[インデックス 15046] ファイルの概要
このコミットは、src/cmd/gc/bisonerrors
ファイルに対する変更です。このファイルは、Goコンパイラ(cmd/gc
)の一部であり、GNU Bisonによって生成されるパーサの出力、特に状態ダンプを処理するためのスクリプトです。
コミット
- コミットハッシュ:
e7ef3b6dafd1bd8d460029880d559a403d46d20c
- 作者: Anthony Martin ality@pbrane.org
- コミット日時: 2013年1月30日 水曜日 15:06:35 -0800
- 変更ファイル:
src/cmd/gc/bisonerrors
(1ファイル) - 変更行数: 2行追加、2行削除
GitHub上でのコミットページへのリンク
https://github.com/golang/go/commit/e7ef3b6dafd1bd8d460029880d559a403d46d20c
元コミット内容
cmd/gc: support GNU Bison 2.7 in bisonerrors
R=golang-dev, minux.ma, rsc
CC=golang-dev
https://golang.org/cl/7235064
変更の背景
このコミットの背景には、Go言語のコンパイラ開発におけるツールチェーンの互換性維持があります。Goコンパイラ(cmd/gc
)は、その構文解析部分にGNU Bisonというパーサジェネレータを利用しています。Bisonは、文法定義ファイルからC言語などのソースコードを生成し、それがコンパイラの一部として組み込まれます。
bisonerrors
スクリプトは、Bisonが生成する出力、特にパーサの状態ダンプやエラーメッセージを解析し、Goコンパイラの開発者がデバッグや解析を行う際に役立つ情報を提供する役割を担っています。
GNU Bisonはバージョンアップに伴い、その出力フォーマットを微調整することがあります。このコミットが行われた当時、GNU Bisonのバージョン2.7がリリースされ、その状態ダンプの出力形式に、以前のバージョンとは異なる変更が加えられた可能性があります。具体的には、状態ダンプの開始を示す「state」というキーワードの先頭文字が大文字の「State」になるケースが発生したと考えられます。
既存のbisonerrors
スクリプトは、このキーワードを小文字の「state」として厳密にマッチングするように記述されていたため、Bison 2.7の新しい出力形式に対応できず、スクリプトが正しく動作しない、あるいは必要な情報を抽出できないという問題が発生しました。このコミットは、この互換性の問題を解決し、bisonerrors
スクリプトがBison 2.7の出力にも対応できるようにするためのものです。
前提知識の解説
Goコンパイラ (cmd/gc
)
cmd/gc
は、Go言語の公式コンパイラであり、Goソースコードを機械語に変換する役割を担っています。Goコンパイラは、字句解析、構文解析、型チェック、最適化、コード生成といった複数のフェーズを経てコンパイルを行います。構文解析フェーズでは、ソースコードがGo言語の文法規則に従っているかを検証し、抽象構文木(AST)を構築します。この構文解析器の生成に、Bisonのようなパーサジェネレータが利用されることがあります。
GNU Bison
GNU Bison(通常は単にBisonと呼ばれる)は、汎用的なパーサジェネレータです。これは、LALR(1)パーサを生成するために設計されており、プログラミング言語のコンパイラやインタプリタ、計算機、データ構造の解析など、様々な構文解析タスクに利用されます。開発者は、BNF(バッカス・ナウア記法)に似た文法規則を記述したファイル(.y
または.yy
拡張子を持つことが多い)をBisonに与えることで、その文法を解析するためのC、C++、Javaなどのソースコードを自動的に生成できます。Bisonは、構文エラーの検出や、解析中に特定のルールがマッチした際のアクションの実行をサポートします。
bisonerrors
スクリプト
src/cmd/gc/bisonerrors
は、Goコンパイラの開発プロセスで使用される補助スクリプトです。このスクリプトは、Bisonが生成するパーサのデバッグ情報、特に状態ダンプ(state dump)を解析するために使用されます。Bisonは、生成されたパーサの内部状態や、シフト/還元(shift/reduce)アクションに関する詳細な情報を出力する機能を持っています。これらの情報は、パーサの動作を理解したり、シフト/還元コンフリクトなどの文法上の問題をデバッグしたりする際に非常に重要です。bisonerrors
スクリプトは、これらのBisonの出力を読み込み、開発者にとってより分かりやすい形式に整形したり、特定の情報を抽出したりする役割を担っています。
正規表現 (Regular Expression)
正規表現は、文字列のパターンを記述するための強力なツールです。特定の文字の並び、文字の繰り返し、文字の選択肢などを簡潔に表現できます。このコミットでは、正規表現の特定の機能が使用されています。
^
: 行の先頭にマッチします。[Ss]
: 角括弧は文字クラスを表し、その中に含まれるいずれか一文字にマッチします。この場合、S
またはs
のいずれか一文字にマッチします。これにより、大文字・小文字を区別しないマッチングが可能になります。state
: リテラル文字列「state」にマッチします。0
: リテラル数字「0」にマッチします。
これらの要素を組み合わせることで、^state 0
は「行頭に"state 0"という文字列がある」パターンにマッチし、^[Ss]tate 0
は「行頭に"state 0"または"State 0"という文字列がある」パターンにマッチするようになります。
技術的詳細
このコミットの技術的な核心は、bisonerrors
スクリプト内で使用されている正規表現の修正です。
元のスクリプトでは、Bisonの状態ダンプから特定の行を識別するために、以下の正規表現パターンを使用していました。
^state 0
: これは、パーサの状態ダンプの開始を示す「state 0」という文字列が行の先頭にある場合にマッチします。^state
: これは、各状態の開始を示す「state 」(stateの後にスペース)という文字列が行の先頭にある場合にマッチします。
しかし、GNU Bison 2.7では、これらのキーワードの先頭文字が小文字の「s」ではなく、大文字の「S」で始まる「State 0」や「State 」として出力されるケースが発生するようになりました。これは、Bisonの内部的な出力フォーマットの変更、あるいは特定のコンパイルオプションや環境設定によって出力が大文字・小文字を区別するようになったためと考えられます。
この変更に対応するため、正規表現が以下のように修正されました。
^[Ss]tate 0
:^state 0
のs
が[Ss]
に変更されました。これにより、行の先頭が「s」または「S」のいずれであっても「tate 0」が続くパターンにマッチするようになります。^[Ss]tate
: 同様に、^state
のs
が[Ss]
に変更されました。これにより、行の先頭が「s」または「S」のいずれであっても「tate 」が続くパターンにマッチするようになります。
この修正により、bisonerrors
スクリプトは、Bison 2.7が生成する状態ダンプの出力形式の変更に柔軟に対応できるようになり、大文字・小文字の区別なく「state」または「State」で始まる行を正しく識別し、処理を続行できるようになりました。これは、ツールチェーンの互換性を維持し、Goコンパイラの開発ワークフローを円滑に進める上で重要な修正です。
コアとなるコードの変更箇所
src/cmd/gc/bisonerrors
ファイルにおける変更は以下の通りです。
--- a/src/cmd/gc/bisonerrors
+++ b/src/cmd/gc/bisonerrors
@@ -41,9 +41,9 @@ grammar && NF>0 {
}
# In state dumps, record shift/reduce actions.
-bison && /^state 0/ { grammar = 0; states = 1 }\n+bison && /^[Ss]tate 0/ { grammar = 0; states = 1 }\n \n-states && /^state / { state = $2 }\n+states && /^[Ss]tate / { state = $2 }\n states { statetext[state] = statetext[state] $0 \"\\n\" }\n \n states && / shift/ {\n```
## コアとなるコードの解説
変更された行は、`bisonerrors`スクリプト内でBisonの状態ダンプを解析する部分です。このスクリプトは、おそらく`awk`のようなテキスト処理ツールで実行されることを想定しています。
1. **変更前**:
```awk
bison && /^state 0/ { grammar = 0; states = 1 }
```
この行は、`bison`というフラグが真であり、かつ現在の行が正規表現`^state 0`にマッチする場合に、`grammar`と`states`という変数を設定します。これは、Bisonの状態ダンプの開始(通常は「state 0」から始まる)を検出するためのものです。
2. **変更後**:
```awk
bison && /^[Ss]tate 0/ { grammar = 0; states = 1 }
```
正規表現が`^state 0`から`^[Ss]tate 0`に変更されました。これにより、行の先頭が小文字の「s」で始まる「state 0」だけでなく、大文字の「S」で始まる「State 0」にもマッチするようになりました。
3. **変更前**:
```awk
states && /^state / { state = $2 }
```
この行は、`states`というフラグが真であり、かつ現在の行が正規表現`^state `(「state」の後にスペース)にマッチする場合に、行の2番目のフィールド(`$2`)を`state`変数に代入します。これは、各状態ブロックの開始を検出し、その状態番号を抽出するためのものです。
4. **変更後**:
```awk
states && /^[Ss]tate / { state = $2 }
```
同様に、正規表現が`^state `から`^[Ss]tate `に変更されました。これにより、小文字の「state 」だけでなく、大文字の「State 」にもマッチするようになりました。
これらの変更は、`bisonerrors`スクリプトがBison 2.7の出力形式の変更に柔軟に対応し、パーサの状態ダンプを正確に解析し続けることを保証します。これにより、Goコンパイラの開発者は、新しいバージョンのBisonを使用しても、デバッグや解析に必要な情報を引き続き得られるようになります。
## 関連リンク
- Go Gerrit Code Review: [https://golang.org/cl/7235064](https://golang.org/cl/7235064)
## 参考にした情報源リンク
- GNU Bison 公式サイト: [https://www.gnu.org/software/bison/](https://www.gnu.org/software/bison/)
- Go言語のコンパイラに関するドキュメント (Go公式ドキュメント内): [https://go.dev/doc/](https://go.dev/doc/) (一般的な情報源として)
- 正規表現に関する一般的な情報源 (例: MDN Web Docs, regex101.comなど)
# [インデックス 15046] ファイルの概要
このコミットは、`src/cmd/gc/bisonerrors` ファイルに対する変更です。このファイルは、Goコンパイラ(`cmd/gc`)の一部であり、GNU Bisonによって生成されるパーサの出力、特に状態ダンプを処理するためのスクリプトです。
## コミット
- **コミットハッシュ**: `e7ef3b6dafd1bd8d460029880d559a403d46d20c`
- **作者**: Anthony Martin <ality@pbrane.org>
- **コミット日時**: 2013年1月30日 水曜日 15:06:35 -0800
- **変更ファイル**: `src/cmd/gc/bisonerrors` (1ファイル)
- **変更行数**: 2行追加、2行削除
## GitHub上でのコミットページへのリンク
[https://github.com/golang/go/commit/e7ef3b6dafd1bd8d460029880d559a403d46d20c](https://github.com/golang/go/commit/e7ef3b6dafd1bd8d460029880d559a403d46d20c)
## 元コミット内容
cmd/gc: support GNU Bison 2.7 in bisonerrors
R=golang-dev, minux.ma, rsc CC=golang-dev https://golang.org/cl/7235064
## 変更の背景
このコミットの背景には、Go言語のコンパイラ開発におけるツールチェーンの互換性維持があります。Goコンパイラ(`cmd/gc`)は、その構文解析部分にGNU Bisonというパーサジェネレータを利用しています。Bisonは、文法定義ファイルからC言語などのソースコードを生成し、それがコンパイラの一部として組み込まれます。
`bisonerrors`スクリプトは、Bisonが生成する出力、特にパーサの状態ダンプやエラーメッセージを解析し、Goコンパイラの開発者がデバッグや解析を行う際に役立つ情報を提供する役割を担っています。
GNU Bisonはバージョンアップに伴い、その出力フォーマットを微調整することがあります。このコミットが行われた当時、GNU Bisonのバージョン2.7がリリースされ、その状態ダンプの出力形式に、以前のバージョンとは異なる変更が加えられた可能性があります。具体的には、状態ダンプの開始を示す「state」というキーワードの先頭文字が大文字の「State」になるケースが発生したと考えられます。Web検索の結果からも、Bison 2.7ではパーサの状態のグラフィカルな表現に関する改善が行われており、これにより状態ダンプの出力形式にも影響があったことが示唆されます。
既存の`bisonerrors`スクリプトは、このキーワードを小文字の「state」として厳密にマッチングするように記述されていたため、Bison 2.7の新しい出力形式に対応できず、スクリプトが正しく動作しない、あるいは必要な情報を抽出できないという問題が発生しました。このコミットは、この互換性の問題を解決し、`bisonerrors`スクリプトがBison 2.7の出力にも対応できるようにするためのものです。
## 前提知識の解説
### Goコンパイラ (`cmd/gc`)
`cmd/gc`は、Go言語の公式コンパイラであり、Goソースコードを機械語に変換する役割を担っています。Goコンパイラは、字句解析、構文解析、型チェック、最適化、コード生成といった複数のフェーズを経てコンパイルを行います。構文解析フェーズでは、ソースコードがGo言語の文法規則に従っているかを検証し、抽象構文木(AST)を構築します。この構文解析器の生成に、Bisonのようなパーサジェネレータが利用されることがあります。
### GNU Bison
GNU Bison(通常は単にBisonと呼ばれる)は、汎用的なパーサジェネレータです。これは、LALR(1)パーサを生成するために設計されており、プログラミング言語のコンパイラやインタプリタ、計算機、データ構造の解析など、様々な構文解析タスクに利用されます。開発者は、BNF(バッカス・ナウア記法)に似た文法規則を記述したファイル(`.y`または`.yy`拡張子を持つことが多い)をBisonに与えることで、その文法を解析するためのC、C++、Javaなどのソースコードを自動的に生成できます。Bisonは、構文エラーの検出や、解析中に特定のルールがマッチした際のアクションの実行をサポートします。
### `bisonerrors`スクリプト
`src/cmd/gc/bisonerrors`は、Goコンパイラの開発プロセスで使用される補助スクリプトです。このスクリプトは、Bisonが生成するパーサのデバッグ情報、特に状態ダンプ(state dump)を解析するために使用されます。Bisonは、生成されたパーサの内部状態や、シフト/還元(shift/reduce)アクションに関する詳細な情報を出力する機能を持っています。これらの情報は、パーサの動作を理解したり、シフト/還元コンフリクトなどの文法上の問題をデバッグしたりする際に非常に重要です。`bisonerrors`スクリプトは、これらのBisonの出力を読み込み、開発者にとってより分かりやすい形式に整形したり、特定の情報を抽出したりする役割を担っています。
### 正規表現 (Regular Expression)
正規表現は、文字列のパターンを記述するための強力なツールです。特定の文字の並び、文字の繰り返し、文字の選択肢などを簡潔に表現できます。このコミットでは、正規表現の特定の機能が使用されています。
* `^`: 行の先頭にマッチします。
* `[Ss]`: 角括弧は文字クラスを表し、その中に含まれるいずれか一文字にマッチします。この場合、`S`または`s`のいずれか一文字にマッチします。これにより、大文字・小文字を区別しないマッチングが可能になります。
* `state`: リテラル文字列「state」にマッチします。
* `0`: リテラル数字「0」にマッチします。
* ` `: スペース文字にマッチします。
これらの要素を組み合わせることで、`^state 0`は「行頭に"state 0"という文字列がある」パターンにマッチし、`^[Ss]tate 0`は「行頭に"state 0"または"State 0"という文字列がある」パターンにマッチするようになります。
## 技術的詳細
このコミットの技術的な核心は、`bisonerrors`スクリプト内で使用されている正規表現の修正です。
元のスクリプトでは、Bisonの状態ダンプから特定の行を識別するために、以下の正規表現パターンを使用していました。
1. `^state 0`: これは、パーサの状態ダンプの開始を示す「state 0」という文字列が行の先頭にある場合にマッチします。
2. `^state `: これは、各状態の開始を示す「state 」(stateの後にスペース)という文字列が行の先頭にある場合にマッチします。
しかし、GNU Bison 2.7では、これらのキーワードの先頭文字が小文字の「s」ではなく、大文字の「S」で始まる「State 0」や「State 」として出力されるケースが発生するようになりました。これは、Bisonの内部的な出力フォーマットの変更、あるいは特定のコンパイルオプションや環境設定によって出力が大文字・小文字を区別するようになったためと考えられます。
この変更に対応するため、正規表現が以下のように修正されました。
1. `^[Ss]tate 0`: `^state 0`の`s`が`[Ss]`に変更されました。これにより、行の先頭が「s」または「S」のいずれであっても「tate 0」が続くパターンにマッチするようになります。
2. `^[Ss]tate `: 同様に、`^state `の`s`が`[Ss]`に変更されました。これにより、行の先頭が「s」または「S」のいずれであっても「tate 」が続くパターンにマッチするようになります。
この修正により、`bisonerrors`スクリプトは、Bison 2.7が生成する状態ダンプの出力形式の変更に柔軟に対応できるようになり、大文字・小文字の区別なく「state」または「State」で始まる行を正しく識別し、処理を続行できるようになりました。これは、ツールチェーンの互換性を維持し、Goコンパイラの開発ワークフローを円滑に進める上で重要な修正です。
## コアとなるコードの変更箇所
`src/cmd/gc/bisonerrors` ファイルにおける変更は以下の通りです。
```diff
--- a/src/cmd/gc/bisonerrors
+++ b/src/cmd/gc/bisonerrors
@@ -41,9 +41,9 @@ grammar && NF>0 {
}
# In state dumps, record shift/reduce actions.
-bison && /^state 0/ { grammar = 0; states = 1 }\n+bison && /^[Ss]tate 0/ { grammar = 0; states = 1 }\n \n-states && /^state / { state = $2 }\n+states && /^[Ss]tate / { state = $2 }\n states { statetext[state] = statetext[state] $0 \"\\n\" }\n \n states && / shift/ {\n```
## コアとなるコードの解説
変更された行は、`bisonerrors`スクリプト内でBisonの状態ダンプを解析する部分です。このスクリプトは、おそらく`awk`のようなテキスト処理ツールで実行されることを想定しています。
1. **変更前**:
```awk
bison && /^state 0/ { grammar = 0; states = 1 }
```
この行は、`bison`というフラグが真であり、かつ現在の行が正規表現`^state 0`にマッチする場合に、`grammar`と`states`という変数を設定します。これは、Bisonの状態ダンプの開始(通常は「state 0」から始まる)を検出するためのものです。
2. **変更後**:
```awk
bison && /^[Ss]tate 0/ { grammar = 0; states = 1 }
```
正規表現が`^state 0`から`^[Ss]tate 0`に変更されました。これにより、行の先頭が小文字の「s」で始まる「state 0」だけでなく、大文字の「S」で始まる「State 0」にもマッチするようになりました。
3. **変更前**:
```awk
states && /^state / { state = $2 }
```
この行は、`states`というフラグが真であり、かつ現在の行が正規表現`^state `(「state」の後にスペース)にマッチする場合に、行の2番目のフィールド(`$2`)を`state`変数に代入します。これは、各状態ブロックの開始を検出し、その状態番号を抽出するためのものです。
4. **変更後**:
```awk
states && /^[Ss]tate / { state = $2 }
```
同様に、正規表現が`^state `から`^[Ss]tate `に変更されました。これにより、小文字の「state 」だけでなく、大文字の「State 」にもマッチするようになりました。
これらの変更は、`bisonerrors`スクリプトがBison 2.7の出力形式の変更に柔軟に対応し、パーサの状態ダンプを正確に解析し続けることを保証します。これにより、Goコンパイラの開発者は、新しいバージョンのBisonを使用しても、デバッグや解析に必要な情報を引き続き得られるようになります。
## 関連リンク
- Go Gerrit Code Review: [https://golang.org/cl/7235064](https://golang.org/cl/7235064)
## 参考にした情報源リンク
- GNU Bison 公式サイト: [https://www.gnu.org/software/bison/](https://www.gnu.org/software/bison/)
- Go言語のコンパイラに関するドキュメント (Go公式ドキュメント内): [https://go.dev/doc/](https://go.dev/doc/) (一般的な情報源として)
- 正規表現に関する一般的な情報源 (例: MDN Web Docs, regex101.comなど)
- GNU Bison 2.7 の変更点に関する情報 (Web検索結果): [https://www.gnu.org/software/bison/manual/html_node/Bison-2_002e7-changes.html](https://www.gnu.org/software/bison/manual/html_node/Bison-2_002e7-changes.html) (Web検索で得られた情報源の例)