変更例:
--- a/doc/go_spec.html
+++ b/doc/go_spec.html
@@ -2506,7 +2506,7 @@ If <code>a</code> is not a map:\n <li>the index <code>x</code> must be an integer value; it is <i>in range</i> if <code>0 <= x < len(a)</code>,\n \t otherwise it is <i>out of range</i></li>\n \t<li>a <a href="#Constants">constant</a> index must be non-negative\n-\t and representable by a value of type <code>int</code>\n+\t and representable by a value of type <code>int</code>\n </ul>\n \n <p>\n@@ -2518,7 +2518,7 @@ where <code>A</code> is an <a href="#Array_types">array type</a>:\n \t<li>if <code>a</code> is <code>nil</code> or if <code>x</code> is out of range at run time,\n \t a <a href="#Run_time_panics">run-time panic</a> occurs</li>\n \t<li><code>a[x]</code> is the array element at index <code>x</code> and the type of\n-\t <code>a[x]</code> is the element type of <code>A</code></li>\n+\t <code>a[x]</code> is the element type of <code>A</code></li>
上記の例では、インデントのタブ文字がスペースに変換され、アラインメントが調整されています。特に <li>
タグ内のテキストのインデントが統一されています。
コアとなるコードの解説
このコミットの「コアとなるコードの変更箇所」は、Go言語のドキュメントのHTMLソースコードにおける、主に空白文字とインデントの修正です。これらの変更は、以下のような目的と効果を持っています。
-
可読性の向上:
- 余分なスペースの削除: 行末やタグの直後にある不要なスペースは、視覚的なノイズとなり、ソースコードの読みやすさを損ないます。これらを削除することで、コードがすっきりと見え、本質的な内容に集中しやすくなります。
- タグのアラインメント: HTMLのリスト (
<li>
) や定義リスト (<dt>
,<dd>
) など、構造化されたコンテンツにおいて、関連するタグの開始位置を揃えることで、その構造が視覚的に明確になります。これにより、ドキュメントの論理的な階層が理解しやすくなります。
-
一貫性の確保:
- タブからスペースへの変換: Goプロジェクトでは、一般的にインデントにタブではなくスペースを使用するコーディング規約が採用されています。このコミットは、既存のドキュメントソースコードがこの規約に準拠していなかった部分を修正し、プロジェクト全体での一貫性を確保します。タブとスペースの混在は、異なるテキストエディタやIDEでファイルを開いた際に、インデントが崩れて表示される原因となることがあり、これは開発体験を損ねます。統一されたインデントスタイルは、このような問題を回避し、どの環境でも同じように整形されたコードが表示されることを保証します。
これらの変更は、ドキュメントの「見た目」を直接変えるものではなく、その「裏側」にあるソースコードの品質と保守性を高めるものです。これにより、将来的にドキュメントを更新したり、新しいコンテンツを追加したりする際に、開発者がより効率的に作業できるようになります。また、プロジェクトのコーディング規約への厳密な準拠は、大規模なオープンソースプロジェクトにおける共同作業の円滑化に不可欠です。
関連リンク
- Gerrit Change-ID: https://golang.org/cl/7198048
参考にした情報源リンク
- 特になし(コミット内容とdiffから直接解析)