Keyboard shortcuts

Press or to navigate between chapters

Press S or / to search in the book

Press ? to show this help

Press Esc to hide this help

[インデックス 15106] ファイルの概要

このコミットは、Go言語の実験的な型チェッカーである exp/gotype パッケージ内のテストファイル src/pkg/exp/gotype/gotype_test.go に変更を加えています。具体的には、runtime/debug パッケージに関連するテスト項目を一時的に無効化しています。

コミット

  • コミットハッシュ: e87cc3dc5b3bbfeb018744902516e5684ca31a7f
  • Author: Russ Cox rsc@golang.org
  • Date: Sun Feb 3 01:25:58 2013 -0500

GitHub上でのコミットページへのリンク

https://github.com/golang/go/commit/e87cc3dc5b3bbfeb018744902516e5684ca31a7f

元コミット内容

    exp/gotype: disable broken test
    
    R=golang-dev, iant
    CC=golang-dev
    https://golang.org/cl/7275045
---
 src/pkg/exp/gotype/gotype_test.go | 2 +--
 1 file changed, 1 insertion(+), 1 deletion(-)

diff --git a/src/pkg/exp/gotype/gotype_test.go b/src/pkg/exp/gotype/gotype_test.go
index 67ab7cfa74..d6ab5eae41 100644
--- a/src/pkg/exp/gotype/gotype_test.go
+++ b/src/pkg/exp/gotype/gotype_test.go
@@ -181,7 +181,7 @@ var tests = []string{
 
 	// "runtime",
 	"runtime/cgo",
-\t"runtime/debug",
+\t// "runtime/debug", // rejects a valid constant - issue 4744
 \t"runtime/pprof",
 
 \t"sort",

変更の背景

このコミットの主な目的は、exp/gotype パッケージ内の既存のテストが正しく機能しない、つまり「壊れている」ために、そのテストを一時的に無効化することです。具体的には、runtime/debug パッケージに関連するテストが「有効な定数を拒否する (rejects a valid constant)」という問題に直面しており、これが issue 4744 として追跡されていることが示唆されています。

テストが壊れている状態では、CI/CDパイプラインや開発者のローカル環境でのテスト実行が失敗し、他の健全な変更の検証を妨げる可能性があります。そのため、問題が解決されるまでの間、一時的にテストを無効化することで、開発の継続性を確保し、より重要な問題に集中できるようにする措置と考えられます。

issue 4744 の具体的な内容は、公開されているGo言語のGitHubリポジトリのIssueトラッカーでは直接見つかりませんでしたが、これは当時の内部的なバグトラッキングシステムや、非常に古い、既にクローズされたIssueを参照している可能性があります。しかし、コミットメッセージから、gotyperuntime/debug パッケージ内の「有効な定数」を誤って不正と判断していたことが推測されます。

前提知識の解説

exp/gotype パッケージ

exp/gotype は、Go言語の標準ライブラリの一部として提供されていた実験的なパッケージです。その主な機能は、Goのソースコードを解析し、型情報を抽出することでした。これは、Goのコンパイラやツールチェーンが内部的に行っている型チェックのロジックを、外部から利用できるようにする試みの一つと考えられます。

型チェッカーは、プログラムがGo言語の型システム規則に準拠しているかを検証する重要なツールです。例えば、変数の型と代入される値の型が一致するか、関数呼び出しの引数の型が期待される型と一致するかなどを確認します。

Go言語のテストフレームワーク

Go言語には、標準で軽量なテストフレームワークが組み込まれています。go test コマンドを使用することで、_test.go で終わるファイル内のテスト関数(Test で始まる関数)を実行できます。テストは、コードの正確性を検証し、リファクタリングや機能追加の際に既存の機能が壊れていないことを保証するために不可欠です。

Go言語における「定数 (constant)」

Go言語における定数は、コンパイル時に値が決定され、実行中に変更できない不変の値を指します。数値、ブール値、文字列などが定数として宣言できます。定数は型を持ちますが、その型はリテラル値から推論されるか、明示的に指定されます。

「有効な定数を拒否する」という問題は、gotyperuntime/debug パッケージ内の何らかの定数定義を、Go言語の仕様に則った正しい記述であるにもかかわらず、誤って構文エラーや型エラーとして扱ってしまったことを意味します。これは、gotype の型推論や定数評価ロジックにバグがあった可能性を示唆しています。

技術的詳細

このコミットは、gotype_test.go ファイル内の tests スライスから "runtime/debug" エントリをコメントアウトすることで、runtime/debug パッケージに対する型チェックテストを無効化しています。

gotype のテストスイートは、Goの標準ライブラリの様々なパッケージを対象として型チェックを実行し、その結果が期待通りであることを検証する構造になっていたと推測されます。tests スライスは、テスト対象となるパッケージのパスのリストを保持しており、gotype はこのリストをイテレートして各パッケージを解析していたと考えられます。

// "runtime/debug", // rejects a valid constant - issue 4744 というコメントは、このテストが無効化された理由を明確に示しています。

  1. // "runtime/debug": これは、runtime/debug パッケージのテストを無効化するために、そのエントリをGoのコメント構文 (//) で囲んだものです。これにより、gotype のテスト実行時にこのパッケージがスキップされるようになります。
  2. // rejects a valid constant: 無効化の具体的な理由です。gotyperuntime/debug パッケージ内の「有効な定数」を誤って不正なものとして扱ってしまったことを示しています。これは、gotype のパーサー、型チェッカー、または定数評価ロジックに問題があったことを意味します。
  3. issue 4744: この問題が、当時のGoプロジェクトのバグトラッキングシステムで issue 4744 として記録されていたことを示唆しています。

この変更は、根本的な問題を解決するものではなく、あくまで一時的な回避策です。gotyperuntime/debug パッケージを正しく解析できるようになるには、gotype 自体のバグ修正が必要となります。

コアとなるコードの変更箇所

--- a/src/pkg/exp/gotype/gotype_test.go
+++ b/src/pkg/exp/gotype/gotype_test.go
@@ -181,7 +181,7 @@ var tests = []string{
 
 	// "runtime",
 	"runtime/cgo",
-\t"runtime/debug",
+\t// "runtime/debug", // rejects a valid constant - issue 4744
 \t"runtime/pprof",
 
 \t"sort",

コアとなるコードの解説

変更は src/pkg/exp/gotype/gotype_test.go ファイルの184行目付近にあります。

元のコードでは、tests という文字列スライスの中に "runtime/debug" というエントリが含まれていました。これは、gotype のテストスイートが runtime/debug パッケージを解析対象としていたことを意味します。

変更後のコードでは、この行の先頭に // が追加され、行全体がコメントアウトされています。これにより、Goコンパイラはこの行をコードとして認識せず、tests スライスには "runtime/debug" が含まれなくなります。結果として、gotype のテスト実行時に runtime/debug パッケージの解析がスキップされるようになります。

コメントアウトされた行の末尾に追記された // rejects a valid constant - issue 4744 は、この変更の理由を開発者向けに明示しています。

関連リンク

参考にした情報源リンク

  • コミット情報: /home/orange/Project/comemo/commit_data/15106.txt
  • GitHubコミットページ: https://github.com/golang/go/commit/e87cc3dc5b3bbfeb018744902516e5684ca31a7f
  • Go言語のIssue 4744に関するWeb検索結果 (関連性なし): 以前の検索で、golang/go リポジトリのIssue 4744は直接見つからず、別のプロジェクトのIssueがヒットしました。これは、当時のGoプロジェクトのIssueトラッカーが現在のGitHubとは異なるか、非常に古いIssueである可能性を示唆しています。